自ら墓穴を掘ったかのような韓国の尹錫悦大統領は、弾劾決議案を出されもはや崖っぷちなのだが、本当なところはどうなのか。
「★韓国戒厳令の裏読み」
韓国の尹錫悦大統領は、12月3日夜に戒厳令(非常戒厳)を発布したが、6時間後の4日未明には議会に覆され、撤回に追い込まれた。 韓国の政界は、野党の「共に民主党」が議会(国会)の過半数を握り、尹は以前から何度も弾劾決議案を出され、ぎりぎりの政局運営を続けてきた(野党の議席が、弾劾可決に必要な3分の2に達しておらず否決)。 最近は、尹が出した政府予算案を野党が大幅に減額した。しだいに追い込まれている尹は、一発逆転を狙って戒厳令を打ち出したが、惨敗した。 今回の戒厳令に対しては、与党の「国民の力」の内部からも批判の声が強まっている。韓国が服従する米国も、アジア安保の重鎮であるカート・キャンベル国務副長官が4日、尹の行動を非難する発言をしている。尹は、米政府に(正式ルートで)相談・通告せずに戒厳令を発し、失敗した。 尹の信頼は大幅に落ちた。与党内で尹の弾劾に賛成する議員が増え、弾劾決議案が可決される可能性が高まっている。尹は自滅した。 尹は、戒厳令を12月3日の22時半に発令した。戒厳司令部が軍内に置かれ、23時には、議会や政党の政治活動の禁止など命令を出した。軍の特殊部隊が議会の議事堂に派遣され、議会の封鎖や議長の逮捕などを挙行しようとした。 だが、軍による議会封鎖は完遂されなかった。野党議員が次々と議会に入り、4日の午前1時には、戒厳令を解除する決議が議会の過半数で可決された。これを受け、与党も尹に戒厳令の解除を求めた。 韓国憲法などは、戒厳令が出されても、議会が過半数でその解除を決議した場合、大統領は戒厳令を解除せねばならないと定めている。尹は、この規定に従って午前4時半に戒厳令を解除した。 尹は、戒厳令を出したらすぐに議員の政治活動を禁じ、議会を封鎖して、議会が戒厳令解除を可決できないようにするつもりだった。そうしないと、議会の過半数を握る野党が戒厳令を無効にする。議会が戒厳令解除を可決しても、それは戒厳令違反の違法行為だから認めないなどと尹が突っぱね、戒厳令の維持を強行することもできた。 現実は、速攻にやれるはずの韓国軍がすみやかに議会を封鎖せず、野党議員たちが議事堂に入り込んで戒厳令解除を可決した。与党も尹を見限り、尹は突っぱねることもできずに瓦解して戒厳令解除に追い込まれた。 尹は、戒厳令を発布する前に、誰がどこまで協力してくれて、誰がどこまで反対するか、綿密に調べたはずだ。野党や世論が猛反対し、軍や与党の内部から離反者が出ても、戒厳令をやり切れると考えて踏み切ったはずだ。どこで、どう間違えたのか。 私は、米国政府の戒厳令反対が失敗の決定打だったのでないかと推測している。韓国は、米国に国家安全を依存する徹頭徹尾の対米従属だ。韓国軍は、米軍の傘下にある。米国に無断で戒厳令を敷くことはできない。尹は、戒厳令の発布について、事前に米国側の了解を得ていたはずだ。 事前に米国に根回ししなかったから猛反対されてすぐ失敗したんだ、ってか?。それはない。韓国の大統領は、軍事行動である戒厳令の施行を、米国に無断でやらない。 尹が戒厳令を発案して米国に打診したというより、米国側が尹をそそのかして戒厳令をやらせた可能性の方が高い。尹の方から打診する場合、米国側が断ったら、米上層部における尹の信頼が揺らいでしまう。尹の方から打診する可能性は低い。米国側が持ちかけたと考えるのが自然だ。 尹は、自政権の金龍顕・国防相からそそのかされて戒厳令を発したという話もあるが、そうだったとしても、米国に事前に相談して了承を得ないと戒厳令はやれない。 現実は、尹が米国に無断で戒厳令を発布したことになっている。ブリンケン国務長官は、事前に韓国側から何も聞いていなかったと言っている。米政府は、テレビの報道で尹の戒厳令を知ったという。 おそらく、尹の戒厳令発布をテレビで知ったバイデン政権は、すぐに反対することを決めて尹に電話して発布を撤回しろと命じた。米政府は、在韓米軍を通じて韓国軍に戒厳令に協力するなと要請した。米政府は韓国与党にも、尹に協力するなと加圧しただろう。 