新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

トランプに「39歳」と言われた安倍晋三を上回れるか石破茂

2024年11月11日 12時01分34秒 | 石破茂政権

米国大統領選挙結果を受けて様々な論評を見かけるが、大きく分ければ「なぜトランプが圧勝したのか」とか「ハリスの敗北は当然」といった論調が大部分であった。
 
それをもっと掘り下げる記事として、今日はこんな記事を紹介する。
 
トランプ快勝の裏側
 

11月5日の米大統領選挙でトランプが快勝した。共和党は、連邦議会の上下院の多数派も取って圧勝した。開票は円滑で、選挙結果への不満や拒否も表明されていない。
2020年の前回大統領選や、2022年の中間選挙ではいずれも、投票日夜の開票作業中に各地の開票所で不可解な出来事が連続し、翌日になっても結果が確定しなかった。
だが今回は不可解な出来事がほとんど起こらず、投票終了から8時間ぐらい後の翌日の未明(PST)にはトランプの勝利が確定していた。米国にしては珍しく、開票時の騒動がなかった。やればできるじゃん(笑)。

トランプは、米国の上層部を支配する諜報界(深奥国家=DS)を潰すために大統領になった。諜報界には、こっそり米覇権を崩して世界を多極化したい勢力もいて、彼らが米上層を騙して2016年にトランプを初当選させた。諜報界や傘下の民主党やマスコミ権威筋はトランプの無力化を試み、激しい政争が続いた。
トランプvsバイデンになった2020年の大統領選では、開票作業中の深夜に、5つ以上の接戦州の開票所に、遅れて到着した郵送票の束を偽装して大量の偽造バイデン票が持ち込まれ、それまでのトランプ優勢がバイデン優勢へと不正に覆された。直前に、開票所にいた共和党側(RENO)の監視役が色んな理由をつけて追い出された。
(米民主党の選挙不正)
(不正選挙を覆せずもがくトランプ)
共和党支持者の大半が不正の存在に気づいていた(共和党内には諜報界の傀儡であるエスタブ系=RENOも多かった)。米日などのマスコミ権威筋は民主党側の不正行為を無視し、不正の指摘を偽情報と決めつけて抑止・攻撃した。
2022年の中間選挙(議会・州知事)でも、郵送票や電子投票機を使った民主党側の選挙不正が繰り返され、連邦議会で共和党が盛り返すのを防いだ。
(米中間選挙で大規模不正の可能性)
(ずっと続く米国の選挙不正)
選挙不正の手口である郵送票や電子投票機をめぐる状況は、その後もあまり変わらなかった。共和党側が改善を求めてもなかなか通らないし、裁判しても民主党寄り(ソロス傀儡)の判事に退けられた。民主党・諜報界は、不正する気が満々に見えた。
トランプ陣営は1期目の4年の経験があり、諜報界潰しの技能が向上している。1期目は諜報界がトランプの攻撃をかわし、選挙で不正に落選させて退けたが、次の勝負はトランプが勝ち、諜報界が無力化(というよりトランプ化)される可能性が高い。だから今回の選挙は民主党が不正をする可能性がとても高かった。
トランプ陣営(MAGA)は、民主党側が今秋も選挙不正をやることを前提に「不正を乗り越えて巨大に結集・得票する(Too big to rig)」という標語を今春から掲げていた。
だが実際は、11月6日の選挙で不正が行われた兆候がない。不正するには、11月6日深夜の開票作業中に、ニセの郵送票を大量に入れるとか、投票機のシステムに侵入・改竄して投票結果を書き換えねばならず、開票作業を遅延させ、混乱を醸成してその中で不正をする必要があった。
だが実際は、開票作業の遅延も混乱も、ほとんど発生しなかった。民主党側が不正したが、それを乗り越える投票数を共和党側が得たのではない。民主党側が不正しようしたが共和党側が阻止したのでもない。民主党側が不正をしていない。
比喩的に言うと、事故現場にブレーキ痕がない。ブレーキを踏んだが遅すぎたとか、踏み込みが足りなかったとか、ではない。そもそも、乗っていた車にブレーキがついていたのかどうか??。
共和党側は不正に敏感なので、開票作業の遅延や混乱が発生したら、オルトメディアで喧伝するはずだ。だが、発生が伝えられたのは、コロラド州デンバーで署名が一致しない郵送票が見つかり、不正の疑いがあるとされた件ぐらいだ。
10月末にミシガン州で、投票機のシステムに入るパスワードが大量漏洩する事件があった。だが、漏洩したパスワードを使って不正が行われた形跡は、今のところない。
