どうやらドイツの国際政治力は、日本のそれとは比較にならない程の強さがあるようだ。シュレーダー首相がホワイトハウスへ乗り込んで、「困るのはお互いだろ?」と確認したのだろう。米国も「欧州」」を無視することは出来ない。特に独仏は、ブッシュにとって「忌々しいが、ケンカできるわけでない」という相手だろう。米国はイラクの様子を窺いながら、「柔軟に対応する」「国連改革には同意する」という答えを用意した模様。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - 国連改革の必要性で一致=対イラン、温度差も-米独首脳
この記事より、以下に一部抜粋
【ワシントン27日時事】ブッシュ米大統領は27日、ドイツのシュレーダー首相とホワイトハウスで会談し、国連安保理を含む広範な国連改革の必要性で一致した。ブッシュ大統領は会談後、記者団に対し、「国連には、安保理にとどまらず、より広範な改革が必要だ」と指摘、国連全般の改革に取り組む中で、安保理改革を進めるべきだとの考えを示した。
これに対してシュレーダー首相は「タイミングをめぐって相違がある。われわれは迅速な改革を求めている」と述べ、安保理改革のペースをめぐり立場の相違が残ったことを明らかにした。同首相は、ドイツの国際貢献を強調、安保理常任理事国入りへの支持を求めたのに対し、ブッシュ大統領は「反対しない」と述べるにとどまった。
日本の外務省も説得工作をしただろうが、「色よい返事」は直ぐには返ってこなかった。しかし、ドイツの「オイオイ、ウチを認めないって、どういうこと?」と暗に抗議を受けて、途端に「ドイツの改革姿勢には賛成するし、加入には反対するわけでない」と方針を変更したようだ。だが、「日独の言い分は正しいと思うよ、でもねその前に改革するべき問題があるからね・・・」という語尾を濁すような回答だろう。つまり「改革姿勢」には勿論賛成するという合意を見出しているけど、「どこ」を「どのように」というプロセスについては、「これから話し合おう」という演出だろう。東欧諸国などへの影響力が大きい独仏に、まっこう対立は避けたいということだろう。積極的賛成ではなく、「積極的に賛成しない(反対する)わけでない」という、熱い某ブログで見かけるような答えだね(笑)。
日本側にも、この意向を伝えた模様。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - 安保理改革で柔軟対応も=米大使、逢沢副大臣に言明
それと、一昨日書いた米軍撤退時期の話(
イラクからの撤退予測)だが、ブッシュが否定演説したようです。今の局面では「時期尚早」ということを言いたいのだろう。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - イラク撤退期限設定を拒否=治安部隊強化で新措置-駐留継続に理解訴え・米大統領
大規模な縮小というプランは現時点で示せないのは当然なのかもしれないが、他の駐留部隊派遣国との調整など難しい問題もたくさんあるのでしょうね。よく判らないのですが。でも、イギリスのメディアは凄いね、本当に。嗅ぎ付けるネタも結構やるな、って感じで。あんなの報道されてしまったら、米軍も終わりを探っているとしか思えず、誰がどう見たって「撤退したいな」っていう気分が滲み出てるもんね。これを否定しとかないと、今後の作戦にも影響するということなんでしょうね、多分。