今年限りの「休日」に皇居で行われた「戦前回帰儀式」によりテレビメディアは祝賀ムード一色に染まり、多くの視聴者は皇室に対する畏敬の念をかきたてられたかもしれない。
しかし台風15号と19号の被災者たちは、雲の上の人たちの様子なんかには関心が無く、家ごと失くした人々は先がまったく見えない日々を過ごしている。
大地震などの発生後には、「災害救助法の指定」を受けると避難所、応急仮設住宅の設置、食品、飲料水の給与、医療、被災者の救出などにかかる費用について市町村の負担がなくなり、今回の台風19号では、さらに「激甚災害指定」となったが、これは、国民経済に著しい影響を与えるような激甚な災害から復旧するにあたり、自治体の財政負担を軽減するために、公共土木施設や農地等の災害復旧に必要な費用に関して国庫補助の嵩上げを行うものであり、残念ながら被災したり、避難所に避難したりしている人には役に立たない法律である。
そこで登場したのが、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに制定された「被災者生活再建支援法」。
「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者であって経済的理由等によって自立して生活を再建することが困難なものに対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その自立した生活の開始を支援することを目的とする。」(Wikipedia)
しかし、「台風19号 知っておきたい支援制度の思わぬ落とし穴」によると、床上浸水30cm未満の場合、一部損壊とされ支援金がそもそも適用されないという。
【 一般社団法人AFW吉川彰浩代表理事作成】
平屋の畳の場合は床上30cm未満がほとんどであるが、床や畳は浸水すればダメになってしまう。
また断熱材の入った壁は汚水を吸い、浸水深さ以上に立ち上り、やがてカビを思わぬ高さで発生させ、場合によっては壁を剥がして修繕しなくてはならないにもかかわらず支援金の対象外となってしまうという。
「台風19号 浸水住宅の大半、支援法対象外か」
【東京新聞より】
さて、国会に目を向けると国民が知らないところで与野党がしのぎを削っている。
本日10/23(水)野党国対委員長連絡会議を開催しました。
— 立憲民主党(りっけん)国会情報+台風19号対策 (@cdp_kokkai) October 23, 2019
終了後に、安住国対委員長が、ぶら下がりで協議内容を説明しました。
要旨①
記者
経産委員会が開かれていない状況について。
安住委員長
本当ですね。他の委員会はもう「やってくれ、やってくれ」といっぱい来るのですけれど、 pic.twitter.com/oWVRGkKMGv
経産委員会が開かれないということは、所管の経産省の責任者が逃げているということになる。
たしかに、この経産相は公の場には顔を見せられないわけである。
有権者に香典や供花
— 但馬問屋 (@wanpakuten) October 23, 2019
菅原一秀経産相の新たな公選法違反疑惑をスクープ撮
上脇博之教授
「公職選挙法で定められた『寄附の禁止』に抵触する可能性がある。罰則規定は50万円以下の罰金。最長5年間の公民権停止となり、当選も無効となります」
文春、追撃スクープ?? https://t.co/L1JJwPyKhE
