元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

対馬へ観光に行ってきた。

2023-10-01 06:10:38 | その他
 先日、長崎県の対馬に行ってきた。ここには過去2回訪れているが、いずれも仕事案件(具体的には、工事現場の視察)である。今回は純粋に観光のために嫁御連れで足を運んでみた。そのため、比較的ゆっくりと各スポットを見て回れた。厳原町にある対馬藩主宗家の墓所である万松院(ばんしょういん)は前回は時間が無くて本堂付近しか見学していなかったが、今回は墓石や樹齢1200年と言われる大杉がある奥の院まで進むことが出来た。

 対馬藩の藩船が使用した船着き場の跡や、烏帽子岳展望台、海中にそびえる鳥居が有名な和多都美神社、上見坂展望台、殿崎にある日露友好の丘などにも行ってみたが、改めてこの島には観光スポットが少なくないことを実感した。しかし、地元側のPR不足のせいか、他の九州の観光地に比べれば知名度がイマイチなのは残念だ。



 その代わり、韓国からの観光客は多い。一時はコロナの影響で減少していたが、最近は回復しているようだ。釜山からの船が北部の比田勝港に着く時間帯をあえて避けた日程を採用したので、団体客と遭遇することは無かったが、それでも韓国人を多数乗せている観光バスと何回かすれ違った。地元の人の話によると、韓国人客が当地にもたらす経済効果は年間95億円にも達するそうで、今や無くてはならない“収入源”になっているとのこと。対馬は平地が少なく農産物の収穫はさほど期待できない。そのためこの島は大昔から半島や大陸との交易が経済を支えてきている。

 さて、対馬に関するニュースで最近耳目を集めているのが、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を作るのどうのというネタだ。こういう話になると、条件反射的に政府当局側の主張を前面に押し立てて“受け入れて当然だ!”と言い切る右傾の人たちが湧いてくるみたいだが(苦笑)、地方には地方の“事情”があることを少しは知るべきだろう。



 断っておくが、私はこの問題について言及する資格も知識も持ち合わせていない。ただ、沖縄もそうだけど、こういう“国境の島”には本土(特に首都圏)の論理だけでは割り切れないものがあるのは確かだ。

 なお、毎度のことながら対馬で獲れる海産物は絶品である。機会があれば、また行きたいと思う。
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世界水泳を観戦した。

2023-07-28 06:09:16 | その他
 7月14日から福岡市博多区沖浜町にあるコンサートホール・コンベンションセンター、マリンメッセ福岡で開催された第20回世界水泳選手権大会に足を運んでみた。ただし、正直言って個人的にはこの競技にはあまり興味は無い。しかし、スポーツ好きの嫁御が先行してチケットをゲットしたので、付き合った次第だ(苦笑)。



 もっとも、観られたのは午前中おこなわれた予選だけである。夕刻から実施される決勝は別チケットになるらしく、予選終了後は観客は“入れ替え”になるとか。座席は指定できず、どのポジションになるかは事前には分からない。それでも、入退場する選手の顔が十分拝める位置に腰掛けられたのはラッキーだったかもしれない。池江璃花子や大橋悠依といった、門外漢の私でも名前を知っている選手もちゃんと認識できた。

 ただし、マリンメッセ福岡は市の中心から離れた場所にあり、炎天下に移動するのはかなり堪える。また、大会のスポンサーになっている飲料メーカー以外のドリンクを持ち込もうとすると、無理矢理にラベルを引き剝がされたのには驚いた。まあ、お金を出してくれるところの意向は主催側としても優遇せざるを得ないということか。



 福岡市でこの大会が開かれるのは今回で2回目だ。前回は2001年で、その時は選手と思われる並外れて体格が良い者たちが繁華街をウロウロしていたのを思い出す(今回は会場近辺を除けばそれほど目立たない)。そういえば2001年の大会期間中には市内中央区にあるシティホテルには、大きなロシアの国旗が掲げられていた。選手の宿泊先であることは明らかだったが、今大会ではロシア及びベラルーシは不参加だ。昨今の世界情勢では両国がスポーツの国際大会に出場するのは無理であり、早期の解決が望まれるところである。
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ミュシャ展に行ってきた。