有権者登録における本人確認の甘さを悪用し、違法移民に投票させて民主党の得票を水増しした手口はやれる。その手口の水増しだけでは選挙結果を覆せなかったのだろう。
全体として、今回の選挙は不正疑惑が少ないまま終わった。だからトランプが快勝した。
トランプが非常にあっけなく勝ったので、BLMやアンティファなど、詐欺的・暴力的で悪質な民主党の左派勢力も、ほとんど暴動を起こさずに終わった。シアトルやシカゴで数百から数千人が集まった程度だ。
選挙に負けた民主党が大きな暴動や内戦を起こしてトランプを妨害する、というオルトメディアに出回った予測は外れた。ハリスが敗北を認め、選挙は順調に終わった。
私は、民主党が不正をやるがトランプの優勢が維持され、開票に何日もかかり、ハリスが敗北を認めない中で左派が暴動を起こし、混乱の中で最終的にトランプの勝ちが決まるが、米国内の対立はずっと続く、といった展開を予想していたが、全く外れた。
なぜハリス陣営は大胆な選挙不正をしなかったのか。トランプとの得票差があまりに大きく、不正をやっても結果を覆せないと判断し、不正を中止したとか??。2020年の先例を見ると、それは考えにくい。
2020年の大統領選では、バイデンがどのくらい劣勢になるか予測が難しかったので、民主党側は大量の偽造郵送票を注入し、結果的にバイデンの(不正な)圧勝になった。ハリスの劣勢がとても大きくても、とりあえず注入できる最大数の偽造郵送票を注入するのでないか??。
注入には開票作業を止める必要があり、その時点で共和党側が不正に気づくが、そんな事態にはなっていない。開票時の不正は行われていない。
ハリスは不正しないと勝てなかった。ハリスが不正しなかったからトランプが圧勝した。なぜハリスは不正しなかったのか。ハリスを操っていた深奥国家(DS)は何をしたいのか??。疑問が残るままだ・・・。オルトメディアの分析者ぺぺ・エスコバルも、そんな風に書いている。
私の新しい推測は、不正しなかったのでなく、できなかった、というものだ。
ハリスが大統領候補になったのは、今年6-7月に民主党の上層部でバイデンをトランプとの討論会に引っ張り出して認知症を露呈させ、立候補を取り下げさせるクーデター的な謀略が挙行されたからだ。
バイデンは2020年に大規模な選挙不正をやって当選した。彼は、今年の選挙でも不正を繰り返せば再選できると考えていたはずだが、それまで党ぐるみで隠してきた認知症を露呈させる反逆集団が出現した。
バイデンは渋々立候補を取り下げたが、激怒し、選挙不正のやり方の詳細を後継のハリス陣営に教えなかったのでないか。選挙不正のやり方が党上層部で共有されていたのなら、ハリス陣営が同じ手口で不正して当選を目指したはずだ。不正の手口は共有されず、バイデンと、周りの親密な側近だけが知っていたと考えられる。
無能で口下手なハリスは、不正しなければ勝てないのだが、マスコミを動員してハリス礼賛の報道を連発したり、巨額の運動資金を投入したりすれば不正なしで勝てる、といった勘違いな戦略が立てられ、ハリスの選挙運動が開始された。結果は惨敗で、トランプの圧勝だった。
バイデンの認知症を暴露して引きずり下ろし、後継のハリスに不正なしで選挙に臨ませて惨敗させ、トランプを圧勝させる。誰がこんなシナリオを作って進めたのか??。
私が疑っているのは、米諜報界から民主党上層部に入っているイスラエル系・リクード系の勢力だ。彼らは、イスラエルのネタニヤフ政権と連動している。
ネタニヤフとトランプは提携している。トランプは、ネタニヤフのイスラエルが、米国の資金や兵器や諜報を使って自由に戦争するのを許している。イスラエルは、ガザで虐殺をやってパレスチナの抹消を進め、ヒズボラを潰し、イランやシリアを空爆などで脅してヒズボラ支援をやめさせて、イスラエル周辺に迫っていたイラン系の諸勢力を大幅に後退させている。
米民主党政権は、イスラエルを加圧してパレスチナ国家の建設に協力させようとしてきた。英米はイスラエルの建国直後から、イスラエル(英米を牛耳るユダヤ人)を弱めるために2国式を強要してきた。
トランプは、そのような加圧や強要を全くやらない。1期目に進めたアブラハム合意案(最小限の2国式)も、イスラエルの好みに合わせて作ったものだ(ネタニヤフは最終的に、最小限の2国式でなく、昨秋のガザ開戦に始まるパレスチナの完全抹消を選んだ)。
トランプが甘やかしてくれる見返りにネタニヤフは、米諜報界のイスラエル系を動かして、民主党を惨敗に誘導するバイデン外しの謀略を展開し、トランプに圧勝を与えた。議会多数派も全て共和党になった。