これらの結果、戒厳令は1-2時間で尻すぼみになり、議会に派遣された特殊部隊も動きが鈍くなり、野党議員たちが議事堂に入れるようになり、戒厳令解除が可決された。与党も尹に戒厳令解除を勧めた。 尹は、事前に米国側に相談しなかったのか。そんなはずはない。問題は、尹が米国側の誰に相談したのか、誰からそそのかされたのか、だ。トランプはまだ就任前なので、バイデン政権内の誰かだ。 バイデン政権の上層部には、自滅的で奇妙な展開を引き起こす勢力が、以前から存在していた。彼らは今年6月、バイデンがトランプと大統領選の討論会をやることを仕掛け、バイデンが認知症であることを暴露させた。 彼らは、マスコミを動かして非難させ、バイデンに立候補を取り下げさせ、替わりにもっと無能な副大統領のハリスを昇格させた。彼らは、民主党が選挙不正をやれない状況に追い込み、ハリスを惨敗させ、トランプの返り咲きを実現した。 私の見立てでは、彼らはバイデン政権の上層部に入り込んでいる米諜報界のリクード系である。彼らが今回、バイデン政権の代表者のふりをして尹をそそのかして戒厳令を発布させ、大失敗させて尹を辞任への道に追い込んでいる。 トランプ快勝の裏側 この流れの背景にはおそらく、トランプが就任後、1期目にやった北朝鮮の金正恩との対話を再開し、韓国と北朝鮮の和解をトランプが仲裁し、朝鮮半島を緊張緩和し、在韓米軍を撤退する流れを計画していることがある。 この計画の中で、韓国の大統領が尹のままだと、北との和解を拒否しかねず、南北対話が進まない。今回、尹を戒厳令騒動で自滅させ、来年早々、トランプ就任後ぐらいに韓国も大統領選挙をやって「共に民主党」が大統領と議会の両方を握る与党になる。 トランプは、南北和解に積極的になった韓国の新政権を取り込みつつ金正恩との対話を再開し、南北を和解させて朝鮮半島の米国覇権を放棄しようとしている。諜報界のリクード系は、中東や欧州だけでなくアジアでも、トランプが対立抑止と覇権放棄の功績を成功できるよう、協力している。これが私の推測だ。 |
米諜報界のリクード系の話が出くればまたもや陰謀論めいてくるのだが、トランプが絡んでくれば「さもありなん」という気持ちになる。
まあ、隣国のことよりも日本の総理大臣の最近の言動が問題になっている。
いまから振り返って見れば自民党の総裁選直後に国会を開く前に解散総選挙した思惑がよく見えてくる。
「辻元清美議員は『まるで別人』と…孤独の石破首相、口を開けば失望ばかり」
臨時国会での代表質問が始まったが、石破答弁は裏切りの連続だ。総裁選からの変節、「政治とカネ」の後退でハッキリした自民党首相の限界。外交舞台でもパッとせず、動静も会食なしで仲間内と打ち合わせ。石破色は褪せ、これで加速化する一方の日本の衰退。 ◇ ◇ ◇ 「まるで別人のようになってしまった」 臨時国会は石破首相の所信表明演説への代表質問が4日で終わる。先の衆院選で自公与党が大敗し、過半数割れしてから初の国会論戦。きのうの参院代表質問で、立憲民主党の辻元清美代表代行は今の石破を「ブレまくっている」と指摘し、冒頭のセリフを切り出した。 辻元の言う通り、この3日間の石破答弁は裏切りの連続。もはや国会は石破の「変節」を確認する場と成り果てている。 まず今国会の一大テーマ「政治改革」だ。与野党間の最大の争点は企業・団体献金の廃止だが、石破は所信表明でひと言も言及しなかった。2日の衆院代表質問で立憲の野田佳彦代表が「なぜ議論の俎上に載せないのか」とただすと、石破はこう開き直ってみせた。 「政党として避けなければならないのは、献金によって政策が歪められることだ。これには個人献金も企業・団体献金も違いはない」 衆院本会議場の野党席から一斉に「えー」とヤジが上がると、石破はしばらく答弁を中断。おもむろに議場をにらみつけ、ふてくされた表情で「わが党(=自民)としては不適切だとは考えていない」と廃止に否定的な立場を重ねて強調した。 何をムッとしているのか。そもそも今国会で政治改革が焦点になっているのは、石破の鶴の一声がきっかけだ。政治改革は今年の通常国会でも議論したばかり。ところが、裏金事件の当事者である自民が主導した6月の政治資金規正法の改正は典型的なザル法だった。