新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

愛国心と嫌国心

2019年03月30日 12時15分57秒 | 政治

「国歌斉唱」とは、その名の通り「参加者全員が一斉に国歌を歌唱すること」であり、国家的な行事の際には、国歌斉唱時は起立・脱帽し、国旗に注目して敬意を払いつつ斉唱するのが一般的とされ、それに反した場合は何らかの処分が権力側から下されている。
 
個人的には、1月に「アウェイ状態での君が代」との」中で、初めて地元の商工会議所の賀詞交換会に出席した際の、開会前の「君が代斉唱」体験をつぶやいた。
 
そして先週の土曜日は、地元のライオンズクラブの「35周年記念パーティー」に来賓として招待され、やはり開会に先立っての「国歌斉唱」という同調圧力を感じながらも大人の対応で、目前の掲揚されている日の丸を見ながら、滅入る様な気持にさせる「君が代」を歌うこととなった。
 
その日の前後には、3月22日と26日「キリンチャレンジカップ」と称するサッカー国際親善試合が行われ、日本代表は南米の強豪チームのコロンビア代表と、ランキングでは格下のボリビア代表と計2試合戦った。
 
勝敗や試合内容はさておき、気になったのは試合開始前の両チームの国歌斉唱であった。
 
サッカー国際試合ではFIFAの規定に基づいて行われるので、敵対国の国歌が先に吹奏され相手チームの選手が国家を歌い、その後ホスト国の日本チームが「君が代」を歌っていたのだが、おいなる違和感を感じた。
 
それは招待した南米の2チームの国歌が明るくリズミカルで両国の選手は口を大きく開けて誇らしげに歌っていたにもかかわらず、日本の国家斉唱の時には、本来ならば6万人以上入った観客の9割以上が日本代表の応援する観客にもかかわらず、選手の口からも、満員のスタンドからも「君が代」がほとんど聞こえていなかった。
 
激しいサッカーの試合前の選手を励まず、鼓舞する歌としては全く場違いな「君が代」という国歌であると、再認識した次第。

スポーツライター玉木正之は昨年の8月には、「サッカーの国際試合と国歌(1)~メスト・エジルの場合」という記事の中でこのように提起していた。
 
「国歌を歌う・歌わないは、『愛国心』や『ナショナルチームへの忠誠心』とは関係ないものだ。かつては国歌を歌う習慣がなかったので何のイザコザもなかった。しかし、国歌を歌う習慣が定着したために、歌わない選手のその態度が問題視されるようになった。」
 
「同調圧力で国歌を歌わない選手を精神的に追い詰めていた。」 
 
「基本的には、国歌を歌おうが歌うまいが不問にするべきである。」
 
「国際試合の前の両国国歌演奏のセレモニーでは、選手とスタッフは国歌を歌わせないよう、また選手は胸に手を当てたり、肩を組んだりしないようにFIFA(国際サッカー連盟)は指導したらどうか。」
  
1999年8月13日に公布・即日施行された国旗国歌法と略される「国旗及び国歌に関する法律 」では、日本国の国旗は「日章旗」(日の丸)であり、国歌は「君が代」であると指定している。
 
これ以降、「思想、良心の自由」から国旗国歌に反対行動を起こしていた公立学校の教員に対して、「国旗、国歌に敬意を払わない者が教師としてふさわしいのか」という東京都側の処分を巡って裁判闘争が続いていた。
 
最高裁では憲法問題までに発展したが、その間の詳細な解釈を含めて、「君が代起立訴訟・最高裁判決は何を言っているのか」というブログ記事が懇切丁寧に最高裁判決を解説しているのでご参考に。
 
少なくとも、法律で「国旗や国歌」を定めたところで、多くの国民が無定見に従い、それによって「愛国心」が滋養されるわけがない。  
 
むしろその反対の心が沸き起こってくるもので、「愛国心」ではなく「嫌国心」なる造語で以て今の日本の現状を老骨のジャーナリストの矢崎泰久がある週刊誌でメッタ切りしていた。
 
