新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

汚染水やワクチンに関する国の隠蔽姿勢は相変わらず健在である

2023年08月28日 11時32分56秒 | 原発震災

「BRICS」とは元々は2000年代以降に著しい経済発展を遂げた4か国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の総称として、2001年に経済分析のなかで呼称されたものが始まりであった。
 
最近では、米国とEUが中心のNATOに対抗するかのように、「グローバルサウス」という呼称が8月の広島サミット以降脚光を浴びていた。
 
一方BRICSは各国の思惑から次第に変化しているようである。
 
焦点:サウジ、BRICS加盟で世界視野に 米との同盟は弱体化
 
BRICS、サウジなど6カ国が来年加盟 歴史的拡大と習中国主席」 
 
田中宇はこの複雑なBRICSについてこんな解説をしていた。
 
BRICS拡大を読み解く
 

BRICSが南アフリカで開いたサミットで、アルゼンチン、サウジアラビア、UAE、イラン、エジプト、エチオピアの6カ国を新規加盟国として招待すると決めた。アルゼンチンとサウジとイランは確実視されていた。エジプトもアフリカの有力候補だった。
UAEとエチオピアは意外な感じがする。UAEは、サウジの弟分みたいな国で、人口も900万人しかいない。兄が入ったら弟は入らなくて良さそうなのだが・・・。アフリカで最も人口が多いナイジェリアでなく、2番目のエチオピアが入ったことも分析が必要だ。東南アジアの大国インドネシアが選ばれなかったのも意外だ。
サウジとUAEの両方が入った理由はいくつかある。一つは、BRICSが世界の石油ガス利権の大半を握り、米国側をエネルギー面で弱体化させていくためだ。サウジUAE、イランが入ったことで、拡大後のBRICSは世界の石油輸出の39%、石油埋蔵の46%、産油量の48%を持つようになった。
2つ目の理由はUAEの外交力だ。サウジは米国に束縛されることが多く、今回のBRICS加盟もこれから米国の了承を得る必要がある。対照的に、UAEは身軽で自由に動けるので、アフガニスタンやイスラエルやアフリカの紛争などに外交的に関与している。
BRICSを主導する中露は、米国が破壊し混乱させた中東やアフリカを安定化していきたい。それには中東やアフリカで外交力がある地元諸国の協力が必要だ。その意味で、UAEとエチオピアをBRICSに入れたのでないかと思われる。
中南米とアフリカで加盟国を増やすことは予測されていた。中南米は、ブラジルが推していたアルゼンチンになった。だが、アルゼンチンの現政権はBRICSに対して冷淡で、招待されたのにBRICSサミットに代表団を送ってこなかった。
アルゼンチンは非米側のBRICSでなく、米国傘下のIMFに追加融資を求めている。しかも10月の大統領選で親米右派で中国敵視のハビエル・ミレイが勝ちそうだ。ミレイが次期大統領になると、アルゼンチンはBRICS加盟を断りそうだ。
ブラジル自身、前大統領のボルソナロは親米右派(親トランプ)で、反米的なBRICSに冷淡だった。2022年に左派のルラが大統領になって(返り咲き)から、ブラジルは急にBRICSに積極関与するようになった。
アルゼンチンも、いずれ左派・ペロン派が返り咲けばBRICSに入る。BRICSのこの手の不安定さは、米覇権傘下のG7やNATOの堅い結束(というより束縛、同盟諸国の傀儡化)と対照的だ。米国側のマスコミ権威筋は「BRICSなんてダメだ。米覇権に取って代われるわけがない」と嘲笑している。