2023-05-12 06:07:51 | その他
 4月8日から福岡市中央区大濠公園の福岡市美術館で開催されているミュシャ展に行ってきた。アール・ヌーヴォーの代表的な画家として知られるアルフォンス・ミュシャの作品を集めたもので、チェコ在住でミュシャ本人とも交流があったズデニェク・チマル博士のコレクションが主に展示されていた。



 ミュシャの展覧会は過去に開催された際も足を運んだことがあるが、作品や作風自体に関してはここで素人の私があえてコメントする必要は無いだろう。ただ今回の美術展で面白いと思ったのは、すべての展示物が写真撮影可能であったことだ(ただし、フラッシュ使用や動画撮影は不可)。普通、美術展というものは作者あるいは作品の保有者による権利が厳格に定められており、入場者が勝手に写真を撮ることはNGであるはずだが、このミュシャ展に限ってどういう経緯で撮影可の運びになったのかは分からない。

 とはいえ、SNSが普及した昨今では、この施策は“インスタ映え”などを優先的に考える入場者を集めたことは間違いないようで、実際写真を撮りまくっている観覧者が目立った。今後も(権利問題さえクリア出来れば)このような趣向の美術展も増えるのかもしれない。
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久しぶりにサッカーの試合を観戦した。

2023-05-05 06:05:37 | その他
去る5月3日に、福岡市博多区の東平尾公園内にある博多の森球技場(ベスト電器スタジアム)にて、サッカーの試合を観戦した。対戦カードはホームのアビスパ福岡とFC東京である。連休中でもあり客の入りは好調で、入場者数は1万人を超えた。

 Jリーグのゲームを観るのは、何と5年ぶりだ。前回から“個人的な事情”やらコロナ禍やらが続けざまに起こり、スポーツ観戦とは縁の無い日々を送っていたのだが、コロナも(一応は)落ち着きを見せたこともあり、先月のドームでの野球観戦に続いて最近やっと競技場に足を運ぶ気になった次第だ。



 しばらくアビスパの試合を観ていないうちに、いつの間にかJ1に昇格しており、しかもこの時点で一桁の順位に付けている。また、知らない間にオフィシャルチアリーダーズも結成されていて、試合の盛り上げに一役買っている。昔は下位が指定席みたいなチームだったが、いろいろと改善の手立てを講じているようだ。

 試合展開はキックオフから一進一退で両チームとも力は互角かと思わせたが、アビスパの方がディフェンスに勝り、危なげなシーンが少なかった。双方無得点のまま前半を終えるが、後半に入るとジリジリとアビスパが押し気味になり、後半27分にフォワードの山岸祐也が相手ゴールのネットを揺らし、これが決勝点になった。結果5位に浮上ということで、今後も活躍を望みたい。



 余談だが、フード類を売るショップが現金を扱わないことを知り、いささか面食らった。何でもこれは2022年のシーズンから決まった話らしい(とはいえ、スタジアム外の屋台形式の店ではどうなのかは分からない)。いずれにしろセキュリティ上ではキャッシュレスは望ましいとは思うが、現金払いがデフォルトの年配層(笑)にはどう映るのか気になるところである。
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プロ野球の開幕戦に行ってきた。

2023-04-07 06:20:45 | その他
 去る3月31日、福岡PayPayドームにプロ野球観戦に行ってきた。対戦カードは福岡ソフトバンクホークスvs千葉ロッテマリーンズで、今シーズンの開幕試合だ。私は開幕戦を実際観るのは初めてで、予想していたとはいえ客席は満員御礼で通路も人で溢れんばかり。この球場は飲食物の持ち込みは禁止されているので、球場内の売店で調達しなければならないが、弁当を買うだけで長時間要したのには閉口した(まあ、仕方ないんだけどね ^^;)。でも、弁当自体はけっこう高価。もうちょっと安くしてほしい。



