「五輪ファースト」の安倍晋三の総裁任期前に開催するという政治判断で来年7月23日に開幕することが決まった東京五輪。
米紙USAトゥデー(電子版)に、「『無神経の極み』と批判 五輪日程発表で米紙」と痛烈な批判を浴びたのだが、「鮫の脳み」の持ち主とその昔は酷評されていた大会組織委員会の森喜朗会長は、「五輪、来夏は大丈夫? 森会長『神頼みのところあるが」」と相変わらずの根拠のない精神論をふりまいていた。
とにかく、五輪どころじゃない。日本政府が、「長期戦」という抽象的な表現にとどめ、新型コロナとの戦いを、年単位の具体的な数字を示して国民に説明できないのは、来年の五輪と矛盾するからだろう。中止しないと、ずっとこれが続く。危険。 #NewsPicks https://t.co/koEIpDNtet
— 平野啓一郎 (@hiranok) March 31, 2020
「五輪 来年7月23日開幕」IOCも日本も何を考えてるのか。そりゃ米紙USAトゥデーに「無神経の極み」って叩かれるよ。新型コロナウイルスは世界に拡大し、各国が対応に目の色を変え、終息の目処も立たない中での能天気さなんだ。人がバタバタ死んでるのに、祭りの日程を発表するバカがどこにいるんだよ。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) March 31, 2020
さすが首相の時に「日本は神の国」と発言しただけのことはある。ある意味でブレない人なんだな。しかし、みんなを巻き込まないでくれ。
— 布施祐仁 / Fuse Yujin (@yujinfuse) March 31, 2020
「神頼みみたいなところはあるが、そうした気持ちが必ず通じていくと思う」 https://t.co/t2CzI8jH7l
現実的には、もうすぐニューヨーク並みの悲惨な状況を迎えようとしている東京の感染者数増大を見れば、来年の7月23日開催と、気決めたにもかかわらず、世界の終息は2年以上かかると予想され、五輪を開けなかったらどうするのか。
「様子を見て、また変更ってこともあるんじゃないか」とこれまた能天気な「2年延期」論を唱えていた電通出身の高橋治之・大会組織委員会理事は先月30日、報道陣に語っていた。
その高橋治之・大会組織委員会理事にこんな疑惑が明らかになった。
「東京五輪招致で組織委理事に約9億円、汚職疑惑の人物にロビー活動も」
東京オリンピック招致賄賂疑惑捜査でロイターが詳細特報。雑誌FACTAが報じたオリンピック招致委員会による高橋治之氏(電通顧問、五輪組織委員会理事)へ支払われた820万ドルを何に使ったか問われて「死ぬときになったら教える」と高橋氏。森元首相の財団への支払いの件も。https://t.co/CtbaPTXf6J
— deepthroat (@gloomynews) March 31, 2020
#Tokyoインパール2020
— 本間 龍 ryu.homma (@desler) March 31, 2020
ロイターのスクープ。招致委から元電通の高橋氏になんと9億円、森元首相にも1億4500万が流れていた。フランス検察による捜査はなおも続行中。この一年で告訴まで行けるか。
東京五輪招致で組織委理事に約9億円、汚職疑惑の人物にロビー活動も https://t.co/OcbXjIgxrZ
「来夏だめだったら、再来年とはならないと思う。中止、という流れになる」とある国際競技団体の幹部は言っていたのだが、そうなることを期待したいものである。
ところで昨日紹介した小池百合子都知事のこの会見内容に、ある疑問が上がっていた。
「ナイトクラブやバーなどへの入店を当面、控えてほしい」と訴えました。とくに、若者や高齢者の出入りを控えてほしい
すでに政府や都は、集団感染する恐れがある場所を次のように公表していた。
「スポーツジム」「屋形船」「ビュツフェ」「ゲストハウス」「テント」「ライブハウス」「カラオケボックス」「雀荘」などでこれらに共通するのが「3密」(密閉、密集、密接)であった。
・換気が悪い。
・人が密に集まって過ごすような空間。
・不特定多数が接触する恐れが高い場所。
確かにバーとかナイトクラブなどは、開放的空間だと客が入りにくい店もある。
それなのに、朝早くから開店を待つ多くの中高年者が並んでいるパチンコ店への入店自粛がされないのかという疑問が上がっていた。
ネット上では、パチンコ業界には警察関連の幹部の天下り先になっているとの話もあったが、コラムニストで著述家、そして明治大学サービス創新研究所研究員の尾藤克之が、「新型肺炎、パチンコ店への立ち入り自粛なされぬ理由」 という記事の中で、パチンコホールの業界団体に与野党国会議員計40名の「アドバイザー」がいると指摘していた。
自由民主党・計22名(衆20名、参2名)、日本維新の会・計7名の内、10名は「遊技業振興議員連盟、IR議連」の連中で利権漁り議員でもある。
いちいち今更名前を晒すほどでもないが、野党第一党の立憲民主党からは、かつて経済評論家として、和牛預託商法に関する畜産会社「安愚楽牧場」の投資商品を推奨する広告塔であった、海江田万里とジャーナリストで経済評論家の生方幸夫が「政治分野アドバイザー」として名を連ねている。
ともに「経済評論家」であったことが共通しているが党内の70歳代の議員でもあり、立憲民主党として声を上げにくいのかもしれない。
さて、安倍政権の特徴でもある「お友達内閣」や「論功行賞人事」の露骨さには開いた口がふさがらないほどなのだが、最近になって、日本中がCOVID-19感染で国民の命が毎日のように失われている状況の中で安倍官邸がやりたい放題の人事を行っていると、ジャーナリストの時任兼作がルポしていた。
<コロナの陰で、安倍官邸「やり放題の官僚人事」その厚遇ぶりに呆れる> 2020.03.31 現代ビジネス ■当の官僚も「おかしい」と警告 「今に始まったことじゃないが、おかしな役人人事が次から次へと行われている。新型コロナウイルスの話題で国民の目がそらされているのをいいことに、安倍政権はやりたい放題だ。何とかしないと、中央省庁全体がおかしくなってしまう」 さるキャリア官僚が危機感もあらわに、そう警告した。 これまでも安倍政権では、安倍晋三首相の“お友だち”や覚えのめでたい役人たちが、報酬のいい国家の要職に抜擢されたり、栄転したりしてきている。それが新型コロナウイルスの騒動に紛れて、さらにひどくなったというのだ。同キャリアが続けた。 「検事総長の人事に絡んで、政権に近い黒川(弘務)氏の定年を脱法的に延長したことが問題視されているが、政権の奔放さはそんなレベルじゃない」 最近の主要な人事を調べてみたところ、以下のようなことがわかった。まずは報酬のいい要職への抜擢――論功行賞とみられる人事。 政府は3月17日、古谷一之官房副長官補を公正取引員会委員長に据える人事案を提示した。 古谷氏は財務省主税局長や国税庁長官を経て、2013年4月に官房副長官補に就任したのだが、2017年の総選挙の際に「教育無償化」や「子育て支援」、「大型の経済対策」などの知恵を授け、自民党圧勝に貢献したとされる。 今回の人事によって、古谷氏の報酬はアップ。年間約2800万円になるという。実際の勤務日数で割ると、日額10万円を超える。 「退任する杉本(和行)前委員長は、菅(義偉)官房長官らが肩入れする楽天などにも果敢に切り込んだが、今後はどうなることか。検事総長人事と同じようなにおいも感じられる」 先のキャリアは、そう語った。 ■警察庁でも、どさくさに紛れ… 横畠裕介内閣法制局長官も、同日の人事案で国家公安委員への就任が示された。 検察官から内閣法制局に転じた横畠氏は、安倍首相が最重要課題としてきた安全保障法制で、法制局がこれまで堅持してきた「集団的自衛権の行使は違憲」との見解を捨て去り、集団的自衛権の限定行使を容認。法の成立をバックアップした。 その横畠氏が就く予定の国家公安委員は「警察の目付け役」とされるが、実務はほとんどない。にもかかわらず、年間報酬は約2400万円。委員の資格要件には「任命前5年間に警察・検察の職歴のない者」とあるが、横畠氏は2011年に内閣法制局次長に就任しているため、セーフだったという。 まだある。 いまや政権の御用聞きと化しつつある警察庁では、問題のある幹部の「在庫一掃セール」に近い人事が断行されたというが、そのどさくさに紛れてカジノ管理委員会の事務局長に「パワハラ四天王」と言われている者のひとりが抜擢されていた。 徳永崇氏のことだ。同氏は、青森県警本部長、警察庁官房審議官などを経て2019年4月にカジノ管理委員会設立準備室審議官に就いた人物だが……。 「パワハラが絶えないひとで、とくに青森県警時代のことは有名です。ただ、その一方で上には従順ですから、政権としては……ということでしょう」 警察キャリアの動向に詳しい警察幹部は、そう語った。 ・・・中略・・・ ■カジノ関連でも「由々しき人事」 さらには、こちらも過去の人事だが、カジノに関連して由々しき人事が行われていたこともわかった。カジノ汚職事件への関与が取り沙汰されながらも、不問に付された財務官僚だ。 名前が浮上していたのは、財務省から内閣府大臣官房に転じ、カジノ管理委員会設立準備室室長を経て、2019年4月に特定複合観光施設区域整備推進本部事務局事務局長に就任した中川真氏である。 中川氏と言えば、元財務次官の娘をめとりながらも2007年に不倫騒動を起こして干されたが、第2次安倍政権で復活し、菅官房長官に重用されたことで知られる。ところが……。 「中川氏は、『(カジノ汚職事件で贈賄側として登場した中国系企業)500ドットコム』が2017年に主催したシンポジウムに参加し、菅長官の言葉を引用しつつ、ギャンブル依存症対策における政府の取り組みなどについて語るなど、同社と関係があった。にもかかわらず、その後、事務局長に昇格している。なぜ、こうした人事が行われたのか大いに疑問だ」 カジノ汚職事件の捜査にかかわった検察関係者は、そんな証言を寄せた。 こうしたことが影響したのか、中川氏は2020年3月、スロバキア大使に転出した。これについて、前出のキャリアが語る。 「論功行賞を兼ねたところ払いだろう。政府からは遠ざけられるものの、大使は何といっても厚遇。報酬も高いのだから」 現在、大使の平均年収は月額110万円。ボーナスを加味すると、年収1800万円程度。これでも高給だが、ここに「在勤基本手当」と呼ばれるものが加算される。派遣先の国によって額は異なるが、スロバキアはギリシア並みの月額60万円。さらに、配偶者手当も支給される。大使の「在勤基本手当」の20%であるため、こちらは月額12万円。これらを合わせると、2600万円を超える。 仮に小中学生の子供がいた場合には、一人当たり月額15万円弱の手当ても出る。パート労働者の月給並みの金額だ。 以上のような経緯を見ると、目を光らせるべきは、検事総長人事ばかりではないことがわかる。 ■厳しく監視するべき ところで、ここで取り上げたのは、「特別職」と呼ばれる国家公務員に抜擢された人事だ(警察庁のものは除く)。この来歴等について調べてみると、官邸のHPに以下のような記載があった(注記は省略)。 《国家公務員法の制定により国家公務員が一般職と特別職に区分されたことに伴い、「特別職の職員の俸給等に関する法律」が制定され、特別職の給与体系が創設された。 創設当初の給与体系は、連合国の管理下にあって、行政の民主化が強調される中、政府から独立した機関、あるいは行政委員会の委員等に、給与体系上高い格付けがなされていた。中でも、検査官、人事官及び国家公安委員会の委員については、それぞれの設置法において、国務大臣と同額の給与を受けるべきことが定められていた》 《特別職は、様々な理由により、任用における成績主義の原則、身分保障等の一般職に適用される国家公務員法の原則が適用されない諸々の官職であり、任用、服務等に関する制度についても官職ごとに様々である。(中略)様々な官職が含まれる特別職の幹部公務員を、あえて類型化すると、次の二つに区分することができる。 ア 職務の性質から一般職の任用手続を経ないことを適当とする官職(内閣官房の特別職、大公使等) イ 職務遂行の独立性及び任用手続の透明性を確保する等の観点から任用に当って国会同意を必要とする官職(検査官、人事官、委員会委員等) ただし、こうした類型化は、それぞれの職務の性質に由来するものであり、職務の重要性や責任の重さに由来するものでは必ずしもないことから、上記のような特別職の類型化と、職責に応じて定められる給与の在り方との間に、直接的な関連性を見出すことは難しい》 つまりは、戦後に国家公務員という制度が整えられて以来、「特別職」は独立性が重んじられてきたということだ。高額の報酬が支払われる根拠も、そこにあった。 ところが、いまや論功行賞と言われても仕方ない、官邸の恣意的な任用が目立つ。制度の原点に立ち返って、厳に監視の目を光らせるべきである。 |
「世界に誇る日本の官僚」とは遠い昔の話になってしまったらしい。
霞が関の人材が劣化しているというのはかなり前から指摘されていたのだが、そもそも官僚制度自体にも大きな問題がある。
例えばシンガポールの官僚制度では、「民間の最高給与にリンクした高給」で「年次に関係ない能力による昇級」があり、「
年間120時間つまり15日間ほど外部トレーニングを受ける義務」が課せられるが、旅費から研修費から滞在費まで全部国が出してくれもちろん有給扱いである。
それに比べて霞ヶ関官僚の給料はシニアになればまあまあ恵まれてくるが、大卒時点でオプションである投資銀行や渉外弁護士と比して非常に劣る。
さらに1年の年次も抜けない人事であり、民間にも他省庁にも出入り自由ではなく出戻り不可である。
シンガポールと比較して境遇が恵まれないからと言って、いい加減な仕事をする官僚はいないことを願っているが、先が見えてしまう人事制度では少しでも「安倍官邸」の意に沿うような働きをする官僚が出世するという悪しき慣習が安倍晋三によって常態化してしまったということが国民にとっては最大の悲劇であろう、とオジサンは思う。