民主党など従来の米英エスタブは、ネタニヤフに加圧するためイスラエル野党の中道派・旧労働党を支援し、ネタニヤフは常に政争に苦戦してきた。
ネタニヤフ政権には、リクードだが中道派のギャラント国防相が入閣しており、ネタニヤフのガザ戦争(パレスチナ抹消)策に対して(米英がイスラエルを抑制する線に沿った)反対論・制限案を言い続けてきた。ネタニヤフは昨年春にいったんギャラントの更迭を発表したが、中道派と背後のバイデン政権が反対し、更迭の撤回に追い込まれた。
今回ネタニヤフは、米大統領選の投票日にギャラントの更迭を再び発表した。イスラエル国内の中道派は猛反対したが、背後にいた米民主党は惨敗が確定して無力になっていた。米国がトランプになったおかげで、ネタニヤフは国内の政争から解放され、自由にパレスチナ潰しをやれるようになった。
中東ではもう一つ、イスラエルに宣戦布告して、世界の貿易の3割が通る紅海を航行する米欧系の船舶を攻撃し、非米側の船だけ通していたイエメンのフーシ派が、トランプの当選確定直後に、一方的に停戦を宣言した。
この件も、ネタニヤフからトランプへの贈り物だ。イスラエルは、自国周辺の脅威を減らすため、ヒズボラを潰し、イランを武力で脅しつつ非公式に交渉してヒズボラ支援をやめさせる策を展開し、かなり成功している。
ネタニヤフはイランとの非公式交渉の中で、イランの傘下にいるフーシ派がイスラエルに宣戦布告して紅海の船舶を攻撃している件について、トランプの当選日に停戦を宣言するようフーシ派に命じろとイランに要求し、認めさせたと考えられる。レーガン当選時のオクトーバーサプライズを思い出す。
トランプは、米国が関与している世界中の戦争をやめていくことを公約にしており、ネタニヤフはトランプの公約実現に協力した。
1期目のトランプは、諜報界と対決して潰すことを目指し、諜報界から濡れ衣のロシアゲートなどの反撃を起こされ、最終的に諜報界がバイデンに選挙不正を手ほどきしてトランプを落選させた。
今後の2期目のトランプは、諜報界を潰すのでなく、諜報界で従来から強かったリクード系と組み、リクード系がトランプの代官として諜報界の反トランプ勢力を抑止・改悛・転向させ、諜報界をトランプの策に協力するように仕向けるのでないか。
リクード系が、諜報界やマスコミ権威筋でトランプを敵視してきた勢力をあぶり出し、潰していく。潰されたくないので親トランプに転向する勢力は許されるが、こっそり反逆するかもしれないのでリクード系の監視下に置かれる。
リクード系が、米諜報界をトランプ化に変身させる。これからのトランプ政権は実質的に「トランプとリクードの連立政権」のように思われる。
イスラエルのリクードといえば、米国をイラク戦争に導いたブッシュ政権のネオコンに象徴される好戦派・軍産複合体・米単独覇権派として有名だ。共和党を追い出されて民主党に移ったネオコンは、トランプ敵視の筆頭だ。
