春らしく高曇りの空に、眼下にはぼんやりと今治の方が見えています。開けているのはこちらの方だけ。もう少し展望が開ける良いんですけれどね。
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東三方ヶ森に登ってきました。松山の東側にある山なんですが、1200m越えの結構な山です。私が登り降りしてるくらいだから、結構お気楽でしょ、と思うかもしれないんですが、お気楽日帰りで行ける山としてはこれまでで一番しんどい山でした。しんどいだけではなく、かなり危ない感じ。山歩きに慣れていない人を連れて行くのは危険なルートだと思いました。慣れた人が、まだ行ってないから行くか、というくらいで、制覇するために行く山なのかな。
今回は重信川の最上流にほど近い、木地バス停に車を駐めてスタートします。バスの本数は平日で朝昼晩+αとあって5往復もあるんですね。ということは、伊予鉄の横河原駅からバスを使ってやって来て、バスを使って帰る手もあるのかもしれないなぁ。>あくまで平日のみで、土日祝日は朝の便がお休みなので難しいのです。
そんな木地バス停には9時頃到着。足回りを揃えてストレッチをしつつ、9時20分にスタート。今回のコースは、阿歌古渓谷林道~東三方ヶ森~関屋林道とつなぎます。下調べでは、どうも登山道の難易度が高そうだと言うことがちらほらと・・・安全に登れるルートで行きましょう。念のためGPSにルートを仕込んでおきます。
最初は渓谷沿いの林道を歩きますが、この渓谷は存外に綺麗ですね。ただ、しばらくすると林道はすごい勢いで標高を稼ぐので渓谷から離れてしまうのが難点。その林道も至る所で大崩壊の痕跡が見て取れます。とはいえ、現在は痕跡だけであって、特に問題もなく端まで歩いて行けそうです。途中広くなったところに札幌ナンバーの車が止まっていてびっくり。こんなところまで(ダートな林道の奥の方で転回すら厳しいところって意味で。)車で来るなんてすごい根性だなぁ。そんな林道を40分ばかり歩くと終着点についたようです。唐突に車幅がなくなって人一人が歩くのすら厳しい細い山道につながります。ホントはもっと広かったみたいだけど、ここも崩落土砂が埋めてしまったみたい。
そこから少し下ると(かなり幅が狭くておっかなびっくりでしたが)河原に出ました。恐ろしく澄んだ水が流れています。そんな水に見とれている余裕は実はなくて、どこに行っていいかわからないわ状態。河原なので踏み跡がそもそも存在せず。うーん、困りました。GPSに仕込んだルートを頼りに上流へと少し歩きます。すると、竹藪に出くわし、念願の東三方ヶ森への案内をみつけました。このルート初の案内です。下調べではもっと案内があるように思えましたが、すべて崩落や土砂崩れに巻き込まれたかで痕跡も残されていないようですね。ここまで通過してきた杉林にも大量の土砂が流れ込んでいましたし。
して、この竹藪が実質のスタート地点と言えるみたいで。渓谷から離れるように、いきなりの急登(っていうか、崩落した土砂の上・・・)です。容赦なく斜面をストレートに登ります。多少ジグザグに行って欲しいよな・・・。ガシガシ標高を稼ぎ、途中休憩を挟みつつピークに到着。ふぅ、ひとつめ。河原からは一時間ばかり登ってますね。ここまでにGPSのルートを3回も確認しています。そうしないと、かなりの確率でルートをロストできそうな場所が2カ所ありました。メインの踏み跡は山頂方向とは別の明後日の方向に伸びていて、そちらも木々の枝にピンクリボン付き。しかもそちらの方がより登っていそうで・・・。これは困るよなぁ。GPS万歳。
さて、ここからは小刻みにアップダウンを繰り返すみたいです。のっけから道は途切れ、下方の岩肌にあるかなきかの道がついている程度で、その細々としたまま次のピークへと続いているようです。というか、これって崖って言わない?苦労しつつ下って、笹に覆われたほとんどよくわからない道を苦労しつつ登って、そして第2のピーク。さらに道は2方向へと下っているようですね。ってか、このピークって周囲から切り立ちすぎな感じが・・・(^^; ここが山頂で良いんじゃないかなぁ・・・。はっ、これがかの有名な偽ピークですか?慌てて北側の林の合間から遠くに山頂とおぼしき姿が見えますね。あちらの方が少し高いのかな、やっぱり。ということは、また下りですか・・・。しかし今回は、少しフラットなところから急に道が途切れているようにも・・・。
うん?
・・・、こ、これは・・・。
別に左右方向に圧縮しているわけじゃないんですよ。やせ尾根もここまで行けば・・・。道理で道は稜線しか通っていないわけです。ピークを巻きたくても巻けませんね、これでは。左右は落下しかありません。しかもここは、真ん中も木が茂っていて道をふさいでいるようです・・・。まぁ、木に足をかけていくんですが。
このあとさらに数回アップダウンを繰り返しますが、崖下り、崖登りの様相を呈します。しかも、脆くて崩れやすくて狭い。ヒジョーに、怖い。これはちょっとつらいなぁ。泣きそうだなぁ・・・。
そんなこんなで最後のピークとおぼしきところをクリアし、最後の登り(これもまた異様に細い・・・)をじっくり登っていきます。お、上になんか石柱と案内っぽいものが。三角点かな?
「東三方ヶ森 →」
かなりがっくり来ますね。でも、ここからは30mで山頂に到着できます。しかもアップダウンはほぼなし。がっかり感はすぐに達成感に取って代わりますね。ちょうどお昼でしたのでゆっくりお弁当タイムです。
30分ばかり休憩し、下山を開始します。先ほど偽ピークを過ぎて・・・。なにやら木っ端が飛び散っていますが、こんなところで伐採でもしていたんでしょうかね?
これは、何をどうやったらこうなるんでしょうか?木が真ん中から裂けていますよ?(特に右側)。しかも、刃物を使っている形跡がありません。うーむ・・・。水分が凍って膨張して中から弾けた、とか?そこまで寒かったか?・・・ちょっと冷たかったか。でもこんなことになるほど冷たかったかと言われると・・・。
気を取り直して下山を再開・・・するも、いきなり分岐。大きな道と笹に覆われたかろうじて道とわかる程度の道。行きたいのは関屋林道方面。大きな道は、明らかに違う方向へ伸びています。よくよく見ると赤のビニールテープで大きな道とは違う方向へ向いた矢印がありました。GPSのルートを確認し、矢印が正解と判断。今日はきちんとトレースをしておいて良かった・・・。>ここで間違えると尾根の反対側へ行ってしまい、戻るのも相当難儀してしまいます。
ここからの下りは気を遣うものの先ほどの細かいピークのアップダウンほどは怖くはなく。>一部そういうところもあったけれど。サクサクと降りていき4等三角点に到着。ちょうど良いからと休憩。GPSはまだ1061mとか表示しています。まだまだ全然下れていないのね。30分だもんなぁ。
しかし下りはここからが本領を発揮します。容赦なく稜線の尾根を直滑降していくのでありました。そう、何度も滑り落ちる羽目に・・・(ーー; 岩場が少なく砂がちの急斜面に細々と道がついているんですが、いかんせん稜線に沿ってまっすぐ。多少なりともジグザグになっていてくれると助かるんだけどそれすらもなく、それこそホントに直滑降。体重のかけ方を間違えてしまうと簡単にずざざざざ・・・・・。勘弁して欲しいよね。それ以上に、道がよくわかりません。何度か調子に乗って下っていると、道が藪の中に突っ込み、うん?という事態に。しかも、稜線が分岐していてどちらにも下れるような道がついています。下手しなくても道を間違えそうですね。その都度GPSでルート確認。GPS万歳。ってかこりゃホントに何にもなしだと迷うよね。
下りはじめてから80分ほどで登山口に到着。っつーか、逆から見たら全く登山口に見えません。案内がなければここから登ろうという気にはなりませんねぇ。あたりを見回すと、林道に軽トラが駐まっていました。こんなところまで車で来るんだねぇ、すごいねぇ。ここからは林道歩きになるので、河原で顔を洗ってリフレッシュです。>というか滑ったときに少しすりむいたりして、ちょっとケガをしていたってこともあるんだけど。
そうしていると釣り竿を持った人が歩いてきました。どうやら軽トラの人のようです。なんてタイミングで人に会うんだろ。「釣りかい?」と声をかけられたので、「山を下ってきたところです」と返答。2~3やりとりをして「木地のバス停から上がったんですよ」というと「今朝方、滑落した人を病院に運んだんだよ。あっちの筋に降りてきたみたいだけど、道に迷って崖を降りる羽目になったらしくてね。車が一台あったでしょ」と、さらっと恐ろしいことを言っていました。車が一台・・・、あの札幌ナンバーの?あれま。やっぱり迷いやすいところみたいですね。このあたりってやせ尾根の集合体みたいなところだから、道を間違って下ると崖に出てにっちもさっちもいかなくなるんだろうねぇ。
して、それではとお別れして、林道をくだ・・・らず、登ります。あれー、おかしいなぁ。最初こそ林道を下ったのですが、すぐに登りに転じてしまい、さらにしばらくは登りが続きました。何でまたここで標高を稼ぐことになるんだろ。でもま、山桜が綺麗だったのでよしとしますかね。
ここからはずっと林道歩き。結構距離があるはず。先ほど出会った方にも「まだまだ相当あるよ」と言われていたので、覚悟はできていたつもりだったんですが、まさかこれほどとは・・・。90分かけて下ることに。川の水はやっぱり綺麗でしたね。
林道の途中に「この先沈下橋あり」とあったんですが、橋ではなく簡易舗装の林道をそのまま水没させていました。車はいいけど歩行者はどーすんねん・・・。(ーー; 水深は5cmほど。幅は20mほどなのと10mほどなのとの2カ所。これは濡れずに行けないではないですか。道から外れたところに石を積んで、飛び石的にクリアしましたが、これはいただけないなぁ・・・。普段はこんなに水量はないのかなぁ?
車に戻ったのは15時を回っていました。うーむ、予定よりかなりかかってるな・・・。ま、しょうがないよね。ということで、車でゆっくりして温泉へ。今日は久米之癒に向かいました。450円で結構リーズナブル。石けん&シャンプー付きなので、タオルだけでOK。難点は、住宅地のど真ん中なので道路が狭いこと。駐車場は広いんだけど、アクセス道路が狭いこと。これだけかな。のんびり体を伸ばして暖まって帰りましたとさ。