<有権者に香典や供花 菅原一秀経産相の新たな公選法違反疑惑をスクープ撮> 週刊文春 2019年10月31日号 菅原一秀経産相(57)が、選挙区の住民に対しメロンやカニなどを贈っていた「有権者買収疑惑」。「週刊文春」がこの疑惑を報じ、国会で追及を受ける最中、有権者に対し、公職選挙法で禁じられた香典や供花・枕花を贈っていたことがわかった。 10月17日午後6時過ぎ、菅原氏の選挙区である東京都練馬区内にある斎場に姿を見せたのは、公設第一秘書のA氏。A氏はエントランスを進むと、香典袋を取り出し、恭しい様子で受付に手渡した。 【公設秘書が香典を…… c文藝春秋】 斎場関係者が明かす。 「この日、斎場で行われたのは菅原氏の支援者である地元町会の元会長の通夜でした。菅原氏の代理として参列したのが、公設第一秘書のA氏だったのです。香典袋の中には2万円が入っていました」 菅原氏と関係が深い後援会関係者は、「秘書たちは後援会関係者が亡くなると、必ず菅原氏に報告をあげ、金額のお伺いを立てています」と説明する。 【菅原一秀経産相 cAFLO】 神戸学院大学法学部の上脇博之教授が解説する。 「議員の名前が書かれた香典袋を秘書が代理で持参した場合、公職選挙法で定められた『寄附の禁止』に抵触する可能性がある。冠婚葬祭について議員本人が出席することは認められていますが、秘書が議員の代わりに香典を配ることができれば、法律が骨抜きになってしまうからです。罰則規定は50万円以下の罰金。最長5年間の公民権停止となり、当選も無効となります」 |
菅原事務所は、「週刊文春」の取材に対して、次のように回答。公設秘書が香典を渡したかどうかについては明言しなかった。
「故人は、後援会関係者であり、日ごろからお付き合いのある秘書が通夜に参列しました。菅原は翌日の葬儀に駆け付けその場で弔問し、香典をお渡ししました。香典は菅原個人からの支出です。お供え用の花は送っていません。(過去にも)選挙区内の葬儀に花は出していません」
だが「週刊文春」は、公設秘書が香典を手渡す瞬間の写真を撮影していた。また、菅原事務所が、今回の葬儀に際して、お供えの花を花屋に発注したファックスを入手している。
さらに、今年に入って、有権者の葬儀に際して、お供えの花を贈っていたことも判明。贈られた複数の遺族が、「週刊文春」の取材に対して、菅原氏からの花を受け取ったことを認めた。この公職選挙法違反の時効は成立していない。
【有権者に配った胡蝶蘭】
菅原大臣が、メロンやカニにとどまらず、有権者に対して、金品を常習的かつ組織的に贈っていたことになり、説明を求める声が高まりそうだ。
あらためて、この男の過去をおさらいしてみる。
「菅原一秀経産相 疑惑が報じられる度に吹き飛ぶ強運の歴史」によれば、今まではなんとか言い逃れをしてきたようだ。
「あの人ほど悪運の強い人はいない」──永田町の住人の間でそう囁かれているのは、9月の内閣改造で初入閣を果たすやいなやスキャンダルが噴出した菅原一秀・経産相だ。 10月10日発売の『週刊文春』で「『秘書給与ピンハネ』『有権者買収』を告発する」との記事が報じられ、野党も記事にある贈答品リストを入手し追及する構えを見せていたが、その翌々日、台風19号が上陸し永田町も台風対策一色に。その後も国会では追及が続いているものの、盛り上がりに欠けている感は否めない。自民党関係者が語る。 「彼には過去にも今回と同じようなスキャンダルが報じられてきましたが、その直後になぜか大きな出来事が起きているんです。世の関心は一議員の醜聞どころではなくなり、菅原さんは追及を逃れてきた」 2009年8月には、菅原氏が選挙区の支持者らに1個約2000円の高級メロンを贈っていた疑惑が新聞で報じられたが、同月末の衆院選で民主党が圧勝し、政権が交代。“一野党議員”となった菅原氏への注目は一気に薄れた。 2016年3月末には、菅原氏が愛人に、「子供を産んだら女じゃない」「25歳以上は女じゃない」などと女性蔑視発言を浴びせていたことがスッパ抜かれたが、4月に「熊本地震」が起き、この醜聞もウヤムヤに。 「これまで疑惑が多かった菅原さんが今回入閣できたのは、菅義偉・官房長官の側近だからだと言われています。今回の疑惑を乗り切れるかどうかは菅さんの今後も左右することです」(大手紙政治部記者) 菅原氏は疑惑を全面否定。善くも悪くも「運」は政治家の資質かもしれないが…… |
残念ながら、台風19号に続く台風は、この男のスキャンダルを吹き飛ばすほどの威力は無いようであり、当然ながら「公職選挙法違反者」に対する「生活再建支援法」などはありえないことである、とオジサンは思う。