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新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

オールドメディアの衰退が民主主義を危うくしているのか?

2025年01月16日 13時32分03秒 | マスメディア

昨年地方の市長がSNSを駆使した都知事選で既存政党出身の候補を破り小池百合子に続いて2位になった若ものがいた。
 
一時ブームを引き起こしそのまま静かにしていればよかったのだが、「新党」を結成して今年の都議会議員選挙に臨むという。
 
閉鎖的な都庁記者クラブからも逃げる石丸新党
 

昨夏の都知事選挙で165万票を獲得し旋風を巻き起こした石丸伸二氏―
あさって(15日)予定していた「地域政党」立ち上げの記者会見を急きょ中止すると、本人のX(旧ツイッター)で明らかにした。
理由は以下の通り-
記者クラブ宛に出した案内がネットに流出し、日時と場所が広く知られてしまったことが原因です。
記者クラブには「取材目的の希望者は出席を制限しない」と言われたため、誰が来るかわからない状況は種々のリスクが高いと判断しました。(以上、石丸氏のX=旧ツイッターより)
記者会見の会場となった都庁記者クラブは閉鎖的だ。「出席者を制限しない」といっても記者クラブが仕切る以上、突飛な質問は出にくい。
皮肉な言い方をすれば、石丸氏にとっては都合がいいはず。にもかかわらず「種々のリスクが高い」などと御託を並べる。
誰にでも政策を説明できなければ、政治家の資質に欠ける。安芸高田市政の悲劇が垣間見える。

 
新党結成はいいのだが、その選挙での戦い方があまりにも斬新すぎる。
 
石丸伸二氏が地域政党「再生の道」設立 夏の東京都議選、自身は出馬せず「即戦力」候補者を公募
 
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が15日、東京都内で記者会見し、地域政党「再生の道」を設立したと発表した。今年夏の都議選(定数127)の全42選挙区で候補者の擁立を目指し、公募を開始。自身は代表となり、都議選に出ず、次の都知事選を「有力な選択肢の一つ」と語った。
◆「地域の活性化を進めることが目的」
 党名には「日本をよみがえらせる」との意味を込め、人口減少が加速する中、都議選を皮切りに国民の政治参加を促して「地域の活性化を進めることが目的」と述べた。
  石丸氏は、政党名について「随分前からこの国はまずい、なんとかしないといけないという思いが募っていた。改善、改革などいろいろな言葉があるが、日本をよみがえらせる意味を込めた」と語った。
◆全42選挙区での擁立を目指す
 候補者選考では議員や行政経験など「即戦力」を重視する。都民から公募し、住所や勤務先と関わる選挙区に擁立する。定数3以下の選挙区なら1人、定数4以上なら2人を立てる方針で、最大55人の擁立を見込む。石丸氏が選考する様子を動画で公開するという。
 都議選の当選者には、2期8年を上限に多選を制限する。党としての公約は掲げず、議会採決などでは各議員が判断し「党議拘束は一切かけない」とした。
 石丸氏は昨年の都知事選に出馬し、政党の支援を受けずにSNS(交流サイト)を活用して支持を広げ、約166万票を獲得。得票数は小池百合子知事に次いで2位だった。

 