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 愛国心は誰でも知っているし、辞書にある。嫌国心というのは、私の造語である。愛国はあるのに、嫌国がないのは何故か。国家は愛すべきもので、嫌ってはならぬのか。
 国会議員の選挙でも、 日本では約半数の人が棄権している。選挙嫌いかどうかは判然としないが、関心が薄いことは間違いない。しかも選挙制度がデタラメで、死に票の山が築かれているのが現状だ。
 そんな中で権力が好き勝手をやっているのだから、日本という国家にうんざりして当然だろう。愛国心を持っている人がいるとすれば、そのほうがよほど奇妙である。
 私はつくづく日本人を辞めたいと思うことがある。どうしてこんな国に生まれてしまったのか忸怩たる思いが強い。それくらい絶望している。はっきり言って、日本という国も日本人も大嫌いだ。
 それは昨日今日の問題ではない。第2次世界大戦に敗れてこの方、ずっと続いている。つまり筋金入りの嫌国心の持ち主だと自負している。
 明治で天皇制国家になり、その結果敗戦を迎えた。ところがこの国は以後、何ひとつ変わっていない。戦後74年、明治から151年経って、およそ半分、堕落国家は継続され、その自覚に欠けた日本人を蔓延らせているだけだ。
 そんな奴は日本から出てゆけばいいという声が聞こえてきそうだが、どこへ行っても国家がある以上は隷属させられるのは目に見えている。それよりは嫌国心を大いに発揮して生きる道を選ぶしかない。幸い私はジャーナリストとして仕事を続けている。
 私は軍国少年として育てられ、中学生の時に敗戦を経験した。軍部や天皇に対する疑問が山ほどあった。ところが日本は根本的な変革を実現しなかった。
 実際にはドイツが5月に降伏し、沖縄が6月に占領された時点で、敗戦は確実だった。7月中に降伏していれば、広島・長崎の原爆投下はもとより、旧ソ連の進攻も防ぐことができた。明らかに、国体護持にこだわった日本政府の大失態であった。
 つまり天皇を守るために人民を犠牲にしたことは重大な犯罪である。余談になるが、日ソ不可侵条約を交わしていた旧ソ連が参戦していなければ、千島・樺太列島、北方4島の占領、シベリヤ抑留はなかったのである。
 嫌国の本題に戻ろう。権力は必ず腐敗する道理通りに、安倍政権の堕落は枚挙に暇がない。まさに嘘と隠蔽に塗り込められた権力だ。
 絶体絶命のモリ・カケ疑惑を官僚たちの忖度で逃げ切り、空転国会の責任も取らず、私人の妻を連れての外遊三昧、格差社会を作っただけのアベノミクスを自画自賛している。トランプ政権から無節操に武器や飛行機を買い込み、辺野古では沖縄の民意を全く顧みない。
 あまりのデタラメに開いた口が塞がらないが、外交の失敗が次々に露呈している。騙される日本人も悪いが、新年度予算が101兆円を超えるという暴挙を許すとしたら地獄の沙汰だ。
 そもそも国家はフィクション(物語)それに宗教、通過、貿易というさらなる虚構によって強権を維持してきた。権力で人々を虐げ隷属させたに過ぎない。誰もが国家による支配をいささかも望んだりしていなかったはずである。
 今は世界中に197もの国家が犇めいている。どの国家も似たり寄ったりで、そこに住んでいる普通の人々をひたすら奴隷の如くに扱って来ている。誰一人として国家によって支配されることをの望んではいない。
 ほんの一握りの権力者だけが大手を振って、罷り通ってきたことは世界の歴史が証明している。人々は生存するために様々な手段で食を確保してきた。ある日、そこに支配者が登場し、権力によって租税を課すようになる。強制的に徴収するために、卑劣な手段を取る。結果、弱者たちはたちまちからめ捕られる。支配の構図から逃れる術などなかった。
 嫌国心は世界のあちこちに広がりつつあるように思う。難民の増加と反政府デモの拡大が、それを実証しているのではないか。ある意味では背に腹は代えられない行動が起きている。フランスの黄色いベスト運動は新しい抗議活動であると同時に、嫌国心の表現のひとつに違いない。
 イギリスの社会風刺画家バンクシーは、世界の街角に現れ、国家権力への嫌悪感を描いている。アートによる抗議は正鵠を射ていると言える。謎めいているのが面白い。
 1月28日に開会した通常国会の会期は6月28日までだが、それまでに安倍政権が倒れないようなら、日本の闇は深まるばかりだろう。国土強靭化政策によって、公共事業は過去最大となり、人々の生活は塗炭の苦しみを味わうことになる。
 今こそ嫌国心によって世界を変革するべきではないか。
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おそらくこんな文章を街宣車に乗っている右翼連中が目にすれば、「日本から出て行け~!」と叫ぶかもしれない。
 
そして残念ながら、あれほどの杜撰な統計偽装が発覚しても、「1月28日に開会した通常国会の会期は6月28日までだが、それまでに安倍政権が倒れない」ような状態が続いている。
 
国会での野党の追及では内閣は倒れないのなら、この統一地方選から夏にかけての参院選に向けて、本気で野党が一丸となって、安倍内閣を追い込む闘いが必至であろう、とオジサンは思う。
 
【付録】真の愛国者は本音を語るものである・・・・。
 

【ウーマン村本がアベプラ卒業!沖縄・玉城デニー知事と真剣対談 2019年3月25日】 
 

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