世界中で米国の戦争を終わらせると公約した覇権放棄屋のトランプと、軍産で単独覇権派のリクードが協力するはずがないとか、トランプは好戦派に転向したのか??、なとど思われそうだ。
たしかにリクードは領土拡張主義の好戦派で、パレスチナ抹消・民族浄化のガザ戦争も、ヒズボラとの猛烈な戦争も、彼らが推進している。だが、ガザやヒズボラの戦争は「約束の地」の拡張主義を実現するための策であり、それがある程度実現すれば戦争の段階は終わり、安定化の段階に入る。
イスラエルにとっての「約束の地」のうち、すでにヨルダンとエジプトはイスラエルの傀儡だ。レバノンとシリアは、今の戦争でイランの影響力が弱まれば調整期に入る。サウジは、今後何らかの形でイスラエルと和解する(サウジ子分のUAEはすでにイスラエルと国交)。
リクードの拡張主義は、かなり実現している。今後のトランプ(やその次のバンスとか?の)政権下で、米国が中東覇権を手放してイスラエルに渡し、中東がイスラエル、サウジ、イラン、トルコの4極体制に移行していく流れがありうる。そうなるとリクードは戦争屋でなくなる。
1970年代に作られた大イスラエル主義のリクードは、冷戦後の1990年代に米英からイスラエルへの2国式推進の加圧が強まり、ライバルの労働党がアラファトとオスロ合意を結んだことを脅威と感じ、対抗策として冷戦後に縮小・弱体化していた軍産複合体に「居抜き」で入り込み、そこから米諜報界で大きな力を持ち、その力を使ってイスラエルで台頭して労働党を潰した。
リクード系は自作自演の911テロ戦争を起こし、軍産が米上層部を牛耳る体制を作ったが、リクード系のネオコンは隠れ多極派(ロックフェラーとか)に入り込まれており、テロ戦争は米覇権自滅のイラク戦争の大失敗を引き起こした。
トランプ自身も、対中制裁と称して米中間の経済関係を断絶し、経済的に対米従属してきた中国を無理矢理に対米自立させて非米側を強化し、冷戦後の米覇権体制の要諦だった経済グローバリゼーションの解体を目論む隠れ多極主義者である。
ネオコンはトランプを敵視するが、実のところ両者は隠れ多極派の「こっそり同志」で、ネオコンとトランプの対立自体が演出策っぽい。
好戦的なイスラエルは、トランプの覇権放棄に協力しつつ、非米的な中東4極体制の一角に入っていく。
リクードとトランプは、リベラル派の敵である点でも同志だ。トランプの圧勝は、冷戦後の米英リベラル覇権体制の終わりを示している。
トランプ快勝を誘発した勢力は、リベラル派やマスコミ権威筋を完敗させることで、米英覇権の強みだったリベラル主義を自滅・抹消させている。それは、リベラル派を「敵潰し」に熱中させて全体主義に変質させて自滅させたのと同根な策だ。
マスコミやジャーナリズムという、米英覇権の傀儡も無力化していく。良いことだ。マスコミだけでなく、ジャーナリズム自体がインチキな(うっかり)傀儡だった(私も間抜けで、ずっと騙されてきたが)。たとえば、ジャーナリズムの輝かしい業績であるウォーターゲート事件は、隠れ多極派のニクソンを潰すために単独覇権派が起こしたものだ。