 
SNSによる選挙は今後もなくならず、むしろ増えていくことはたしかであるが、そのSNSのオーナー自身が政治的に活用するとなれば問題となってくる。
 
Xでの政治介入に各国もうんざり…イーロン・マスクの“暴走”を許したオールドメディアの「罪深さ
 
グリーンランドの領有やパナマ運河管理権の奪還など、大統領就任を間近に控えたトランプは、暴走・暴言のオンパレードである。
そして、トランプ最側近の実業家イーロン・マスクも、負けてはならないとばかりに、極論を展開している。とくに、欧州諸国の極右政党を支持することを公言し、ヨーロッパでは批判の声が高まっている。
■ショルツ独首相を「無能な馬鹿」呼ばわり
1月9日、マスクは、ドイツの極右・排外主義政党AfD(ドイツのための選択肢)共同党首のアリス・ヴァイデルとライブで公開討論し、「AfDだけが国を救う」などと述べ、AfDに投票するように呼びかけた。
これに対して、「外国の政治に介入して良いのか」、「Xを政治宣伝のために使ってよいのか」という疑問が生じるのは当然である。
昨年末には、ショルツ独首相を「無能な馬鹿」とXで批判し、辞任を要求した。2月には総選挙が行われるが、ショルツ率いるSPD(社会民主党)の敗北は確実視されている。トップは、野党のCDU/CSU(キリスト教民主・社会同盟)となろうが、AfDは党勢を拡大し、2番手につけている。
マスクのこのような介入に反発して、10日、60超のドイツの大学、研究機関が、「右翼ポピュリストの情報が拡散されている」として、Xの利用を停止することを発表した。
■英首相の退陣も画策
マスクの攻撃の矛先はドイツにとどまらず、イギリスにも向かっている。
9日、イギリスのフィナンシャル・タイムズは、マスクが労働党のスターマー首相の交代を画策していると報じた。10年以上前の検事総長時代にスターマーが、白人児童への性的虐待事件を巡って、パキスタン系移民の容疑者の起訴を見送ったことについて、「英国史上最悪の集団犯罪に加担した罪で告発されなければならない」と批判している。
マスクは、西洋文明が脅かされているという危機感を持っているという。
フランスのマクロン大統領は、マスクの欧州政治への介入を、10年前にはありえない話だと非難した。さらに、EUも、虚偽情報の拡散防止を事業者に義務づけるDSA(デジタルサービス法)を活用して、マスクに対する監視を強化している。
■ロシアや中国には言及せず
マスクは、新政権では、政府効率省のトップに就任する。それだけに、大きな政治権力を持つことになる。
マスクは、自由な先進民主主義国であり、同盟国であるヨーロッパ諸国を厳しく批判しているが、権威主義体制であるロシアや中国については言及していない。
中国には、EVのテスラが進出しており、その市場規模を考えると、下手に批判すれば商売の邪魔になるので、それを避けているとも推測したくなる。
ロシアについては、商売上の駆け引きはないが、ウクライナ戦争の早期停戦を求める立場は、トランプと同じである。米国民の税金をウクライナに注ぎ込み続けることには懐疑的である。
■TwitterとXの違い
マスクは、2022年10月にTwitterを440億ドルで買収した。Twitter時代には、経営者が自分の意見を開陳することはほぼ無かったと記憶するが、経営がマスクに移行してからは、彼個人の考え方が頻繁に投稿されるようになった。
私もXを使っているが、うんざりするくらいに、マスクの意見表明が流れてくる。
最近では、山火事の鎮圧に無力だとして、マスクは、民主党のギャビン・ニューサム州知事を非難し、辞任を求める投稿を繰り返している。トランプも同じ見解を述べており、まさに一心同体である。
日本でも海外でも、たとえば新聞には社説があるが、それは新聞のオーナーが個人で意見を勝手に述べているのではなく、新聞社として編集委員や論説委員で協議した上で、方針を固めている。
SNSという道具の性格上、迅速、かつ簡単に見解を披露できるが、そこには熟慮が入り込む隙は少ない。
公平・公正な情報発信手段としてではなく、オーナー個人の政治的意見を述べる場と化すならば、メディアとしての公共性は著しく損なわれる。したがって、ドイツの大学や研究機関がXの利用を停止する決定を行ったのは、理解できる。
■選挙におけるSNSの影響力
問題は、SNSを駆使して選挙結果に影響を与えようとすることである。マスクが、選挙でAfDへの投票を呼びかけ、与党のSPDの敗北を画策したり、イギリスの労働党の失速を狙ったりし、それが一定の影響力を持つ。
選挙におけるSNS の威力については、昨年の東京都知事選における石丸伸二候補の躍進、兵庫県知事選挙における斎藤知事の再選などについて、日本でも大きな議論が巻き起こった。極論すれば、「SNS を制す者が選挙を制す」と言われるような状況である。
そうなった背景には、既存メディアの堕落がある。選挙に際して、必要な情報を得ようとすると、新聞、テレビなど伝統的メディアには欲しい情報が十分にない。
新聞は購読者が減っているし、ネットで記事を索引しても、有料記事となっていれば、お金を出してまで読まない。テレビも、ニュース番組では必ずしも的確な解説が付いていないし、ワイドショーが酷すぎる。
■既存メディアの堕落
私は、40年近くテレビの世界で仕事をしてきたが、40年前の番組作りの方法が今も継続されている。旧態依然、博物館入りする紋切り型である。たとえば、視聴者のレベルを考慮して、「知的能力の余り高くない女性タレントを必ずコメンテーターに1人は入れる」というようなパターンである。
ウクライナ戦争や中東紛争のコメントを芸能人に聞いて、視聴者が喜ぶと思っているセンスを疑わざるをえない。そこで、地上波から視聴者は離れていき、BSやネットTVやYouTubeなどSNSに情報を求めにいく。
都知事選や兵庫県知事選では、既存メディアではなくSNSを情報源とした有権者が石丸伸二や斉藤元彦に投票している。既存メディアが沈没し、SNSが勢いを拡大すれば、選挙の構図も大きく変わる。
今必要なのは、既存メディアの側の反省とまき直しである。それは、日本でも海外でも同様である。マスクがXを行使して、特定の思想や政策を宣伝しても、既存メディアが、虚偽情報を監視し、異なった見解を持つ人々に反論の場を提供することが必要である。
既存メディアは財政的にも潤沢ではなく、十分な海外取材などもできなくなっている。制作費の削減が番組の質の低下につながっており、解説も特定の「テレビ文化人」に集中してしまっている。研究書を出版する能力も時間もないような彼らに頼っていれば、質の低下に拍車がかかるのみである。
そこで、人々は情報をSNSに求めていく。そして、マスクや日本のネトウヨのような人々の意見に身をさらすことになる。
読書などで多様な情報と主張に接し、自らの判断力を高めれば、デマゴギーにも対抗できる。しかし、そのような努力を怠らないのは、ごく限られた少数派にすぎない。イーロン・マスクが喜ぶような状況が拡大再生産され、民主主義の基盤が損なわれていく。


いくら識者が「メディアリテラシーが必要」と訴えたところで、もはや現在では老いも若きも片時もスマホを離さない時代となっている。
 
必然的に再生回数の多い動画や大衆受けするコメトが飛び込んでくることになり、自分にとって心地よいメッセージを求めてしまう。
 
そのような流れを止められなければ日本でも「イーロン・マスクが喜ぶような状況が拡大再生産され、民主主義の基盤が損なわれていく」ことは当分の間止めることはできないのではないだろうか、とオジサンは思う。   
  
 

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