 始球式は“なにわ男子”の西畑大吾がつとめ、ノーバウンドの投球で観客を沸かせた。試合はホークスの先発の大関が良いピッチングをして、中盤は栗原の本塁打などで点を重ね、結果として快勝。地元ファンを大いに喜ばせた。昨年(2022年)はあと一歩のところで優勝を逃したが、今年は頑張ってもらいたい。

 2023年は球団創設85周年で、ドーム開業30周年に当たるらしい。そういえば、初めてこのドーム球場に仲間と徒党を組んで観戦したのは30年も前になる。あの頃はホークスは全然強くなく、客もそんなに入っていなかったと記憶しているが、今では隔世の感がある。



 なお、開幕記念として入場者全員にグッズが手渡された。帰宅後に中を確かめてみると、ガラス製の置物で、ドームの画像が中に刻印されている。決して安価なシロモノではないと思うのだが、これを大量に供給できたというのはさすが金回りの良い球団だけのことはある。ともあれ、今シーズンは機会があればまた試合に足を運びたい。
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ドラマ「全裸監督」シーズン2

2021-10-23 06:56:52 | その他

 2021年6月より配信されたNetflixオリジナルシリーズ(全8話)。アダルト業界の風雲児と呼ばれた村西とおるの半生を描いた、2019年8月より配信されたシーズン1の続編だ。物語は、まだバブルの余韻が充満していた1990年から始まる。

 製作するアダルトビデオがことごとくヒットし、飛ぶ鳥を落とす勢いの村西だったが、盟友の川田とはケンカ別れしてしまい新たな会社を立ち上げる。彼はやがて衛星放送に興味を持つようになり、放映権を獲得するため手段を選ばぬ攻勢に出て、目的を達成。しかし、バブル崩壊の影響は大きく、村西の事業は赤字が拡大し。絶体絶命の窮地に陥る。

 前回が“成り上がり編”だとすると、今回は“転落編”だ。しかし、村西は今でも元気であることは周知の事実なので、結末は分かっている。ならば、どういう語り口で見せるかというのが焦点になるが、これがまさに波瀾万丈で上手くいっていると思う。総監督の武正晴の仕事は的確だ。

 人間、落ちぶれたときにこそ真の姿が露わになっていくものだが、本シリーズでは前作であれほど怖い物知らずだった村西が、時代の流れには勝てずに自暴自棄になっていく様子が容赦なく描かれる。落ち度は自分にあるにも関わらず、仲間を売り、会社を私物化する。周囲にいた人間は次々に村西のもとから去り、ついには盗難騒ぎに巻き込まれて一文無しだ。

 だが、どんなに悪い面が出ても、彼のエロに対する情熱と飄々とした持ち味は損なわれない。確実に世の中に一石を投じた業績は、ギリギリのところで彼を破滅の淵から救ったとも言える。また、村西を捨てきれない側近たちの心情も上手く掬い取られており、時制が94年に飛ぶラスト近くの処理も違和感が無い。

 主演の山田孝之は相変わらずの怪演で、アクの強さに“引いて”しまうこともあるが(笑)、目覚ましい求心力を発揮している。満島真之介に玉山鉄二、柄本時生、伊藤沙莉、リリー・フランキー、森田望智、國村隼、冨手麻妙といった前回から引き続き登板する面子をはじめ、宮沢りえや石橋蓮司、伊原剛志、吉田栄作、西内まりや、室井滋といった多彩な顔ぶれが場を盛り上げる。そして、村西のパートナーとなる乃木真梨子に扮した恒松祐里の健闘も光る。Netflixらしいカネの掛かったセットや海外ロケ等、ドラマの“外観”も見逃せない。
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“塩分を控えろ!”というお達し(笑)。

2021-10-16 06:20:55 | その他
 数ヶ月前、職場の健康診断で医者から“塩分は必ず控えること!”という厳命が下された(笑)。まあ、これは私に限らず、誰しもトシを取ってくると塩分の過剰摂取に対してアラームが出されるものだ。塩分を多量に取ると血圧が高くなり、脳卒中などの脳血管障害の引き金になる。また、心臓をはじめ内臓にも悪影響をもたらす。つまりは健康に良いことなんか一つも無い。

