新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

トランプの暴言は陳腐なこけおどしなのか?

2025年01月17日 11時46分12秒 | 石破外交

元TBS北京支局長/コメンテーターのベテランジャーナリストの田畑光永が、米国大統領就任前のトランプの暴言なのか、妄想なのかはいざ知らずだが、こんな見方をしていた。
 
『グリーンランド』や『パナマ運河』は目くらまし ―じつはトランプ・習にはすでに密約が?
 

いよいよ米トランプ大統領の二度目の登板である。現職大統領で再選に敗れながら、再度、共和党内で候補者の地位を勝ち取って、さらに選挙にも勝ち、大統領職に復帰するというのは、米でもそうあることではないらしいし、同氏がそれなりの資質の持ち主であることを認めるにはやぶさかではない。
 それにしても氏の就任前の言動はなんだったのであろう。ほかでもない、グリーンランドを売れとか、パナマ運河を返せとか、「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に改名しろとか、なんの前ぶれもなしに、突然、言い出したところでどうなるものでもないことは明らかなのに、あえてそれをした腹の内がさっぱり分からない。
 いちばん簡単なのは、就任前に勝手なことを言い続けて、「この男なにをやらかすか?」と世界を緊張させ、じつは就任後はすっかり真面目になって、「やれやれよかった」と世界を安堵させる、という陳腐なこけおどしかなとも思えなくはない。
 ウクライナ紛争について、この間まで自分が当選したら1日だか、半日だかで解決して見せると言いながら、当選したらとたんに「半年で」と言い直したようだから、ただのこけおどし説も捨てがたい。
 でも、それで安心していていいか、となると、この男なにか企んでいるのではという疑念も捨てきれない。その際、よもやと思いながら、それでも万一という疑念が残るのは、トランプはひょっとして台湾を習近平に投げ渡すのではという不安である。
 私の不勉強かもしれないが、トランプが台湾についてなにか重要なことを言った記憶はない。もともと主義主張には関心がなく、実利が洋服を着ているような人間だから、それこそかねて執心の「中国製品に60%の関税」をかけるという突拍子もない要求を中国に認めさせて、その代償に「台湾海峡には米軍はいっさい関わらせない」と世界に約束する。こんなディール(取引)を持ち出さないとも限らないと思うのだ。
 もしそうなれば、これには習近平は乗りそうな気がする。なにしろ今の習近平にとっては、経済よりなにより、飽きられ始めた自分に対する求心力を持ち直すことが一番の関心事であり、それには「80年ぶりに祖国統一を実現した指導者」という勲章が最高の特効薬だからだ。
 密約の中身は・・・習近平が台湾の頼清徳総統へ「北京へ統一の話し合いに来い。来なければ人民解放軍を台湾へ上陸させる」と いう命令を出す。
 これに対してトランプは「わが国は台湾を武力で守ると約束したことはない」とうそぶく。「台湾はもともと中国の物だ」と・・・
 これには誰も文句はつけられまい。頼清徳総統もこうなると抵抗のしようがないであろう。習近平は名君となって、終身国家主席の座を保証され・・・こんなストーリーが思い浮かぶ。
 これが最後までうまくいくかどうかは、予測の限りではないが、グリーンランドだの、パナマ運河だのは、じつはこの台湾ディールを実現するための世界の耳ならしだったではないのか、そんな気がするのだが。
 こんな筋書きに思い至ったのは、じつは1本の新聞記事を読んだからである。それは1月13日の『人民日報』に載った「中米関係のウインウインの本質を十分認識しよう」という論説である。「ウインウイン」と訳したのは「互利共赢」という中国語で「赢」は「勝つ」の意味である。日本語のウインウインは「両者勝ち」であるが、この中国語には「互利」、双方が儲かると言う意味が含まれている。
 その記事がどうした、と言われそうだが、じつはこの論説には「鐘声」という署名がついている。勿論、筆名だが、「鐘」は「中」と発音が同じである。つまり「筆名」といっても、「中国の声」という意味をすぐに連想させる。そしてこの筆名はまさにそういう意味であることを裏付けるように、もう何十年も前から『人民日報』紙上で使われてきた由緒ある筆名なのである。米のマスコミに例えれば「VOA」(VOICE OF AMERICA)と似た響きと言ったらいいだろうか。
 では、そこには何と書いてあるか。まず冒頭、「中米関係はいかなる角度から見ても、そこには幅広い共同利益、ウインウインの関係があるのが本質的な特徴である」と言い切る。
 そして両国の経済関係の密接さを次々と例示する。ついこの7日から10日までネバダ州ラスベガスで開かれた電子機器見本市に出展した中国企業は1300余社に上り、全体の27%を占めたことをはじめ、昨年、中國で開催された経済貿易関係の展示会3800回以上において、米企業は参加面積、参加企業数でいずれもトップであったと書く。
 また同じく昨年は、米テスラ車の中国での売り上げが前年比+8.8%の65.7万台と、年間最多記録を更新したこと、スターバックス・コーヒーの店舗は昨年第4・4半期の中国における新規開店数が290店に上り、78の新しい県に進出したことを紹介し、昨年までに中国に設立された米企業は7.3万社、総投資額は1.2兆ドルに達したと書く。
 そしてその業種は電子通信、自動車製造、消費財、金融サービスなど多岐にわたることを挙げ、米企業が中国に投資することは利益をもたらすだけでなく、両国人民を幸福にすると説く。
 記事は最後に、利益の結びつきが深まれば、矛盾・対立が生まれるのは当然だが、それを協力の障害としてはならないと説き、両国はウインウイン関係の本質を把握し、相互成果、共同繁栄、世界の大事のために力を尽くすべしというのが結論である。
 別に外から文句をつける必要も理由もないのだが、中米関係といえば経済的結びつきの一方で、台湾を巡って曰く言い難い緊張がついて回るのが常なのだが、このような厄介な一面にはことさら眼をつぶったような文章を見せられると、ついなにか裏があるのではないかと勘繰りたくなってしまう。
 なにはともあれ日ならずして、米ではトランプ大統領が改めて登壇する。その直前に世界を惑わしたグリーンランド発言には果たして何の裏もなかったのか。あるいは・・・。
 目をこらしていよう・・・。

