2月が近いこの時期に少々季節外れだが、ビールに関してこんな記事を思い出してしまった。
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■ 喉が渇いた時に飲むビールの落とし穴
スポーツやサウナ、お風呂など、汗をかいた後のビールは爽快ですよね。ゴクゴクと爽やかな喉ごしでビール好きにはたまらない至福のひとときでしょう。しかし、そこに大きな落とし穴が…。
当たり前ですが、ビールは水やジュースとは違い、アルコールです。ビールに限らずアルコールにはもともと利尿作用があります。お酒を飲んでいない状態のときは、脳から腎臓へ、尿の量を調整するホルモンが出ています。しかしアルコールはそのはたらきを抑えてしまうため、尿の量は増えてしまうのです。だから、お酒を飲むとトイレに行く回数が増えてしまうんですね。ということは、汗をかいた後にビールを飲んで水分を補給したつもりでも、実際は、大半が体の外へ出てしまっていることになります。
特に、カリウムのが多く含まれているビールは要注意!他のお酒に比べてもビールの利尿作用は高いので、ビールを飲んだ結果、摂取した水分量よりも、尿として体の外に出ていく水分の方が多くなるという事態が起こってしまいます。汗をかいた分だけ体内は脱水状態になっているので、しっかり水分補給をすることが大切なのに、ビールを飲んでしまったら、ますます脱水状態になってしまうのです。
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今は亡き「植木等」ではないが、「ワカッチャいるけど止められない」のが大量発汗した後のビールの旨さ。
大学時代同じサッカー部にT君という、ほとんど「飲めない」男がいた。
彼はそれまでサッカー経験がないめずらしい部員でもあった。
でもなぜかサッカー部に入り、ぎごちない体で真面目に練習に取り組んでいた。
6月頃の炎天下の練習の後、当時サッカー部の主将であったオジサンは、「練習後は一切水を飲むな!」と、今では考えられないような指示を出した。
そして同期の3年生たちを連れて近所の酒屋に繰り出した。
その酒屋は、店の奥のカウンターで立飲みできる環境であった。
狙いは、「真面目で飲めない」T君が乾ききった喉をどのように潤すかを見たかったからである。
目論みは的中し、2時間以上一滴も水分が通らなかった喉には最高のビールであり、オジサンたちは1人1本のビール大瓶を抱えて飲んだのだが、中でもT君は感激した面持ちで「うまい、うまい」と何も食わずに短時間で大瓶は空瓶となった。
その後、アルコールは体には悪くはないと目覚めたのか、練習後はいつも仲間と連れだって行きつけの居酒屋の常連となった。
それから30数年後、正月気分も消えた1月の今頃、彼の奥さんからの1通のはがきでT君の悲報を知らされた。
急いで以下のような弔辞を作成したが、残念ながら差し出すことができなかった。
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昨夜おそく帰宅して私を待っていたのはご主人の訃報でした。
一瞬何が書いてあるのか理解するまでに時間がかかりました。
最初は、ガンに侵され長い闘病の末ようやく元気になった知らせだと
思い込んでしまいました。
しかし現実は余りにも厳しく辛い内容でした。
大学4年間余りのサッカー部生活。
3年生のとき、ややもすると暴走しがちな当時キャプテンだった私を、
いつも冷静にアドバイスしてくれました。
試合では、
「ふだん静かなTに、あんな激しい闘志があったのか」
と皆が驚くような積極果敢なプレーが忘れられません。
性格そのままの堅実な頼りになるDFプレーヤーでした。
「サッカー」と「酒」と「麻雀」に明け暮れていた同期部員の中で、
唯一我が大学の伝統を守って卒業後教壇に立ったのは彼だけでした。
口の悪い仲間が言っていた言葉を思い出します。
「Tは、真面目が服を着ているようだな」
卒業後は毎年欠かさず年賀状をよこしてくれました。
必ず近況が添えられていることがとても楽しく印象的でした。
中学校の先生になってサッカー部の顧問となり、いつまでもサッカーを
続けていられる彼を私はうらやましくも思いました。
1998年の年賀状で初めて前年に手術して経過良好との知らせを受けました。
2004年の年賀状では前年に病気をしたとの添書きがあり、2005年の年賀状にも
前年に入院したとの知らせがあり、体調が悪いのかな、と心配をしていました。
今から思えばかなり苦しいガンとの闘病生活を送っていたのでしたね。
しかし、本当に悔しくて残念でなりません。
早すぎます、愛妻を残し、たくさんの教え子を残して先に旅立つとは。
今すぐにでも飛んで行き彼と思い出話でもしたい気持ちで一杯です。
9年間というガンとの闘いを支えた奥様のご苦労は想像するに難くありません。
お気持ちが落ち着いた頃、新たに悲しみがやってくるかもしれません。
どうか心強く、彼の思い残した人生の分まで生き抜いてください。
最後になりましたが、ご主人のご冥福を心からお祈りいたします。
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とうとう今年T君の13回忌を迎えることになった。
当時の仲間を誘って彼の墓前でT君の未亡人にこの弔辞を渡そうと思っている。