いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

「ムダの指摘」は無駄ではなかった(笑)

2005年06月14日 19時10分43秒 | おかしいぞ
問題が多いと思われていた政府のIT関連支出に、調査による裏付けがとれたようですね。これも常識的に考えれば当然判りそうなものですが、役人さんたちの意識には無駄をなくそうという視点が欠けているのです。その読売の記事を。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 省庁のITシステム運用費、950億円削減可能が判明

この記事より、以下に一部抜粋。

官公庁のIT(情報技術)調達を巡っては、以前から、長年の随意契約が高コスト化を招いていると指摘されていたが、今回の調査で、そうした公費の“無駄遣い”が裏付けられた形だ。刷新可能性調査は、過去の支出の妥当性を分析し、今後いかなるシステムを構築すべきかを示すのが目的で、政府が2003年7月に策定した「電子政府構築計画」に盛り込まれた。対象は、年間経費が10億円を超え、長年にわたり特定業者との間で随意契約が結ばれてきた16府省庁の計36システム。調査は、民間のコンサルタント会社など外部の第三者機関に委託して行われ、今年3月末に全システムで終了。各府省庁がこのほど「最終報告書」をまとめた。

約950億円の削減可能額のうち、約520億円分は社会保険庁の「社会保険オンラインシステム」を巡るもの。これはすでに表面化しているが、それ以外にも今回新たに、競争入札を導入することなどで、厚生労働省の「職業安定行政関連の情報」など5システムで計約220億円、法務省の「登記情報」など2システムで計約132億円、防衛庁の「陸幕補給」など2システムで計約20億円などが削れることが判明した。





良かったですね、財務省。無駄が減らせますよ。古銭を売って必死にお金をかき集めたりしていたのが、何となくバカらしくなるでしょ?社会保険庁の分は既に判っていましたから、残りの430億円は純粋に削減できる分で、これはデカイぞ。このほんの一部でもいいから、本省の苦行僧みたいな官僚達に分けて欲しいと思うでしょ?(笑)こんなのはザラに出てきますから。公益法人への補助金だって、怪しいやつを削ろうと思えば、もっと出てきますから。本当ですよ。


前に書いた参考記事:
特別会計は抜本改革せよ


厚生労働省は今回もダントツ1位じゃないか。220億円だぞ。他と比べても、圧倒的に多い。今回新たに判明した分でも、ほぼ半分じゃないか。約950億円のうち約4分の3を占めてるし。どういうことなんだ、厚労省!本当にダメ省庁なんですね。こうした問題省庁は、国民に多大な迷惑・被害を与えていても、罰せられたり責任を取らされたりすることもなく過せるのでしょう。普通会社へ与えた損害額が200億円もいってたら、クビが飛ぶよ。損失がハンパじゃないでしょ。それと、総務課のデータ流出問題(国家公務員の常識)はどうしたのだ?何のお咎めもなしか?おかしいよ、明らかに。法令違反だろう?


歳出の見直しは多少なりとも進みつつある。これは行政を評価してもいい。ただ、今まで気が付かなかったことが残念であるが。これからも徹底した削減策を考えるべきです。


郵政民営化のまとめ編3

2005年06月14日 13時57分21秒 | 社会全般
郵政問題研究家さんから頂いたコメントは、長いコメントの新記録であった訳ですが(笑)、有難うございます。正確な情報を貰うことができ、とてもよいことだと思います。頂いた中から、いくつかお答えしたいと思います。

郵政民営化のまとめ編1


以前の記事にも書いてありますが、保有国債を大量に市場で売却しろ、というのは無理だということです。公社の資金量を減らせということを早急に実施することは、現実的には無理であろう、ということです。今後国債の借り換えが増加すると考えられておりますから、その時に郵政が従来のように国債の引受額を多くとる必要性がない、個人資産が国債に向かったとしても、大きな問題とはならないのではないか、ということです。この認識が経済学的に見て正しいのかは判りませんが、例えば08年度の新発債100兆円のうち70兆円分が個人向けで、残りを民間金融機関と郵政で引き受けたとしてもよいのではありませんか?ということですね。これは郵政が特別国債市場に大量売却をする必要性があるわけではない、ということです。暴落が云々というのは、皆無とも言えないでしょうが、余程の信用不安がなければ考えにくいと思いますが。郵政が保有する国債を大量に売却する、ということはその必要がない、と思います。旧契約の資産管理は引継ぎ法人が行うわけですし。


国債の利回りについてですが、これはあくまで簡単な例として挙げてみました。勿論、利息に係る税金等や国債価格は日々変動しますから正確には色々あるでしょう。私は個人向け国債など購入したことがないので、現実の仕組みは正確には知りません。海外債券しか売買したことがないもので。個人向け国債の売却がどういう仕組みかは考えないものとします。売却益を狙うならば、もっと別な判断が必要でしょうが、国が行う利払いだけ見ると払う相手が誰であろうと同じ額を払わねばならないので、支出額が変わるわけではありませんから。

一般的には債券を購入(新規とします)すると決まったクーポンがついていまして、これで利回りが決まりますね。このクーポンの大きさが1%であっても1.5%であってもいいのですが、年1回ないし2回というのが多いかと思います。個人向け国債が何回払いか、また販売手数料がいくらかは知りませんが、無視します。国の利払い額が免除される訳でもないし、単に個人の最終的な投資利回りが幾らなのかを検討する必要性がないからです。2回払いならば、クーポンよりも利回りが高くなりますね。でも、これもどうでもよいことです。