 
徹底的な米国の民主党批判であり、トランプの圧勝はマスコミやジャーナリズムという、米英覇権の傀儡も無力化していく。良いことだとも指摘している。
 
また、これまで戦争をしてきたのは常に民主党政権であり、共和党政権下では、ジョージ・W・ブッシュ大統領を除いては、戦争を引き起こしていないと最後の調停官 島田久仁彦も指摘しながら、今後の石破茂の対米外交での懸念材料も指摘していた。 
 
日本に覚悟はあるか?中国と北朝鮮を睨む米トランプ新政権に石破首相が呑まされる『要求』」
 
「全世界が注目する米大統領選で、圧倒的勝利を飾ったトランプ氏。今後の外交を巡っては各方面から早くもさまざまな懸念が噴出していますが、識者はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、トランプ新政権が国際社会にもたらすのは安定なのか、もしくはこれまで以上の混乱なのかを分析。さらに日本が迫られることになる「大きな決断」について解説しています。 
 
■安定か混乱か。返り咲きトランプが世界にもたらすもの
「みんな忘れがちだが、これまで戦争をしてきたのは常に民主党政権であり、共和党政権下では、ジョージ・W・ブッシュ大統領を除いては、戦争を引き起こしていない。ブッシュ政権については、同時多発テロ事件があり、それに対する報復なしには国を一つにまとめることが出来なかったのでまだ理解できる。皆が恐れるトランプ前政権時にも、口撃は多方面に加えていたが、実際に武力行使に至ったのはシリアへの60数発のトマホークミサイルでの攻撃のみで、彼は戦争を引き起こしてはいないことを記憶しておくべきだ」
「確かにトランプ氏が何を考え、どのような行動を取るかは予測不可能だが、彼はとことん戦争嫌いな人物ゆえに、安全保障面でこれ以上の混乱を引き起こす引き金を引くとは考えづらいので、紛争の調停という観点ではいろいろと動きやすくなると考える」
トランプ氏が第47代アメリカ合衆国大統領に返り咲くことが確定した後、調停グループの皆さんと話しをした際に出てきた分析です。
確かに第2次世界大戦は民主党のルーズベルト政権時に戦われ、日本への原爆投下は同じく民主党政権のトルーマン大統領が行いました。その後、ベトナム戦争は民主党政権のケネディー・ジョンソン政権が引き起こし、共和党政権のニクソン大統領が撤退を決定しています。
そして例外があったとすれば、先述のようにブッシュ政権時にGlobal War on Terrorの一環でアフガニスタンへの空爆が行われ、その後、イラクのフセイン政権の打倒が行われました。20年の駐留の後、結局、民主党政権下で何も達成しないまま、現在のバイデン政権でイラクとアフガニスタンからの米軍の撤退が決定されますが、実はそのレールを退いたのは第1期トランプ政権であったと言えます。
ただの偶然で片づけてはいけない傾向だと思われますが、いかがでしょうか?
■ウクライナ戦争はロシアに有利な条件でまとめられるのか
大統領に返り咲くトランプ氏の公約の一つに【ロシアとウクライナの戦争は、自分が当選した暁には24時間以内に解決できる】というものがありましたが、実際には来年1月に正式に大統領に就任してからの作業になると考えるのが自然かと思います。
多くのメディアで「トランプ氏が次期大統領に就任することで、アメリカ政府からウクライナへの支援がキャンセルされるかもしれない。それ以上に、トランプ氏はプーチン大統領と近しいため、その24時間以内の戦争終結は、ロシアに有利な条件でまとめられ、かつすでにロシアに奪われたウクライナ東部と、クリミア半島の支配も恒久化する可能性が高い」という懸念が取り上げられ、報じられていますが、実際にはどうでしょうか?この懸念の内容も理解はできますが、判断にはかなり注意が必要な内容であると思われます。
■下野時にもプーチンに何度も警告を発してきたトランプ
もう10年も前のことですので記憶が薄れているかもしれませんが、2014年にロシアがクリミア半島を強制併合した際、当時大統領だったオバマ大統領とバイデン副大統領も、ロシア、プーチン大統領との関係改善を優先して、ロシアに不当に侵略されたウクライナにとても冷淡だったことを覚えてらっしゃるでしょうか?