無反省ぶりがアダとなり、「政治とカネ」が争点になった衆院選で自民は惨敗。投開票の翌日には、石破が政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開と残金返納などを「速やかに実現を図る」と明言し、年内の法整備に言及したのである。 ■挙げていけばキリがない変節のオンパレード 改革の言い出しっぺだからこそ、野党が「本丸」に掲げる企業・団体献金の廃止に後ろ向きな石破にヤジが飛ぶのは必然だ。ましてや企業・団体献金の廃止は、国会に突きつけられた「30年来の宿題」である。 リクルート事件や東京佐川急便事件を受けた1994年の「平成の政治改革」で、いったんは廃止を決めながら頬かむり。自民党は30年間も放置してきた。最新のJNN(TBS系)の世論調査でも実に64%が廃止を求めている。国民の声を無視して開き直りとは虫が良すぎる。それこそ流行語大賞に輝くほど、はやったとは思えないが「不適切にも程がある」だ。 その上、石破はきのうの衆院代表質問で、自民党派閥の裏金事件の再調査を断固拒否。真相は解明されていないとして、再調査を求めた立憲の小川淳也幹事長に「可能な限りの調査を行い、結果を説明してきた」とし、前任者の岸田前首相の答弁をそっくり踏襲した。 9月の自民党総裁選の際、石破は再調査についてどう語っていたか。「自民党全体として、国民の方々に『納得したよ』と言っていただける努力はしていかねばならない」と前向きに語っていたではないか。 総裁選からの石破の変節は「政治とカネ」の問題に限らない。「実現は早いに越したことはない」と言っていた選択的夫婦別姓も「国民各層の意見や、国会における議論の動向を注視していく必要がある」と慎重姿勢に終始。保険証の新規発行停止の時期についても、総裁選では「先送りの検討も必要」と言及していたが、2日にあっさり実行に移し、「適切な医療の提供に大きく寄与する」などと利点ばかり強調する始末である。 ■立ち位置で言説を変える典型的な日和見主義者 大体、所信表明では他党の意見も丁寧に聞き、「可能な限り幅広い合意形成」を目指すと言ったソバから、木で鼻をくくったような答弁を連発。石破色は褪せ、口を開けば失望を招くばかりだ。 「安倍政権時代に『党内野党』と揶揄されながら、正論を吐き、持説を曲げなかった。ブレない政治家像が定着しているから皆、ガッカリするわけですが、今の姿が石破首相の本性だと思います」と言うのは、立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)だ。こう続ける。 「自民が野党だった頃を思い出してください。国防軍創設、緊急事態条項の新設、人権抑制など悪名高い『改憲草案』をまとめた責任者のひとりが、石破首相です。安倍元首相との政争に敗れ、党内でソッポを向かれ、次期首相候補のメンツを保つには国民の支持を受けるしかなかった。冷や飯食いの期間が長すぎたから、つい体制に抗う一言居士をイメージしがちですが、虚像に過ぎません。だからこそ世論の後押しを武器に、いざ総理に上り詰めた途端、国民の期待を平気で裏切る。『アジア版NATO構想』などウルトラ右翼の危険な顔をあらわにし、権力維持には党内配慮が得策とばかりに国会答弁は安全運転を心がける。石破首相は政治的な立ち位置によって態度を豹変させる。典型的なオポチュニスト(日和見主義者)です」 風向き次第で態度がコロリと変わる“風見鶏”が本質なら、石破が自壊する党内の方ばかりに顔を向けるのも、むべなるかなだ。今の石破は「別人」でも何でもない。時代遅れで賞味期限が切れた自民党政治の限界をハッキリさせるだけの存在でしかなく、たとえ皮肉でも石破「本人」に「自民党のウミを出し切ってくれる」(辻元)と期待するだけムダだ。 ■衰退途上国を象徴する哀れな首相 しかも人付き合いの悪さだけは折り紙つき。動静を見ても就任2カ月余りで、会食はたった9回。歴代首相と比べても異例の少なさで、官邸内の打ち合わせも数少ない友だちの赤沢亮正経済再生相との数が突出している。 