5月もそろそろ中旬に入ろうとしているのに、とりわけ今年の5月の気候は決して「過ご決しやすく」はない。
日中最高気温が夏日(25℃以上)のの翌日には一気に10℃近くも下がるという日が繰り返されている。
おまけにゴールデンウィーク前後から地方の各県でのCOVID-19の新規感染者数の増加が報告されている。
連休中はPCR検査数も少なく、新規感染者数もかなり少なくなったように見えていた東京も今後2週間の間にぶり返す可能性もありそうである。
季節の気温の寒暖差は決して人為的ではないのだろうが、最近の世の中の「厭な」流れは一体どこから来るのであろう。
「マスコミ各社の滑稽なロシア語排斥 かつての『敵性語』を彷彿とさせる時代錯誤」
4月に入って、マスコミはいっせいにウクライナの首都の呼称を「キエフ」から「キーウ」に変えて報道している。「チェルノブイリ」や「ハリコフ」などの都市も、それぞれ「チョルノービリ」「ハルキウ」に変更した。政府が3月31日、各省庁が作製する資料などでは、ロシア語に沿った表記をウクライナ語に沿った表記に変更すると発表したことに従った形だが、これまでなじんできた呼称の突然の変更に国民はとまどっている。 「キエフ」などの名称表記について、政府は自民党などの一部から出ている「軍事侵攻している側のロシア語に基づき適切ではないという指摘」を踏まえたものだと説明している。外務省は「ウクライナ支援およびウクライナとのいっそうの連帯を示すため」だと公表している。一国の都市名の表記をいっせいに変更すること自体が前代未聞だが、ロシアを敵性国と見なしてロシア語、ロシア文化を排斥しようとする風潮を政府・マスコミが率先して煽る措置だといえる。 松野官房長官は3月15日の記者会見では、「キエフ」の呼称変更について「必ずしも国民の間で定着しているとはいえない。ウクライナ側から問題があると申し入れを受けたわけでもない」と至極当然な答弁をしていた。そもそも国民に定着している外国の都市名は、さらには国名すらもその国の呼び名や発音に沿って記しているわけではない。 中国の首都「北京」の表記を中国語にもとづけば「ベイジン」であり「ペキン」ではない。国名も「チューゴク」ではなく「チョングォ」になる。さらに広げれば「イギリス」(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)も「オランダ」(ネーデルランド)も当該国での呼び名ではない。早い話が日本を「ニホン」「ニッポン」と呼ぶ国はないことから見ても、これは国際的にも共通していることだ。 駅の案内板のロシア語表示を撤去したり、ロシア語学習者を侮蔑する風潮への批判が高まっているが、そのなかで、戦時中に英語を敵性語として排斥したことを思い起こし、それと同じ愚かさを指摘する声が広がっている。 戦時中、女学校で学んだ高齢者が「英語の授業がなかったので、ローマ字もわからない」と嘆くように、英語教育は「随意科目」(強制ではなく自発的削減)とされた。英語教師は肩身の狭い思いで、軍事教練の指導に回された体験を語っている。また「パーマ」を「電髮(でんぱつ)」と呼び、野球用語も敵性語として「ストライク」が「よし一本」、「アウト」が「だめ」になったことも笑い話として語り継がれている。 「看板から米英色を抹殺しよう」のキャンペーン(昭和18年2月、『写真週報』) 今から80年ほど前、「鬼畜米英」の文化、それを学ぶツールとなる英語は「敵性」だとして排斥する風潮が政府、マスコミによってさんざんに煽られた。『朝日新聞』は「抹殺せよ“アメリカ臭”」という記事を掲載した。作家の徳富蘇峰は、英語教育不要論をとなえ、「この戦争においても英語が便利だからといって使い続けていると大東亜共栄圏の建設を目指すべき占領地で、英米文化がまた隆盛になってきてしまう」と主張した。 そうしたなかで、『サンデー毎日』は『週刊毎日』に、『エコノミスト』は『経済毎日』に誌名を変更。英語排斥の風潮は芸能人の名前から施設や学校名称、さらにはスポーツや音楽にまで及んだ。「ディック・ミネ」は「三根耕一」に、「ミス・ワカナ」は「玉松ワカナ」と芸名を変更した。野球選手の「スタルヒン」は「須田博」になった。 文部省からの勧告を受けて多くのミッションスクールなどが、たとえば「フェリス女学院」が「横浜山手女学院」に「自主的な学校名変更」を迫られた。「英」という字が敵国・イギリスを想起させるという理由で「東洋英和女学院」は「東洋永和女学院」へと改称した。 企業名も同様であった。出版社の「欧文社」の「欧」の文字が「欧州」を想起させるとして「旺文社」に、「キングレコード」は「富士音盤」に、「シチズン時計」は「大日本時計」に、「銀座ワシントン靴店」は「東條靴店」に改名したが、それは一事例にすぎない。 