 
ベテランらしいバランスの取れた記事なのだが、この御仁のかなりストレートなトランプ批判には定評がある。
 
 「無礼にもほどがある!(鈴木耕)
  
凄いことになってきたな。
 それ、冗談だろう?
 いや、どうも本気らしいぜ。
 断れば軍隊を送るってか?
 まさかそこまではしないだろうけど……。
 あの国の国民はマジで選んじゃったんだものなあ、あの人を。
 その選んだ国民が辛い目にあうのは自業自得だけど。
 自国民だけならまだしも、世界中を泥沼にするのって堪んないよな。
 各国首脳たちもあっけに取られているうちに、トランプ次期米大統領は突拍子もない政策(?)を次々に打ち出して、世界中は大混乱の瀬戸際だ。さすがに、現バイデン政権のブリンケン国務長官は、呆れ顔で「あんなことは実現しない。議論するだけ無駄だ」と否定に躍起だが、トランプ氏は止まらない。
 ほんとうに、無礼にもほどがある。
ひれ伏す企業と反対する組織
 とにかく礼儀もへったくれもない。
 イーロン・マスク氏と二人三脚、他国のことなど知ったことかの二重奏。おい、誰かイーロンにマスクをつけて黙らせろよ、とつまらんダジャレを言いたくなるようなBad Guysぶりである。
 どっちがツッコミでどっちがボケなのかよく分からないが、とにかくふたりそろって凄まじいヒールぶり。どこかにベビーフェイスはいないのか、と天を仰いでしまう。まあ、かつてトランプは、プロレス興行のリングに上がったこともあるのだから、本人はベビーフェイスのつもりなのだろうけれど。
 そこへメタのザッカーバーグまで参入。メタでの「ファクト・チェック」を廃止するというのだ。そうなれば、チェックなしのデマや悪口雑言、罵倒やヘイト、差別などが増えていくのは止めようがない。メタはXの「コミュニティノート」のような機能を持たせるといっているようだが、これがかなり妙な具合に使われていることは、Xの現況、痰壺状態を見ればお分かりのとおりだ。
 メタもXも「表現の自由」などと言うけれど、結局は金目当ての商売人が支配しているだけである。
 ぼくは、いずれXからは撤退しなければいけないだろうなあと思っている。ぼくの“ツイッター”には、4万人超のフォロワーがついてくれているのでもったいないけれど。
 ただし、Xやメタ離れが、欧州で起き始めていることも事実だ。
 朝日新聞(12日付)が伝えている。
米国発 揺らぐ価値観
独の大学 Xの利用中止「マスク氏買収後、偽情報のツール」
 ドイツとオーストリアの60を超える大学や研究機関は10日、X(旧ツイッター)の利用を中止するとの共同声明を発表した。Xのプラットフォームとしての方向性が、大学が重視する科学的な公平性や民主的な議論などの基本的な価値観にそぐわないためだとしている。
 声明ではアルゴリズムによる右派ポピュリズム的コンテンツの増幅や自由に届けられるコンテンツの制限といった「Xの変更」により、継続した利用が正当化できないものとなったと説明。(略)
 今回の中止は「事実に基づくコミュニケーションと、反民主主義勢力への反対に深く関与していくことを強調するものだ」と述べている。(略)
 こんな記事もある。AFP=時事(13日配信)
米アップル取締役会、多様性プログラム堅持を推奨
DEI離れに追随せず
 米IT大手アップルの取締役会は株主に対し、来月末に開かれる株主総会で「多様性・公平性・包括性(DEI)」プログラムを打ち切る提案に反対票を投じるよう推奨した。米国ではマクドナルド、フォード、ウォルマート、メタなど大手企業の間でDEIプログラム離れの動きが相次いでいるが、アップル取締役会はそうした流れに追随しない姿勢を打ち出した形だ。