 しかしながら、塩気の多い料理は口当たりがよろしい。御飯がどんどん進む。そんな簡単に辞められるかよ・・・・と思ったのだが、先方からは“漫然と構えていると、絶対に長生きは出来ませんよ!”という、半ば“脅し”に近いようなアドバイスをいただいた手前、こちらとしても対応せざるを得なくなったのだ。

 で、嫁御の協力も得て次の日から家での食事は減塩メニューに総入れ替え。外食する際も、塩分が多そうなものはなるべく避けるようにした。正直言って、最初は塩気の少ない料理は物足りなく感じたものだ。もっとも、塩はNGだがスパイスはOKらしいので、塩気の足りない分は(適度な量の)胡椒や唐辛子でカバーするという方法も採用。そうやって一ヶ月過ぎた頃には、何とか減塩メニューにも慣れてきた。

 ところが、そんなある日、さる筋(?)から回ってきたスナック菓子を何気なく口にしたところ、本当にびっくりした。何とまあ、スナック菓子というのは塩分が多いのだろうか。口に入れた途端、あまりの塩気に舌が痺れてきて、次に頭痛を催してしまった。以前はビールを飲みながらポテトチップスを軽く一袋平らげていたのだが、これからは出来そうも無い。

 スナック菓子だけではなく、外食での料理の塩分にも敏感になってきた。それまで昼休みに平然と食していたうどんや蕎麦、炒め物などに多量の塩が投入されていたことが分かる。当然のことながら、醤油がメインの味付けになる料理の塩気にも気を遣う。何でも、醤油はポン酢や出汁割りで代用出来るとのことなので、今後はその方向で料理をチョイスしていきたい。

 そして、医者が言うところの“もっとも健康に悪い料理”というのは、ラーメンらしい。確かに、あれは塩と脂質のかたまりである(だから美味かったのだが ^^;)。豚骨ラーメンに替え玉追加で汁まで飲み干すというのは、いかにも身体に悪そうだ。よって今は、塩分過多の濃厚味付けのラーメンに手を出そうとは思わない。

 そして、考えてみれば塩味の代用になるものは柚や青じそ、みょうが、にんにく、しょうが、山椒、ハーブと、スパイス類以外にもけっこうあるのだ。塩気一辺倒の味付けよりも、テイストの奥行き(?)が大きくなるとも言える。これからもせいぜい気を付けて減塩路線を邁進しつつ、次期の健康診断を待つとしよう(まあ、医者からまた同じことを言われるかもしれないが ^^;)。
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IMSビルが閉館。

2021-09-03 06:24:00 | その他
 去る2021年8月31日、福岡市中央区天神にある14階建てのファッションビル、IMS(イムズ)ビルが閉館した。今後建物は解体され、2022年度から再開発されるという。同ビルが開館したのは89年4月で、当時はバブルの全盛期。同年開館したソラリアプラザとユーテクプラザ(現:天神LOFT)と並び、“福岡三大ビル”と呼ばれたこともあった。

 IMSは金色に輝く外観と、大きな吹き抜けが異彩を放ち、天神地区の新名所と言われたものだ。テナントも個性的なショップが集まっていたが、何といっても目立っていたのが4階の自動車展示場だ。日産とスバル、トヨタに三菱といったメーカーの新車を中心としたラインナップがフロアに置かれていて、入場客は自由に触ることが出来た。しかも、そこでは販売は行われず、あくまでメーカーの情報発信に徹していたことが、いかにも景気が良かった頃を想起させる。そして自動車が搬入されるのが真夜中で、運が良ければその様子を見ることが出来た。



 8階のギャラリー“三菱地所アルティアム”も興味深い施設だったが、それよりも印象的だったのが、9階のIMSホールである。珍しい演劇専門のシアターだったが、時として別のイベントも実施されていた、思い出されるのが95年に開催された“映画誕生100年”を記念した上映会である。ポピュラーな映画を観せてくれるのかと思ったら大間違いで、実験映画を含めたマニアックなラインナップで、とても驚いたものだ。

