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行政改革は前進している(と思うよ)

2005年06月17日 18時28分07秒 | 行政制度
かなり前にちょっと報道されていたのだが、政策評価の「ラベル」が予算と異なっていると次年度の予算要求の時などに財務省で分りにくいということがあって、「ラベル」を統一するということであった。これが更に改善されて、予算―決算―政策評価というセットになるようである。これは至極当然と言えるが、今までこれが行われてこなかった(「政策評価」の実力)ことを思えば大きな前進であり、公表を徹底して透明性を高めるということと、一般の国民などから見ても判るようにする、という行政側の意思表示である。こうした取り組みは高く評価できる。

Yahoo!ニュース - 共同通信 - 予算要求へ確実に反映 政策評価制度見直し案

これはごく普通にフィードバック機能(公益法人の構図)が働くようになるということであり、次年度以降にも政策評価を活用しやすくなるのである。予算編成にも役立つはずである。年末に行政に変化の兆しを記事に書いたが、それがいくつか現実の形となって顕れてきており、行革チームの「努力」と「意志」を感じ取れるようになってきた。


それから、もう一つ。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 予算要求方法を一部是正、財務省が「共通経費」導入へ

また財務省は予算要求の際に、「共通経費」を省庁の運営費として要求できるようにすると報じられていた。これも今まで実態とはかけ離れた予算の組み方(財政改革の道は・・・)であったのを、きちんと判りやすく、また実態通りに必要経費を賄えるようにするというものだと思う。従来は、鉛筆1本からタクシー代まで、個別の予算の中に含まれていて、名目予算として貼り付けられてきたようであるが、それでは職員達が不便なだけであり、かえって裏金という変な解決方法へと繋がるものであったのかもしれない。

どうして今までこのような改革が行われなかったのか不思議な感じがしなくもないが、長年の慣習を止めて自ら改善意識が出てきたことはよい傾向であると思う。今後は「お金がないので、フロッピーが買えません」などといった悲劇も少なくなり(笑)、業務に支障を来たすことも減るだろう。必要な経費を確保するべき分は初めから用意するべきだし、それが適正に処理され自分達の業務効率が高められるならば何ら問題などないですね(でも無駄使いには気をつけてね、笑)。



ベンチマークの攻防

2005年06月17日 16時40分19秒 | 社会保障問題
「骨太の方針」を巡って、社会保障費の経済指標管理を明記するかどうかの政府側と与党とのせめぎ合いがあった。諮問会議の民間議員達からは非常に厳しい要求が突きつけられていたのだが、ギリギリのところで踏み止まった。既に万歳した尾辻大臣&厚生労働省が諮問会議&内閣府側に押し切られていたであろうし、尾辻大臣は受容ともとれる発言(市場化テストの呼び名)をしていたので、いよいよかと思いました。しかし、土壇場で「奥の手」が出されました。それがどんな手であったのかは、判りませんが。政治的な公明党の「隠しダマ」?なぜ内閣府側が譲歩したのかも判りません。ですが、とりあえず「経済指標に基づく管理」の文言は避けられました。”タフ・ネゴシエーター”に「祈りの声」が届いたのでしょうか(笑)。


この2つは似たような記事だが微妙に違っており、面白い。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 社会保障費抑制 公明に配慮、再修正 「骨太」最終案 首相、実を取る

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 社会保障給付費 医療費の抑制明確化 骨太最終案、年内に指標策定


諮問会議から「名目GDP成長率」や「高齢化修正GDP」が提案されたのはかなり早い時期であり、谷垣君もキャップ導入を述べていたし(財務省サイドにはきっと強い要望があったはず)、財政審建議と続き、先日の与謝野さんの「ブレーキ発言」があったので、尾辻大臣の退路は断たれていたはずです。自民党の厚生族(今は厚労族か・・・)がどんなに抵抗したとしても、恐らく覆す程の力もなかったであろうと思う。あの日本医師会ですらいよいよ観念して、高齢者単独の健康保険制度創設の具体案を示したくらいですから(以前はあれほど「高齢者の負担増は断固反対、絶対阻止」と表明していたのに。たぶん厚労省や厚生族が何の役にも立たないことに業を煮やしたのだろう)。それに郵政族の方がはるかに強力であるし、もしも厚生族の効力が本当に発揮されているならば、もっと早い段階で「骨太の方針」には具体的な内容が書き込まれていてもよさそうなのです。厚労省も”元気よく”徹底抗戦の構えを見せられたはずでしょう。ところが、諦めの尾辻発言の後、諮問会議で経済指標管理を民間議員達から再度念押しされたにもかかわらず、昨日は書き込まれなかった。


今年2月に>医療費の罠

4月には>社会保障再構築

5月に谷垣君>困らせちゃったかな・・・奥田さん

そして今月>詰んだか?厚労省

つい数日前>今日の諮問会議


郵政法案と都議会選挙を考慮してのこと?高度な政治判断であったと思うので、ちょっとよくわかりません。この決定過程の舞台裏が気になるところです。与謝野さんと事務方達は、公明党&厚労部会議員達や厚労省事務方とどういう折衝をしたのか?でも、判らずともいいです。結果的には、とりあえずベンチマークの記述が避けられた訳ですから。

ただ、今後本格的な制度改革議論を求められる訳ですから、厚労省は死ぬ気で実効性のある抑制プランを策定しなければなりません。その結果は、必ずベンチマークに照らして「判定」される訳であり、実効性に乏しいということになれば、将来制度見直しを迫られることになります。


余談ですが、麻生親分(今後は麻生大臣のことをそう呼ばせて頂きます、イメージが・・・)は意外に面白いのかもしれません。以前と見方が変わりつつあります。流石、統計局管掌の大臣です(笑)。