この数年で「死語」になったフレーズに「日本の官僚は世界一優秀」ということばがあった。
今までは決してありえなかった、「不正」をしたら「隠蔽」するということを繰り返し、馴染みのない「忖度」が当たり前になってしまった。
当然、これには明確な理由があり、それは「日本の官僚は『内閣人事局』で骨抜きにされた」ということであることは言うまでもない。
それにしても、「統計点検前、不正隠蔽か 『抽出容認』を削除 厚労省要領」という記事では、厚労省幹部は「当時の担当者の動機に関わる部分」云々と、あたかも担当者レベルの不正だったかのようなことを言っている。
【朝日新聞DIGITALより】
そして28日召集の通常国会を待たずに、「『毎月勤労統計』 組織的関与か 国会の閉会中審査での解明が焦点」という事態になっている。
「古賀茂明『安倍政権の屋台骨を揺るがす毎勤統計不正 二度目の予算案修正か?』」という記事で、元官僚の古賀茂明が明快な解説をしていた。
大まかな内容としては、こんな感じである。
●組織的不正・隠ぺいだけでなく、今も証拠隠滅が行われている可能性大
結論から言えば、最初の段階から組織的な不正だった疑いが極めて高い。
●安倍政権忖度で「賃金上昇」を演出した幹部は内心「ドキドキ」
幹部たちは、不正を言い出す勇気がなく、結果的に安倍政権をよいしょすることになったというのが実態のような気がする。
●時間、地域、省庁、三つの側面から拡大する可能性が高い
●安倍総理は、それをよくよく肝に銘じ、間違っても、自分に都合の良い統計を作るのが優秀な官僚だという考えを持ち続けることだけは止めてもらいたい。
もっとも通常国会では、全く成果が無かった日露首脳会談の言い訳に忙しい安倍晋三にとっては、それどころではないかもしれない。
さて、物事が通常の道理とは逆になっていることのたとえとして、「石が流れて木の葉が沈む」という慣用句がある。
2012年7月頃には日本中の稼働中の原発がゼロになった時期があった。
そしてそれを補う再生可能エネルギーの必要性が高まり、全国的に広がり、多くの太陽光発電事業者も一気に増えた。
東北の各県では福島第一原発のいわゆる原発震災の被災地域では、再生可能エネルギーの供給量が大幅に増加している。
しかしそれらの電気は電力会社の送電網を使っているため独立性がない。
したがって原発を保有する電力会社によって出力制限をされてしまうということが起こっている。
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<電力“余剰”問題が深刻化…国、原発再稼動で太陽光発電事業者の退場を推進>
2019.01.20 Business Journal
九州一円が好天に恵まれた1月3日。九州電力は午前9時から午後4時にかけて、太陽光発電の再生可能エネルギー事業者に一時的な発電停止を指示する出力制限を実施した。地元の西日本新聞は、1月3日付記事でこう報じた。
「最大制限量は35万キロワットだった。同日朝時点に想定していた最大制限量63万キロワットを大きく下回った。出力10万キロワット以上の太陽光発電事業者が対象となった。
正月三が日の再エネの本格的な出力制御は初めて。昨年11月11日以来約2カ月ぶり、9回目。風力発電での実施は見送った。3日朝時点の想定より最大制限量が少なかったのは、需要が増加したことなどが理由。
九電で出力制限が相次いでいる背景には、九電が原発4基を再稼働している事情もある」
■原発4基の再稼働で出力は414万キロワット増えた
なぜ、全国に先駆け、九州で出力制限が起きたのか。ありていにいえば、「原発が再稼働したから、太陽光発電は要らない」ということだ。
九州は日照に恵まれている。東京電力福島第1原発事故後の2012年に再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)が始まると、太陽光発電の規模がそれまでの7倍超になった。九電の送電網につながる太陽光発電所の設備容量は826万キロワット(18年11月時点)。夏の需要のピーク(約1600万キロワット)の半分に当たる。
再エネがこれほどまで普及したのか、と手放しで喜べる状況ではない。電力の供給は常に需要と一致させる必要があるからだ。太陽光はあらかじめ定めた量の供給が難しく、好天で発電量が急増すれば需給バランスが崩れ、昨年9月に北海道で起きたような広域での停電につながる可能性がある。