それに対し2017年からのトランプ政権は、ロシアによる武力侵攻からウクライナを守るために、ウクライナに武器供与を行い、かつウクライナ志願兵の訓練を(英国と共に)行い、結果としてコーカサス地域でロシアに次ぐ軍事大国に仕上げたことは、あまり報じられていません。
その後、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアへの対抗という観点からバイデン政権は積極的な武器支援を実施していますが、それは「ウクライナが負けない程度のレベル」であり、ウクライナがロシアに勝つためのレベルには及ばないことにも注意が必要です。
つまりバイデン大統領は、これまでの政治家としてのキャリアを通じて貫いてきているロシア嫌いとロシアを信じることが出来ないという思いに基づいた行動を取っていますが、かといってロシアとの関係を断絶し、再び冷戦期のように対峙し、安全保障上の緊張を高めるところまでは考えていないと見ることもできます。
トランプ大統領の性格上、そして前政権時にオバマ政権の方針をことごとく覆したこともあり、今回もバイデン政権の方針をことごとく覆すという可能性は決して否定できませんが、方法はともかく、トランプ大統領は本気でウクライナの戦争を終わらせようと考えていると思われます。
ただ、選挙中のパフォーマンスかもしれませんが、ウクライナがロシアの侵略に対抗し、2年半以上にわたって抗戦している状況に対して、それを「負け戦」と表現したのは気になりますが、トランプ政権の国家安全保障問題の幹部に加わると思われるE.C氏によると「トランプ氏は下野している際にも何度もプーチン大統領と話し、プーチン大統領に対してこの戦争はロシアにとっても負け戦であるので、早急に矛を収める手立てを見つけないといけない、と述べ、さらには核兵器の使用を脅しとして用いることは愚の骨頂であり、やりすぎるとそれはロシアおよびプーチン大統領を破滅に導くことになる、と警告してきている。明らかにロシア寄りの采配をするとは思えないし、そのような戦略を進めることもないと考える。まずプーチン大統領とゼレンスキー大統領が戦いを休止できる口実を作ることが大事と考えている」とのことで、トランプ新政権がどのようにこの問題の解決に向かおうとしているのかを垣間見ることが出来ます。
E.C氏がどのようなポストで新政権に加わるのか、そもそも政権に加わるのかは分かりませんが、政権移行チームには加わり、国防・国家安全保障問題の戦略立案の中枢を担うことになるらしく、同時進行中の複数の紛争案件の終え方について、今後、密接に協議することになるかと思われることから、トランプ新政権はongoing conflictsの解決に高い関心があることが覗えます。
■すでにトランプ・シフトが引かれている北朝鮮
では北朝鮮問題への対応はどうでしょうか?
トランプ大統領は前政権時に金正恩氏と3度面会しており、今回の大統領選中も「北朝鮮の脅威に対応し、話し合えるのは自分しかいない」と繰り返していました。ただ、3度の面会を通じて“合意”した内容が一切履行されていないこともよく認識しており、対北朝鮮政策についてはかなりのハードライナーであることには変わりありません。
厳しい対応を貫き、北朝鮮との対話のチャンネルも拒否したバイデン政権とは違い、トランプ大統領は、パフォーマンスも含め、また金正恩氏との対話の機会を設けるものと思われますが、すでに自らを「核保有国」と呼ぶ北朝鮮の対応に対しては不快感を示しているようで、大統領選間際に相次いでICBMの発射実験を行ったことに対しても不快感を示しています。
さらにロシアとの急激な接近も要注意事項としてすでに認識されており、ロシアの力を借りて核技術やミサイル技術が大幅に発展していることに対しては大きな警戒心を抱いているようですので、大統領就任後、直接対話に臨んで“危険性”を取り除くことに加え、プーチン大統領に働きかけて、北朝鮮の暴発を抑え込むように要求するかもしれません。
特に前政権時とは異なり、すでに北朝鮮はアメリカ全土を射程に収めるICBMの技術を確立していると思われることから、前政権時のようにニコニコとは対応しないかもしれません。
トランプ前政権で国家安全保障問題に携わっていた友人によると、「まずは対話を試みるだろうが、なめられていると感じたら、以前シリアに対して行ったように、トマホークミサイルなどを用いた一斉破壊を命じるようなケースもあり得ると考えている」とのことで、恐らく硬軟使い分けた対応で、早期の解決を図ろうとするのではないかと言われています。
