台風15号による大規模停電で、千葉県では発生から5日目の13日も午後18時現在で約18万5千戸の停電が続いた。
東京電力は作業員を1万6千人に増員して作業を急ぐが、全域復旧は2週間以内になるという。
「2週間以内の全復旧」とは、発生から最長20日近くも電気のない暮らしを強いられている人々が存在するということなのか。
東日本大震災の時ですら、そんな長い期間の停電は発生していなかった。
もちろん東電だけが悪いわけではないのだろうが、さまざまな悪条件が重なった災害なのだが、人災という誹りを免れない。
第4次再改造内閣が本格始動した12日、安倍晋三は「台風災害からの復旧は待ったなしだ」と関係閣僚にハッパをかけ、改造内閣を挙げて対応に取り組む考えを強調し、菅義偉官房長官も「住民の皆さんの不便や不安が高まっており、いまは一刻も早い復旧が重要だ」ともっともな指摘をしていたが、初動があまりにも遅すぎた。
6日に官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したものの、災害対策本部は設置されないまま。安倍晋三が被災に初めて言及したのは、11日の組閣後会見だった。
台風15号上陸前日の8日午前11時、気象庁の中村直治予報官は「関東を直撃する台風としてはこれまでで最強クラスといっていい。記録的な暴風となる恐れがある」と警戒を呼びかけ、「今晴れているということで安心している人も多いかもしれないが、接近とともに世界が変わる」と訴え、予言めいた警鐘は話題を集めたが、果たしてその通りになった。
防災担当相を兼任する武田良太国家公安委員長と菅原一秀経産相が12日に関係閣僚として初めて千葉県入り。香取市と多古町の被災地を視察後、知事と会談した武田は「県や市町村、関係機関や政府を含め、初動態勢や意思疎通の仕方についてマニュアルを作った方がいいのではないか」などともっともらしく口にしていたが、これを聞いた高千穂大の五野井郁夫教授はこう呆れていた。言う。
「一瞬、聞き間違えかと思いました。地震、台風、水害、このところ竜巻も頻発する日本は自然災害大国です。いつ、どこが被災しても不思議ではない。それなのに、国と自治体で初動態勢のマニュアルを共有していないのでしょうか。それとも、マニュアルの存在を把握しないまま武田大臣は視察に入ったのでしょうか。いずれにしても、由々しき事態です。台風上陸からすでに4日。政府の初動の遅れから2次災害へのリスクが高まる中、政治家が生きる世界と一般市民との落差が嫌な形で見えてしまった印象です」
第2次安倍政権発足以降、防災相を担ったのは武田が7人目。いずれも国家公安委員長との兼務で任期約1年、まさに有期契約のみな初入閣。毎度のことながら防災大臣は名前だけの超軽量級なのだ。
山本太郎がいみじくも指摘していた「でがらし内閣」の実態が徐々に明らかになっている。
「78歳竹本氏初入閣、IT分野に不安の声も実績強調」に対しては、こんな声が・・・。
台湾でITを担当している大臣はオードリー・タン氏(38歳)。天才プログラマーとして知られ、政策の合意形成プラットフォームや省庁横断の官僚ネットワークを自ら構築した。
— 古田大輔 (@masurakusuo) 2019年9月11日
日本のIT大臣は竹本直一氏(78歳)。「自分でSNS投稿しているから大丈夫」。
レベル感の違いが凄い。
IT関連における「レベル感」の違い程度ならまだしも、「竹本科技相ホームページ、数カ月前から閲覧不能 『大丈夫か』など書き込み急増」と数か月も放置していたとなれば、話にならない。
「派閥推薦で初入閣組 疑惑?資質不安?」(東京新聞)という記事の元ネタを紹介しておく。
<武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金 竹本科学技術担当相が暴力団幹部と撮った記念写真 を入手> 2019.9.13 07:30 週刊朝日 安倍改造内閣が9月11日に発表された。閣僚名簿の顔ぶれをみて、自民党のベテラン議員は心配そうにつぶやいた。 「大丈夫なのかと思いたくなるメンツが何人かいるな…」 本誌の取材でも、「大丈夫かな」という閣僚が2人、浮上した。一人は国家公安委員長として初入閣した衆院当選6回の武田良太氏(51)。 2010年11月に公表された、武田氏の政治資金管理団体「武田良太政経研究会」の収支報告書によると、09年4月に開かれた政治資金パーティー代として、東京都のA社が50万円を献金している。 また、11年11月公表の収支報告書では、A社の実質的な代表であるI氏が10年4月の政治資金パーティー代として70万円を支払っている。 実は、このI氏、警察当局が指定暴力団山口組系の組員ではないかと当局からマークされ、裁判で素性が明かされた人物だった。 08年12月、東京地裁で開かれた刑事事件の法廷。上場会社E社の創業者のH氏が、暴力団関係者に脅迫され、金銭を要求された恐喝未遂事件の裁判で、被害者として証言に立ったが、本誌が入手した裁判資料によると、I氏についての以下のような記述があった。 弁護士 E社はA社と業務提携なさいましたよね? H氏 はい 弁護士 Iさんが元暴力団の構成員だというのもご存じですよね? H氏 知りませんでした。はじめは 弁護士 知った後、あなたはどういう対応を取りましたか? H氏 契約の解除に動きました ここで出てくる、「Iさん」こそ、武田氏に多額の献金をした人物と同一なのだ。 H氏は、自身の警察での供述調書でも、「A社の件で業務提携後、A社の代表取締役I氏が元暴力団関係者であることが分かったため業務提携を解除」と述べている。 H氏の証言は、I氏から武田氏が献金を受け取る前に出ているもの。 なぜ、武田氏は法廷で山口組系元組員とされる人物から献金をもらうような「危ない橋」を渡ったのか? 「武田先生は、二階派の中でも抜群の人望がある。将来は二階幹事長に代わって、派閥を継承するのではと言われるほどです。武田先生はその政治力もですが、やはりカネ集めの手腕への評価も高い。裏では危ない橋を渡っているのかもしれません」(二階派の議員) 本誌は武田良太事務所にI氏がどういう人物で、武田氏とどのような関係があるのかなどを尋ねる質問状を送った。事務所からは、「政治資金については法令に基づき適正に処理しております」という回答があった。 そして、もう一人、閣僚名簿で「グレーな交友」を疑われたのが、科学技術担当相に起用された衆院当選8回の竹本直一氏(78)。SNSに、18年8月、花火を見物している竹本氏と記念写真に一緒に写っている角刈りの男性の姿がある。指定暴力団山口組系組幹部だったX氏である。 同年3月に、竹本氏の後援会が開催した新年賀詞交歓会のパーティーで、X氏と岸田氏が親しそうに写真に納まっている写真が、写真週刊誌「フライデー」にも掲載された。 「X氏は長く幹部である組の顧問を最近までやっていたようだ。昔から、資金力豊富だと有名だった。岸田氏や竹本氏との写真は、箔(はく)をつけるために撮ったのでしょうね」(捜査関係者) |
「掃き溜めに鶴」という慣用句があるが、今回の改造内閣は、「出がらし」どころか正真正銘の「掃き溜めのゴミ内閣」と言わざるを得ない、と、オジサンは思う。