 保守系シンクタンク「全米公共政策研究センター(NCPPR)」は、2023年に連邦最高裁が大学入学選考で人種的少数派を優遇する「アファーマティブ・アクション」に違憲判決を下したことを踏まえ、アップルの株主に対し、訴訟リスクを回避するための措置として、DEIプログラムの打ち切りを検討するように提案した。
 だが、取締役会は「アップルのコンプライアンス・プログラムはすでに確立されており、この提案は不要」だとし、提案に反対するよう株主に推奨した。
 アップル取締役会はさらに、「当社は機会均等雇用主であり、法律に基づき、採用、雇用、研修、昇進におけるいかなる差別もしない」と明言した。(略)
 ドイツやオーストリアの大学や研究機関の決定や、アップル社取締役会の声明は、ある種の希望だ。そういう組織や機関が主体となって、「真の自由で開かれたSNS」を創設するような動きが出てくるのではないかと期待する。
“犯罪者”が大統領になる国
 だがその一方で、メタばかりではなく、アメリカでは司法もトランプ氏にひれ伏したようだ。トランプ氏に妙な判決が下った。毎日新聞(11日夕刊)の記事。
トランプ氏有罪維持 刑罰なし
 米国のトランプ次期大統領が不倫相手への口止め料を不正に処理したとされる事件で、ニューヨーク州の裁判所は10日、陪審による有罪評決を維持した上で、トランプ氏に刑罰を科さない判決を言い渡した。就任を控えた大統領の職務への影響に配慮しつつ、市民が下した評決と法の支配を守る異例の判断を示した。
 トランプ氏は「魔女狩り」だとして控訴する方針。米国で初めて、刑事事件で有罪判決を受けたまま20日に大統領に就任する見通しとなった。州法違反の事件のため、トランプ氏は大統領就任後も自身に恩赦を与えることはできない。(略)
(注・赤字は引用者)
 有罪だけれど刑罰を科さない?
 有罪ならば、たとえ執行猶予付きでも何らかの刑が科されるのが普通だと思うけれど、おかしな判断である。「大統領の職務への影響に配慮」ということであれば、大統領職にある限り、どんな罪を犯しても刑罰は免れることになる。つまり、独裁者への道一直線ということだ。
 トランプ氏の言い分は相変わらず。例によって自分に不利な判断は、すべて「魔女狩り」で片づけてしまう。いつでも自分が正しくて、反対するヤツや批判者は、みんな「魔女狩り」に加担する連中だというわけだ。この論法、まさに天下無敵。ひろゆき風に言えばすべてを「論破」できるのだから。
 トランプ氏の暴言妄言は、とどまるところを知らない。それにしても、アメリカは犯罪者を大統領に選んでしまったのだ。すげー国だ。
①グリーンランドはアメリカによこせ!
 現在はデンマークの自治領であるグリーンランドをアメリカに売れ、とトランプ氏は主張する。アメリカにとって安全保障上、重要な島だからというリクツだ。「応じなければ軍事力行使もあり得る」と、小国を脅しつける。
 グリーンランドは「世界で最も大きな島」である。いわゆるメルカトル図法で描かれた世界地図ではよく分からないが、地球儀で見ると、この島にいちばん近いのはカナダだ。アメリカの安全保障上というのは、ほとんど難癖に近い。ロシアや中国の艦船や航空機がこの近辺を通るからというリクツだが、それは多分、後付けだろう。
 ここに米軍の最北端の基地があるのは事実。だからといって全土をよこせというのは、沖縄には米軍基地がいっぱいあるから、沖縄をアメリカ領にしろと言うのに等しい。
 グリーンランドは、地上は厳寒地で耕作や居住には適さないが、地下資源が豊富だといわれているから、トランプの目論見はそこにあるのだろう。
