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こんなファンドは嫌だ

2008年11月21日 21時46分03秒 | 経済関連
えー、私は本気で死にました。史上最大の損害率です。過去のITバブル崩壊なんかの時や、日本経済の最低期間であった02~03年頃の損失よりも、はるかに甚大な被害を蒙りましたよ。

日本市場が彼奴等に乗っ取られてからというもの、荒らされ放題です。彼らの言い分だと、「これは単なる投資のテクニックに過ぎない」というでしょう。そんなのは、ウソに決まっているのにね。


また例で考えてみましょう。
船便のスパイス輸入でもいいし、株取引でもいいですが、そういう何かの投資プロジェクトを目的としていて、ファンドみたいなものだとします。何でもいいのですが、とりあえず債券の売買をするファンドとしますか。

とりあえず、一口1万円で出資を募ります。
マネージャーに自分のお金を預けて、その資金を元手に色々な債券を購入してもらい、その売買利益とか配当金収入などで、出資した1万円に対してリターンを得てもらう、というものです。必要経費はこの中から出してもらいます。

さて、この投資には多数の人々が参加し、100万口集まりました。
このファンドはどうなるのか、ということを考えるわけです。投資プロジェクトである「債券の売買、運用」が成功すると、一口当たりの金額は増加します。元は1万円だったものが、10500円とか11000円とかに増えていくわけです。時には分配金として、出資者に分けられたりもしますよね。逆に損失が出てしまうと一口当たりの金額は減少し、9000円とかになっていったり、分配金ももらえないということになりますね。出資した投資家としては、「損しちゃったな」と思うわけなんですよ。

こうしたファンドは現実に多数存在していて、投資信託などとして「日々基準価格が算出され、理論価格がたった一つ決まる」ということになっているのです。具体的には、このファンドが持つ資産から負債や手数料部分などを除外して、純粋に出資者の取り分としての「一口当たりの価格」が決まるわけなんですよ。実際に出資したお金を返してもらう時には、こうした基準価格を元に解約時の価格が決まっています。若干のペナルティとして、理論価格よりも割り引かれるということが多いかと思います。
(換金に伴うデメリットが他の出資者に影響する為、ということだろうと思われます。例えば債券を換金する時、額面100万円とかになっているので、一口分の返金だけをするのにまるごと売却し換金することになってしまう。まさか債券の端っこを千切って、これだけ換金して、とも言えないですからね。そうなると資金効率が落ちることが一般的に知られているので、その分は割り引かせてもらいまっせ、ということになっているのでしょう。)


何が言いたいかというと、こうしたファンドへの投資も、企業のプロジェクトへの投資も、ほぼ同じようなものでしょう、ということです。投資家の立場にしてみると、同じ1万円を投入するのであれば、こうしたファンドであろうと企業の配当であろうと、ほぼ同じ意味合いなのだ、ということです。大昔の「船便のスパイス運搬プロジェクト」であっても、何ら変わらないということですよ。船便の場合だと、ある種の一か八かみたいなことが多かったでしょうから(嵐に遭うとか、海賊に襲われるとか…、そういう色々)、無事に荷を積んで帰ってこれるかどうかが判らなかった。宝くじの一種に近いものかもしれない。
けど、小口の出資であっても、みんなのお金を集めると、船を調達することができ、乗組員を雇うことができ、スパイスの買付金を用意できれば、そのプロジェクトに賭けることができたわけなんですよね。そうすると、うまくスパイスを積んで帰って来れたら、儲けた分を出資者の方々には配当しましょうね、ということですからね。必要経費は勿論全部引かせてもらいまっせ、船長の成功報酬も頂きまっせ、ということだったんでしょう。ファンドのクローズ期間があるというのは、こうした船便の帰ってくるまでの時間と似たようなものかもしれません(笑)。これはまあいいけど。

企業というのは、こうした投資話と何ら変わりがないはずなのですよ。
経営陣は船長であったり従業員は乗組員であったりして、必要経費は営業経費ということで差し引かれ、残った資産の部分から出資者の取り分が算出され、配当されていくということになっているわけです。上の例に挙げたような、債券ファンドの換金とか分配金と、意味合いとしては何ら違いがない、ということなのですよ。

ですので、厳密に言えば、企業への投資(株式購入)であるとしても、理論的な「出資者一口当たりの価格」というものが決まるはずなのです。そしてそれは、通常「決算」という形で行われているのです。決算は、スパイス運搬の船便が帰ってきて、全部を清算し終わった後の状態と全く同じなのですよ。つまり、その時点での「出資者一口当たりの価格」及び分配額というのが、出資した人の取り分ということになっているはずなのです。株価というものの意味合いとは、そういうことでしょう。仮にこれを換金せねばならない、という場合には、若干のペナルティとして割り引かれることはあっても、大幅に「一口当たりの価格」を下回るということは、理屈の上ではオカシイわけです。それはまるで、「投資信託」の換金を申し出た投資家に、現在の総資産から算出される基準価格から大幅に下回る金額の金(例えば半分とか、だな)しか返金しないようなものです。


企業の決算を何故毎日行わないかというと、面倒だから、大変だから、困難だから、といった理由があるでしょう(笑)。今は4半期毎に公表されていますが、これを毎日行えばいいだけなのですよ。投資信託は「決まりきった数字」しか扱わないことが多いので(投資対象が限られているし、全て数値を計算することが割りと可能だから、と思います)、日々基準価格を算出できているわけですからね。ただ企業の場合には、支払期日の違いとかたまたま上手くいった時期とか天候とか、そういう不確実な要因によって持っている総資産の変動が少なくないので、ある期間を置いて(昔は本決算、その後中間期が入るようになり、今は四半期だ)計算結果を算出するということが行われているわけですから。そうすると、企業がファンドと何ら変わりない投資対象であるなら、日々計算結果である理論価格を「取引に用いる基準価格」として、ただ一つを定めることは合理的ではないですか。それを今まで行わなかったのは、毎日計算することが困難だから、というだけでしょう。

また、企業活動というのは、スパイス運搬船と同じようなものなので、沈没しちゃうかもしれないんですね。そうすると、港では船が帰ってくるまでの長い期間を、「うまくいくんだろうか、どうなんだろうな、嵐かな、海賊に襲われたかな」とか気を揉んで待っているわけだ。そういう人たちが、今日は嵐だな、どこそこの港に着いた船乗りは海賊船を見たぜと言っていた、だのという曖昧な情報に振り回されたり、悲観したり期待したりといったことをやっていたんだろうと思う。そういう人たち同士の中で、「船は戻ってこないと思う」という風に不安になったような人から、「いやいや、あの船長ならきっと大丈夫さ」みたいに思う人が買ったわけだ。出資者の権利(うまく行ったら配当を貰える)を売買することになったわけだから。弱気が大きくなれば、その権利を手放す時には安くなってしまう、ということでしょう。

このプロジェクトの場合に、船がどうなっているか「途中経過がわからない」からこそ、価格変動が起こるわけで、もし船にはレーダーやGPSが装備されており、港で待つ人たちがみんなでテレビモニターに航海中の船の衛生画像を見ているとしたら、「出資者の権利」の売買価格はどうなると思いますか?より確実性の高い金額でしか取引されないだろうと思いますよ。沈没する様子が見えているのに、誰も「よし、権利を買ってやるぜ」なんて言わないんですよ。要するに、途中経過がより正確に判ればわかるほど、理論価格がたった一つ(若しくは非常に狭いレンジの価格帯)しか出てこない、ということになりますでしょうね。


なのに、現実の株式市場というのは、全然違うわけです。ほぼメチャクチャなんですよ。
どうしてそんなことが通用してしまうのか?
理論価格が毎日算出されていないから、です。

企業活動の途中経過は、航海中の船の衛生監視画像みたいに正確には判らないから、完全な価格というのは算出できないけれども、理論的には先にも述べた通りに「出資者の一口当たり価格」が計算されうるものであるはずなのです。この予想がブレる為に、取引価格が変動してしまう、ということはあるでしょう。配当金の変動ということもあるかもしれません。しかし、理屈の上では投資する金額と、その金額がどれくらいの増加するのか、ということに集約されていくでしょう。具体的には一株当たりの株主純資産の増加とか、一株純利益、といったことでしょう。他に必要になるのは、「時間」の要素による割引率の違い、ということくらいでは。

時間の要因というのは、「今すぐに金にしなけりゃいけない」ということの割引という意味です。企業への投資の場合、会社に行って「株券を持ってきたから、換金してくれ」という申出をしても出来ませんよね?オレは今キャッシュが必要なので換金せよ、と言っても、企業の一部を売ってきたりはできません(投資信託ならできますけどね)。なので、便宜的に「いちばの方に行けば、まとめてやってくれますよ」ということになっており、船便を待つ人たちの「権利の売買」と同じで、買ってもいいぜ、という人たちがたむろしているわけなんですよ。株券というのは、債券なんかとほぼ同じ意味合いで、「将来時点で金を受取れる権利」を持つということですからね。企業の場合には、その将来時点というのがいつなのかが決まってはいない、というのが債券とは異なりますけれど。どっちにしろ、船が帰ってくる前に金を手にしたい、という時点で割り引かれることに違いはなく、これは手形割引業務なんかも同じ意味合いですよね。