北朝鮮当局はまだトランプ氏再選の祝意を表明していませんが、すでにトランプ・シフトが引かれているとされ、アメリカ通で、現外務大臣の崔氏にも近いチョ・チョルス氏をスイス大使に据え、以前米朝協議に参加していた努光鉄氏を国防相に任命する人事を行い、来る米朝会談・協議に備えていると言われています。
■最大の懸念でありターゲットである中国との駆け引き
今後、どのような対応を北朝鮮に対して取るのか。その方向性を左右するのが、トランプ外交の最大の懸念でありターゲットである中国との駆け引きです。
前政権時にもそうでしたが、トランプ新政権は中国に対して非常に厳しい態度で臨むことが予想されていますが、それは貿易・通商問題はもちろん、台湾有事に対する毅然とした態度の表明も意味します。
選挙中の公言として中国に対する最大200%の関税措置の発動の可能性もありますが、前政権時と違い、経済が低迷している中国を相手に本気で関税カードを切ると、中国経済のみならず、アジア太平洋地域全域の経済、そしてグローバル・サプライチェーンへの多大な悪影響が及ぶ危険性があるため、来年1月以降、トランプ氏がどこまで本気でそのカードを用いるのかは要注意でしょう。
■トランプ新政権サイドとコンタクトを始めた中国
トランプ氏の対中圧力のターゲットは、アメリカのビジネス界の保護と国内産業の再興がメインだと思われますが、中国の習近平国家主席が強引に台湾に対する威嚇を行わないこと、つまりアジア太平洋地域のデリケートな安定を崩さないように警告するための関税カードという側面もあるものと考えます。
中国サイドはそれを理解しており、中国政府もまたトランプ大統領のアメリカといかに“安定的かつ互恵的な関係を築くか”に外交的なフォーカスをシフトし始めており、聞くところによるとすでに駐米大使などを通じてトランプ氏サイドとコンタクトを始めているという情報も入ってきています。
それに加えて、中国の存在と影響力を違った側面で使いたいという思惑も見え隠れします。それが対北朝鮮の影響力です。
北朝鮮に対して圧力をかけるという目的で、中国を動かすためのカードとして用いることも考慮されているのではないかとの見方も存在しており、先述のプーチン大統領を通じてロシアからの対北朝鮮抑制と、中国から北朝鮮への圧力をセットで用いることで、トランプ氏は北朝鮮を取り囲み、実質的に動けなくするのではないかとも考えられます。
■そう遠くないうちに石破首相が迫られる大きな決断
その際、より重点を置きそうなのが、前出のE.C氏曰く、駐日米軍の戦略的な配置であり、中国と北朝鮮をにらむ目的で規模なども拡大されることになるかもしれません。
その場合、元々E.C氏自身がそうなのですが、日本に対して国防費をGDPの3%程度にまで増額すべきだと要求されるかもしれませんし、自衛隊のさらに積極的な活動を要求されることになるかもしれません。
それに対して石破政権はどう対応するのでしょうか?石破総理は長年表明されてきた防衛に対する持論を突き通すのでしょうか?それともそこも曲げて日米関係の強化に舵を切るのか?
大きな決断が、そう遠くないうちに待っているものと思われます。
トランプ新政権が誕生し、始動するまであと2か月半ほどですが、今回の選挙の結果、大統領のみならず、議会上下院のマジョリティも握ってトリプルレッドを獲得したトランプ氏と共和党が、次の2年(中間選挙)から4年間、どのように振舞い、世界にどのような影響を与えるのか。
大きな期待と不安が入り混じった状態ですが、今はまず与えられた調停官としてのお仕事に邁進してまいります。

 
軍事オタクと言われて久しい石破茂なのだが、そもそも自衛隊を国軍化して軍法会議の必要性もかつては主張していたと記憶している。日本国民とって心配なのは、かつてトランプが初めて米国大統領として来日した際に、こんな記事があった。
 
最近の米国トランプ大統領は、なぜ、日本国民に向かって「安倍氏の年齢は39歳だ」と言い放ったのか:安倍氏の年齢65歳に0.6を掛けると39歳となる
 
当時の安倍晋三はこの程度であったのだが、石破茂が今後トランプと会談した時、トランプに何歳とみられるのかが楽しみである、とオジサンは思う。   
 

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