仮に国債が年1回の1%クーポンであれば、百万円に対して1万円の利息を払います。これは郵政公社にも支払われますね。郵政公社へ利息を払うのは国の税金から払われる訳で、これは税金を直接郵政に1万円払ったことと同じです。郵政公社が持つ国債150兆円分が平均利回り1.5%だとしても、2.25兆円です。直接郵政に税金をあげたのと同じです。預託金や地方への貸付等、ご指摘のように殆どが公的貸付と言える資産内容ですから、その利払い者が誰なのか、というと結局のところ国であり、ひいては税金だと言っているのです。ところが、貯金金利は今いくらか知りませんが、仮に0.03%としても、たった300円ですね。ここから20%源泉徴収され(240円ってこと)ますが、単純に、1万円と300円の差額がどこにあるかと言えば、郵政の中にある、ということです。クーポンは毎年ですから、いくら郵貯が半年複利だろうが、年300円を半年複利で10年貰ったとしても、微々たるものしかなく、政府が税金で支払った金利分1万円×10=10万円(20%源泉されていれば、2万円は国庫に戻りますが)には到底及びもつかないのではありませんか?


「公社が儲けていて、人件費も自前で捻出し、剰余を国庫に収めている」というのが幻想であるというのは、資産340兆円分のうち実質的に国が支払う利息分だけで5兆円以上になる訳で、まず金利分と同額の税金を郵政に与え、そこから郵便等の事業費や貯金者への金利支払い、人件費などを全て除いた残りが戻されるのと同じです。最初に5兆円とか7兆円あった税金は、郵政を通過して出てくると、2兆円とかそれ以下になって出てきます。そこで使われている税金が本当に有効なのか、というとそうでもない。そこに問題があると言っているのです。勿論民営化以外のよい方法があって、それが明示されれば国民としてはよい方法を選びたいと思います。ですから、方法論を比較できるように、民主党あたりが具体的な「公社縮小プラン」を提示すればよいのです。ところが、そういう妙案を誰も出さない。「民営化に反対」でもいいと思いますよ。ですが、では、具体的にどのような方法をとるのか、を知りたいのですよ。


民間宅配業者への民業圧迫というのは、一概にそうとも言えないでしょう。現に規制緩和前には全て郵便局が行っていたわけで、それを逆に開放していったに過ぎません。また、現時点でも民間と郵政の競合は存在しており、公社が圧迫せず、郵政民営化で圧迫するというのもオカシナ話ではないでしょうか。圧迫するというなら郵便事業そのものがそうなってしまいます。公的郵便事業を無くせということでしょうか?



金融・保険のユニバーサルサービスは、郵便とは異なる面が存在します。まず、金融については窓口業務が必要となることは少なく、ATM等でほとんど用が足ります。他の金融機関の存在しないような地域では、維持・存続が極力配慮されることになっております。そのための基金も用意されます。また保険に関しては、多くの保険会社は郵便局なみの店舗網を持たないことが大半であり、必要になる時が少ないからであろうと思います。普通は保険金支払い申請等くらいしかないでしょう(入院したり怪我をしたり死亡したり・・・)。これらは頻度が少ない上に、他の手段でも手続きが可能なものが多いのです。新規加入も同様に他の手段でもいい訳です。アリコの保険に入りたい人は、自宅の近くに店舗がないことを理由に「そばに支店を設置しろ」と要求しているでしょうか?全国どこでも支店を配置することを義務的に求めておりますでしょうか?簡保のみが他の保険商品に比べて、対面以外の手段が取り難いということは、よく理解できません。



郵政民営化については、今の必然性というのはそれほどないと思います。しかし、現在試されているのは、本当に行政改革が可能なのかどうか、政府の統治システムはどこまで出来るか、国民の為のエージェントとなり得るのはどういう人達なのか、などで、そういったところが郵政民営化を通じて少しばかり見えてきました。私の不勉強もあって、理解が十分ではないことも多いですし、政策論や法制度などについてもそれほど考えてこなかったのですが、今回の政府の動きや民営化推進派を見ていて、何となくですが感じるものがあります。

郵政民営化は、今まで何度も行革に挑んできた政治家たちの敗北の歴史の上にあるのです。現在の行革推進は、橋本内閣以前の臨調時代と大きくは変わっておりません。「小さな政府」「地方分権」「予算効率化」等々、実は大きな違いなどないのです。政府がチャレンジした90年辺りからの行革は、その度に政官業スクラムの抵抗勢力を打ち破れずに終わったのです。自民党時代も途中で連立政権をとった人達も、同様に敗北しました。郵政民営化はその意味において、まさに「象徴」であると考えています。これを推進できれば、敗北の歴史はここで終わらせることができるかもしれないし、ご指摘通りの財投資金を入れている行政法人、公庫公団等の公的機関の改革が遂行可能となると思います。この利権軍団は、過去の政府をことごとく退けてきただけあって、非常に強固な集団となっており、国民にも中々分りづらい構図を持っておりましたが、道路公団問題や年金問題以降徐々に見えてきました。ここの改革はまさに財投債や一般会計・特別会計にも関連する重要なものです。この試金石が「郵政民営化」であると思っています。

ここで、国民が世論で政府をバックアップできれば、政府は国民の為に働けるエージェントとなり得ると思います。国民側からの「統治システム」の基礎が築かれるかもしれないのです。ここで、民営化法案が廃案になり、万が一政府が行革推進に失敗すれば、また90年頃の悪しき統治システム時代に逆戻りです。改革路線は大幅な後退を余儀なくされるのではないかと、危惧しております。