新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

安倍晋三の負の遺産は未来永劫続くのか

2022年11月08日 12時17分08秒 | 安倍晋三

 昨年の12月には「来年度税収、過去最高に 景気回復で65.2兆円」という予測記事が出ていた。
  

 
そして、会計検査院からは2021年度の2021年度の決算検査報告書が発表された。
 
税の無駄など455億円『「不当』指摘、108件増 21年度決算報告・会計検査院
 
この記事によると、税金の無駄遣いなどを指摘した件数は310件で金額は455億2351万円だったという。
 
そのうち法令違反など悪質な「不当事項」は265件(計約104億3000万円)で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実地検査が減少するなどした前年度に比べ108件(約38億円)増加したことになる。
 
不当事項の詳細は不明なのだがの実態は想像するに難くはない。
 
なにしろすでに今年度はもっと大きな無駄な税金が使われる可能性がある。
 
 「ポイント2兆円が無駄金に マイナカード義務化で保険証はどうなる?
  

突如、河野太郎・デジタル大臣が宣言した、2年後の「マイナカード」実質義務化。この国の政府とデジタル政策といえば、失敗の過去しか思い浮かばないが、今回も大混乱だ。マイナ無しなら保険診療は受けられない? ポイントに使った2兆円は無駄金になった?
「マイナンバーカードは一応、作りましたけどね……」
 とため息をつくのは、評論家の大宅映子さん。御年81歳である。
「財布の中にカードが増えるのを止めたくて。で、ネットで申し込んだんですが、手こずりましたね。何度も間違えるんだけど、どこで間違えたかわからない。たまたま娘がいたんでどうにかなりましたけど……」
 として言う。
「マイナ保険証はまだです。もう私もあと何年もないから少し様子見しようかしら。そもそもこれを導入すればこんなに便利ですという制度理論が十分練り上げられていないのでは?」
 年配の方々にとっては、作るだけで一苦労。メリットがわからないから申請しない。しかし、ある日突然、「国民の義務です」と言われたら……。
 そんなことが、現実に起きた。
方針転換の背景
10月13日、河野太郎・デジタル大臣が「健康保険証」を今から2年後、2024年の秋に廃止し、「マイナ保険証」としてマイナンバーカードに統一する――と公表したのは周知の通り。保険証がなければ、医療機関で保険診療が受けられないから、要は、実質的なマイナカード「義務化」に舵を切ったのである。
「急な方針転換の背景には、マイナンバーカードの普及が一向に進まないことへの焦りがあります」
 とは、さる全国紙の政治部デスクである。
 マイナンバーカードの交付が始まったのは16年のこと。しかし、それから6年が経つ今になっても、国民の取得率は5割に満たないまま。取得者に最大2万円分が付与される「マイナポイント」特典を設けたのにもかかわらず、だ。
 昨年10月には、保険証と一体化した「マイナ保険証」の利用も開始されたが、現在の利用者はカード取得者の2割に過ぎない。
「これに業を煮やしたのが、8月に大臣になったばかりの河野さん。もともと保険証は原則廃止の方向でしたが、その期限を早急に区切ることを強く主張した。支持率低下にあえぐ岸田総理もこれに乗っかったんです」
河野大臣は「ポスト岸田」を狙う身。いつものスタンドプレーだろうが、しかし、ここで当然疑問に思うのは、では、マイナカードをそれでも取得したくない人はどうなるのか、ということ。お上の方針に逆らう不届き者は、自費で医療費を払え!となればメチャクチャな話だが、
「実際は、その辺りは何も決まっていません」
 とデスク氏が続ける。
「大臣も会見で“これからしっかり詰めていく"と述べているように、要は見切り発車なんです。一方で、24日、このことを国会で問われた岸田総理は“マイナ保険証がなくても保険診療を受けられる制度を作る"と答弁している。一体、何なんだ、との批判が出てくるのは当然ですね」
「お薬手帳と変わらない」
迷走するマイナ政策。
「拙速ですし、現状では不備が多過ぎますよ」
 と憤るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さんだ。
