日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

NHK・ニュース深読み 「東日本震災義援金」

2011年09月25日 | 日記

昨日(9月24日)、NHKの小野文恵さんの「ニュース深読み」のコーナーで、東日本震災義援金の現在の配分状況について取り上げていました。

驚いたのは寄せられた義援金・約3200億円の内、リポーター徳永氏の調査では、実に約34.4%にあたる1100億円が予備費として、
中央と都道県配分委員会と市町村に未配分のままプールされているという実態でした。


A.この金額を、日本赤十字社と中央共同募金会のホームページで見ると、

1. 義援金額: 日本赤十字社  2885億3000万円 (9月21日現在・百万円単位は四捨五入)
          中央共同募金会   368億6000万円 (         同              )
               計       3253億9000万円

2. 15都道県配分委員会への送金額:       2883億3000万円 (9月21日現在・日本赤十字社と中央共同募金会からの合算額)

3. 都道県配分委から被災市町村への送金額:  2479億円 (9月16日現在)

4. 被災市町村から被災者にに届けられた金額:  2136億円(9月16日現在)

B.中央、都道県配分委、市町村の各々のプール金額
1. 日本赤十字社、中央共同募金会: 370億6000万円
2. 15都道県配分委:          404億3000万円
3. 被災市町村:              343億円
           計            1117億円9000万円 (34.4%)  となります。


C.上記の日本赤十字社に寄せられた義援金には、海外の赤十字社を通して送られた405億4000万円(8月31日現在)は含まず、これは別会計の原資として計上されていました。


D.ゲストの山田まりやさんは、「善意の義援金を、もっと早く被災者に届けられないか」と仰っていました。私も同意見です。
日本赤十字社と中央共同募金、それに都道県配分委の配分調整金のプール額が774億9000万円というのは、金額が大きすぎます。
配分の基準とポイントが効率良く決められなかったことと思われます。


E.解説者諸氏は、地震と津波は広域、且つ、街が消失してしまう程の甚大なものであり、福島では住民の方が町や村を離れざるを得なくなるという事態に至った為、
処理の遅れは仕方がないというスタンスで放送に臨まれていました。
しかし、もう少しお考え頂きたいと、しきりに、思いました。
例えば、市町村の被害の程度をクラスA・B・C・D・E・・・・・という風に等級と等級別の救済金額を算出し、それに人口や家屋数を掛けて概算金額を算出する方法をお考え頂いたり、中央と都道県配分委のプール金の在り方はこれで良いのかと言った、建設的なアプローチがなかったように思います。
義援金と税金が異なるのは自明の理です。

そして、復興資金の税金が市町村に」投入されるまで、義援金で何ができるのか、そう言った議論がなされても良かったようにも思います。
また、事業者に対する市民ファンドが紹介されていましたが、市民ファンドは復興支援の1バージョンであり、義援金とは性質が異なります。


F.私の知る限りでは、義援金の在り方を評価しようとする番組は初めてのことであり、画期的なものでした。
このブログを目にされたらのことですが、NHKにお願いがあります。
義援金の募集は来年の3月31日まで延長されています。
その前後に、もう一度、義援金はどのように使われ、どのように算定されて配分されたのか、今後の教訓は何かと言った、
いわば日本赤十字社や共同募金会を評価する基準を考える番組を、組んでくれませんか?
善意と公共、善意を配分する団体の評価基準を考える良い例となります。
また、公共とは何かを考え直す機会ともなりましょう

G.NHKには更にお願いがあります。
1. その一つは、ニュースや特番でリポーターの方が、「国は何々~」と言ってコメントされることがあります。この時、大枠の「国」と言うだけに留めないで、「○○省の△△局は何々~」と、局まで調べてアナウンスして頂きたいことです。
そうすると、私たちは責任の所在が何省の何局にあるか、具体的に知ることができます。

2. その二つは、先般放映されました、「グリコ・森永未解決事件」についてです。
この事件で、日本人社会は広域な組織犯罪に対して事件解決能力がないと、彼ら、グリコ・森永事件を起こした連中や、それを愉快と思う特異なグループから思われ、
日本は、彼らにとって何でもできる、全く組みやすい社会になってしまいました。

そうではなく、日本人社会は広域組織犯罪を許さないこと、彼らを追い詰めて必ず罪を明らかにする社会であることを示すためにも、
更になお、「グリコ・森永事件」の知られざる事実を追って、番組にして放映して頂きたい。
彼らが日本から出国せず、日本で生活をしているのなら必ず彼らが誰であるか必ず突き止めることができるでしょう。

そしてもし、日本の警察力が広域組織犯罪に対して無力であるならば、アメリカのFBIのような組織も考えなくてはならないでしょう。

参考: 日本赤十字社HP、中央共同募金会HP

 

 

 

 

 


    


                       

                                  柘榴(ざくろ)

                       

                                 再びラベンダー


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする