新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

「コロナ戦争」の真っ只な中、84年前の河野一郎が求められる

2021年06月04日 11時56分55秒 | 東京五輪疑惑

もはや、こんな言葉を聞くと「五輪教」かそれとも「五輪狂」ではないかと哀れになってくる。
 
一般国民からみれば「JOC会長」というよりは単なる「柔道バカ」なのでまともではないことが直ぐにわかる。
 
日本選手95%がワクチン接種へ JOC会長『五輪は開催できる』」 

もっとも、「開催」はできるがその後の運営は保障の限りではない。

日本語で「普通ではない」という意味の言葉は「異常である」と表現するのが一般的であろう。
 
医学的にも豊富な経験と知見を持つ感染症の専門家からすれば、この時期の五輪開催は「異常である」と言えなことが問題である。
 
尾身会長『パンデミックの中での五輪開催は普通でない』 
 
「なぜやるのか説明を・・・」尾身会長が五輪開催に懸念(2021年6月2日)

 
政府与党側の反応は・・・。
 
◆加藤官房長官「感染対策を徹底し準備に取り組む」
◆西村経済再生相「国内の人流や飲食のリスク対応検討」
◆自民 岸田前政調会長「安全性 説明する努力を」
◆公明 北側副代表「発言はそのとおりだ」
  
これに対して野党側は・・・。
 
■立民 安住国対委員長「ひたすら開催に疑問」
■立民 泉政調会長「現時点では中止すべき」
■国民 玉木代表「行け行けどんどんでは理解得られない」
■共産 志位委員長「政府に中止決断 重ねて求める」
 
いつもながら、足並みはそろわず、立憲民主党内の国対委員長と政調会長の間には温度差があり、党として「中止」と表明しているのは共産党だけらしい。
 
この間、連日にわたり参院厚生労働委員会で発言してきた尾身会長だったが、その発言内容に対しては、「尾身氏『普通はない』発言、自民幹部反発『言葉過ぎる』」という自民幹部がいたらしい。

中には、「朝日新聞の伝家の宝刀「発言の一部切り抜き→空騒ぎ」という声もあったのだが、やはりマスメディアとして朝日の取材記者は「自民党幹部」の氏名を公表すべきであった。
 
それでは、なんでこの期に及んで、尾身会長は変身したのか。
 
『尾身外し』明らかに オリパラ組織委の専門家会議から」という記事によれば、納得してしまう。
 
五輪開催の是非を議論するラウンドテーブル会議(=オリパラ組織委が設置)のメンバーが明らかになった。
 
・岡部信彦(川崎市健康安全研究所長)
・河野一郎(組織委副会長)
・矢野晴美(組織委理事)
・斉藤智也(国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター長)
・田島文博(和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座教授)
・森村尚登(帝京大学医学部救急医学講座 主任教授)

 
このメンバーだけが五輪開催の「是非」を議論するらしいが、「可否」の判断はしないようなので、開催には懐疑的な尾身会長が外されたということなのであろう。
 
さて、生臭い話は置いといて、ノンフィクション作家の斎藤充功が、最近こんな記事を書いていた。
 
『コロナ戦争』下の日本に教えたい、83年前に“東京五輪”を「中止」した事情」 
 当時の日本は、中国大陸で中華民国(蒋介石政権)と緊張関係にあった。そのため1937(昭和12)年3月20日の衆議院予算委員会にて、河野一郎(立憲政友会、現ワクチン担当大臣の河野太郎の祖父)は、このように発言している。
 
満州方面に於て一触即発の情勢にあるから国民よ緊張せよと云うのが、指導原理でなければならぬじゃないか、然るに一触即発は満州にあるんだ、内地じゃ「オリンピック」をやって宜しいんだ、そう云うような誤魔化しの答弁をやって、議会を通ろうとすることは、軍人(注:当時の林銑十郎首相は陸軍出身だった)の取るべきところではない

 
■解決が難しい「三すくみ」状態
日本政府は、「戦争」を理由に第12回オリンピック大会の開催権を返上した。今日の日本も言わば「コロナ戦争」の真っ只な中にあり、これは紛れもない国家非常事態なのだ。だが、政府、東京都、オリ・パラ組織委員会の三者はどこも「開催中止」を言い出せない、三すくみの金縛り状態になってしまった。
84年前、政友会の1人の議員が議場で、「オリンピック中止」という勇気ある発言をした。反応はあまりなかったが、この発言はその後、国民の支持を受けている。そして、結果として政府は開催返上を決定した。
オリンピックは「メガイベント」だ。投入された資金は3兆円超ともいわれている。何故、今日の「コロナ戦争」下で、関係者は開催に固執するのか。それは「コスパ」による経済的な収支の算術にとらわれているからであろう。
「コロナ戦争」下での数字は日々、更新されており、5月21日時点で1日の感染者は5252人。累計の感染者71万404人、死者1万2177人になった。このまま数字が推移すれば、日本でも都市部の「ロックダウン」が現実となるのではあるまいか。そのとき、現代の日本に河野一郎のような人物は登場するのだろうか。
大会関係者は「Xデー」を恐れている。即ち日本側の「開催返上」を宣言する日だ。先手を打って5月21日にIOCのジョン・コーツ副会長が「緊急事態宣言下であっても、感染対策を講じることで大会が実施される」と発言。
このメッセージは「コロナ戦争」で日々格闘している日本人の感情を逆なでする妄言としか言いようがなく、明らかに「部外者」の感覚だ。2021年「東京オリンピック」中止の世論は日々高まってきている。

 
現在の日本人にとって不幸なことは、口では「国民の命と財産を守るのは政治の使命」と言いながら、「経済的な収支の算術にとらわれている」ということである。
 
昔から「売り家と唐様で書く三代目」ということわざがある。
初代が苦心して財産を残しても、3代目にもなると没落してついに家を売りに出すようになるが、その売り家札の筆跡は唐様でしゃれている。遊芸にふけって、商いの道をないがしろにする人を皮肉ったもの。

これは商家の場合なのだが、日本の政治家も、正確には「政治屋」という稼業であり、3年前には「世襲議員一覧」というサイトで政党別に世襲のさまが出ているが、自民党の圧倒的な世襲議員の多さには改めて驚かされる。
 
84年前は河野一郎のような人物がいたのだが、その三代目の河野太郎にそれを求めること自体が「無い物ねだり」であることが残念である、とオジサンは思う。
 

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