新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

一級河川の氾濫は天災ではなく国の責任である

2019年10月13日 12時41分20秒 | 日本の防災

13都県に大雨特別警報が発表された台風19号。

全国各地の定点カメラを設置しているNHKは、時々刻々と各地の状況を伝えていたのだが、耳障りなのが、「直ちに命を守る行動を」との呼びかけ。

血相変えてアナウンサーが連呼していたが、おそらくNHKが絶対逆らえないお上からの指令があったのだろうが、おそらく政府としては警報を発しましたよという「やってる感」なのか。

しかし、世の中には自分の力だけでは「直ちに命を守る行動を」とれない人が多く存在する。

オジサンは12年前に地元の自治会の5つの地域の中の約800世帯の地域の「組長」をやらされたことがある。

順番にやって来る持ち回りなのだが、長く住んでいると必ず1回はやって来ると、当時の自治会の副会長さんに言われたことがある。

組長の仕事の一つとして各家庭に「家族調査」票を配布して自主的に記入してもらうことがあった。

その目的は「敬老の日」に祝い金と「紅白饅頭」の配布のための高齢者調査であった。

しかし個人情報の保護意識が強くなり反発する家庭が出始め、いつの間にか廃止されてしまった。

そして高齢者の訃報も公表されることも無くなっていた。

今回のような明らかに大きな災害をもたらすと予測されていた台風19号の対策としては、市町村レベルで、特に独り暮らしの高齢者のケアを事前にすべきであった。

安倍政権お得意の「自助」ではなく、まさに「公助」の精神が浸透していないと、いざとなった時には見殺しにしてしまう。

毎年やって来る台風は必ず「雨」と「風」が襲ってくるのだが、大雨の被害で顕著なのは、5年前の「数百年に1回程度より遥かに少ない確率」で発生した記録的集中豪雨による豪雨による「広島市の土砂災害」が記憶に新しい。

そして記録的な暴風によるインフラが機能不全となった今年の台風15号の千葉県南房総地区の被害は、現在も復旧中である。

昨日、静岡県の伊豆半島に上陸した台風19号は、大量の降雨もさることながら「最大風速60m」が特に強調され、15号の被害に遭った地域では暴風対策に気象庁の指示に従い、窓ガラスに養生テープ等を張り、雨戸の無い窓には板を外から張っているといった光景が見られた。

しかし千葉県の市原市を襲った突発的な竜巻はそのような対策をあざ笑うように家ごと破壊してしまい死者も出た。

今回の特徴的なのは、「台風19号、各地で河川氾濫、冠水も 多摩川や千曲川」と、余りにも堤防の決壊が多かったようである。

東京都世田谷区では住宅街を流れる多摩川の水が堤防を越え、周囲の道路が冠水。

そして多摩川の川崎側では堤防の決壊で近くのマンション1階が水没し独り暮らしの住民が死亡している。

    

             【朝日新聞DIGITALより】

さらに、氾濫した川は現時点では以下の通り。 
長野県の千曲川
●静岡県菊川市の牛淵川
●埼玉県東松山市の都幾川
●福島県相馬市の宇多川と南相馬市の新田川
●いわき市の夏井川と郡山市の阿武隈川
●栃木県那須烏山市の荒川
●佐野市の秋山川
●宇都宮市の田川
●群馬県太田市の石田川
●宮城県富谷市の吉田川
●栃木市の永野川

川の氾濫だけではなく、「箱根の芦ノ湖が氾濫 湖畔の遊歩道や駐車場が水没」と湖にまで被害が及んでいた。

     
            【朝日新聞DIGITALより】
芦ノ湖が氾濫(はんらん)し、転覆したボートを引き上げる人=2019年10月13日午前8時12分、神奈川県箱根町箱根、村野英一撮影      
  
新潟県域では信濃川と呼ばれ、長野県にさかのぼると千曲川と呼ばれる、国土交通大臣が指定・管理を行う一級河川である。

決壊付近の地元の住民は以前からその危険性を訴えていたそうである。

しかし何も対策もなしに今回の決壊になってしまった。

単なる天災ではなく明らかな行政の手抜きとか瑕疵なのかは分からないが、人災に近い。   


許せないのはこの男!