「マイナ保険証について、政府は夢みたいなことばかり言っています。例えば、マイナ保険証があれば、過去の病歴が即座に医療機関と共有できる、と。でも、マイナ保険証とつながっているのはレセプトです。カルテとなら過去の病歴など詳しくわかるでしょうが、レセプトは過去にどんな治療をしたかくらいの情報しか記されていないので、お薬手帳を見せるのとあまり変わらないですよね」
 しかも、「マイナ保険証を持っていても今、医療機関でそれを読み取れる機械を導入しているところは全体の3割ほど。しかもほとんどが大病院です。ではマイナ保険証を持っている人は大病院に行くべきなのか。今、国は医療機関の機能分化を進め、紹介状なく大病院に行くと初診料に最低7千円が上乗せされますが、こうした政策と矛盾しますよね。これらの整備なしに、頭ごなしに“カードを作れ!"と言われても、無理が出るのは当たり前ですよ」
■拠出された予算は2兆円ほど
便利かどうかよくわからない。だから取得者数が伸びないというのが事の本質。本来なら政府は利便性を追求し、それを周知して利用者を増やすべきだが、その努力をせず、代わりに行ったのは目の前にニンジンをぶら下げることだった。
「それがマイナポイントですが、はっきり言って間違いだったと思います」
 と批判するのは、ITジャーナリストの三上洋氏だ。
「マイナンバーカードについてはメリットの薄さだけでなく、そもそも情報セキュリティーに不備があったり、情報が悪用されるのではないかという不安があり、取得者数がなかなか伸びなかった。それを払拭するようきちんと広報することが大事なのに、ポイント付与を始めたことによって、逆に“後ろめたいところがあるからお金を配るんでしょ"という不信感を植え付けてしまったと思います」
 これまでマイナポイントのために拠出された予算は計2兆円ほど。これは実に消費税1%分にも相当する巨額に上る。
■「きちんと説明すればいいのに金で釣ろうと」
しかしこの「アメ」の政策が想定よりうまく進まず、政府は実質義務化という「ムチ」の政策へと真逆の方向に舵を切ったのだから、いささか乱暴だが、2兆円は無駄金だったと指摘されても文句は言えないだろう。
「義務化となれば、今度は強硬策ですよね」
 と三上氏が続ける。
「そうなれば、国がそれを強いるのは、制度におかしな目的があるからだと、また疑念を持たれてしまいかねません」
 ちなみに政府がこれまでマイナカード普及の広報に使った予算は320億円ほど。それだけ費やして不安を払拭できなかったのだから、これもまたドブに捨てたと言われても仕方ないのだ。
「私はとっくの昔にマイナンバーカードを作ったよ」
 と言うのは、かつて「税金党」の党首を務めた、元参院議員の野末陳平氏。御年90ながら、
「手続き? 面倒だったけど、もちろん自分でやったさ。保険証はまだだけどこれからやるつもり」
 と、誠にお若い。
デジタル化はもう世界の流れだからこれは止められない。でも政府はバカで、下手だよな。きちんと説明すればいいのに金で釣ろうとした。魂胆が見え見えなんだよ。で、それが失敗したら、河野君が目立ちたいばっかりにバーンと結論だけ投げ込んでしまったよな。大チョンボだ
 として言う。
「大事なことなんだから、国民に堂々正論を説け。邪道を行くな。政府にはそう言いたいよ」
 場当たり的な意思決定とブレまくる政策。
 それこそがデジタルとはかけ離れた思考であることに、岸田、河野両氏は果たして気付いているのか。

  
独断専行タイプの河野太郎と「聴くだけの何もしない検討使」の岸田文雄なので「デジタルとはかけ離れた思考」であることに気づいてはいないのは当然であろう。
 
ネット民の指摘がまとも過ぎて驚くばかり。  

●最近の政策は、思い付きで“今"しか見ていない印象が多いです。
極力、外には持ち出さない→色々使えるから積極的に紐づけします。
マイナカードを作成した人にポイントを付与するのなら、期限を設けず付与する必要があるし、義務なら最初から強制的に作るべきだった。
どういう思惑があって普及を急いでいるのかはわかりませんが、最初から批判があった制度ですから、簡単に普及しないのは予想できたはず。
【普及】だけを目的に保険証や免許証を一体化するのは反対です。
一体化の前に制度整備が先。
一体化をしたは良いが使えない事例が多発しそう。
 
