日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

中華人民共和国国務院報道弁公室の政策白書・「新時代の中国と世界」

2019年09月30日 | 日記

中華人民共和国国務院報道弁公室の政策白書・「新時代の中国と世界」

 

1.中華人民共和国(以下、中国と略記)国務院報道弁公室が、今月(9月)27日、

政策白書を発表しました。その一つの「新時代の中国と世界」を見て行きます。

以下の引用は、ロイターが記事にしているものです。

 

2.彼らは言います。

 

― 中国は、共産党の統一された堅固な指導を必要とし、この指導がなければ、中国は

分裂解体し、世界に損害をもたらす。

 

― このブログの作者の意見

 

果たしてそうでしょうか? 中国は、多元的であっても、共通の理念と共に繁栄する社

会を作ろうとする強い意志を持つならば、現在の多民族を擁する国家の状態のまま、共

産党の統一された堅固な指導がなくても、崩壊せず存続し、世界の益となります。この

時、中国の各民族は、共産党による一党支配の社会を脱し、一律男女18歳以上の人た

ちによる差別のない普通選挙と、その選挙によって、差別なく自由に設立された複数の

政党から立候補する立候補者の中から議員を選出し、それぞれの地域(郷や鎮)や県や

省・国の各議会を構成して、その議会の中での多数決によってそれぞれの地域や国の在

り方の政策を決定する議会制民主主義の制度を選択しています。

 

3.彼らは言います。

 

― 中国は、『覇権』ではなく、平和のみを求める。

 

― このブログの作者の意見

 

本当にそうあってほしいものです。しかし実態は、私たち草莽の目から見ますと違って

映(うつ)ります。彼らは、彼らの主権下にあると考える土地や地域・海域で起こる係

争や紛争を、中国の「譲れない核心的利益」に関わる問題と位置づけ、法を作り、政府

や共産党の指導に従わない人々を抑圧し、他国に対しては戦争を準備します。この彼ら

の「譲れない核心的利益」に関わる国と地域・海域には、中華民国、チベット、新疆ウ

イグル自治区、南シナ海、日本の尖閣列島(東シナ海)があります。チベットは、もは

やニュースにも上らなくなりました。新疆ウイグル自治区では、法による「職業技能教

育訓練」が実施され、ウイグル諸族の順化(じゅんか)政策が進められています。中華

民国(台湾)、南シナ海の岩礁やサンゴ礁群、東シナ海の日本の尖閣列島の一つである

魚釣島を、彼らは、彼らの「領海・領土法」によって彼らの領土だと言います。また、

彼らは、南シナ海のサンゴ礁群の一つであったスプラトリー(南沙)諸島の埋め立てを

行い、軍用機とミサイルを配備する軍事拠点としました。そして、今、中国は、ミサイ

ルの配備、大型艦よりも中・小型艦の保有、原子力潜水艦と通常型潜水艦による遠海・

近海におけるゲリラ型攻撃能力の向上、更に、強軍思想によって、南シナ海、東シナ海

におけるその軍事行動能力は、机上で考えるだけでも、他国の軍事行動に優(まさ)る

備えを持つに至っていることが分ります。そして現在、中国は南シナ海の制海権を持

つに至っていると考えて良いと思います。これらのことを考えると、彼らが目指すもの

は、南シナ海・東シナ海・黄海を彼らの海とすることであり、それを覇権というと言わ

ざるを得ず、このブログの筆者は、「中国は、『覇権』ではなく、平和のみを求める」

という言葉通りの国に、その姿を改めて欲しいと、心底、思います。

 

4.また、彼らは言います。

 

― 中国人には「他国に侵攻し世界を支配するような遺伝子はない。近代では中国は列

強からのいじめに苦しみ、戦争や混乱による苦難を深く心に刻んだ。過去に受けた苦難

を他の民族に押し付けることはない」。

 

― このブログの作者の思い

 

その通りだと思います。そしてそうあってほしいと思います。このブログを書くにあた

って、中国の“人民網”や“新華網”を検索しました。そしてそこには仕事や任務に励む人

たちの姿と一緒に、中国の大地が写(うつ)っていました。かつて、この大地を日本兵

が進み、戦い、宿営しました。私たちは、中国の人たちの心情を思えば、深い反省と共

にこのことを忘れてはいけない、そう強く思いました。このことを記して、この項を終

ります。

 

 

                                                          9月の空

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