中華人民共和国国務院報道弁公室の政策白書・「新時代の中国と世界」
1.中華人民共和国(以下、中国と略記)国務院報道弁公室が、今月(9月)27日、
政策白書を発表しました。その一つの「新時代の中国と世界」を見て行きます。
以下の引用は、ロイターが記事にしているものです。
2.彼らは言います。
― 中国は、共産党の統一された堅固な指導を必要とし、この指導がなければ、中国は
分裂解体し、世界に損害をもたらす。
― このブログの作者の意見
果たしてそうでしょうか? 中国は、多元的であっても、共通の理念と共に繁栄する社
会を作ろうとする強い意志を持つならば、現在の多民族を擁する国家の状態のまま、共
産党の統一された堅固な指導がなくても、崩壊せず存続し、世界の益となります。この
時、中国の各民族は、共産党による一党支配の社会を脱し、一律男女18歳以上の人た
ちによる差別のない普通選挙と、その選挙によって、差別なく自由に設立された複数の
政党から立候補する立候補者の中から議員を選出し、それぞれの地域(郷や鎮)や県や
省・国の各議会を構成して、その議会の中での多数決によってそれぞれの地域や国の在
り方の政策を決定する議会制民主主義の制度を選択しています。
3.彼らは言います。
― 中国は、『覇権』ではなく、平和のみを求める。
― このブログの作者の意見
本当にそうあってほしいものです。しかし実態は、私たち草莽の目から見ますと違って
映(うつ)ります。彼らは、彼らの主権下にあると考える土地や地域・海域で起こる係
争や紛争を、中国の「譲れない核心的利益」に関わる問題と位置づけ、法を作り、政府
や共産党の指導に従わない人々を抑圧し、他国に対しては戦争を準備します。この彼ら
の「譲れない核心的利益」に関わる国と地域・海域には、中華民国、チベット、新疆ウ
イグル自治区、南シナ海、日本の尖閣列島(東シナ海)があります。チベットは、もは
やニュースにも上らなくなりました。新疆ウイグル自治区では、法による「職業技能教
育訓練」が実施され、ウイグル諸族の順化(じゅんか)政策が進められています。中華
民国(台湾)、南シナ海の岩礁やサンゴ礁群、東シナ海の日本の尖閣列島の一つである
魚釣島を、彼らは、彼らの「領海・領土法」によって彼らの領土だと言います。また、
彼らは、南シナ海のサンゴ礁群の一つであったスプラトリー(南沙)諸島の埋め立てを
行い、軍用機とミサイルを配備する軍事拠点としました。そして、今、中国は、ミサイ
ルの配備、大型艦よりも中・小型艦の保有、原子力潜水艦と通常型潜水艦による遠海・
近海におけるゲリラ型攻撃能力の向上、更に、強軍思想によって、南シナ海、東シナ海
におけるその軍事行動能力は、机上で考えるだけでも、他国の軍事行動に優(まさ)る
備えを持つに至っていることが分ります。そして現在、中国は南シナ海の制海権を持
つに至っていると考えて良いと思います。これらのことを考えると、彼らが目指すもの
は、南シナ海・東シナ海・黄海を彼らの海とすることであり、それを覇権というと言わ
ざるを得ず、このブログの筆者は、「中国は、『覇権』ではなく、平和のみを求める」
という言葉通りの国に、その姿を改めて欲しいと、心底、思います。
4.また、彼らは言います。
― 中国人には「他国に侵攻し世界を支配するような遺伝子はない。近代では中国は列
強からのいじめに苦しみ、戦争や混乱による苦難を深く心に刻んだ。過去に受けた苦難
を他の民族に押し付けることはない」。
― このブログの作者の思い
その通りだと思います。そしてそうあってほしいと思います。このブログを書くにあた
って、中国の“人民網”や“新華網”を検索しました。そしてそこには仕事や任務に励む人
たちの姿と一緒に、中国の大地が写(うつ)っていました。かつて、この大地を日本兵
が進み、戦い、宿営しました。私たちは、中国の人たちの心情を思えば、深い反省と共
にこのことを忘れてはいけない、そう強く思いました。このことを記して、この項を終
ります。
9月の空