 むろん、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、グリーンランド自治領政府のムテ・エーエデ首相が「グリーンランドは売り物ではない」「私たちはアメリカ人になることなど望んでいない」と述べたことを即座に支持した。
②パナマ運河も俺によこせ
 ここは太平洋と大西洋をつなぐ重要な運河だ。中米の小国パナマが管理権を持っている。自国にあるのだから、当然といえば当然。ところがここもまた、アメリカの経済的安全保障上必要だから、管理権をオレに渡せと脅す。現在、管理を香港系企業が行っているので、中国の影響が強くなるからだというわけだ。
 なんでもかんでも「アレ欲しい」。言う事を聞かなければ、カネと軍事力にモノを言わせてかっぱらおうというのだから、リクツも何もありはしない。
③カナダはアメリカの51番目の州になれ
 言われたほうは不愉快だろうなあ。
 「アメリカはカナダを保護するために何十億ドルも費やしているが、それは無駄。さっさとアメリカに併合されてしまえばそんな無駄金はいらなくなる」
 なんとも荒っぽいリクツだ。
 麻薬や不法移民がカナダ経由でアメリカ国内に流れ込んでいるから、それを防ぐにはこれがいちばんいい方法だとうそぶく。おいおい、大学で弁論術は習わなかったのか。こんな論法が通じるとでも思っているのか。
④「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に変更せよ
 これはまあ、とっさの思いつき、悪い冗談の類いだろう。
 トランプ氏は「アメリカ湾、なんと美しい名前だろう」などと悦に入っていたというが、それに対してメキシコのシェインバウム大統領は、17世紀の古地図を持ち出して「ここにはアメリカを含む北米地域が、スペイン語で『メキシコのアメリカ』を意味する『アメリカ・メヒカーナ』と記されています。それではこれからアメリカを『アメリカ・メヒカーナ』と呼びましょう。いい響きですね」と笑顔で皮肉った。
 女性大統領のほうが一枚上手である。
⑤軍事費をGDP比5%に
 兵器を自分の玩具と勘違いしているようなトランプ氏。とにかく軍事費を増加させることが国防の第一条件と主張する。
 NATO(北大西洋条約機構=米とヨーロッパの軍事同盟)加盟各国に対し「もっと軍事費を上げろ。さもないとアメリカはNATO脱退も辞さない」と脅しをかけている。これまでGDP比3%への増加を強制してきたアメリカだが、現在、それを達成できているNATO加盟国は32カ国中23カ国にとどまる。そこへ、さらに5%へ引き上げろというのは、各国の経済状況をまったく無視した暴論である。
 当然、日本にも「軍事費の増加」を求めてくるだろうが、それが対中国政策のためだとするなら、今や軍事超大国の中国に匹敵するには、GDP比5%どころか50%になっても足りないだろう。「それなら日本から米軍を引き上げるぞ」と言われたら「はい、どうぞ」と、石破首相が言うわけないか……。
⑥「関税」という言葉が大好きな「タリフマン」
 「ああ、関税(タリフ)。辞書の中でもっとも美しい言葉は『関税』だ」と、トランプ氏がのたまわったという(2024年10月15日)。自らを「タリフマン」と呼ぶトランプ氏は、各国からの輸入品に追加関税を課す方針だ。
 大統領選期間中には中国をターゲットに、一律60%の関税を課すとも訴えていた。これは、海外製品を締め出すことで自国の製造業を守るのだというリクツだが、そうすると輸入品価格は高騰し、アメリカでもさらなるインフレは必至だ。世界経済というものの理解ができているとはとても思えない。
 中国製品の多くの部分には日本製品が使われている。中国製品のアメリカへの輸出が高関税で減少すれば、それに従って日本製品の中国への輸出も減少する。日本経済には大打撃となる。