九電は昨夏までに川内原発(鹿児島県薩摩川内市)と玄海原発(佐賀県玄海町)の計4基(414万キロワット)を再稼働させた。原発は小刻みな出力調整が技術的に難しいため、国のルールで発電がもっとも優先される。
原発が再稼働した分、供給を抑えなければ需給バランスが崩れ、大規模停電に陥る懸念が強まる。それを避けるには、供給を削らなければならない。九電は火力発電所の出力を落としたほか、管内で消費できない電力を関西電力などに融通してきたが、それも限界に達した。
九電は昨年10月13日の土曜日、「調整力の限界を超える」と判断。太陽光発電事業者に対し、発電を一時停止させる出力制御に踏み切った。
その後は、好天で供給が増えるのに需要が低下する土日や年始の3日を含めて計9回、出力制御を行った。太陽光と風力の事業者約2万3000件から輪番で実施している。
九電の池辺和弘社長は1月7日の年頭あいさつ後の記者団の取材に「出力制限の回数は増えていくと思う」と語っている。
原発は九電が4基を動かしているほかは、関西電力が高浜原発、大飯原発など4基、四国電力の伊方原発の1基にとどまる。再稼働する原発が増えれば各電力会社で出力制限が広がることになる。
電力が不足して停電するだけではない。余りすぎても停電するのだ。太陽光など再生エネを、国が言う「主力電源」にするには、蓄電技術の開発しかない。しかし、過剰供給となる電気をためる蓄電池の開発には、莫大なコストがかかる。そのため、出力制限で太陽光発電業者に泣いてもらうしかない。これが電力会社のホンネだ。
■太陽光発電業者に退散を迫る
原発の再稼働をにらみ、太陽光発電業者に退散を促す包囲網が絞られてきた。
経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で、19年度の太陽光発電(事業用)を1キロワット時あたり14円とし、現在の18円から22%引き下げる。
買い取り枠を設けた上で安い電力を提示する事業者から順番に買い入れる入札の対象を500キロワット以上とし、従来の2000キロワット以上から広げる。事業者の退場を促すことにもなる。
18年度には上限価格の15.5円を非公開にして2000キロワット以上のメガソーラから入札を募ったところ、入札価格がいずれも上限を上回り、成立しなかった。
今回は上限価格を14円とし、入札制の対象も出力500キロワット以上に広げる。14円という価格は大規模な事業者でも採算が厳しい水準で、小規模な発電を計画する事業者に淘汰を迫るものとなる。
当初、FITで買い取り価格を高く設定したのは、東日本大震災後の電力不足を補い、太陽光発電の普及を促すためだった。その狙い通り、建設会社や投資会社、外国企業などさまざまなプレーヤーが参入した。その結果、電力が余りすぎ、太陽光発電が重荷になった。
かくして“太陽光バブル”は終わることになった。
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蓄電池開発に膨大なコストがかかるって皆言うけど、原発派の話で、ホントはどの電気系企業は原発部門があり廃止したくないだけ。将来的コストは原発より圧倒的に安いはず!
— MILANcomestai (@MILANcomestai) 2019年1月20日
電力“余剰”問題が深刻化…国、原発再稼動で太陽光発電事業者の退場を推進 https://t.co/vWc89MxKAw @biz_journalから
本来ならば、停止中の原発の再稼動を止め、さらには老朽原発を寿命延期をせず順次廃炉にしていくべきであった。
それが原発保有電力会社の存続のため、安倍政権は安全で安価になりつつある再生可能エネルギーの主役の太陽光発電を排除するという、まさに世界の潮流に真逆のことを行っている。
核のゴミと言われる使用済み核燃料取り出し作業1つ見ても大変な作業であり、福井の地元紙では、「もんじゅ燃料100体取り出し断念 不具合続き計画完了せず定検へ」ということになっている。
再稼動した原発の後処理は一体誰が責任をとるのだろうか?
我が身の保身しか念頭にない安倍晋三にそれを求めることは不可能であろう、とオジサンは思う。