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映画「チルソクの夏」は永遠です♪

「出口のない海」

2006-09-16 21:47:32 | 佐々部清監督
呼吸困難・・ただ、スクリーンを観ているだけのはずなのに、まるで自分もその潜水艇の中にいるような、息ができなくて、苦しい。酸素をください!
最初から、そんな状態になりながら、映画が終わったあとも、苦しくて席を立つことができず、「出口のない海」って、一体何?監督助けてください!私は頭を抱えて、叫びそうになりました。

観に行くまでは、どれほど泣いてしまうのか・・?とか、そんなことを考えていましたが、泣くとかそういうレベルではなかった・・こんなに胸が苦しい現状を、どう表したらよいのか、言葉がみつかりません。
夢とか、希望とか、人が「生きて」いく上で、それらがどれほど大切なものなのか。
それらを思えなくなったとき、人は「生きて」いけるのでしょうか。

海の底、静かにただ流されていくかのように潜んでいる潜水艇。まるで「海」と同化しているかのような。その静けさの中の、不気味な恐怖。そして、あの回天の中の閉塞感。おどろおどろしい何本ものコードや計器。ぞくぞくっときて、映画館の中の暗闇が怖くてたまりませんでした。

並木さんが命を掛けてまで伝えたかった「事実と気持ち」。
それらは、今こうして、映画となって私たちに伝えられようとしています。61年後の私たちに。
そして、未来の私たちにも。


大切な人からもらった、宝物の前売り券。初日はこれで行きました。
●TBがうまくいかないので貼り付けますね●【映画】出口のない海


佐々部清監督講演会「人が映画をつくる、映画が人をつくる」

2006-09-15 23:11:05 | 佐々部清監督
県周南総合庁舎さくらホールにて、佐々部監督の講演会がありました。
仕事中抜け出して、自転車を飛ばして会場へ向かいました。
1時間ということでしたが、本当にあっという間で・・
「出口のない海」のいろんなエピソードも聞けましたよ。


            会場で配布された「山口県ロケ地MAP」です
導入部の潜水艦のシーンでも、ワンカットにこだわったこと(カット直前の某俳優さんの台詞がかんでしまったこと。また、結局このシーンの撮影には6時間かかったこと)や、また爆撃を受けて潜水艦が揺れるところは、機械ではなく人の手で息を合わせて「せ~の」で動かしたことなど。
30メートルもの長さのセットを、30人くらいのスタッフで、そこにいるみんなで押したそうです。その場にいた俳優さんたちのマネージャーさんなども入られて。
現場のみんなが一丸となって造り上げたもの、その想いが、やはり観ている側にも確実に伝わるものだと思います。

そして、海岸のシーン、白い砂浜が広がっています。
本当は昆布がたくさん上がってきて、みんなで毎朝1時間以上かけて拾い集めていたそうです。
海老蔵さんも、監督も、みんな昆布を拾ったそうです。(すごい!)
トップが動けば、何も言わなくてもみんなに通じますよね。

また、高倉健さんとの思い出もお話くださいました。
「ホタル」という映画で助監督をされたときのこと。この映画、高倉健さんが「やっぱりできない」と言われたのに、その心を動かしたのが佐々部監督はじめ、スタッフの心だったことを。
そして、そのときのことを見ていてくれた人が、映画の神様の目を監督に向けさせてくれたこと。
「一生懸命やっている人は、誰かが見ている。さぼっている人は、みんなが見ている。」監督のその言葉は、まさに今の私への言葉だと思いました。
私も仕事で、この2年間新しいプロジェクトに参加して、自分なりに一生懸命やってきたつもりでしたが、給料や待遇など全く評価されず、がっかりしていたのです。おまけに、そのプロジェクトが解散したあとは、全くやったことのない仕事に回されて・・実は、やる気をなくしていました。仕事を辞めるんじゃないかとか、みんなが噂しているらしく、それもやる気をなくした要因のひとつでした。
でも、やっぱり、自分で選んだ仕事だもの、一生懸命にやらないでどうしようと言うのでしょう。前に進めるわけないですよね。

また、一生懸命なひとは、お化粧なんかしてなくても美しいと。これは助監督のさやかさんのこと?と、勝手に解釈しています。

まだまだたくさんのお話があったのですが、長くなりすぎるので、このへんで・・

実は家に帰ってから、家族にも延々1時間近く語ってしまいました。
「監督のことになったら、本当に必死だね~」と、半分あきれられてしまいました。(笑)



KRY『出口のない海~人間魚雷回天~』

2006-09-10 23:13:41 | 最近みたテレビ番組
『出口のない海~人間魚雷回天~』の特番がありました。

映画完成までの、多くの方々の思いや、また撮影のときの様子、そして監督のコメント・・この映画がどんなに素晴らしいものなのか、まだ本編を観ていない私にも、確かに伝わってきました。
(番組の内容は、ガイドDVDにも一部使われていました)

予告編を観るだけで、もう涙涙・・の私です。この土曜日にはいよいよ公開ですね。本編を観たら一体どうなるのかしら?タオルハンカチ1枚じゃ足りないですよね、きっと。
 



それでも時は流れてゆく・・

2006-09-09 14:27:04 | 日記
中谷歩さんが亡くなる事件があってからも、毎日の出来事はいつものように起きて、時はいつものように流れていっています。
でも、ため息ばかりで、なかなか日記を書く気分になれずにいました。