 また、メキシコからの自動車輸入関税を200%に、とも主張している。つまりメキシコからの輸入車は正規価格の3倍になる。メキシコには日本車工場も多くあるが、アメリカメーカーの工場もある。自国の自動車産業の首を絞めかねない話だ。それも理解した上でトランプ氏は発言しているのかと、彼の頭の中を疑いたくなる。
 日本も厳しい「関税負担」を強いられることになるだろう。強固な日米同盟をことあるごとに口にする日本政府だが、この貿易戦争に日米同盟はどんな恩恵をもたらしてくれるというのか?
罵倒がネット上を駆け巡る
 数え上げれば「本気かよ?」と頭を抱えてしまうようなことばかりだが、これに輪をかけて暴論汚語を吐き続けているのが、トランプ氏の盟友イーロン・マスク氏。
 かつては民主党支持を公言していたマスク氏だが、自分の利益にはつながらないと見たか、熱狂的なトランプ支持者へ大変身。デマも陰謀論もそっくりのトランプ・コピーマンになってしまった。今回の大統領選ではトランプ陣営に180億円もの献金をしたという。もっとも、マスク氏の資産は4500億ドル(ぼくには恐ろしくて円換算ができません)というから、ほんの180億円なんぞ屁でもないだろう。それで、トランプ政権の政府効率化相という新設の閣僚の地位を“買い取った”のだから、費用対効果は抜群だったといっていいだろう。さすが商売人である。
 そのマスク氏が、トランプも吹っ飛ぶほどの暴言を連発している。
 BBC NEWS JAPANが1月8日に配信した記事。
マスク氏の「口撃」を欧州首脳らが批判、
24時間で4カ国から異議
 ソーシャルメディア「X」のオーナーで米富豪のイーロン・マスク氏の内政干渉的な発言に対し、ヨーロッパの首脳たちが批判の声を強めている。
 最も打撃を感じているのは、ドイツのオラフ・ショルツ首相かもしれない。
 マスク氏はショルツ氏を「無能なバカ」と呼び、辞任を求めている。今月9日にはXを使って、反移民を掲げるドイツの極右野党「ドイツのための選択肢(AfD)」のアリス・ヴァイデル共同党首と長時間、対話する予定だ。(略)
 わずか24時間のうちに、欧州4カ国の政府がマスク氏の投稿に異議をとなえるという事態まで起きている。最初に不信感を示したのはフランスのマクロン大統領だった。マクロン氏は今月6日、「10年前に、世界最大級のソーシャルネットワークのオーナーが、新しい国際的な反動運動を支持し、ドイツなどの選挙に直接介入するといわれたなら、誰が信じただろう」と述べた。(略)
 この記事では、マクロン大統領だけではなく、ノルウェーのヨーナス=ガール・ストーレ首相やスペイン政府報道官、さらにはイギリスのキア・スターマー首相などもマスク氏批判を行っている。
 中でもスターマー英首相は、「ウソや偽情報をできるだけ広く拡散しようとする人たちは、被害者のことはどうでもよく、自分のことしか考えていない」と、名指しこそ避けたものの暗にマスク氏を痛烈に非難。イギリスで過去に起きた集団的児童性的搾取事件について、マスク氏がスターマー首相らを論拠も示さず、口汚く罵しる投稿を繰り返していることへの怒りである。マスク氏の口汚さは、まるでトランプ氏と瓜ふたつ。
 こんなふたりが、いよいよアメリカの政治を牛耳ることになる。それに加え、前述したように、メタのザッカーバーグ氏までがトランプの手中に落ちた。いまや世界を支配するSNSが、もっとも任せてはいけない連中の意のままに操られる。
 せめて石破首相よ、トランプ氏へ「日本はそんなに防衛費にお金は出せません。国民のために使います」と言えないものか。
 そうすれば石破首相支持率は急上昇するだろうけど……。