「肌の合わない人を避けているように見え、取り巻きとしか会わないようでは一国のトップに必要な知見は広がりません」(金子勝氏=前出) 石破の孤独は国内にとどまらず、外交舞台でもパッとしない。先にペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でも、スマホ片手に書類をいじり、他国の首脳と交わろうとしない「引きこもり」の姿勢が際立っていた。 これじゃあ、ただでさえガタ減りの国際社会における日本の存在感は、ますます失われていく。所信表明では石破も「30年前、日本のGDP(国内総生産)は世界の18%を占めていましたが、直近の2023年では4%」「1位だった国際競争力は今、38位に落ちました」と衰退を嘆いたが、孤独の首相は百害あって一利なし。日本の衰退を加速化させる一方だ。 「国連における日本の地位も下落の一途です」と、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)は、こう指摘する。 「日本は過去最多12回選出と非常任理事国の常連でしたが、今や立候補すら困難です。すでに32年の立候補を表明し、その次は43年の立候補を各国に通達。約20年も前から準備を始める異常ぶりです。従来3~6年おきに選ばれてきたのに、32年、43年に選出されても、いずれも10年近く安保理から外れてしまう。日本の安全保障上、ゆゆしき事態です。それだけ国連の『アジア・太平洋』枠で、日本のプレゼンスが落ちぶれた証拠。豊かな頃は経済支援の見返りに安保理入りへの支持を得られたものですが、今や『ODAはムダ』『他国より自国民にカネを回せ』という内向きな世論に外交も引きずられています。それも過去30年、自民党政権の経済無策で国民が貧しくなってしまったがゆえ。日本がアジアの盟主を気取れた時代はとうに去り、外交と経済はリンクしているのに、石破首相は双方とも経験不足。『年収の壁』を引き上げ、ちょっと手取りを増やしたところで衰退はどうにもなりません」 ある意味、石破は「衰退途上国」を象徴する哀れな首相かもしれない。 |
そして予算委員会が開かれ典型的な日和見主義者としての石破茂が全開していた。
「初の予算委で野田代表と“新旧総理対決” マイナ保険証の答弁に“一時騒然”」
石破政権で初めてとなる予算委員会。マイナ保険証を巡る総理の答弁に国会がざわつく場面も。
■野田代表と“新旧総理対決”実現 |
選挙の前はいいこと言って、終わったらすべてなかったことにする。
— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) December 5, 2024
なんてことをしていたら、選挙の意味がなくなる。選んだ理由がウソだったら、選ぶ行為そのものが無駄になる。
選挙制度を崩壊させたいのかな。
⇒「総裁選の政策通りやることない」 首相答弁にどよめき https://t.co/EhbJNx80Qq
#石破首相 「当選させてもらったが、そこにおいて掲げた政策が私は当選をしたのだから、この通りにやるということではない」
— kirincamelop (@kirincamelop) December 5, 2024
すると総裁選は、嘘つき放題の茶番ということだ。
普段の選挙でもこんな人たちが掲げる政策なんて一切当てにならないという話。#自民党 #石破政権 #自民党を終わらせよう https://t.co/qo202hJ4ST
自民の政治家が当然のように持っている「選挙」の認識がこれなんだろう。つまり《選挙ってのは有権者を甘言でだまして政治権力を得る道具である》という認識。だから自民は党として信用できないんだよね。
— kaz hagiwara(萩原 一彦) (@reservologic) December 5, 2024
→「総裁選の政策通りやることない」首相答弁にどよめきhttps://t.co/koVOH6xhGn
かつて国会で180回以上の虚偽答弁した安倍晋三は「嘘つき総理」と言われ、そのあとの岸田文雄は「増税クソ眼鏡」と散々であったが、石破茂があらたな「嘘つき総理」として「本卦還り」となってしまった、とオジサンは思う。