生き抜く
1.今年も年の瀬となりました。2020年は新型コロナウイルスの年でありました。
皆様、私たちは生き抜かなければなりません。生き抜かなければ、希望を語ることも、大業をなすことも、
為すべきこと、為そうとしていること、皆様が、今、おられる場所・ポジションにあって、或いは、つか
み取ろうとされている場所・ポジションにあって、為すべきことも為せません。そういう意味で、人間と
社会の多様性にとって、新型コロナウイルスは、人間の万年の大敵の一つです。人間と社会の多様性こそ
が、その総和である人間社会を発展させます。これは真である命題なのです。この命題は、私たちに価値
判断の基準を与えます。そして、私はこの基準で判断しています。
2.そこで今日は、「人間と社会の多様性」について、一つ問うてみたいと思います。
皆様も御一緒に御考えいただければ幸いに存じます。
3.もし私が、私ではないどなたか(他者)の演出を行える立場にあり、その方が女性で、既にその方は、
日本では歌手として、或いは役者として、或いは語る人として、「日本の母」を歌われ、或いは演じられ、
或いは語られて、第一人者の芸域を確立されており、その方に対し、その方が女性であるが故の性(さが)
をいたぶる演出を行うならば、その方に対し、私はその方の芸の領域を広げてさしあげたと言えるでしょ
うか?
4.ここで私を、第三者の演出者に置き換えてみます。演出者には、その人なりの世界観、人間観があり
ましょう。御自身がミュージシャンや芸道に励まれる方や、小説、詩、エッセイ、劇作、等の作家の方で
いらっしゃる場合、そこで如何に人間の性(さが)を問われたとしても、それを人々が受け入れるか受け
入れないかは別にして、御当人のパフォーマンスの範囲に収まりましょう。しかし、ここに他者の要素が
入って来ますと、趣は異なって来ます。他者の生は、あくまでもおおらかで、伸びやかなものでなければ
なりません。演出に参加される他者である各人に対して、演出者は、参加者おひとり、おひとりの命を豊
かにされるものであるか、明日を生む命の可能性を謳(うた)い、語られるものであるのか、御自身の演
出を自問し、自戒し、責を果たされなければならないでしょう。そこで私は、人間と社会の多様性は、善
の正のベクトルを持たなければならないと、思うのです。
5.皆様が御健勝で御発展され、幸多き日々を過ごされますよう、心よりお祈り申し上げております。
良いお年を御迎えいただきたく存じます。
本ブログを御読みいただき、心から感謝申し上げます。
初冬の空