新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

国際問題は過去の歴史と地政学を学んでからコメントすべし

2022年03月08日 11時50分32秒 | 戦争と歴史

相変わらず連日の民放テレビからはウクライナ国内の惨状には少々見飽きてしまうというほど、似たような映像があふれている。
 
比較的TBSでは他局に比べてかなり精力的な報道であったようである。
  

ロシア軍95%がウクライナへ侵入 攻撃激化で「核」めぐり緊張高まる
 
そして最近では、ゼレンスキー大統領の隣国ポーランドへの亡命政府樹立計画が進められているという話が出ている。
 

 

解説】ウクライナ亡命政府の実現性は?米国が検討か“今後のシナリオ"(2022年3月7日)
 
いっぽう、米国の核の傘の下で安穏と暮らしている日本では、テレビコメンテーターとしては最多数の7人の扶養家族を抱える橋下徹が、弁護士稼業では家族を養えないとばかりに民放テレビに出まくり、虚実とりまぜた発言で、意識的な炎上商法を行っている。
 
そしてついに「#橋下徹をテレビに出すな」というハッシュタグまで現れている。

こんなまともな声が落としどころか!?

 
確かに橋下徹には「ウンザリ」している視聴者が増えることは大歓迎である。
 
さて「箸休め」に久方ぶりに佐高信のこんな記事があった。
 
鈴木宗男、安倍晋三に習近平。プーチンを増長させた者たちの名前
 
■プーチンを増長させた者たち
『月刊日本』の3月号で維新に属する鈴木宗男が「ロシアは侵攻しないと明言している。ウクライナも侵攻されないと考えている。ところが、アメリカだけがロシアがウクライナに侵攻すると騒いでいる。戦争の危機を煽っているのはロシアではなく、アメリカなのである」。鈴木の盟友の佐藤優も同じようにロシア寄りの発言をしていたが、彼らはいま、これをどう取り繕うのだろうか。
プーチンを増長させた責任は安倍晋三にもある。地元に招待して持ち上げたが、プーチンに手玉に取られただけで、北方領土問題でも何の進展もなかった。
毒を以て毒を制す的に読んだ石原慎太郎と亀井静香の対話『日本よ、憚ることなく』(わっく)に、プーチンについての興味深いエピソードがある。2009年5月、来日中だったプーチンが全国知事会に来賓として出席した。そこで、都知事だった石原がこう提案した。
「日本と中国はアメリカの国債を買わされすぎて、もてあましている。アメリカの国債は利回りが高く5%も保証されているから、この国債を担保にして、日中と協力してシベリア開発しませんか」
これにはプーチンが喜んで、側近のモスクワ市長ルシコフを石原のところへ行かせ、自らの返事を伝えさせた。「ぜひ、やりたい。ただ1つ条件がある。中国と組むのは嫌だ」プーチンがそう言っているというのだが、「なぜ、そんなに中国人が嫌なんだ」と石原が尋ねると、「あいつらはハエだ。1匹でも入れたら、どんどん増えていく」という答えが返って来た。その後の石原の解説を引く。
「ロシア人は中国人が大嫌いなんだよ。長年、中ソ(現ロシアのソ連)間で国境紛争をしていたけど、1969年、ダマンスキー島(珍宝島)で中ソの大規模な軍事衝突が起こった。ダマンスキー島には大きな砂州がある。中国軍が大軍でそこを制圧し、旗を立てた。ソ連も反抗して大軍を投入し、中国軍を追い払った。その後、わざとそこをガラ空きにした。そこに中国人が侵入し、兵舎を建て始めた。それをソ連軍は黙ってやらせていた。ある霧の深い夜、まわりをびっしり戦車で固め、一斉砲撃で中国軍全員を殺した。死体も戦車で踏みつぶした。その光景をCIAが撮影していて記録していたんだ」
今度のプーチンのウクライナ侵攻に中国の習近平はストップをかけなかった。そのためにプーチンは強気になっている。アメリカは中国と対峙しているので、ウクライナに軍隊を派遣できないと見透かされたとも言われているが、しかし、中国とロシアがいつまで協調できるのか。
いずれにせよ、国家が肥大し、リーダーが独裁者になると、民衆はいつもその犠牲になってしまう