当時庶民に愛飲されていたタバコの名称も、「ゴールデンバット」は「金鵄」に、「チェリー」は「桜」に変わった。食べ物も、「フライ」は「洋天」(ようてん)に、「キャラメル」は「軍粮精」(ぐんろうせい)、「コロッケ」は「油揚肉饅頭」、「カレーライス」は「辛味入汁掛飯」(からみいりしるかけめし)など、日常使うのもおっくうな改名が揶揄的に用いられる状況もあった。 音楽では「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」が「ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ・ハ」、「ピアノ」が「洋琴」、「ヴァイオリン」は「提琴」が正しいとされた。 ジャーナリストの清澤洌は、戦争中の日記(昭和18年1月8日)に、「ジャパン・タイムズがニッポン・タイムス」に改名したことなどについて、「名を変えることが、いちばん楽な自己満足だ。文化は交流によって発達するか、それとも純粋を保つことによって発達するか。後者ならばナチスは最善の政策だ。ドイツはすでにドストエフスキーの文学などを禁止したとのことだ」と書いていた。 |
ところで、最近のロシアジョークに、北方領土返還を巡る首脳会談に関するこんなジョークがあった。
安倍首相がプーチン大統領との会談後にインタビューを受けた。 - 大統領との会談の成果はどうでしたか? - 大成功です。北海道、本州の領土を守ることができました。 |
フツウーの日本人ならば「歴史認識が欠如している間抜けな安倍晋三だ」と批判するところだろうが、もちろん、自民党の安倍派の連中が聞いたら「元総理を侮辱した」と大騒ぎになるかもしれない。
そもそも、モスクワなど西側地域に住むロシア人たちは、北方領土に関する認識が薄いと言われており、さらに「ロシアは戦争に勝ち、日本は負けたのだから北方領土は我が国のものだ」という単純な考え方の人が多いという。
そして、日本人は外交が下手というイメージがロシアにはあることから、このことを皮肉ったジョークなのであろう。
「時代錯誤」かどうかは断言できないが、多くの国民が知らないうちにこんな閣議決定がされていた。
侮辱罪の厳罰化などの刑法改正案を閣議決定 SNS上の誹謗中傷対策強化
その後、国会では珍問答が繰り広げられていた。
先週の委員会で
— YOKO🕊#StopTheWar (@granamoryoko18) May 1, 2022
一番びっくらこいた場面・・・・
二之湯国家公安委員長(警察行政のトップ)は
「お気持ち」で
「逮捕するかしないか」決めてしまうらしい・・・・・
ネットの誹謗中傷対策とか言ってるが
その対策にはなっておらず
言論の萎縮効果だけは増す悪法ですよ、これ#侮辱罪厳罰化 pic.twitter.com/1qvbCHPsLr
侮辱罪を厳罰化する刑法改正案。岸田内閣の支離滅裂な国会答弁を聞く限り、権力批判を抑え込む言論弾圧に悪用される恐れが高い。提案型野党を掲げる立憲民主党もさすがに批判を強めている。波静かなまま国会が終われば参院選は勝負にならない。野党の奮起を期待したい。https://t.co/nV9gWsrUP2
— 鮫島浩✒️政治ジャーナリスト SAMEJIMA TIMES (@SamejimaH) May 7, 2022
「波静かな国会で成立しそうな『侮辱罪の厳罰化』〜立憲民主党は最後くらい意地を見せて廃案に追い込め!」
今夏に参院選があるというのに、対決法案もスキャンダルもないまま淡々と進む今国会。 野党第一党の立憲民主党は「提案型野党」を掲げる泉健太代表のもとで政権追及の気迫がまったく感じられず、岸田内閣の支持率は高止まりのままだ。 このまま波静かに国会が閉幕すれば、参院選の投票率は伸び悩み、毎度の自公逃げ切りパターンとなろう。改憲勢力が3分の2を占める可能性は極めて高くなっている。 自公与党の国会運営が狡猾なのか、立憲民主党に本気で戦う覚悟がないのか。 いずれにせよ、国会はその最大の責務である内閣(国会権力)の監視を十分に果たしているとは言い難い。日本維新の会や国民民主党は自公与党へ接近し、国会は与党一色に染まる全体主義に覆われつつある。 そのなかで自公政権は危険極まりない法案を今国会で通そうとしている。ネット上の誹謗中傷対策として侮辱罪を厳罰化し、懲役刑を科すことを可能とする刑法改正案だ。 さすがの立憲民主党もこの刑法改正案ばかりは看過できないと考えているようだ。野党第一党の意地をみせて何とか廃案に追い込んでもらいたい。 自公政権はフジテレビの『テラスハウスTOKYO 2019-2020』に出演していた女子プロレスラーの木村花さんの死を受けて「ネット上の誹謗中傷を抑止する」とし、侮辱罪を厳罰化する刑法改正案をまとめ国会に提出した。 