  
 まさか内閣支持率上昇のために が石破茂トランプに「日本はそんなに防衛費にお金は出せません。国民のために使います」とは口が裂けても決して言うはずがないのだが、自民党内では相変わらず「石破おろし」の火種が尽きない。
 
自民・萩生田氏が悩む「櫻井よしこ氏の熱い眼差し」高市応援、石破おろし、選択的夫婦別姓反対…これ俺が全部やる流れか?
 
■櫻井よしこ氏が萩生田光一氏に「石破おろし」熱望
昨年10月の衆院選を無所属で戦って当選した萩生田光一氏は、新年から晴れて自民党に復帰できたようだ。時事通信などの記事によると、自民党が「党所属国会議員」として扱うことにしたという。
といっても、もともと党籍はあり、先月18日に政倫審で弁明したあと、次期衆院選の公認候補予定者として東京24区支部長に就任していたのだから、既定路線ではあった。
とにもかくにも、政倫審出席をもって裏金問題の“みそぎ”はすませたと、党も萩生田氏本人も、世間の受けとめとは無関係にそう考えているわけだ。
萩生田氏が新年になって積極的にネット動画の番組に出演しはじめたのは、そんな自分勝手な割り切りがあるからにちがいない。
1月10日夜の言論テレビ「櫻LIVE」。主宰する櫻井よしこ氏の「安倍自民党を再生するのは萩生田さんしかいない」という激励に、萩生田氏はにこやかに応えた。
「再生と復活の年にしたい。気持ちを新たに色んな事に挑戦するつもりです」
“安倍自民党の再生”こそ、櫻井氏ら岩盤保守を代表する言論人の願いである。その根底には、今は亡き安倍晋三氏に替わりうる人材が育っていない自民党への不満がたまっている。
政治の刷新を名目に安倍派の解体を企図した岸田文雄前首相への憤りは今も鎮まらない。安倍元首相の政敵とされてきた現在の石破茂首相に対する負の感情はそれ以上といえる。
昨年の総裁選では高市早苗氏に期待をかけた。第1回目の投票で高市氏がトップに立った時、喜びは最高潮に達した。だが、決選投票で石破氏に逆転を許し、“安倍政治”を継ぐ女性総理の誕生という夢は破れた。
落胆した岩盤保守層の多くはその後の衆院選で自民党から離れ、国民民主党、参政党、日本保守党へと流れた。その結果、自民党は大敗したが、石破首相は政権にしがみついた。それに対し、高市氏が反旗を翻す兆しは今のところない。
櫻井氏ら保守言論人三人が萩生田氏を囲んだ「櫻LIVE」では、当然のことながら、石破首相の政策に対する批判が噴出した。とりわけ、中国との距離を縮めようとする外交政策は格好のターゲットだ。
■「石破首相ではだめだ」中国との関係改善に苛立ち隠さず
岩屋毅外務大臣は昨年12月、中国を訪問し李強首相、王毅外相と会談した。
そのさい、王毅外相の早期訪日を実現し「ハイレベル経済対話」を行うことで一致し、中国人向けのビザの発給要件などを緩和する方針を打ち出した。日中韓首脳会談(サミット)の開催や、石破首相の訪中、習近平国家主席の訪日を視野に入れているとメディアで報じられている。
13日からは自民党の森山裕幹事長と公明党の西田実仁幹事長が訪中し中国共産党との政党間交流を行った。岩屋外相も韓国やフィリピンなどを歴訪した。
その一方で、石破首相の対米外交は、なんともちぐはぐだ。1月中旬にトランプ氏と会談する方向で水面下の調整をしていたが、結局、先送りにしてしまった。
石破首相は昨年11月に南米を訪問した後、トランプ氏に会談を働きかけたが、「就任前に各国首脳とは正式会談をしない」と断られた。カナダのトルドー首相やフランスのマクロン大統領とは会っているから、軽く扱われたということなのだろう。
中国との関係改善には素早く手を打つわりに、同盟国の次期大統領との人間関係構築には尻込みしているように見えてしまう。会談日程の先送りについて“安倍外交”を絶賛してきた保守層から「トランプ氏が苦手で逃げているんではないか」と嫌味な声が上がるのもやむをえまい。
「櫻LIVE」の出演者たちは「石破首相ではだめだ」と口をそろえた。石破氏でだめなら、高市氏か。だが、今のところ、自民党内に何の動きもない。櫻井氏が「高市さんを盛り立てていくとしたらどういうように・・・」と水を向けると、萩生田氏は次のように語った。
「総裁選のネクストバッターズサークルにいると思っている。全国をまわっておられるし、総裁選でたくましさが増した。あとは胆力。変な時に繊細で、夜中にメールしてきたり。細かいこと気にしないでやってほしい」