●マイナンバーカードの制度整備が進んでいない現状で、カード義務化なんてありえないでしょう。
制度整備もできていないのに見切り発車とはどうですかね。
今までにも介護制度の見切り発車。今どういう状態になっているのでしょうか。介護保険料は取られるが介護施設には入れない。これが現実ですよ。
今回のカードについても、作っても使えない、情報が駄々洩れ等々問題が噴出することは目に見えています。
制度整備もされていないのになぜ義務化を急ぐのでしょうか。当初義務化ではないという云々はどこへ行ったのでしょうか。
ポイントがだめなら保険証を人質にとる。これってまともな政策でしょうか。
当初いい事ばかりを言っているが義務化してみたら問題がいっぱい。
今までもそうであったように後から問題が出るのは予測できます。
制度自体国民の理解を得たうえで行ってください。
お上のお達しは止めてもらいたい。
 
●民間人も入れて議論すれば数日で結論も方向性も出てくるこのmcard。
そもそも義務化するならポイントも必要ない。
まずはカードを送付して、保険証にも使うなら、医療機関にもその体制を1年ほどでつくるべきだった。あの地デジの一斉変更のように
カードを配ればそこにチップもあるのだから、まずは全国民に配ればいいのである。ポイント支給で自ら申請に来いというのは、mcard義務化からすれば順番や方法が間違っている
写真での本人認証だってその後ゆっくりと行えばいいのである
やはりmcardもいづれなくなるだろう。だって結局、口座を知り、納税把握をすることが目的になっているから、だから義務化も必要に
たぶんmcardの代わりにスマホになり、2兆円もあればmcardに変わるスマホ支給になり、本人確認もスマホでできればいいのである
ポイント欲しさで申請しているだけであって数年後にはゴミになるだろう
 
 
それにしても、最近は、「『住基ネット』不正の背後に暴力団 区役所職員とその知人がハメこまれた事件の構図とは?」という記事で、閲覧権限のあるこんな区役所職員がいれば、保健所と紐づいた個人情報が流出する可能性は否定できない。
 
ところで、これは毎日新聞のスクープなのだが、日本語への翻訳作業が膨大なのか、大手紙の後追い記事がなさそうである。
 
旧統一教会教祖の発言録が流出 『安倍派を中心に』浮かぶ政界工作」 
 
 
  
さて、銃殺されて4か月にもなるのだが、「安倍晋三」の負の遺産はジワジワと悪影響を及ぼしつつあるらしい。
 
投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔が、「現役世代の9割が貧困老人となる厳しい現実を紹介。その上で、こうした結果は世襲議員が4割を占める自民党に政治を任せ続けてきたツケだとの見解をメルマガに書いていた。
   
安倍氏が残した負の遺産。現役サラリーマン『9割が老後貧困』の現実
 
■昔の老後はとても短かった!
少子高齢化の問題がマスコミで顕著に取り上げられるようになったのは、今から30年近く前の、バブルが崩壊した1990年代に入ってからでした。しかし、日本の出生率が減少傾向を帯び始めたのは、実は戦前の1920年代からという長期データがあります。明治維新以降の工業化の過程で、日本では人口が急速に増える「人口爆発」を経験し、政府も対外拡張政策で多産化を奨励してきました。しかし、やがて1926年にはじめて合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が5を割り込みます。そして1949年には4を割り込み、52年には3を割り込みます。1974年には、人口置換水準(その時点の人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率)である2.07を割り込み2.05となったのでした。以降はずっと2を割り込んだままです。合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26を記録したのち、2016年には1.45となるも、ずっと低水準で推移しています。

2016年には、出生数も初めて100万人を割り込み、98万人となりました(死亡数は129万人)。そして2021年には、出生数が81万1,604人、死亡数が143万9,809人、合計特殊出生率は1.3でした(6年連続低下)。出生数がどんどん減って、死亡者数がどんどん増えていることが窺えます。差し引き(自然増減数)で、ざっと63万人の人口が2021年の1年間で減ったのです。この出生数と死亡者数の差し引き水準(自然増減数)は、年々増えていきますから、これからも人口減少に拍車がかかっていくことが予想できるでしょう。