 12階から14階は回廊型の飲食フロアだったが、職場の食事会や仲間内の宴会によく使わせてもらった。レストラン自体はかなり入れ替わったが、キリンビールのビアホールだけは開館時から最後まで継続して営業していたのは大したものだと思った(途中で店名が変更にはなったが ^^;)。



 IMSビルをはじめとする、バブル時のモニュメントは次々と姿を消しつつある。オシャレなパブやレストランが多数入居していたビルが軒を連ねていた天神西通りは、今ではファストファッションの店ばかりが目立つ。赤坂けやき通りに並んでいた高級ブティックも姿を消した。

 IMSなど多くのビル建て替えを狙った“天神ビッグバン”や、博多区のJR博多駅近辺で展開する“博多コネクテッド”といった施策が最終的にどのような形態になるのかは、まだ明確ではない。ただ、現時点ではオフィスビルや高級ホテルが中核になると報道されている。これは福岡市が慢性的にオフィスとホテルが不足していることが背景にあるが、コロナ禍による総需要低下でそれらが功を奏するかどうかは分からない。とにかく、時代は変わってゆく。昔の郷愁に浸っているヒマは無いようだ。
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ドラマ「全裸監督」

2021-06-27 06:34:55 | その他

 2019年8月より配信されたNetflixオリジナルシリーズ(全8話)。かなり評判が良いので見てみたが、すっかり楽しませてもらった。各回で演出者が違うこともあり、クォリティが平準化しているとは言い難いが、それでも題材の面白さとキャストの存在感により、見ていて飽きない。

 80年代初頭、北海道で英会話教材のセールスマンをしていた村西とおるは、クセの強い性格も相まって全然成績を上げられなかった。そこで社内トップの先輩から直々に教えを請うたところ、見事にブレイク。売り上げ一位にまで上り詰める。しかし、あえなく会社は倒産。尻の軽い妻とも別れて路頭に迷っていたところ、ひょんなことからビニール本のブローカーである荒井トシと知り合う。ビニ本製作に乗り出した村西はこれを成功させ、やがて当時は黎明期だったアダルトビデオを手掛けるようになる。アダルト業界の風雲児と呼ばれた村西とおるの半生を描いた、本橋信宏の「全裸監督 村西とおる伝」の映像化だ。

 とにかく、村西のキャラクター造型には圧倒される。彼には“迷い”というものが無い。とにかく、エロで世界を変えるのだ、皆が見たいものを見せるのだという、ある種“崇高な”使命感に突き動かされている。一切の妥協を許さず、逮捕されようが同業他社の妨害に遭おうが、まったく怯まない。

 それでいて、ビデオの演者たちに肉迫する姿勢は、理想的な映像クリエーターとしてのテイストも感じられ、見ていて実に気持ち良いのである。斯様な真っ直ぐな人間と対比するかのように、ワイセツ描写に及び腰な当局側や世間の風潮の滑稽さを浮き彫りにしている点もアッパレで、見事なアンチヒーロー物たり得ている。

 総監督は武正晴で、他に河合勇人や内田英治らディレクターが各回を担当しているが、出来にはバラつきがあり、余計なエピソードも存在する。そして終盤には展開が駆け足になったことは否めない。だがそれでも、ギャグとシリアスとセクシーを絶妙にブレンドさせた本作の求心力には瞠目せざるを得ない。

 主演の山田孝之は超怪演で、この無手勝流のキャラクター像は、彼の代表的なキャリアになることは間違いない。満島真之介に玉山鉄二、柄本時生、伊藤沙莉、リリー・フランキー、石橋凌、國村隼、冨手麻妙といった他の面子も持ち味を発揮。そして凄いのが黒木香を演じた森田望智で、まさに“本職”顔負けの思い切ったパフォーマンスに驚くばかりだ。通常の民放ドラマとは違う、Netflixらしいカネの掛かったセット、さらには海外ロケまで敢行している。もちろん、シーズン2もしっかりチェックする予定である(笑)。
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プロ野球セ・リーグの“マイナーリーグ化”を防ぐ方法。