実は、無視できないのが安倍政権のこのまたもや「やってる感」演出である。

<NHKが台風19号接近のさなか台風情報に安倍政権PR紛れ込ませ! 高市早苗総務相の無内容な災害対策会議を強引に報道>
 2019.10.13 12:01 リテラ
 観測史上最大級と言われる台風19号。被害の拡大が心配されるが、そんな中、この台風報道で災害情報周知の要として存在感を発揮しているNHK。とくに12日午後からは全国各地の災害状況や避難情報について、民放とは一線を画すきめ細かい災害報道をしていた。しかし一方で、気になる報道があった。
 台風が東海、関東に迫ろうとしていた12日、NHKは朝から通常番組を中止して台風情報を放送していた。各地の中継や今後の被害予測、ライフライン情報などを知ろうと、チャンネルを合わせた視聴者も多かったはずだ。
 ところが、12日午前中から昼にかけ、NHKが台風情報と同じくらい繰り返し放送していたのが安倍政権のPRだったのだ。
 台風15号の際、関係閣僚会議を開かず、初動対応の遅れが被害の拡大を招いたことを批判された安倍政権は今回、11日に関係閣僚会議を開き、その後、安倍首相や菅義偉官房長官、関係省庁の閣僚が相次いでメッセージを出すなど、「台風対策やってる」ポーズをやたら強調していた。
 中身は「国民の皆様への迅速かつ分かりやすい情報発信を徹底する」とか「自治体や関係機関・事業者と緊密に連携しながら対策を講じる」といったなんの具体性もないものだったが、NHKはその安倍首相の談話発表の映像、菅官房長官の会見の模様をかなり長い時間をかけて紹介。さらに、なぜか高市早苗総務相が総務省の幹部を集め、災害関係局長級会議を開いたことを報じたのだ。しかも、高市総務相の談話まで映像つきで流す始末だった。
 まあ、それでも、安倍首相と菅官房長官については、台風対策の責任者である行政のナンバー1とナンバー2だから放送時間を割くのは当たり前、という反論もあるだろう(台風情報を少しでも知りたいときに、あんな中身のない談話や会見を本人の映像付きで繰り返し長々と報道する必要があったかどうかは疑問も残るが)。
 しかし、総務省の動きと高市総務相のメッセージを大きく取り上げたのは、明らかに異常だ。総務省は台風対策のメインの役所ではないし、会議の中身も「各地で発生する被害状況の把握や自治体からの支援要請などに対応する」などというだけで、ほとんど実体はなかった。高市総務相の挨拶も「情報を収集し、迅速に分かりやすい情報発信に努めてほしい」と、何が趣旨なのかさっぱりわからないものだった。実際、11日、この総務省の災害関係局長級会議について報じたメディアは安倍政権御用新聞の産経だけだった。
 にもかかわらず、NHKは台風が接近する12日になって、貴重な台風報道の最中に、こんな高市総務相のPRとしか思えない情報を流したのである。その裏側について、全国紙政治部記者が語る。
「高市さんは台風対策を自分のPRに利用しようとやたら入れ込んでいて、担当の役所でもないのに自分を長として災害関係局長を設置。総務省は高市さんの命令なのか、その存在をメディアに報道させようと躍起になっていた。でも、取り上げたのは産経くらい。それで、総務省が所管のNHKにねじ込んだのではないでしょうか。NHKはかんぽ生命保険の不正販売追及報道で、総務省事務次官出身の日本郵政幹部に“暴力団”呼ばわりされたばかりで、睨まれてますからね」
赤坂自民亭の後には、安倍首相の名前を連呼し、イメージ回復に全面協力したNHK
 NHKの政治報道については、以前から、安倍政権への露骨な忖度が指摘されていた。国会報道では野党の追及や安倍首相の醜態については映像を流さず、安倍首相の政府答弁で終わらせるなどの“大本営編集”も行なっている。
 また、災害報道では、西日本豪雨の真っ只中に「赤坂自民亭」で酒盛りに興じ大きな批判を浴びたあと、安倍首相の災害対応アピールを積極的にバックアップしまくっていた。
 たとえば、昨年9月の北海道地震や台風21号の後、NHKはこんな見出しのニュースを連発した。
〈“関西空港の復旧に全力 無電柱化進める考え”首相〉
〈安倍首相 北海道の停電 8日中にほぼ解消の見込み〉
〈首相 被災自治体からの要請待たず国が水や食糧など支援〉
〈北海道で地震 首相「応急的な住まいの確保早急に」〉
〈近畿地方で停電続く 首相「復旧作業を一層加速」〉
〈首相 地震の被害状況を視察 札幌〉
〈首相 土砂崩れ現場視察 北海道 厚真町〉
〈首相「死者42人 被災者支援に5億4000万円」〉
 しかし、史上最強と言われる台風が迫っているこんな緊急時にまで、安倍政権に言われるがままPRに勤しむとは……。“安倍サマの犬HK”という揶揄が決してオーバーな表現でないことがよくわかるというものだ。
 ただ、もっと問題なのは、まともに国民の命を守ろうともせず“やってるアピール”だけしようとしている安倍政権のほうだ。12日も安倍首相は公邸にこもりきりで災害対策本部すら設置していないが、週明けには安倍首相の中身のない“やってるアピール”が量産されるのだろう。


台風被害は総務相ではなく国土交通省の出番のはずである。

とりわけ、千曲川氾濫に関しての国交相の公式コメントが聴きたいものである。

当然、連休明けの衆院予算委員会では野党からの追及に対する政府側のアリバイ作りにNHKが加担したのであろう。

「想い出づくりのための改憲」と看破されてしまった安倍晋三には、国民に寄り添うことを期待する方が無理なようである、とオジサンは思う。
      
   

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