かつての「みぞゆう(未曽有)」大臣の読み違いを「ふしゅう(踏襲)」したかのような、誤読を毎年のように繰り返す安倍晋三。
すべての誤読情報を集めたわけではないが、ザット拾ってみると結構あるものである。
■2016年3月「安倍首相、『保健所』誤読で議場騒然 『子供の苦労ないから…』と共産委員長」
■2017年1月「安倍首相『でんでん』発言トレンド入り そういえば麻生元首相も...」
■2018年1月「財政収支『改善』を『改竄』と誤読 安倍晋三首相」
■2018年9月「安倍首相、またも誤読?『背後』を『せいご』 『云云』(でんでん)に続き」
安倍晋三サポーターのネトウヨ連中からすれば、「アベチャン、またやったね! でもそんなに責めなくてもイイジャン」と擁護の声がその都度ネット上には飛んでいた。
基礎的な国語力が欠如しているので、いまさらそれを咎めても手遅れであり、「初老の小学生」レベルと思えば得心する。
誤読程度ならばチョット注意され、すぐに訂正ができるのだが、意味を良く知らない言葉を平然と使用されると、まともな人々に無用な混乱を起こさせてしまう。
2月6日の参議院予算委員会で安倍晋三はまたもや「ヤッチマッタ」のである。
「安倍首相「森羅万象を担当」と発言し、Twitterでトレンド入り」
#森羅万象
— みゆき (@m1238s) 2019年2月6日
国民民主党の足立議員の第三者委員会の認識を問われての回答に
≫あのぉ、総理大臣でございますから
ま、森羅万象、全て担当しておりますので
てリプあげると揚げ足取るな!とかゆーんだろーけど、これはあかんやつよ
宇宙に至る迄全てよ?所謂、神よ
妻は国母だっけ?色んな意味で最強! pic.twitter.com/sETGE91ngj
嘘で固めた『ウソノミクス』…
— tomohiko888 (@tomohiko888jp) 2019年2月6日
森羅万象を司る全知全能の存在が実施している政策らしいんですけど…
政策の成果も勿論嘘なんですって…https://t.co/RJI9p4bYnR
安倍首相が自分のことを「森羅万象担当だ」と言ったそうで。頭がクラクラしてきた。もう、精神状態を疑ったほうがいいレベルではないか。この誇大妄想狂の男が政権の座にある時期が長くなればなるほど、国益の損失は大きくなっていくだろう。
— m TAKANO (@mt3678mt) 2019年2月6日
そもそも安倍首相は「森羅万象」を漢字で書けるのか? https://t.co/ZScTfRHm1t
安倍首相は6日の参院予算委で、統計不正を調査する特別監察委員会の報告書について「そのものは読んでいない。概要について秘書官から報告を受けた。森羅万象全て担当しているので、全て精読する時間はとてもない」と答弁。焦点の報告書を「耳学問」で済ます人が森羅万象を担当とは…笑止千万。
— 佐藤 圭 (@tokyo_satokei) 2019年2月6日
安倍首相の森羅万象発言が盛り上がっている件。総理大臣がこの国のすべてに責任を負うという覚悟を持つのは大いに結構なこと。しかし、インチキをした官僚や公文書さえ国会の場に引き出させない権力者が、いったい何に対して責任を負うというのだ。
— 山口二郎 (@260yamaguchi) 2019年2月6日
「私は森羅万象を担当している」という発言はどんなふうに解釈しても「私は神である」と言ったに等しい。これまでずっと馬鹿だ馬鹿だと思って来たが、まさかここまで馬鹿だったとは‥‥。もはや「付ける薬がない」とか「死ななきゃ治らない」とかのレベルを超越した「前代未聞のウルトラ馬鹿」だ。
— きっこ (@kikko_no_blog) 2019年2月6日
くれぐれも、「新しい解釈」の「森羅万象」を閣議決定しないことを祈るのみである。
さて、不正統計問題では、「アベノミクス偽装」という言葉が野党から飛出し、メディアが取り上げている。
しかし、この批判に対しては安倍晋三本人は、「アベノミクス、成否焦点 首相『総雇用者所得は増えた』 野党「悪化の実質賃金を偽装」という記事で反論している。
【朝日新聞DIGITALより】
誤った数値を元に「賃金が上がった」と「アベノミクス」が評価されたというのは、それだけ現在の「アベノミクス」がうまくいっていないということである、という批判に対して、「アベノミクスは大成功している」とおっしゃる先生がいた。
決して政府御用達の御用学者ではなく、「公正な税制を求める市民連絡会呼びかけ人」であり経済学者でありながら、「首都圏大学非常勤講師組合執行委員」という肩書を持っている柴田武男・聖学院大学教授はこう説明していた。
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もし安倍首相が「経済政策で貧しい人を救います」「弱い立場の人を守ります」と言っていたのなら、「アベノミクス」は大失敗でしょう。しかし首相にとって一般国民の生活など最初からどうでもいい。その代わり「世界一、企業が活躍しやすい国を目指す」と言ったのです。「大成功」と私が見なすのは、首相自身が「こうやりたい」と言ったことを実行できたからなのです。安倍政権は法人税を相次いで切り下げ、非正規労働者を増やして安い賃金構造にし、入管法を改正しさらに外国人を安く使えるようにしました。(週刊金曜日・1218号より)
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まさに「目からうろこ」である。
どんなに「アベノミクスは破綻している」と批判されても安倍晋三が平然としていたのは、そもそも、端から「経済政策で貧しい人を救います」「弱い立場の人を守ります」とは言っておらず、日銀に札をどんどん印刷させて株価を上昇させて、富裕層を増やしてきたという事実を本人が自分の実績と思い込んでいるからであろう。
メディアの多くは、すでに破綻している「トリクルダウン」により、「アベノミクス」の恩恵が末端まで行き渡るかのような幻想を国民に与え続けていた。
ここは、「アベノミクス」に対して、「実質賃金が下がって国内市場が冷え込むなか、本当に日本経済を強くしたのか」という視点から批判して行かなければならない、とオジサンは思う。