多産時代に志向された考え方では、親が働けなくなった老後に助けてもらうべく子供を産む──というより、農業に従事する家庭が多く、労働力確保の意味合いが強く、乳幼児の死亡率が高かったため──といわれています。なにしろ、1950年の平均寿命は、男性が58歳、女性が62歳でしたから、働けなくなる「老後」という期間も短かかったのです(厚労省・簡易生命表)。50歳代で定年を迎えて引退したら、わずか数年後には死んでいく人が少なくなかったからです。そもそも「老後の心配」をほとんどする必要がなかった時代──ともいえます。多少の蓄えがあれば、死ぬまでが 「短い老後」 なので、生計も何とかなっていたわけです。また、子供の数も多かったので、子供たちに面倒を見てもらうことも可能だったでしょう。
■「平均寿命」が驚異的に伸びてきたのが現在の日本!
ところが、2021年の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳となり、大幅に伸びています。1950年と比べると男性が23年、女性が25年も長生きするようになったのです。71年間で、これだけ寿命が延びたのです。2060年の平均寿命は、男性は84歳、女性は91歳になると推計されています。しかし、同年代の半数が元気でいられる「健康寿命」では、男性が72歳、女性が74歳です。「健康寿命」 とは、日常生活において、介助や介護といった援助に依存することなく、自立的に生きられる期間のことをいいます。
男性は72歳、女性は74歳を過ぎると、同年代の人の半数は、健康に何らかの重い問題を抱えることを意味しています。同年代の半数の人が、自分の健康が維持できなくなってから死ぬまでの平均寿命との期間は、男性が約10年、女性が約13年あります。体力の衰えた老後に、さまざまな病気で床に伏すのは、なかなか大変だと想像できます。死ぬ直前まで元気でピンピンしていて、突然コロリと死ぬ──といった「ピンピンコロリ」が誰しもの理想ですが、現実がそうなってくれる確率は低いのです。ところで、平均寿命とは、あくまで平均値なのです。90歳時点でも女性の48%、男性の24%は生きており、95歳時点でも女性の24%、男性の9%は生きています(簡易生命表による生存率)。病に臥せったまま、平均寿命まで生きることになったら、家族までも巻き込み、これはこれで大変なのです。
とまれ、日本では、スイスのように「法定安楽死制度」がありません。毎年1億円以上の大口政治献金を自民党につぎ込んできた日本医師連盟(日本医師会の政治団体)が、診療報酬アップと老人医療で儲けるために、安楽死制度には絶対反対だからです(2020年の自民党への政治献金は2億円でした)。寝たきりで体中にチューブを巻き付けられて、意識朦朧の老人であっても、何が何でも延命させて診療報酬をむしり取っているだけなのに、延命こそが医療倫理とうそぶく輩が医師会幹部に多いため、現状はどうしようもない状態になっているのです。
■「長生き」が「生き地獄」に!
約44.2兆円(2021年度)の医療費のうち、65歳以上が半分を占める現状もうなずけるのです。このまま少子高齢化が進行すると、65歳以上高齢者の医療費はさらに拡大し、2025年には約50兆円に達すると見込まれています(医療費の窓口負担は、現行では70歳未満が3割、70歳~74歳は2割で年収約370万円以上は3割、75歳以上は1割で年収約370万円以上は3割)。そうなると現役世代の医療費窓口負担も現行の3割ではすまず、4割から5割に、70歳以上の人も現行より負担が増えることが予想されます。結果として医療費負担が重いので、病気になっても医療機関に行けない人も続出するでしょう。世界に冠たる日本の公平平等な健康保険制度も、いよいよ機能不全に陥るわけです。
日本は2013年に、総人口に占める65歳以上高齢者数が25%を突破し、国民の4人に1人が高齢者という超高齢化社会になっています(2021年は29.1%で、2036年には33.3%となり、国民の3分の1が65歳以上となります)。現役時代のようには働けない老後期間が異常に長くなり、今日さまざまな課題が突きつけられることになったのです。「長生き」が、文字通り「生き地獄」に陥る時代が迫ってきたのです。
■社会保障制度のすべてがパンクして、財源不足になる!