2020-11-28 06:52:06 | その他
 去る2020年11月25日に、福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズでセ・リーグ覇者のジャイアンツを4連勝で退け、パ・リーグ球団として初の4連覇を飾った。今年はコロナ禍の関係で優勝パレードは行われないのが残念だが、地元の球団がこれだけ活躍してくれるのは、あまりスポーツには興味はない私にとっても実にうれしいことだ(優勝セールという特典も付いてくるし ^^;)。

 さて、シリーズの内容はまさに一方的で、同じく4連勝だった前年と比べても、圧倒的な力の差があったと言わざるを得ない。しかもジャイアンツは2位以下の球団を寄せ付けずにリーグ優勝したにも関わらずである。すでにマスコミ等では両リーグの“格の違い”が指摘されている。この10年間で日本シリーズをセ・リーグのチームが制したのは1回だけ。ここ20年間でも5回しかなく、都合により本年度は実施されなかった交流戦でも、過去の成績ではセ・リーグはパ・リーグの後塵を拝している。

 セ・リーグが弱いのはDH制が無いからだとか、狭い球場が多いだとか、いろいろと言われているが、たとえDH制を採用して各球場をリニューアルしようとも、はたまたクライマックス・シリーズをセパ混合にしたとしても、状況はあまり変わらないと思う。ちなみにMLBもア・リーグとナ・リーグではDH制の有無があるが、ワールドシリーズではここ20年間両リーグがほぼ半数ずつ優勝数を分け合っている。

 セ・リーグが弱い理由というのは、ズバリ言って巨人の存在だと思う。

 今回の日本シリーズの期間中に、巨人の某コーチが“ジャイアンツというネームを背負っているわけだから。すごく歴史の古いチームでやっているわけだから”というコメントを発したらしいが、指導者がそういうセリフを吐ける環境が存在すること自体が問題なのだ。今どき、ネームだのプライドだの伝統的な球団だのと言い募ってみても、そんなのは選手にプレッシャーをかけるだけで何もならない。他の11球団では、たぶんあり得ない事態だろう。

 確かに、ジャイアンツは歴史の古い球団だ。しかし“歴史”や“伝統”では勝てない。また、よく4番打者を“第何代目”と呼ぶが、そんなどうでもいい言い方が罷り通ってしまうのが、この球団の特異性をあらわしている。そして巨人の親会社は全国紙だ。傘下のテレビ局とのメディアミックスにより、昔から高い人気を誇ってきたし、今でも観客動員数は上位であるし、マスコミのヨイショも横行している。

 だが、この“黙っていても客が入る球団”を抱えているリーグは、他球団の自助努力を阻害する。いくら野球人気が衰えたといっても、巨人戦は他の5球団にとってドル箱だ。しかも、巨人はその実力が陰りを見せたとしても、同一リーグからめぼしい人材をかき集めて“球界の盟主”たる比較優位を保とうとする。

 対してパ・リーグには“球界の盟主”なんてものは存在しない。いくらホークスが強いといっても、地方球団にすぎない。元々は30数年前に大阪から馴染みのない九州の地にやってきて、ゼロからチームを作り上げてきたのだ。他の5球団も同様で、プレー内容と営業努力に手を抜けば、客は入らない。相手がホークスでも、力一杯ぶつかっていかなければ、ファンは納得しない。ひとつのチームに依存しているセ・リーグとは、次元が違うのだ。

 これは無理な注文だが、巨人が無くなるか、あるいは東京を離れて地方で出直すかしなければ、セ・リーグの根本的な浮上は覚束ないだろう。

 巷ではセ・リーグのことを“セカンド・リーグ”だの“J2”だのと揶揄する向きもあるらしいが、このままではセ・リーグのマイナーリーグ化は避けられない。別に巨人が沈もうがどうしようが興味はないが、巨人が弱くなるとリーグ全体が左前になる図式は愉快になれない。一方、もしもホークスが弱くなるようなことがあっても、パ・リーグのレベルが落ちるとは考えにくい。ホークスを凌駕する別チームが台頭するだけだ。セパ両リーグの格差は、すでに構造的なものになっている。いずれにせよ、日本シリーズがワンサイドゲームの連続になり、興趣を削ぐようなことは願い下げだ。
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