この発言はどうとらえるべきだろうか。高市氏を総裁選で支援した安倍派議員の多くが落選している。麻生太郎氏が総裁選で高市支援にまわったが、次回は誰を応援するかわからない。全国の党員にリーフレットや郵便物を郵送し、様々な経費がふくらむ総裁選には「億単位」の資金が必要とされる。無派閥の高市氏に二年連続でチャレンジする余力はあるのか。
■萩生田氏が「石破おろし」を仕掛けるのはいつか?
それでも、萩生田氏が本気で高市氏をバックアップし、「石破おろし」を仕掛けるとしたら、どのタイミングになるだろうか。
党内で反乱が起こる可能性が高いのは、選択的夫婦別姓の法案が提出される時だろう。2月末に新年度予算案が衆院を通過し年度内の成立が確定すれば、その後に議員立法で選択的夫婦別姓法案が提出される可能性が浮上している。
立憲民主党、公明党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党は賛成の立場。自民党と日本維新の会は慎重姿勢だ。しかし、もともと石破首相は前向きだったことから、最終的には自民党も賛成にまわって成立するのではないかと保守派の論客たちは疑心を深めている。
2023年6月に成立したLGBT法を、当時の自民党政調会長、萩生田氏が阻止できなかったことを念頭に、櫻井氏は選択的夫婦別姓法案についてこう言い放った。
「やろうとしているのが石破さんや野田さん。迅速に強力に反対していただかないと、萩生田さんへの期待もしぼむと思う。コアなる支持者の自民党離れが進み、自民党が崩れちゃう」
萩生田氏は「(夫婦別姓ができずに)どういう分野が困っているのかということをきちんと聞き、穴を埋めていけば、別に法律を作る必要はないのではないか」と語る。
だが、統一教会や裏金の問題で自民党の腐敗を象徴するような存在となった萩生田氏にどれだけの影響力が残っているのだろうか。
しかも、昨年の衆院選に立候補した旧安倍派の50人のうち当選したのは22人にすぎない。安倍派5人衆のうち総理への最有力候補と目されたころの勢威は明らかに衰えている。持ち前の腕力で巻き返しをはかろうとしているところだろうが、保守論壇からの期待の声は、嬉しいというよりむしろ相当なプレッシャーになっているに違いない。
■石破首相と関係回復も?気になる麻生太郎氏の動向
そこで、気になるのは党最高顧問という名ばかりのポストに甘んじている麻生太郎氏の動向だ。高市氏に対しては、昨年の総裁選で支援し、敗れた後も次に向けて準備するようアドバイスしていたが、“同盟関係”が今も続いているのかどうか。
このところの麻生氏は、かつてあれほど毛嫌いしていた石破首相との関係を修復しようとしているようにも見える。
安倍政権で総理補佐官や党総裁外交特別補佐をつとめトランプ氏周辺にパイプのある側近、薗浦健太郎氏(元衆院議員)の手配により、いち早く自ら渡米してトランプ氏に会ってきたかと思うと、こんどはトランプ氏夫妻との会食を希望する安倍昭恵氏の渡米に薗浦氏を同行させ、「石破首相に会いたいと思っている」というトランプ氏の発言を引き出した。
これを受けて、石破首相は昨年12月24日、麻生氏と国会内で30分ほど面会し、トランプ氏へのアプローチについてアドバイスを受けている。首相のほうから丁重に相談を持ちかけられたのだから、悪い気はしないだろう。
一部のメディアでは、麻生氏による石破首相への嫌がらせだとか、揺さぶりだとかいう声が上がっているが、それよりも麻生氏としてはとりあえず首相に恩を売っておきたいという気持ちが強かったのではないだろうか。
今後の政局がどう転んでも対処しやすいからだ。つまり、麻生氏の腹のうちはまだ決まっていないと考えたほうがいい。
萩生田氏にすれば、岩盤保守層の期待に添いたいのは山々だが、今のところ手がかりがみつからないというのが本音だろう。それでも、政界の一寸先は闇だ。今夏に参院選をひかえ、石破首相を引きずり下ろしたいという空気が徐々に高まってくれば、何らかのきっかけで状況はあっという間に変化し、萩生田氏や高市氏が反乱ののろしをあげる時が来るかもしれない。
だからといって、自民党の権力争いが政治刷新につながっていくとは思えないのが、われわれ国民としてはつらいところだ。

 
「石破おろし」が単なる反乱ののろしならば、自公政権を少数与党に引きずり下ろした多くの国民には支持されないであろう、とオジサンは思う。

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