日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

愛は人権主義です

2023年11月29日 | 日記

 

1.愛の道は、人権主義の道です。

2.プーチン大統領が掲げる大ロシア社会は、ウクライナの人々の尊厳を破壊して、その上に成立するものです。それ故、プーチン大統領がその社会における「愛」を語っても、それは自己(民族、国家、社会、思想、伝統)の優位を仮想して(思い描いて)、自己以外の他者(民族、国家、社会、思想、伝統)を破壊するものです。これは、愛ではありません。そして、今、プーチン大統領は、この破壊(ウクライナ戦争)を、NATO諸国からの大ロシア社会の防衛という言葉を使って、ロシアの人々に対し、破壊を防衛へと正当化しています。これは、敵を作って国民を鼓舞する権力者の常套手段でもありますが、NATO諸国がウクライナを支援することによって、プーチン大統領が予測しているウクライナとロシアの軍事力の差が異なったものとなり、軍事上の展開もロシアが劣勢となり、プーチン大統領の権力喪失=プーチン大統領の軍事専制支配機構の瓦解の機会が生じることへの率直な権力者の反応でもあります。そしてこの時の表現において、自己(プーチン大統領と権力)は大ロシアという言葉に置き換えられ、拡張され、美化され、そして隠されます。そして、この「大ロシア」という言葉こそ、プーチン大統領が失ったものへの懐古を通して示す、「大ロシア=自己」への愛=復古ノスタルジア権力への愛の表現に他なりません。そして、この自己愛は、権力者の自己の権力基盤(プーチン大統領の場合は、国家としてのロシアであり、大ロシア)への倒錯した言動となって現れます。これは愛と呼ぶべきものではなく、排外主義や、戦乱によって、他民族や他国民を侵略し、自国民を専制支配することを正当化し、そして自己の権力基盤を強固にする、侵略戦争主義者がその行動の方程式において持ち出す、国民を錯覚させる「代物」でしかありません。これは愛とは異なるものです。そして、今、ロシアにおいてプーチン大統領を支えている人々は、プーチン大統領と同じ自己愛に陥っている人々です。しかし、ここで見逃してならないことは、この排外主義と自己(国家)愛に陥った戦争国家は、必ず敗北しているという歴史の事実です。そしてさらに大事なことは、プーチン大統領が、ウクライナにおけるロシア軍の破壊行為を、それはNATO諸国からの大ロシア社会の防衛であると正当化するとき、プーチン大統領の意識には「ウクライナ戦争の展開の行方が見えなくなる所で覚える潜在意識に、敗北した場合の意識(敗北できない意識)」があるということです。それ故に、「大ロシア」の防衛が強く正当化され、核兵器をちらつかせて、ロシアはウクライナとの戦力比において、ウクライナに優る兵力を投入する、戦時国家へと進みます。

3.ロシアの皆さん! ロシア軍の兵士と指揮官の皆さん! あなたが思い描いている家族への愛や、郷土への愛と、プーチン大統領が語る愛は異なるものです。プーチン大統領は、「侵略主義者の自己愛(大ロシア愛)」を語って、あなたを錯覚させ、自分が命令し、行わせているウクライナ戦争に、家族を愛し、郷土を愛するあなたを動員し、戦わせています。この事実に気づいてください。

4.戦争国家の権力者が、自己愛=権力愛に陥るとき、世界は危機に瀕し、その国は滅びます。それを回避し、ロシアを自由と人権が確立した愛の社会を持つ国にできるのは、ロシアの皆さんとロシア軍の兵士と指揮官の皆さんです。

 

   ウクライナ国旗   
 
 
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