日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

中学生、高校生のための自由主義講座 12 -自由主義の旗を立てる-

2017年04月23日 | 日記

 A.自由主義の旗を立てる

 

1.自由とは、人間の能力を解放することです。自由主義とはそれを主張し、求めることです。そして、自由主義社会とはそれを保障する社会です。これが自由主義社会を言い表すシンプルな命題と

なります。

 

2.人は普段このことをあまり考えません。学校に行き、或いは民間の会社や非営利法人、行政組織、政党組織と言った職場・職業を選び、そこでそれぞれのポジションを得ようと頑張り、課題を達

成することで喜びを覚え、各人それぞれの人生を生きて行きます。そして、ここでは、今まで先人たちが形作って来たルールに従って毎日の日課が行われ、会議、取引、契約が行われ、工場が稼働

し、製品が作られ、販売され、消費されます。そして、この人の営みの集合体を一つの単位と考えれば、この単位の広がりが村→郡・市→都道府県→国→アジア、ヨーロッパ、或いは、極東アジア、

中東アジアと言った世界の中の地域→世界へと連なって行きます。100年前の人間にとって、その人の住む地域や国の工業生産力、文化の力の差にもよりますが、世界は遠い存在でした。

今は、現代の若者たちにとって世界は何処にでもすぐ行ける(行けない地域、国もあります)、隣にあります。企業は世界で取引を行っています。

 

3.皆さんの思考の中で世界がどのように写っているのでしょうか? どのような形であれ、世界を考えることは良いことです。思考の訓練にもなります。人の置かれている立場は人それぞれです。そ

して、その中で自分のポジションを選択していけば良いのだと思います。

 

4.人は自分が選択したポジション、与えられたポジションの中で思い悩むことがあります。その時、そのポジションでの仕事がどんなものであれ、このブログの最初の項に書いている「自由とは人

間の能力を解放することだ」というフレーズを思い出してください。自由は人間の能力を解放することです。あなたの能力が閉じ込められたものであれば、どうすればあなたが能力を発揮し、あなた

が活(い)き活(い)きと振る舞えるか、考えてください、そして、上司と相談してください。決して思い悩む気持ちを自分に向けないでください。学校でも同じです。先生に言ってください。先生がだめ

なら、教頭先生や校長先生に言ってください。それで、職場や学校が改善されれば、それは自由主義と社会の成果なのです。自由主義とは難しい言葉と概念(言葉を言葉で定義しようとするもの)で

言い表されるものではありません。このように誰にでも理解できるものなのです。そして、このことを行うあなたは、今、立派に自由主義の旗を立てているのです。

 

5.先だってテレビで、東大の著名な歴史学教授でいらっしゃる本郷和人先生が、NHKの大河ドラマに取り上げたい人物として板垣退助を挙げていらっしゃいました。板垣は、「板垣死すとも自由

は死せず」と、暴漢に襲われたとき言った人物として名前が知られています。だがしかし、板垣でなくとも、先のことを行うあなたや私たちは、立派に自由主義の旗を立て、歴史の中で引き継いでい

るのです。そしてこれは今後もこれからの社会を担う人たちによって引き継がれて行くのです。

 

B.私のこと

 

1.私は、若いころ、よちよち歩きですが忠実なマルクス学徒であろうとした時期があり、そのころ読んだ本に『ドイツ・イデオロギー』があります。その中に、「社会の一定の条件の枠内で(社会

には一定の条件の枠があり、この枠の中で)、妨げられずに偶然性を楽しめるこの権利が従来、人間的自由と呼ばれた」(大月書店、国民文庫『ドイツイデオロギー』1967年 p140)と言う一節があ

ります。

 

2.これに答えることは私の課題でした。その回答が、「自由とは、人間の能力を解放することであり、自由主義とはそれを主張し、求めることだ。自由主義社会とはそれを保障する社会だ」とい

う、シンプルな人間の意志と行動を言い表す表現となります。由とは、人間の能力を解放することなのです。

 

 

                   

                                          大学通り 2

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