しかし、大変不愉快なことがあったので、今日はやっぱりこうして日記をひらいて書くことにしました。

「少年法に基づいて、基本的な情報を公開しない」という姿勢について。
それは私も理解できます。しかし、少年の服装や、どんな体つきで、どんなバイクに乗っているとか、そういう情報は指名手配になった時点で、公開すべきではないでしょうか。

逆に、本人が亡くなっていたからというだけで、急に実名・顔写真報道をするということ。これには納得がいかない。
公開するだけの理由など、今となっては、もう全くないのではないでしょうか。
私には、ただマスメディアが興味や好奇心をあおるためだけに公表したとしか思えない。不愉快に感じます。

するのならば、この少年が逃げていることが発覚した時点でするべきだった。そう思います。


実名報道をした読売新聞、日本テレビと、テレビ朝日はこんなふうに理由を述べている

**************************************************************
▽実名報道
読売新聞 容疑者が死亡し、少年の更生を図る見地で氏名などの掲載を禁じている少年法の規定の対象外になったと判断。事件の凶悪さや19歳という年齢も考慮した。

日本テレビ 男子学生が遺体で発見された段階で、少年の更生を前提に規定された61条の対象外になったと判断。事件の重大性、社会性、年齢などを総合的に検討した。

テレビ朝日 指名手配されていた少年の死亡が確認されたことで、少年法が尊重する更生、保護の機会が失われたと判断。事件の重大性もかんがみた。
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少年法が尊重する更生、保護の機会は、確かに少年が自殺した段階で失われています。
でも、それならば、今この実名と顔写真を公開するメリットはどこにあるのでしょうか?
もし本人がいまだに逃走中で、また凶悪な事件を起こす危険性が高い、というのならわかります。しかし、その可能性があるときにはそうせずに、事件を起こした本人がすでに死んでいる今、事件の凶悪さを語るのに、実名も顔写真公開も必要ないと思うのは、私だけでしょうか?

「事件の重大性、社会性、年齢などを総合的に検討」・・って、一体何をどんなふうに何と検討したのですか?今さら実名に切り替える「社会的な」必然性はどこにも見当たらないじゃないですか。

こういった実名報道をした各社は、あたかも自分たちが【社会的な利益を尊重して】実名報道に切り替えたように話していることに、怒りを感じます。

「社会的な利益」って何?今さら、少年の実名や顔写真が出て「利益」をこうむるのは誰なのですか?
人殺しの親、子どもが自殺した親、という大きな傷を負ったこの少年のご両親や家族は、実名報道されることにより、多くの心ない人からの攻撃も受けるでしょう。
彼らは嫌がらせにも近いような仕打ちを、弁解のしようもないような方法で受けて、それが世間では当たり前のことなの? 殺人を犯した子どもの親だから?

そんなこと、中谷さんたちは望んでいないと思います。そりゃあ、悔しいでしょう、恨んでも恨んでも、恨みきれないでしょう。
でも、中谷さんたちが望んでいたのは、少年が生きて、理由を話してくれて、謝ってくれることだったはず。逃げていると思われていたときに、もっと多くのひとに協力してもらえるよう、そのときに情報を公開して欲しかったはず。

少年がこういう事件を引き起こすに至った経緯はわからないけれど、生活環境や家族環境を考えたら、
育てた親に責任が100%ないわけではないんだろうとは思います。
でも同じような家庭環境、生活環境で育つ人は沢山いる。その中で、事件を起こさずに生きていく人だってやっぱり沢山いるのだから、親兄弟にその責任をかぶせて責めるのはどうかと。いや、責めることができるのは、被害者の中谷さんたちだけで、まわりの私たちがとやかくいうことではないと思います。

今さらの実名・顔写真報道がもたらすものは何かということを、自社の利益としか比べられない、情けない実名報道組のメディア各社には今回のことをもう一度よく考えてもらいたいです。
そして自社の利益のためというのが本心なのに、それをあたかも「社会のため」「事件の重要性」などといったもっともらしい言い回しで擁護するのはやめてもらいたいです。

 



ママ、私が生まれた日の空はどんな色だった?

2006-09-05 22:21:58 | 日記
KIROROの「生きてこそ」という歌大好きなんです。

 ママ、私が生まれた日の 空はどんな色?
パパ、私が生まれた日の、気持ちはどうだった?
ママ、私を始めて抱く 気持ちはどうだった?
パパ、私が生まれた日は 嬉しかった?


でも、この一週間、この曲を思い出しては涙が溢れてたまりませんでした。
日記も・・何を書いたらよいのかわからなくて。

あなたが生まれたときのことは、空の色も、風の音も、なんだって全部覚えているよ。
生まれた日のことだけじゃない、あなたが生きてきた、今日までのことも、全部全部。


親って、みんなそうだと思いませんか?



中谷さんのこと、ニュースやなんかで、たくさん流れてしまいました。悲しいことに、中にはご両親の優等生発言を悪く言うひともいます。二人のこと知らないのに、そんなこと言わないでほしい。
本当にあの二人は、素晴らしい人なんです。人の悪口とか噂話とか言ってるの、1回も聞いたことないです。あの言葉は、いつものあの二人の言葉と、なんら変っているところはないんです。

歩ちゃんも、本当に太陽のようなひとだったんです。誰から見ても。
もちろんご両親が一番よく知っていたと思いますが。小さいころから頑張り屋さんで、明るくて、優しくて、楽しくて。

大好きな中谷さんたちが、こんなことになるなんて、悲しくてたまりません。