「平和と福祉の党」を標榜し、庶民的な生活者の視点から政策提言を行ってきたという公明党。
一部政治家が持つ「特権意識」からは縁遠く、市井の人々の生活に寄り添う信念があると考えられてきた公明党議員。
しかし「夜のクラブ活動」が明るみに出た遠山清彦幹事長代理は幹事長代理を引責辞任した。
中学生からこう言われるかもしれない。
「ボク等のクラブ活動は健全だ!」
「『銀座クラブはしご酒』まさか公明党議員まで 現役創価学会員から怒りの声が続出」
「報道を聞いて、驚きと共に、怒りを覚えました。これまで、公明党の議員と銀座の高級クラブはイメージとして結びつきませんでした。公明党そのものが長い間与党にいることで、権力の座に酔ってきたのかという思いでした。創立者(池田大作氏)の表立った発言もないので、これまで“締め付け”ていたのものが外れてしまったのかもしれません。公明新聞に委員長と遠山議員の謝罪を掲載しないことは、反省が無いと受け止めています」
「酒は飲んでない、という言い訳にはあきれました。土下座するくらいの姿勢でおわびと反省をしなければならない。遠山議員に特別な感情はありませでしたが、党全体の引き締めのためにも辞職してほしい。今後の選挙にも影響が出るでしょう」
(関東で幹部を務める古参の学会員)
「このコロナ禍では人の生き死にがかかっています。そこでルールが守れない人は、そもそも人の命が守れない人です。議員という以前に人として情けないと思います。女性が接客する高級クラブに行っていたというのも、まるで私たちとは立場が違うし、女性からみればとても印象が悪い。公明党は注意だけで済ますのではなく、もっと重い処分を出すべきです。私は議員辞職してもいいレベルだと思っています」
「公明党が処分をしなければ、選挙で公明党議員への投票を頼む際にも、申し訳が立ちません。これから、私たちはこの不祥事を背負って選挙運動をしなければいけないのです。1人の議員のせいで、どれだけの学会員に迷惑がかかると思っているのか。この秋までに総選挙があるタイミングで、なんてことをしてくれたんだ、という思いです」
(20代の女性学会員)
「今の公明党は、立党精神である『大衆とともに』という意識が薄くなってしまった。そもそも、銀座の高級クラブに行くことを学会員さんはよく思わない。『自分たちとは違う世界の人間だ』と感じてしまうからです。それなのに、緊急事態宣言下でも我慢できずに行ってしまうのは、倫理観の欠如としか思えません。私の議員時代でも『金と女性関係は絶対にタブー』と言われてきた。今回の遠山くんの行動は、20~30年前の公明党なら公認取り消しになったはずです。今の公明党は注意で終わりでしょうが、学会員さんは覚えています。こうした行為は、ボディーブローのようにじわじわと効いてくるので、次の総選挙で影響が出るかもしれません」
(元公明党副委員長の二見伸明)
かつて公明党は「政権のブレーキ役」を自任していたらしいが、政権与党という「甘い汁」に長年ドップリと浸かり、政府の政策には一見反対のポーズを示すが「最後は必ず賛成する」ことを繰り返し、「下駄の雪」と揶揄されていた。
少しでもまじめな学会員たちが目を覚まし公明党離れが加速すれば、学会員の選挙運動に依拠していた自民党の得票数に大きく影響し、おそらくは日本の政治にとっては良い方向に向かうかもしれない。
ところで、安倍晋三政権時代の2016年から17年にかけて、約1年間にわたって法務大臣を務めた金田勝年。
2017年当時は「共謀罪」関連で国会では「衆議院で強行採決された共謀罪…「非現実的な説明」に終始した審議の異常ぶり」と、金田法相の「組織的犯罪集団とかかわりのない一般の方々、すなわちなんらかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属して、通常の社会生活を送っている方々は、テロ等準備罪の嫌疑が生じることはなく、その捜査の対象ともならない」という意味不明の答弁に批判が集まっていた。
そして、連日のように、「共謀罪 金田法相、不安定な答弁 民進党が集中砲火」という事態に追い込まれていたことを思い出す。
こんなポンコツ大臣だった男が今回の通常国会の衆議院予算委員会では委員長に収まっていた。
委員長といっても菅義偉と同様、あらかじめ作成された議事進行表に沿って「読み上げる」程度の役割である。
それでも1月26日に開かれた衆院予算委員会で総額19兆円にものぼる第3次補正予算案が自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。
無事、衆院を通過したことで予算委員長の金田勝年は「重要な役目を果たしてホッとした」らしく一緒にがんばってくれた事務所のスタッフを慰労する食事の席を某高級ホテルでランチ会食をしたことが、目撃されていた。
ランチに関しては、コロナ対策を担当する西村康稔経済再生相が1月の緊急事態宣言発出後、「昼間も、ランチは皆と食べてもリスクが低いわけではありませんので、昼間もできる限り不要不急の外出自粛をお願いしたい」などとして、国民に自粛を求めていた。
さらには、日本医師会の中川俊男会長は「4人以下の会食なら感染しないというのは間違いだ」と批判していた時期である。
「自民・金田勝年元法相が高級ホテルで「4人会食」 本人直撃すると「2人」と“ウソ”【独自】」によると、こんなやりとりが行われていたらしい。
約1時間の会食を終え、レストランの外に出てきた金田氏に直接、話を聞いた。 ──会食をどのように考えていますか。 「会食?」 ──今、4人で会食されていましたが。 「いや、4人じゃない、2人なんですよ」 ──お知り合いの女性がいましたが? 「いえいえ、知っている人なんで。たまたま、知っている人が向こうで連れて来られた」 ──じゃあ、2人? 「はい、2人」 ──何を食べていたんですか。 「ラーメン、ラーメン。ここで一番安いラーメンを食べました。だから、会食はできるだけ避ける」 ──食事のお相手はどなた? 「うちの事務所の事務局長。だから仕事です。仕事の延長でラーメンを食いに行ったの」 そう言って、黒塗りの車に乗り込み、去って行った。 その後、本誌の取材で、金田氏と会食をしていた3人は全員、金田事務所の秘書たちだったことがわかった。 |
極めつけは、「一番安いラーメン」の値段はホテルのレストランによると、消費税込みで1人約3300円、ランチのセットで注文すると約4500円とのことだったという。
まあ、ポンコツと言われようが政治家なので、4500円の「ラーメンセット」を食べたことをとやかくは言わないが、人数を最初は「2人」と嘘をついたということは、「4人以下の会食なら感染しないというのは間違いだ」ということを認識したのだろう。
西村康稔経済再生相が「昼間も、ランチは皆と食べてもリスクが低いわけではありませんので、昼間もできる限り不要不急の外出自粛をお願いしたい」と国民にお願いしながら、自民党のそれも予算委員会の委員長が記者に容易に目撃されてしまった。
平時であったならば全く問題にされないことなのだが、コロナ禍で「緊急事態宣言」中の行動は単なる「脇の甘さ」ではすまされない。
公明党議員の「夜のクラブ活動」は論外だが、少なくとも国民に自粛を要請している政府・与党の立場の連中はもうすこし「大人の自覚」を持ってほしいものである、とオジサンは思う。
【参考】
【菅義偉】菅総理前進歌(朝鮮人民軍歌)