現在の株式市場というのは、「船長が不細工男だから沈没するかも」、「メタボなハゲだからダメなんじゃないか」みたいないい加減な解説によって、「金を受取れる権利」の値段が乱高下させられているんですから。「たんまりスパイスを積んで帰ってくるらしいよ」とか、適当な風説を流布するのも、同じようなものだな。そうやって、人々を惑わせるわけだ(笑)。
もしも非上場会社の場合には、株価がどうやって算出されると思いますか?
「船長は海賊船の出身だからきっと成功するぜ」みたいな、単なる期待で価格を変動させられるんでしょうか?(笑)
仮に非上場会社の株を持つ役員とかで、退任するので会社の株を売って換金したい、ということであると、その価格はどうなるでしょう?税法上の決まりとかはよく知らないですけど、価格交渉ということや計算値から株価を便宜的に算出するといったことなのではありませんか?売買のテクニックとか、いい加減な解説とか、そういうのは一切通用しないわけなんですよ。


なので、企業価値は市場で決まる、というのは、部分的には正当性があるかもしれないが、それは「船が帰って来れると思うかどうか」みたいなものを、「価格として算出する」というような不確実性の大きい場合には意味があると思うよ。でも、ファンドの基準価格が「マネージャーが無能のバカっぽいから、安くなるに決まってるだろ」とか、「この前、売却損を出してたから安いに違いない」といった、非常に曖昧な理由で取引する価格を決められたらどうしますかね?(笑)通常、そんなことはありえんでしょうよ。
優秀なファンドマネージャーの「マイケルくん」です、だから、このファンドは出資金ははじめから高くて一口2万円が投資資金の1万円分です、なんて話がありますかね?そういう期待だの、見込み云々で基準価格が決まるという制度は、間違っていることが多くなるだけ。もし期待込みで価格は変動するもんだ、というのが正しいのであれば、全部のファンドだの投資信託だのをそういう制度にするべきだろうね。10期連続で年率10%成長を遂げたファンドの基準価格は、計算値よりも高い価格が設定されたり取引されたりしているのか?(爆)期待込み、で。そんなワケないだろ?ん?ウソをつくなよ。


つまり、これまで株式市場で横行していた売買ゲームの大半は、ニセの作られたものばかりだった、ということだな。
安全資産への投資との比較とか、株主純資産の増減とか、そういうことを考えるのは普通だろう。企業利益が少ないと、株主純資産の成長率が低下するから、投下資金のリターンの利回りが低下するということだ。赤字でもないのに、純資産の大幅減というのは普通ないと思うんだけど。利益が1000億円から100億円に大幅に減少したとしても、黒字である限りは一応プラス成長ですから。おバカさんたちには、そういう簡単なことが判っていないらしいけど。この投資機会と別な投資機会との比較で、もっと利回りの良い機会がある(例えばもっといい企業の株を買うとか、国債や社債を買う、とか)なら、そちらを選択する方が「賢いですね(合理的)」というだけであり、投資することによって「損失を生み出す」ということにはならない。頭の悪い連中というのは、「減益」や「下方修正」と聞くだけで、株価暴落は当たり前、みたいに思ってるだけで、実際には限度ってもんがあるんだよ。50万円投入して1万円しか成長しない投資と、同じ金額を投入して3万円のリターンのある投資なら、どっちを選びたいか、というだけの違いでしかない。元が500円投資して30円の会社予想だったのに、これが10円になりました、ということであれば、500円だった金額が期待する成長率近辺まで減少してしまうということが起こるだけ。だがそれは、通常一株当たり株主純資産以下の金額にはならない。企業の株で投資機会を得るよりも、会社を買収か売却した方が儲かるからだ。

けど、貯蓄しないで投資せよ、とかうまいことを言って、金を巻き上げようとする連中というのは、そういう思考法を持たない。
取引対象なんて、企業の株ではなくても、何だっていいのさ。漫画の本でも同じ。それが「毎日売買されるオークション会場」があって、売買の基本的ルールとシステムがあればそれでいいんだもの。だから、株でなくとも、商品相場でも、何だって同じなのさ。後は、情報操作とか、もっともらしい薀蓄語りの洗脳とか、ペテン師テクニックさえあれば、それでいいのだよ。あとは、価格を動かせるだけの資金力、かな。


あれだ、何となく来期以降にファンドの成績が「マイナスになりそうな予感」というような場合には、基準価格が半分とかになってしまうのは当たり前ということなんだね?(爆)