刑法改正案は4月21日に衆院で審議入りしたが、国会審議で浮かび上がってきたのは、この機会を逆手にとって閣僚や与党幹部ら政治家への批判を「侮辱」と解釈し、権力批判を封じ込めようとする権力者たちの思惑だ。 例えば4月27日の衆院法務委員会ではこんな質疑があった。 米山隆一衆院議員「私が『総理は嘘つきで顔を見るのも嫌だ。早く辞めたらいいのに』と言った場合、これは『嘘つき』という侮辱的表現を含むものだと思いますが、この発言は侮辱罪に該当しますか? これを私ではなく私の妻がコラムで書いた場合には該当しますか? 新潟県魚沼市で精肉店を営んでいる私の母が、買いに来たお客さんにこの言葉を言った場合には侮辱罪に該当しますか? それぞれ法的根拠をもとに答えてください」 法務省の川原隆司刑事局長「具体的な事例をお示しになって犯罪の成否をお尋ねになっているところでございまして、犯罪の成否は収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でございますので、この場で、法務当局あるいは法務省として、その犯罪の成否についてお答えをすることは差し控えたい」 どのような言論が「侮辱罪」にあたるのか? 例えば安倍晋三氏が首相時代に繰り返した「桜を見る会」関連の発言を「嘘つき」と酷評した場合、侮辱罪にあたるのか? 米山議員の指摘はこの法案審議の根幹である「侮辱」の範囲を問うものだ。それがあいまいなままでは、国家権力側が政権批判に対して恣意的に「侮辱」と解釈して批判勢力を弾圧する恐れが拭えない。 これに対し、法務省刑事局長の答弁は「侮辱」の範囲をぼかす極めて不誠実な内容だった。「個別に判断」するという説明では、「侮辱」の判断をそのつど国家権力(警察)が自由自在にできることになってしまう。これではこの法改正にとても賛成できない。 この刑事局長答弁だけでも今回の法改正は絶対に阻止すべきものと考えるが、この日の質疑では、警察行政のトップである二之湯智国家公安委員長のあまりにひどい答弁があった。以下に要約を掲載するが、ツイッターで動画も紹介されているのでぜひご覧いただきたい。 藤岡隆雄議員「閣僚または国会議員を侮辱した方は逮捕される可能性がありますか」 二之湯国家公安委員長「ありません」 藤岡「どこにそういう根拠があるのか」 二之湯「言論の自由を最大限尊重すべきだという配意からあり得ない」 藤岡「閣僚または国会議員を侮辱して逮捕される可能性は一切ないというように法律を変えるということでよいか」 二之湯「不当な弾圧をすることによって逮捕されるということはないということだ」 藤岡「そのように法案を修正するようお願いします」 二之湯「私が申し上げたのは、不当な弾圧として逮捕することはないということだ 」 (※しばらくこの質疑の繰り返し) 藤岡 「つまり逮捕される可能性があるということか」 二之湯「不当な弾圧として逮捕されるということはあり得ないと申し上げている。そして、ちょっと訂正させていただきますけども、侮辱罪を犯した者が逮捕される可能性はまだ残っているということでございます」 藤岡「つまり逮捕される可能性があるということか」 二之湯「言論の自由、基本的人権に配慮しつつ、警察としても対処してまいりますから、そういうこと(逮捕)はあってはならないし、ないように願いたい」
「閣僚または国会議員を侮辱した方は逮捕される可能性があるか」というシンプルな質問に対し、最初は「ありません」と断言し、その根拠を問われると、「言論の自由を最大限尊重すべきという配慮からあり得ない」とトーンダウンし、さらに追及を受けると「逮捕される可能性は残っている」と認めたのである。 要するに、逮捕するのも逮捕しないのも警察が決めることーーというわけだ。「そういうこと(逮捕)はあってはならないし、ないように願いたい」という締めくくりの答弁にいたっては、もはや担当大臣の言葉とは思えない無責任発言である。 そもそも自民党が侮辱罪の厳罰化を求める提言を政府に提出した時点で、自民党PT座長の三原じゅん子参院議員は「政治家であれ著名人であれ、批判でなく口汚い言葉での人格否定や人権侵害は許されるものでは無い」とツイートするなど、自公政権には侮辱罪の厳罰化を政権批判封じに利用する思惑が透けていた。案の定、国会審議でその本音があらわになったのである。 これは国家権力が政権批判を防ぐため、憲法が保証する「表現の自由」や「言論の自由」を抑え込むことを可能とする、とんでもない悪法だと断言していい。 |
こんないい加減で杜撰な危険極まりないな法案が通れば、遅かれ早かれいつかは戦前の「治安維持法」も必要だという自民党議員も現れてくる恐れがある。
まさに政府に物言う野党が弱くなれば、ますますやりたい放題の政府自民党が憲法を改悪し、国民が気が付いた時にはもう手遅れの日本になっているかもしれない、とオジサンは思う。