先進国のなかには、日本のように人口置換水準を割り込む国が増えていますが、なぜ少子化になったのか──という原因については明確にされていません。さまざまな原因説がありますが、日本では子供を産んでも保育園に預けられない、出産すると女性の職業キャリアが断絶される、グローバル化による貧困化で経済的ゆとりがない──など、主に社会的環境や経済的な影響が大きいという指摘がなされています。
そして少子高齢化は、近い将来の日本に重大な危機をもたらします。年金・医療・福祉といった社会保障費激増の問題です。たとえば、おなじみの年金問題では、2000年に現役世代3.6人で1人の高齢者を支える形だった賦課方式(現役世代の年金保険料を高齢者世代へ仕送りする形式)における年金負担比率が、2025年には現役世代1.8人で1人の高齢者を支える形になります。そして、2050年には現役世代1.2人で1人の高齢者を支える形になると推計されています。これでは、とても高齢者を支えられません。
年金積立金(過去の年金財政の余剰分)は、2021年度末に約190兆円ありますが、今後毎年10兆円程度の取り崩しを続けていけば、20年も待たずに枯渇します。これまでは、運用でどうにか収益を上げたり出来ていましたが、今後は非常に不透明です。保険料の財源不足分を税金投入しようにも、予算の捻出は困難なのでまず無理でしょう。今後、マクロスライド方式で年金受給額は徐々に減らされていく予定ですが、現行で65歳からという受給開始年齢も、70歳や73歳くらいに後ろ倒しするか、現行水準より大幅に減額するしかなくなる──といった蓋然性(がいぜんせい)が高いのです。
すでに、基礎年金である国民年金の枯渇を遅らせようと、年金保険料の納付期限を60歳(40年加入)から65歳(45年加入)に延長する議論が政府内でもすすめられています。5年延長で100万円程度の保険料負担の増加になるのです。生計に足りない分を生活保護に頼ろうとしても、預金や持ち家(現在、高齢者の持ち家率は6割)があると、それを費消してからでないと生活保護の受給対象にもなりません。また、借金がある場合も、基本的に生保での返済は認められないので、任意整理や個人再生もしくは自己破産で債務整理して借金をゼロにしておく必要があります。生活保護支給総額 (国が4分の3、地方が4分の1負担)も2009年度に3兆円を突破して以降、2021年度は3兆7,625億円と年々増え続けています(164万世帯203万人が受給)。
国の負担額だけで見ても約2兆8,000億円は、2021年度の国家予算(106.7兆円)の2.6%を占めています。そして、生活保護の支給額を抑制するべく、さまざまな減額措置が講じられ、各地では訴訟沙汰にもなって、減額は無効といった判決が出ています。しかし、そうはいっても、日本の財政は1,200兆円を超える借金を抱えているので、今後も減額措置がいろいろと講じられることは間違いないでしょう。ともかく、日本はカネ詰まりだからです。前述した通り、現役世代の医療費自己負担額も現行の3割負担から4割、5割負担にアップする他なく、このままでは、年金も医療も福祉もすべてがパンクするわけです。
そして、消費税率も現行の10%を15%、最後はEUの最高標準税率のように、20%越えにまで引き上げていくことを政府は模索しています。輸出戻し税で儲かる輸出大企業を核とする経団連は、消費税率アップに大賛成です(税率アップで儲けが増えるため)。現役世代の可処分所得(税金や社会保障費などを除いた自由に使えるお金)もますます減って、貯金をする余裕さえもなくなっていくでしょう。現役世代でさえ、家計はアップアップで、老後資金の準備どころではないわけです。人口減少という負のスパイラルが、いかに恐ろしい状況を作り出していくか──ということです。人口増加とまではいかなくても、せめて現状の人口数を維持できなければ、日本国は衰退の一途をたどるだけなのです。
■現状よりももっと厳しい「貧困老後生活」がやってくる!
すでに、現在の高齢者無職世帯(夫65歳以上・妻60歳以上)の半数に当たる600万世帯が、年金を含めた世帯収入が200万円に満たない生活保護基準以下の貧困老後生活を送っています。取り崩す貯蓄もないのでこうなっているわけです。高齢になっても貯蓄がないのは、生涯収入と生涯支出がギリギリだからです。子供1人を育てるのがやっとで、夫婦の老後資金までは貯められない時代なのです。