 
その「肥大化した独裁者」となってしまったプーチンについては、軍事アナリストの小川和久が過去の大国の権力者たちの病気についてこんなことを言っていた。
 
プーチンが突きつけた恐怖。世界を破滅へと導く最高権力者の“病気"」 
 
 
■歴史的にプーチン病気説を眺めると
ロシアのプーチン大統領がロシア軍に核戦力を含む特別警戒態勢を発令したことについて、病気説が飛び交っています。
2020年11月には、英国の大衆紙サンが「プーチンはパーキンソン病のため、2021年初めに辞任するだろう」と報じました。その報道のようには進まなかったのですが、今回の核兵器への言及によってパーキンソン病による過去への執着や判断力の低下が原因だとか、認知症によるものだという言説が再び飛び交っています。
いずれも確たる根拠があるものではないのですが、過去の歴史に照らして、特に核兵器に関する国家元首の暴走を食い止める方策を確立する必要性が生まれていることは間違いないでしょう。
私の手もとに『現代史を支配する病人たち』(新潮社、P・アコス、P・レンシュニック)という本があります。著者のアコスはフランスの『レクスプレス』誌の医療担当記者を務めたジャーナリストで作家、レンシュニックは『医学と衛生』誌の主筆、ジュネーブ大学医学部講師などを歴任した内科専門医です。
訳者の須加葉子氏はあとがきに、「権力者というものに対する一般のイメージを打ち砕き、世界政治の動きを医学の視点からとらえることによって、現代史に従来と全く異なった側面から肉迫し、さらに法医学的な社会問題をも提起した」と記しています。
この本には、ルーズベルトの「ヤルタの空に描くアルヴァレス病の幻想」から毛沢東の「革命の神様を待ち受ける老人性痴呆」まで、27人の最高権力者が俎上に載せられています。アルヴァレス病とは脳の小動脈の破裂によって生じ、意識がもうろうとするなどの症状が出ることで知られています。
今回のプーチン大統領と重なるのはヒトラーのケースで、「第三帝国とともに崩壊するパーキンソン病の肉体」という表題になっており、なにやら意味深でもあります。
プーチン大統領がKGB(国家保安委員会)の将校として活動したソ連の指導者については、レーニンの脳軟化症、スターリンの「凍った血」(重い動脈硬化症によって衝動の抑制が効かなくなる症状)、フルシチョフの「躁鬱病」、ブレジネフの「人工心臓疑惑」が取り上げられています。このような最高権力者の病気が世界を破滅に導きかねない恐怖を、いま世界はプーチン大統領の言動によって突きつけられています。
最高権力者の暴走を阻止するには、第一線部隊の指揮官が不当と思われる大統領命令を拒否できるようにした米国の例などが参考になると思われます。近い将来、ロシアや中国でもそのような「安全装置」が制定されることを願わずにはいられません。

 
ルーズベルト」の「アルヴァレス病、毛沢東の「老人性痴呆」、レーニンの「脳軟化症」、スターリンの「凍った血」、フルシチョフの「躁鬱病」、ブレジネフの「人工心臓疑惑」、と過去の現代史を支配する病人たちと同様、「プーチンはパーキンソン病」という指摘は決して突飛なことではなく、世界中の多くのリーダーたちも危惧していた。
 
各国リーダーが漏らしていたプーチン大統領の“異変" 「パーキンソン病」疑惑も」という記事中で、中西輝政・京都大学名誉教授(国際政治学)がこう指摘していた。
 
「プーチンが2月27日、核抑止部隊に対して任務遂行のための高度な警戒態勢に移行するよう指示したのは、実に危険な脅しです。これを見ても、彼が常軌を逸した判断をしていると捉えざるを得ません。プーチンはクリミア併合(2014年)の1年後に回顧して、“当時は核兵器を臨戦態勢に置くことも考えた"と明かしています。それが今回は侵攻の最中に核に言及しているのだから、とても恐ろしいことです」
 
「フランスのマクロン大統領は先月、プーチンとの会談後に“別人のようだった"と話しており、ドイツのメルケル前首相も退任前、人格の変化について同じく懸念を漏らしていた。密に接してきた人ほど、プーチンの異変に気付いていたのでしょう。近現代史を振り返っても、こんな狂気じみた指導者は稀です」
 
もはや「狂気じみたプーチン」には「付ける薬がない」状態なのか。
 
言葉かえれば「誰がプーチンの首に鈴を付ける」のかということになる。
 
在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕が、カギを握る国としてトルコの存在を指摘していた。
 
ウクライナ戦争終結の鍵。ロシアに物言えるトルコを西側に組み込むべき理由
   
■ウクライナ戦争の行方、カギを握るトルコ
ロシアのウクライナ侵攻、原子力発電所への攻撃などありえないことが起こっています。
短期的な戦況の予測は難しいです。
しかしここで一歩引いた視点から、ウクライナ戦争のカギとなる要素を見てみましょう。
それはトルコです。
NATO加盟国でありながらロシアのミサイル導入したりして、アメリカや欧州から不信感を買っていたトルコ。
この国の重要性を強く感じます。
以下、3月4日香港サウスチャイナモーニングポストからの抜粋、編集したものです。
トルコは2017年、アメリカのミサイル防衛システム「パトリオット」の導入を拒否し、ロシアの地対空ミサイルシステムを採用した。
報復として、米国は2019年にトルコをF-35戦闘機の共同生産計画から追い出し、その1年後にはトルコの防衛産業に制裁を課した。
しかしトルコはその空軍基地に米国の核弾頭を保管し続けている。
 
