日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

愛媛県今治市の学園都市構想と同市への獣医学部新設について

2017年07月27日 | 日記

愛媛県今治市の学園都市構想と同市への獣医学部新設について

 

 A.7月24日、25日の衆参予算委員会による国会閉会中審査

 

1.この審査の様子をテレビで見られた方も多いと思います。私は、衆院での質疑は小

野寺元防衛相のものを、参院での質疑は午前中に与野党が行ったものを見ました。この

他の民進党議員の質疑はビデオを見ました。

 

2.この審査には重要なキーパーソンが登場されました。それは元愛媛県知事でいらっ

しゃる加戸守行(かともりゆき)氏です。加戸氏の御発言から明らかになったことを以

下に記します。

 

 B.今治市への獣医学部設置は、今治市の思い(構想)と加戸守行元愛媛県知事の思い

(構想)から始まった。

 

1.今治市は昭和50年(1975年)に学園都市構想を表明します。

参: http://www.city.imabari.ehime.jp/kikaku/kokkasenryaku_tokku/gakuentoshi.pdf

 

2.加戸守行氏の愛媛県知事就任が1999年1月です。氏は3期12年、2010年

11月30日まで、知事を務められました。2010年には日本でも牛の口テイ病(こ

うていびょう)が発生・流行し、大問題となりました。鳥インフルエンザはしばしば発

生し、私の理解では、現在でもその検疫は、鳥インフルエンザが発生すれば近辺の鶏舎

の鶏をすべて殺処分するしかないのが実情です。

 

3.かかる経緯の中で、加戸氏は、アメリカと比較しても日本における獣医分野の遅れ

に思いを致され、愛媛県今治市に獣医学部を誘致する計画を持たれました。しかし、誘

致に応じてくれる大学は何処もなく、愛媛県議と加計学園の事務長が知り合いで、来て

くれると手を挙げてくれました。

 

4.加戸氏のお話では、自民党;第一次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣、民主党;鳩山

内閣と、今治市が獣医学部を新設する特区指定を提出され続けられたようです。しか

し、文科省は、「現在、日本では獣医師の数は足りおり、新設は認めない」という政策

上の理由で、いずれも門前払いをして来ました。

 

5.しかし、今治市と加戸元愛媛県知事の悲願が、やっとテーブルに乗り動き出したの

が今回の安倍内閣においてです。今治市の場合は苦節42年、加戸元愛媛県知事にあっ

ては、知事就任時からと考えて、苦節17年、これがやっとかなうのですから、これは

どう考えても美談です。

 

6.これを安倍首相の失点にしようとして騒ぎ立てているのが民進党を筆頭とする野党

です。安倍首相が、加計(かけ)学園(今治市に獣医学部を設置する岡山理科大学の母

体学校法人)の理事長である加計孝太郎氏と友人であるということは副次的なことでし

かありません。

 

7.本質は、従来、獣医学部の新設を頑(かたく)なに拒んできた文部科学省の岩盤行

政に穴が開き、(これは、加戸元愛媛県知事も証言で仰<おっしゃ>っていました)、

正される方向が示されたということです。今回の国会閉会中審査で質問を行った民進党

議員は、民主党政権下で民主党議員が行った今治市へ獣医学部を誘致することを可能と

するために行った努力を忘れています。

 

参考:平成26年現在 獣医学にかかわる学部を持つ大学

北海道大学獣医学部   定員40名

帯広畜産大学畜産学部  〃 40名

岩手大学農学部     〃 30名

東京大学農学部     〃 30名

東京農工大学農学部   〃 35名

岐阜大学応用生物科学部 〃 30名

鳥取大学農学部     〃 35名

山口大学獣医学部    〃 30名

宮崎大学農学部     〃 30名

鹿児島大学獣医学部   〃 30名

大阪府立大学生命環境科学部 〃 40名

酪農学園大学獣医学部  〃120名

北里大学獣医学部    〃120名(1966年設立、以降の新規設立は無し)。

日本獣医生命科学大学獣医学部 〃 80名

日本大学生物資源科学部    〃120名

麻布大学獣医学部       〃120名

      合計         930名

 

8.安倍首相と加計氏との交友は安倍首相が述べていらっしゃる通りだと思います。そ

れを首相は国会閉会中審査において質問者に答えて語られました。

 

9.7月24日、25日の審査において、首相が、民進党の大串氏、玉木氏、蓮舫氏、

自由党の森氏等の質問者に答えられ、「今治市(戦略特区)に獣医学部を新設するにあ

たって、その母体が加計学園であることを知ったのは、平成29年1月20日における

「第27回 国家戦略特区諮問会議」における事務方からの説明であった」とされたの

は、現在、今治市において平成30年(2018年)4月1日の開校に向けた認可準


備が進んでいる獣医学部新設に特定されて答えられたものであり、答弁は整合性を持ち

ます。本案件は、構造改革特区の時代から愛媛県と今治市によって特区指定が申請され

ており、平成29年1月20日以前の日を答えられていたのは、単純に事務方のミスで

あろうと思われます。首相は、事務方のミスとは仰っていませんが、整理が不十分なま

まお答えしたと述べられています。この答弁も何ら瑕疵のあるものではなく、今治市

が獣医学部を新設する特区認定は、国家戦略特区諮問会議の委員の審議を経て決定され

たものであることを、総理は、質問者に対して繰り返し何度も丁寧に答えていらっしゃ

いました。そして、この諮問会議に諮られ、決定する事項は総理の職責にかかわるもの

であり、その職責を以って認識されたのが平成29年1月20日であると答えられてい

るのです。

 

 C.まとめ

 

1.今治市が戦略特区として認定され、獣医学部のキャンパス開設に向けて進んでいる

姿は、1975年に今治市が学園都市構想を掲げて42年、加戸氏が愛媛県知事に就任

されてから17年を経て実現しようとしている獣医学部キャンパスです。ここに払われ

た努力を私達は美談として残さなければなりません。このことが、同キャンパスをめぐ

る今回の国会閉会中審査を文章にしてみて思った感想です。美談が美談として語られ

るにはこれからの関係御各位の更なるご努力が必要です。成功を願って止みません(成

功を願う気持ちに留まる所がありません)。

 

 

        

                                    キン斗雲の浮く7月の空

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