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市場原理とGMの処遇

2008年11月10日 20時42分02秒 | 経済関連
市場という処刑人にサクッと逝かせてもらうがいいと書いておいたはずだ。いよいよ、市場原理主義を捨て去るのか?(笑)


欧米人というのは、自分が本物の痛みを与えられて、実際に首を刎ねられるまでは誰かの「苦痛」には気付けない人たちなのかもしれない。市場原理を大上段に掲げていたのであれば、たとえ「死んでも」それを貫けばよいものを、ここで主義主張を捨て去るなんぞ笑止千万。そんなことなら、はじめから「ヨソの国」に対してまで説教しなければいいのだよ。彼らは、ことあるごとに文句を並べ、日本の制度や慣習や慎重さに不満や侮蔑を投げつけてきた。そんな為に、わざわざ日本くんだりまで来なけりゃいいものを、自らの過信ゆえに要求を突きつけられずにはいられないのかもしれない。自分が痛くない時には、他人にいくら痛みを与えていても、まるで平気なのさ。「こんなことをすると、痛いんじゃないかな」という想像力や、相手を慮るような能力が全く欠けているのかもしれない。

今度は彼らが痛みを受ける番だ。

GMといえども、市場に裁いてもらえばよい。
彼らの信奉していたのは市場だ。とっとと終わらせたらいいよ。


グッバイ、GM。

古きよきアメリカの、カウボーイが消滅したが如く、
アメリカの繁栄の象徴的存在だった”自動車”が、
アメリカの歴史から消える。
かつては馬という存在が自動車によって駆逐されたのと同じ。


ウチのブログでも幾度か「GMネタ」を取り上げて書いてきたのだけれども、まさかこんな有様になってしまうとは予想だにしていなかった。個人的には可哀想という感情が芽生えてしまうので、救済に傾く気持ちが判るよ。

が、欧米のこれまでの立場を考えると、「救済するのは誤り」ということになるだろうから、ダメな会社は淘汰されるべきということにするのだろう。ローバーだって、ジャガーだって解体されたようなもんじゃないか。英国人にとってはどうということはなかったのだろうと思うが、傍から見れば貧乏人が娘を身売りしたのと同じようなものだから。
けど、特別に感傷的な気分に浸る必要なんかないのさ。それが市場なんだから。


GM関連の参考記事:

・05年10月>話題シリーズ12

・05年12月>国と地方の大断層7

・06年7月>北朝鮮問題~サミットまでを概観してみる

・08年3月>心臓には腎臓を救えない(笑)

・08年6月>日本の協力で世界経済を救うべき


トヨタが窮地に陥ったGMに対して、技術協力だの北米トヨタに人材登用だの、ちょこっと手を貸す真似をしてみたけれども、結局ダメだったんだよ。
で、医療費問題というのは、ハズレではないと思うけれども、決定的要因というわけでもなかっただろう。
そもそもは「売れない」ということが一番マズかった。その引き金を引いたのは、「原油高」だった。ガソリン価格高騰で、アメ車からはみんな逃げ出したんだよ。重い、ゴツイ、燃費悪い、そういう車は誰も乗らなくなった。恨むなら、原油高を演出した連中を恨むんだな。

更に、「GM破滅への道」をロードローラーで整備し、ご丁寧に舗装してくれたのは、言わずとしれた「金融危機」だった。
身の程知らずにも、「物つくり企業」である本分を忘れて、金融という「成功への近道」を選択してしまったのさ。愚かにも、それが最短の近道と信じてしまったのさ。GMが一体いくらくらい金融商品関連につぎ込んでしまったのかは知らない。が、損失の大きさが相当巨額に上ったはずなので、かなりの「相場」を張っていたんだろう。まさか、歴史ある「世界に冠たるGM」がこんな破綻の窮地に立たされるとは、想像だにできなかったのだろう。ベアリングが飛んだ時にも、やはりそうだったけれど。企業の歴史という重みは、賭けの清算時には何の役にも立たず手助けもしてくれない。

手っ取り早く「金儲け」になる、金融という名の博打に加わってしまった結果が、今の窮地ということなのだ。多分、そうした金融商品の打撃を受けていなければ、自力でどうにかピンチを凌げる程度にキャッシュを持っていることができたかもしれない(所詮、延命に過ぎない、と言われてしまうかもしれないが)。けれども、カジノの出口を出る前には、GMといえども清算させられてしまうわけだ。その時に金を出せなければ、「ちょっとこちらへ」と裏にあるギャング部屋に連れて行かれることになっているのだよ。

カジノのルーレットに慈悲はない。
払えない客に、ギャングの憐憫などない。


米国の歴史の一部を、そう易々と捨てられるだろうか?
破綻へのカウントダウンは既に始まっている。しかも、着実に減って行ってる。

市場原理を優先してGMを捨てるか?
それとも、原理原則を捻じ曲げ、得意のルール変更で救うか?(笑)