日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

若き友よ、これが中国共産党の「持久戦」だ!

2016年09月02日 | 日記

若き友よ、これが中国共産党の「持久戦」だ!

A.自由主義社会を守る

 

1.今日は、少し刺激的なタイトルで書きます。

 

2.私達が知っているように、習近平中国共産党指導部は、南シナ海のサンゴ礁の数々を埋め立て、軍事施設を建設し、南シナ海の制海権と制空権をほぼ手中に入れました。

そして彼らは、この海域を自国の領土だと主張しています。これらの埋め立てと中国の主張について、フィリピンはオランダ・ハーグの仲裁裁判所に提訴しており、今年の7月12日、同裁判所は、

人工島は排他的経済水域や大陸棚が認められる島ではなく、中国の主張に法的根拠はないという、国際法上の拘束力を持つ裁定を下しました。習近平中国共産党指導部はこの裁定を「紙クズだ」と嘯

(うそぶ)きます。この手法と論理は侵略者が使う常套手段です。そして、かかる習近平中国共産党指導部は、この自己論理を使ってこの海域をいつでも封鎖することができます。

 

3.次に、彼らが向かうアクションは、東シナ海の制空権と制海権の確立です。ここには尖閣諸島があります。先月(8月)の3日、安倍内閣の組閣の日、彼らは尖閣海域に230隻の漁船と公船3

隻を送り込んで来ました。そして同月の9日から10日未明にかけては、尖閣周辺の日本の排他的経済水域内において、中国公船による中国漁船に対する「臨検」にも見える行動があり、外務省は、

中国大使館公使に強く抗議したことを伝えています。この中国公船による中国漁船に対する「臨検」とも思える行動は、彼らは中国の国内法に基づいて行動していると言う、彼らの意思表示です。い

みじくも、中国の王毅外相は、8月24日に東京で開かれた日・中・韓外相会談後の記者会見において、「事態は正常に戻った」と発言しています。私達は、この発言には、「中国から見て、(中国

の漁船に対して、中国の法行為である「臨検」を行えるまで)、事態は正常に戻った」と言う含意(主張)があることを、見て取らなければなりません。

 

4.そして、私達は、これらの中国の一連の行動について、彼らは中国共産党の「持久戦」戦略に従って行動していると、理解する必要があります。

持久戦の基本は、ア.ターゲットを、持久戦を仕掛ける側に有利な地域・地形に深く誘い込み、イ.ターゲットより優越な戦力を配置し、ヒット&アウエイで、味方の戦力を保ったまま、ターゲット

を、撃滅し続け、ウ.最後に、劣勢に陥ったターゲット勢力に対し、総攻撃を仕掛けて勝利するというものです。エ.そしてこの間の、ターゲットを分断し劣勢に立たせるための工作、情報戦、世論

工作は何でも行います。オ.そのため、彼らは自分たちが優勢となる状況を作り出そうとし、またそういう状況が来るのを待ちます。

 

5.自分たちが優勢となる状況を作り出し、そういう状況が来るのを待つという所が、この戦法の持久戦たる所以(ゆえん)です。そしてこの戦法は、ターゲットが正規戦を対象として訓練された正

規部隊に対して極めて有効に作用します。中国共産党は、毛沢東が井崗(せいこう)山に根拠地を持ち、次にそこを追われて延安に根拠地を移して以来、中華人民共和国成立まで、こうして戦って来

ました。ちなみに毛沢東は、井崗山に根拠地を持つ前は、国民党軍で訓練を受けました。

 

6.翻(ひるがえ)って、話を現代に戻します。中国の狙いは、東シナ海を南シナ海のようにし、制空権と制海権を確立する所にあります。尖閣諸島の一部の島(例えば、魚釣島)が中国によって占

拠され、そこに軍港や飛行場が建設されると、これは日本一国の主権の問題に留まらなくなります。たちまちに、中華民国と大韓民国の存立が脅かされ、沖縄については、過去に遡(さかのぼ)って

