日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

法と正義 7

2012年02月05日 | 日記

A.NHKスペシャルの教訓

1月29日、日曜のNHKスペシャル “ ヒューマン なぜ人間になれたのか ” の第2集・『グレートジャーニーの果てに』で流された映像に、興味深いシーンがありました。

見られた方も多いと思います。

それはイギリスの脳科学の実験で、被験者の男性(A)が、別の男性(B)が女性(C)に頬を強く引っ叩かれている映像を見せられた時、脳のどの部位がどんな反応を示すかというものでした。

実験結果は、1.被験者が何の予備知識もなくその映像を見た場合、脳は前頭葉上部が反応し、被験者(A)は頬を叩かれている男性(B)を気の毒に思い同情を寄せますが、2.あらかじめ被験者(A)に、「男性(B)は女性(C)にひどいことをしました」と囁(ささや)いておくと、被験者の脳は側頭葉にその男性が叩かれていることに対する快感を示す反応が現れると言うものでした。

この実験は、私たちに多くの示唆を与えます。

それぞれの男性・女性を国家に置き換え、女性(C)が男性(B)の頬を引っ叩く行為を、国家の戦争や報復行為としてみましょう。

国家(B)は国家(C)に対して悪事を働いたと、国家(C)なり他国のメディアが自国や国際社会に吹聴し続けるとします。

すると、それが固定観念として刷り込まれた国家(A)(C)や国際社会の人々の脳には、国家(B)に対する国家(C)や国家(C)の同盟国の人々の戦争行為や報復行為に対して、嫌悪よりも国家(B)が罰されているといった、勧善懲悪の快の感情が生まれることを意味します。

これはかって日本が経験し、現在も過去を引きずって危うい立場にあります。

女性(C)を中国、韓国、北朝鮮とすればよく分かります。

中国の反日活動家は反日映画を作り、韓国の活動家は、同地の日本大使館前に慰安婦像なるものを置き、アメリカ議会や地方議員に対して強力なロビー活動を行います。

北朝鮮は、周知の通り、日本国内において朝鮮総連の傘下にある朝鮮人学校に通う子供たちに対して反日教育をせっせと施します。

日本の自衛隊の航空機を、彼らの或る者は「蚊」と呼び、「一匹、二匹」と数えます。

私などは、視野の狭い彼らにとって反感と恰好の反日行為の対象と目に映るのでしょう。さまざまの嫌がらせを受けます。

これは、彼らが生まれた時から教育を通して身に付ける習性なのでしょう。

私は、そういった彼らの行為を、私に対して、彼らが敬意を表現しているのだと、受け取っています。何故なら、この日本の地にあって、彼らの道徳の規準はあまりにも低く、そうした行為は、徳性を欠く彼らの唯一の自己表現の方法なのだろうと思うからです。

とは言っても、彼らのネットワークから、私も身を守らなければなりません。しかし、残念ながら、現状の警察力、救済機関と称するものでは、全く役に立たないのが実情です。

自宅での防護は、アルソック(ALSOK)のホームセキュリティに頼っています。 (私事となりますが価格は十分低く、お奨めです)。

またそして、決して侮(あなど)ってはいけません。彼らの影響力は日本の首班=菅氏にまで及んでいました。

「勝手連」と称して国政選挙での議員選出にも影響力を及ぼします。

更に、情けないことですが、自民党にもその一部の議員の方の振る舞いを見ると、明らかにその影響力が及んでいると考えざるを得ない局面が多々あります。

私達は「沈黙は金」と教えられた世代です。しかし、黙して語らなければ、彼らの術中にはまり、私達は国際社会からも孤立した悪者にされ、気付いた時には日本が乗っ取られていたということにもなりかねません。

日本を愛する者は、自己の信念と見聞していることを、あらゆる媒体を使って、国際世論に訴えて行かなければなりません。


B.マイケル・サンデル氏の “ JUSTICE = これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学 ”への好意的補足

上記Aの文脈の中に、氏の “これから「正義」の話をしよう  いまを生き延びるための哲学 ” (早川書房 2010年)を置いた場合、氏の正義論には何かが欠落していることに気

付きます。それは、氏はアメリカというコミュニティが成立する上で、アメリカ市民が直面する道徳=正義の問題を選択的には語り得ても、アメリカというコミュニティを越えたとこ

ろで問われるアメリカが犯した罪に対しては、何も語っていないし、語り得ていないというところに尽きます。

氏がかってのアジア諸国と日本の関係において、特に、旧軍と「慰安婦」呼ばれる女性たちとの賠償の責を日本が果たしてこなかったと語られるならば、同時に、氏は先の大

戦でアメリカが犯した人道に反する罪という戦争犯罪について検証され、提示される必要がありましょう。それは正義を語る哲学者の責務でもあります。

世界はアメリカのコミュニティのみで成立しているものではないのです。

氏は述べられる、「公正な社会を達成するためには、善良な生活の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはいけない」。
(同書 P335)

賛成です。時代は、アメリカや日本というコミュニティを越えて共通の善を考えて行かなければならないところまでやって来ました。

先の大戦までの歴史において、日本の選択によって生じたアジア諸国の人々の不幸に対しては、NHKが私達にその過程と結果を内省させてくれる番組を毎年作ってくれます。

これは今後も続き、新しい世代が内省を重ね、アメリカを含めアジア諸国の人々と共に歩む、希望の時代を切り開いてくれることでしょう。

アメリカはどうなのでしょうか?

私達は共通の課題を掲げて前へ進まなければばなりません。

 

 

 

 

 

 


                   

                              春の芽吹き(アジサイ)


                   

                               春の芽吹き(ビワ)

 

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