解説
上記は侵攻以前のトルコの状況です。NATOに加入しており米国の核弾頭で武装しながら、ロシア製のミサイルシステムを導入するなどして欧米を怒らせていたのです。
以下は今回のウクライナ侵攻後の状況です。
トルコのエルドアン大統領はプーチン大統領と密接な関係にあり、西側の経済制裁に加わる事は拒否している。ロシアを欧州評議会から追放する動議への投票も棄権した。
しかしエルドアン大統領は、ロシアのウクライナ侵攻自体は非難している。また先週にウクライナ紛争を戦争と宣言し、ボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過するロシア軍艦を阻止するためにモントルー条約の条項に基づく権限を付与した。
またトルコはウクライナと良好な関係をもっている。昨年、欧米がウクライナの要請を断った後にドローン20機を輸出した。この兵器は、ロシアの戦車や防空システムに対して使われている。
トルコはEUへ加盟の手続きを進めてほしいと再要望した。
 
解説
トルコはロシアと経済的には協力を続けたいが軍事的には一線を引く立場をとっています。しかし過去にロシアのミサイルを導入したことからも分かるように、どう動くか分かりません。
そして、その軍事力、地政学的な位置から見て、ますます重要性をまします。まさに欧州のセキュリティーのカギを握っているのです。トルコもその事を自覚しているからこそ、EUへの加入を再要望しているのでしょう。
トルコはずっとEUへの加盟申請をしていました。しかし認められず、近年はエルドアン氏の権威主義体制への非難もあり交渉は行き詰まっています。トルコはこのウクライナ危機を利用して、それを進めようとしているのです。
筆者は以前に「トルコは欧州連合には絶対に入れない」と聞いた事があります。
EU加盟できない本当の理由は「イスラム教国家だから」。EUは、あくまでキリスト教を母体とする組織だというのです。軍事同盟であるNATOには入れても、EUへの加入許可は無理だと。
EU加盟は欧州がトルコに使えるカードです。それをどう使うのか?
さらに同記事は米国の状況を以下のように記しています。
ウクライナ戦争がきっかけで、ワシントンの外交界では、放蕩者のようなトルコとの防衛関係を再構築するよう求める声が上がっている。
元駐トルコ・イラク米国大使のジェームズ・F・ジェフリー氏は、「トルコはロシアと対峙するNATO前線6カ国の中で圧倒的に強く、ウクライナという緩衝材を失った後は、地政学上の大きな利益をリスクにさらしている」と指摘した。
また「トルコの外交的支援なしに、この危機におけるNATOの成功を想像するのは難しい」とも述べた。
しかし両者の相違を解消する努力はあまり進んでいない。
バイデン政権は、エルドアン大統領の人権問題を厳しく批判し、トルコへの最新鋭のF16戦闘機の売却を拒否している。
バイデン氏はまた、12月に米国が主催した民主主義サミットからトルコの指導者を省いた。米国が同盟国やパートナーを集めてロシアを非難するよう努める中、エルドアン氏との電話会談を行わなかった。
ジェフリー元外交官は、“トルコと密接かつ創造的に調整することは、米国の責任である"と述べている。
 
解説
今まで、米国とトルコの関係が悪かったのは、ロシアのミサイルの導入を考えれば当然です。しかし、ウクライナ侵攻を見た今、関係修復は、双方にとっての利益です。
ウクライナという緩衝地帯をなくしたトルコにとってもロシアの軍事力に備えたいからです。
欧州がトルコのEUへの加盟を進めるか否か、米国が今まであまりよくないトルコ関係を修復して、完全に西側に組み込めるか否か、バイデン大統領をはじめとする西側諸国の政治家の力量がためされます。
いずれにしてもウクライナ戦争における妥協点のカギを遠くから握っているのはトルコの姿勢です。

  
 最近、鼻につくのは国際政治学者風の三浦瑠麗のウクライナ情勢に対するお得意の「ドッチもドッチ」論や、冒頭紹介した自己弁護士崩れの橋下徹の炎上商法であろう。
  
 もはやロシア問題の専門家でさえも見通しが明確にはわからないことには、テレビのワイドショーなどで過去の歴史も地政学も理解していない輩は口を挟まないことが賢明であろう、とオジサンは思う。 
 
 

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