宗主権の行使と主権の帰属についての彼ら特有の自己論理を押し付けてくることが予想されます。主権の帰属については、すでに中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報(Web版)」が、「注目

すべきは、米国が日本に行政管轄権を渡しただけであり、主権の帰属は認めていない点だ」と述べている事を、先月8月18日の“Searchina”が報じています。これなどは、彼らの「持久戦」における

心理攪乱(かくらん)作戦だと認識しておけば良いでしょう。

 

7.それにしても、中国の振る舞いは尋常(じんじょう)ではなく、常軌を逸しています。「自由主義者の常識を超えるのが我々だ」と、おそらく彼らは嘯(うそぶ)くでしょうが、「それは違う、

自由主義を諸君は人々に与えず、自由主義世界の破壊者が諸君である」と、私達は、はっきりと彼らに宣告しなければなりません。以前、私は、彼らのことを社会帝国主義者と書きましたが、21世

紀の新エンペラーイスト(新皇帝主義者)であると呼び直すことにします。彼らとの戦いは自由主義社会を守る戦いとなります。

 

B.日本人の戦列は、彼らとの戦いに集合する

 

1.前回、「安倍総理に申し上げます」という記事を、私は書きました。これは、「日本人の戦列は、彼ら(習近平中国共産党指導部)との戦いに集合する」という観点に立てば、総理に対して誤解

が生じるような、配慮を欠く直截な内容となってしまいました。日本の向かうべき方向に対する一つの問題提起として受け止めていただければ幸いに存じます。重ねて御寛恕をたまわりたく存じま

す。

 

2.そして、私達日本人の戦列は、私達それぞれのポジションにおいて、現在の新エンペラーイスト・習近平中国共産党指導部に対して、彼らが思う「持久戦」以上の持久力を以って、私達の生きざ

まを知らしめなければならないのです。そして、私達にはこれを成し遂げる力があり、13億の中国の善良な人々と共に、自由主義の世界を作って行く力があります。

 

C.現実問題

 

1.例えば、魚釣島を1000隻の中国漁船がバリケードを作るように取り囲み、中国共産党が島に港や飛行場、その他の施設を建設する工事を始めたと仮定するなら、日本の海上保安庁や自衛隊は

これをどのように防げばよいか、という問題を立ててみましょう。

 

2.答えの一つはシンプルなものですが、工事を始めさせない、島に近づく前に排除するという方法が浮かびます。海上保安庁が、今、これをやっています。

 

3.彼らの持久戦戦略における、ターゲットを分断し、劣勢に立たせるための工作、情報戦、世論工作に対しては、私達は何を行えば良いのでしょうか?

 

4.彼らは世界の華僑を使って工作を行います。これには私達は、史実を否定しない歴史認識を持つこと、史実が分からなければ強弁せず、歴史家に任せることです。そして、自己に非のある誤りは

謝罪することだと思います。分からない事実を強弁すれば、日本人を貶(おとし)める彼らの心理戦のターゲットとなってしまいます。内閣に内閣法制局のような部局を、例えば「歴史認識統一局」

と言った名称で、置くのも一つの方法だと思います。史実の裏付けが取れ、確信した反論は堂々と行い、かつ私達が、自らの歴史認識の誤りに気付き、かつて日本が進出した地域の人々の社会の向上

と発展のために努力し貢献している場合、その成果のアピールは、この成果はあくまでもその地域の人たちの意志と努力によって成し遂げられたものだと言うことを、一にも二にもわきまえて、事業

に携(たずさ)わられた現地の人々と喜びを分かち合って行うべきです。

 

5.私達は、中国共産党の習近平指導部を相手にしています。彼らには「持久戦」という毛理論のひとつである戦術論があります。私達が彼らより勝るには、彼ら以上の持久力をもって彼らに対応し

続けなければなりません。そしてこれは、世界の自由主義社会を守る戦いとなります。私達はこの勝利を確信することです。

 

                                                                                                                                                                                                                            

                    夏の空

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする