昨日の「まだ『3本の矢』と『一丁目一番地』に拘泥する安倍晋三」の中で、コロナ専門家会議の議事録が作成されていなかった記事を紹介した。
確かに政府は3月、新型コロナ問題を「歴史的緊急事態」に指定し、公文書管理の徹底を決定し、さらに安倍も「適切に、検証可能なように文書を作成、保存していると認識している」と強調していたが、やはりまたもや嘘であっただ。
議事録作成など義務づけ「歴史的緊急事態」 #日テレNEWS24 #日テレ #ntv https://t.co/oXZashXOZw
— 無職労オジサン (@649rouojisan) May 30, 2020
安倍晋三の口癖である「適切」、認識」という言葉は、この御仁の頭の中では「不適切」とか「無視」と変換されるらしい。
なぜ、専門家会議の議事録が必要なのかといえば、多くの国民が抱いている疑問がくすぶっているからである。
「現場の医師などから要望があったPCR検査(遺伝子検査)の数をなぜ絞ったのか」
「ズルズルとクラスター(集団感染)対策に固執した理由は何だったのか」
「『37・5度以上の発熱が4日以上続いた場合』について専門会議で異論は出なかったのか」等々。
ところが政府は初めから議事録なんか作成する意思はなかったようである。
国会議事録から見てみると。3月2日の参院予算委では、専門家会議の議事録作成の必要性を訴える立憲の斎藤嘉隆議員と加藤厚労相の間で、こんなやり取りがあった。
斎藤議員「科学的あるいは医学的な根拠を後々知るためにも、専門家会議の議事録を残してほしいんですね。このことを事前に政府の方に申し上げたところ、作っていないと、こういう話なんですよ。これ、今も作成途中で、間もなくできるということですか」 加藤厚労相「詳細な議事録を残しておくというのはこれ当然必要でありますが、同時に、公表できるというもの、今の段階でですね、まさに議事概要、これも今作成し、各委員の御了解を得て公表すべく今作業を進めているというふうに聞いております」 斎藤議員「いや、議事録は作成途中なんですか。作るんですか、作らないんですか、詳細な議事録」 加藤厚労相「まず、本部についてはもう議事概要順次公表させて、本部ね。それから、専門家会合及び対策本部の幹事会というのもございます。それに対する議事概要については順次公表すべく今作業が進んでいるというふうに聞いており、議事概要ということで」 |
つまり、専門家会議の議論はあくまで会議内の話であり、政府の政策立案とは直接の関係はない上、専門家会議の見解は公表し、議事録の概要も示されているのだから、それで十分だろう、というわけだが、これじゃあ安倍晋三が胸張って言い放っていた「日本モデル」の対策の過程も闇に包まれたままである。
こんな安倍晋三と「下駄の雪」と揶揄されながらもくっついている与党の公明党の代表は、かつてこんな格調高い国会での質問をしていた。
政府がコロナ専門家会議の議事録を作成してなかった問題。ではここで議事録について民主党政権を糾弾する公明党の山口那津男代表の過去質疑をご覧ください。
— HOM55 (@HON5437) May 28, 2020
原子力災害対策本部の議事録を作成しなかった事が「重大な違法行為」「国民や国際社会に対する深刻な背信行為」だと厳しく追及しています。 pic.twitter.com/v1H3P7bVOk
ところで、政権寄りといわれている「日テレ」や「フジテレビ」は日常的に見ていなかったのだが、一昨日にはこんなニュースが放映されていた。
【速報】あす都心を #ブルーインパルス 飛行
— 日テレNEWS (@news24ntv) May 28, 2020
航空自衛隊は #新型コロナ の対応にあたる医療従事者に感謝を表すため、あすの日中、東京都心でブルーインパルスの飛行を行うと発表
都心の飛行は6年ぶり3回目。病院上空などを編隊を組み飛ぶことが想定され、詳しいルートはあす発表予定
▼資料映像 pic.twitter.com/m10vl4SqRj
そして、このツイッターの後には、河野太郎や小池百合子、空自関係者らのツイッターに紛れてネトウヨ連中の「自衛隊賛歌」の声が続いていた。
忙しい医療関係者の勤務時間中に屋上に動員をかけたのは一体だれだったのか。
重篤な患者たちに付き添っている人たちは当然、職場を離れることはできなかっただろうに・・・。
そんな素朴な疑問はすぐに解決した。
忙しい医療従事者が、よくこんな絵をマスコミに撮らせるな、と思ったら自衛隊病院だった。政府広報。 https://t.co/zSNDjh5h0u
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) May 29, 2020
あきらかな「ヤラセ」であり、「安倍改憲派」の策動であったらしい。
こんな声が医療従事者の叫びであろう。
私の娘と婚約者は医療従事者ですが、忙しすぎて東京都上空をブルーインパルスが飛行することも知らないと思います。
— なつ (@Mars_cinevenus) May 29, 2020
敬意と感謝を示すのなら、医療従事者に優先して給付金(プラス手当て)を支給してください。それから、消費税を財源にして病床削減する政策を白紙にしてください。 https://t.co/fTdcDYxZHw
ひねくれた見方だと思われるかもしれませんが、私は、今回のブルーインパルスの飛行は、自衛隊のトップが、医療関係者への感謝という国民感情を利用して、「われわれ自衛隊も国のために尽くしています。ともに頑張りましょう」式の連帯自己犠牲アピールをカマしたパフォーマンスだったと思っています。 https://t.co/Ix54oooT8f
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) May 29, 2020
新型コロナウイルスのワクチンを散布する
— 古今亭若衆 (@mp2xPUjkjUEHX5h) May 29, 2020
自衛隊機に拍手を贈るマスクの人物は
健康不安説が囁かれていたアベ主席の
生存を確認する最新の映像です・・・って感じ
オジサンは昨日こうツイートした。
小学生だった安倍晋三が1964年10月の東京五輪開会式で、航空自衛隊の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」が五色の大輪を描いたところを覚えているわけがないが、残念ながらもう2度と日本の五輪では見られないから画策したのかな?!
— 無職労オジサン (@649rouojisan) May 29, 2020
「#ブルーインパルス」というハッシュタグでは、素直な感激や感謝の声が多かったが、こんな気になるツイートもあった。
完全一致
— 仁尾淳史(籠城中) (@atsushi_mic) May 29, 2020
この国が目指してる方向がわかりやすく一目瞭然だな#ブルーインパルス pic.twitter.com/6CarG6VYqs
#ブルーインパルス で今なんか盛り上がってるけど沖縄は毎日のように、頼んでも無いのに戦闘機が飛んでるから今日みたいなことが起きてもただうるさいだけだよ。 pic.twitter.com/yqUVbNCm35
— 仁尾淳史(籠城中) (@atsushi_mic) May 29, 2020
当然ながら、「#ブルーインパルスより補償を」というハッシュタグでは、「こんな時期に!」という、政府の後手後手政策を批判する声も多かった。
#ブルーインパルスより補償を https://t.co/mhWQgAMVuO
— あぷろ (@q0i5ft4tX4ZwI1y) May 30, 2020
厳密にまだ収束としてないのにこんなパフォーマンスに終始する意味が分かりません。戦闘機は一回飛ばすだけでも何億と燃料費等がかかるはず。
— 杣 (@ohokenaku_soma) May 28, 2020
経営難に陥る国民より、こういった児戯にも等しい行事の方が大事ですか?
#ブルーインパルスより補償を
怖い…。医療現場の実情はどこもコロナで疲弊して経営もやばくて数ヶ月で多くの病院が潰れそうになってるのにこんなことが医療従事者への応援になると考えてることが怖い…。普通に医療体制の充実してくれよ。あとまじでコロナで経営傾いてる医療機関に金くれ。#ブルーインパルスより補償を
— kojison (@AN8YCQOGl4AxGge) May 29, 2020
もうキリがないのでこの辺でやめておくが、最近新たに浮上した「家賃支援給付金」の実態にまたもや批判の声が上がっていた。
家賃支援給付金、対象月が5月からって・・・。
— kazu (@crypto_kazu) May 28, 2020
苦しんでる企業は3.4月の方が圧倒的にきつそうだったのに・・( ゚д゚) pic.twitter.com/bwrIvWrZ4u
これはひどい…#日本終わる https://t.co/sSRufAtvFp
— ハタヒデ (@hatahide1969) May 29, 2020
えぇっっ!
— もとむら伸子(本村伸子) (@motomura_nobuko) May 28, 2020
5月以降に減収にならないと使えないの?
中小企業・個人事業主向け「家賃支援給付金」
2月、3月、4月も減収で大変なのに...
しかも、いったいいつ振り込まれるのか...
本日、日本共産党国会議員団は、苦しんでいる中小・小規模事業者の実態に即して、要件を見直すよう求めた。 pic.twitter.com/NwAfuFoged
もうあきれてものも言えないくらいである。
本来ならば、緊急事態宣言が発令される前から「休業要請」があったわけなのだが、要するに安倍晋三の緊急宣言は、2月28日に北海道での感染者数が63人となった時点で、道としての「緊急事態宣言」を全国に先駆けて出した北海道の鈴木直道知事や小池百合子にせっつかれ、「このまま全ての対策が東京都の後手後手に回っては大変だ」と慌てて動き始めたのであった。
「北海道鈴木、愛知大村は○、宮城△、石川、千葉、神奈川×、小池都政は? 政治学者・御厨貴「知事たちの通信簿 東日本編」より。
要するに政府としては十分な休業補償政策が出来上がる前に、経済封鎖に近い緊急事態宣言をしてしまったということだろう。
安倍晋三のと、その最大のライバルの小池百合子により、「アスリートファースト」も「国民ファースト」もブルーインパルスの燃料費100億円とともに消えてしまった、とオジサン思う。
【付録】
「古代ローマ帝国の遺産」 II パンとサーカス (2010/05/28)