2019年に金融庁が公表して物議を呼んだレポートでは、「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では、家計調査のデータから、毎月の平均支出額26万円に対して、夫婦の年金収入が合計20万円程度なので、毎月平均不足額が月額5.5万円に及び、年間で66万円不足するゆえに、これが30年間続くと、ほぼ2,000万円が不足してしまう」といった要旨でした。つまり、「老後には2,000万円が必要」というワードが独り歩きして、「2,000万円なんてとても貯められない!」「100年安心の年金プランはどうなった!」などと騒がれました。
ただし、年金だけでは、老後の生活がままならない──ということは、以前から知られていた話でしたから、こうした大騒ぎは奇異な印象を残しただけでした。しかし、これから先には、年金額そのものが減らされたり、支給開始年齢が今よりも繰り延べされそうなので、現役世代にとっては、「脅威の老後」が待っているといっても過言でないのです。実際、2021年の総務省「家計調査」で見ても、60歳代の半数の世帯での貯蓄が「1,000万円未満」なのです。光熱費や食費がどんどん上がるほどに、月額で不足する生活費は膨らんでいくでしょう。60歳代の半数が働いて何らかの収入を得ているといっても、家計はますます厳しくなっていくのです。
■何でこんな日本にしてしまったのか? 人口減少問題に取り組まなかった政府・与党の無策ぶりのツケゆえに自業自得の結末だった!
こんな先行きの見通しが暗い日本にさせたのは、政府の少子化対策が無策に等しかったから──といってよいでしょう。政府は、2007年の第一次安倍内閣の時から、内閣府特命担当大臣として、「少子化対策担当大臣」を置くようになっていますが、これがただの見せかけだったからです。ただの権威肩書をつけるためだけの大臣職の増産に他ならなかったからです。その証拠に少子化にはまったく歯止めはかけられませんでした。長く続いた安倍内閣も、「成長戦略」と称して、いろいろなご託宣を並べ立てていましたが、「少子化対策こそが成長戦略」という視点が完全に欠落したままだったからです。
人口が減り、GDPが縮小していく国に、投資するモチベーションはそもそも生まれません。すべてが衰退産業化していくのですから、それは宿命なのです。国の成長を謳うなら、「少子化対策こそが第一義」であるべきだったのです。こうなることは十分予想できたのに無策で来たからこそ、こうなりました。合計で8年7カ月もの長期政権の座にありながら、安倍首相が残した「日本の負の遺産」は大きかったのです。政権の私物化(モリ・カケ・サクラの身内優遇)や、専守防衛から米国追従の積極軍事という平和政策の転換、アベノミクスでの円安政策が出口のない超円安局面までを招き、物価高騰への対処法さえ無効にしています。
■消費税率換算2%弱(4兆円)あれば少子化に歯止めも?
少子化対策の抜本的アイデアとして、民間からは「1人目の子供を産んだら500万円支給、2人目には1,000万円支給」などといった大胆でユニークな提案もなされましたが、政府は一顧だにしませんでした。カンタンに試算してみましょう。仮に1人目の赤ちゃん誕生の母親に200万円支給して新生児が100万人生まれれば、かかる費用は2兆円です。2人目出産の母親に500万円支給して新生児が20万人誕生すれば1兆円です。3人目の赤ちゃんの母親に1,000万円支給して新生児が10万人誕生すれば1兆円です。つまり、子供を2人授かった世帯の家計には700万円が支給され、3人授かった世帯の家計には、しめて合計1,700万円がプレゼントされるプランです。地方なら家一軒が買える金額です。
これらの合計で財源は4兆円必要ですが(消費税の税率換算で2%弱に相当)、これだけ手当すれば、子供を産みたいという夫婦のモチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。しかもスタートの初年度ならば、4兆円も要らないでしょう。3兆円程度の予算からで、まずはこうした支援策を実施して効果を探る──といったチャレンジを行うのも一法だったはずですが、今となっては、もはや手遅れかもしれません。
たとえば、2022年度の主な税収見込みは、所得税20.4兆円、法人税13.3兆円、相続税2.6兆円、消費税21.6兆円、その他を合計してもやっとこさで約65兆円です(これ以外の歳出不足額の45兆円は借金)。この税収65兆円の6%程度の予算4兆円で、現在の出生数の1.62倍に相当する130万人の新生児が毎年継続的に誕生するなら、少子化にも歯止めがかかります。現時点の日本の人口1億2,200万人を維持できる合計特殊出生率も概ね2.08となって、人口置換水準(2.07)をわずかながら上回って微増しますから、少子化対策としては、お安いものになるのではないでしょうか。
政府は、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあって、防衛費をGDPの1%前後(約5兆円)から、EU並みの2%程度(約10兆円)に向けて今後増やすと明言していますが、膨大な武器購入で米国を潤す予算が計上出来るぐらいなら、今からでも少子化対策に振り向けたほうが、マシなのではないでしょうか。少子化に歯止めをかけられれば、赤ちゃんが成人する20年後以降に税収が増えることだって期待できます。また、生産年齢人口(15歳から64歳までの生産に従事できる人口・2021年は7,556万人で減少中)が確保されれば、GDPも縮小しないですみます。これぐらいドラスチックに、赤ちゃんを産んだ家計を支援しなければ、人口減少を本気で阻止するのは到底無理でしょう。
フランス政府の強力な「少子化対策」!
フランスでは、「人口減少」を国難ととらえ、1990年代前半に1.6レベルまで落ち込んだ合計特殊出生率を2006年以降は2.00前後まで戻しています。2子以上の子育て世帯への家族手当の充実、3子以上世帯への家族手当の加算や所得税の減税、3子以上の養育親への老後の年金10%加算、出産に関わる費用や不妊治療費の無償化、両親ともに出産育児の有給休暇の取得援助、高校までの子供の学費無料、公立大学の学費もほぼ無料、幼少時の保育サービスや学童保育もほぼ無料などなど、事実婚でも婚外子でもOKで、こうした手厚いサービスが受けられるようにしています。こうした政策が見事に功を奏したのです。日本の「少子化担当大臣」とかいうおバカな看板が、チャンチャラ無策でおかしく思えるほどの強力な少子化対策を講じてきたのがフランスだったわけです。世襲ボンボン議員が4割を占める自民党には、一族の保身と利権口利きでのカネ儲けに忙しい議員ばかりで、まともに将来を考える政治にはてんで興味がないでしょう。ゆえに日本では、今後も人口減少は止むなし──ということになるのです。
■無駄を切り詰めれば、15兆円近い財源も生まれる!
現状のように、人口バランスが崩れた日本国で、社会保障を維持するためには、あらゆる無駄の削減が必要でしょう。
ろくに法人税を払っていない大企業の特別減税優遇措置をやめれば、年間2兆3,000億円
下請けや仕入れ先に払ってもいない消費税の還付が受けられる輸出大企業の「輸出戻し税」は事実上の「輸出補助金」(WTO協定違反)ゆえに、これをやめれば、年間6兆円
国と地方の公務員の給与を10%カットすれば、年間2兆5,000億円
所得税の累進課税率の強化による増税で、年間2兆円
宗教法人への課税で年間1兆円
放送電波利用料のオークション制導入で年間9,000億円
年間40日から80日程度しか開かれない地方議会の議員数(約3,500名)を減らし、年間数十万円程度のボランティア報酬にすれば年間3,000億円
とまあ、これだけの増税策と無駄の削減で15兆円(消費税率換算6%相当)ぐらいの財源は捻出できるはずですが、現在の政治状況を鑑みれば、到底叶わぬ夢物語なのです。投票率を上げて、政治に緊張感を取り戻さなければ、大企業優遇の自民党のやりたい放題が続きます。いずれにしろ、菅前総理の奇妙なセリフではありませんが、「自助・共助・公助」のうちの「自助努力」だけが日本人の老後にのしかかる状況──ということなのでしょう。
衰退ニッポンの未来は、とてつもなく暗いことがわかります。長年の政治家たちの無策のツケは、私たち国民が被るよりないのです。自民党に長年政治を任せてきたツケが、いよいよ回ってきたといってよいでしょう。


 
言っていることには説得力があるのだが、「世襲議員が4割を占める自民党に政治を任せ続けてきたツケ」を国民は一体どうのようにそのツケを清算できるのか。
 
「それなら選挙で自民党候補者や自民党に投票しなければいい」という意見も多いのだが、残念ながら当分はその機会がやってこない、とオジサンは思う。    
 

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