実のところ、結束が堅くければ強いというものではない。NATOは鉄の結束だが、ウクライナ戦争でボロ負けしている。G7はリーマン危機以降ゾンビ組織(G7の機能はG20に移転)で、米国が同盟国を束縛するためだけの組織だ。きたるべき米覇権の崩壊まで、BRICSは弱いふりをしていた方が良いので、中南米の右往左往はちょうどいい塩梅だ。
アフリカで人口が最も多いのはナイジェリアだが、米仏のアフリカ支配の片棒担ぎをやっている。最近ニジェール(やマリやブルキナファソ)が、アフリカを不安定にするばかりの米仏に愛想を尽かしてクーデターで親露側に転換した後、ナイジェリアは米仏に味方してニジェールに侵攻する制裁をやると言い続けている。
ナイジェリアはアフリカの安定に貢献しないのでBRICSに入れなかった。替わりに入ったエチオピアは中国ととても親しい。中国は、世界的な大国(極の一つ)になるための練習として、2000年代からアフリカのスーダン周辺の紛争を仲裁し、その際に地元の仲裁役としてエチオピアと組むようになった。
(中国は当時、日本に対し、一緒にアフリカを安定させようと誘ったが無視された。対米従属が何より大事な日本は独自外交など決してやらない)
外国の紛争に対する中国の戦略は、米欧流の直接関与よりも、地元の仲裁役に任せてそれを支援する間接関与の傾向が強い。中国は、アフリカ北東部ではエチオピアと組んでいる。
アフリカの統合を目指すアフリカ連合の本部はエチオピアにあり、本部ビルは中国が建設して寄付した。中国が主導するBRICSの新規加盟国にエチオピアが入るのは自然なことだ。
BRICSへのエチオピアの加盟が中国の肝いりであるのと並んで、エジプトの加盟はロシアの肝いりだ。エジプトは、アラブの春で政権をとったムスリム同胞団を軍部がクーデターで倒して今のシシ政権になったが、軍事政権を嫌う米国に冷遇され、シシのエジプトは安保面でロシアに頼る傾向を強めた。
エジプトやUAEはイスラエルとも親しいので、サウジのBRICS加盟と合わせ、パレスチナ問題もBRICSで取り扱える。
中露敵視の流れに沿うと、エチオピアやエジプトのBRICS加盟は中露のアフリカ支配が強まるだけだと思うかもしれないが、実際は中露がBRICSを使ってアフリカを紛争解決して安定させようとしている。
東南アジアでは、インドネシアがBRICSに入りそうな感じがあった。インドネシアは、これまで未加工で輸出されることが多かった鉱物資源を、精製して付加価値をつけてから輸出する新戦略を進めており、中国はインドネシアの資源精製事業への投資・協力を急増している。
これは、資源類の利権を米国側から非米側に移動する中露・BRICSの資源本位制の象徴みたいな話だ。インドネシアは3億人の巨大市場で、その点でもBRICSにふさわしい。インドネシアはBRICSに加盟申請していたが通らなかった。
その理由は不明だが、もしかするとインドネシアはBRICSに加盟申請しつつも、米国側と非米側の対立の中で非米側に入ってしまうことを躊躇したのかもしれない。インドネシアは、伝統的に「非同盟」の国であり、今回あえてどちらにも入らない姿勢をとったのはインドネシアの伝統に沿っているともいえる。


 
さて、今朝の情報番組で中国からと思われる日本の汚染水の海洋放出に対する「抗議」「迷惑電話」が一般の飲食店にかかってきたというニュースを報じていた。
 
番組の専門家の解説では、中国政府公認の日本への個人的な電話抗議らしいのだが、現実的には日本政府が「安全」を強調すればするほど漁業関係者の不安はますばかりであろう。
 
BBCワールドサービスがこんな記事を配信していた。
 
【解説】 福島第一原発の処理水放出、その背景の科学は
 
東日本大震災によって福島第一原子力発電所でメルトダウンが起きてから12年後、日本ではこの原子炉の冷却に使われた、放射性物質を含む処理水を太平洋に放出し始めた。
日本国内や韓国で抗議運動が続く中での決行だった。放出を受け、中国は日本産水産物の全面禁輸を発表した。
国際原子力機関(IAEA)は、処理水が人間や環境に与える影響は「無視できる程度」だとしている。
しかし、安全なのだろうか? 
2011年の地震とそれによって起きた津波で、原発は破壊された。冷却システムが壊れ、炉心がオーバーヒートし、施設内の水は高濃度の放射性物質で汚染された。
東京電力は震災以来、この原発の燃料棒を冷却するため、水をくみ上げ続けている。そのため同原発では毎日、汚染水が発生しており、これまでに1000基以上のタンクが満杯になっている。
日本は、安全な廃炉作業のために新設備を建設するため、これまでタンクが置かれてきた土地が必要だと説明している。また、自然災害によってタンクが破損する可能性を懸念している。
日本はIAEAの承認を受け、この水を徐々に太平洋に放出している。第1回の放出は8月24日に行われた。全体ではこの作業は少なくとも30年かかるという。
もし日本が廃水を海に流す前に放射性物質をすべて除去できていれば、これほど物議を醸すことはなかっただろう。
一連の問題は、トリチウムと呼ばれる水素の放射性同位体が、原因となっている。トリチウムを水から除去する技術が存在しないため、東電は代わりに水を希釈している。
圧倒的に大多数の専門家は、放出は安全だと説明している。しかしその影響について、全ての科学者が同意しているわけではない。
トリチウムはあらゆる場所で観測できる。濃度が低ければ影響も最小限だと、多くの科学者が言う。
しかし、海底や海洋生物、人間に与える影響に関する研究がもっと必要だという批判もある。
IAEAは今年7月、福島第一原発の構内に現地事務所を開いた。そのIAEAは、「独立した現場分析」の結果、放出された水のトリチウム濃度は「運用上の基準となる1リットル当たり1500ベクレル未満を大きく下回る」と発表した。
この基準値は、世界保健機関(WHO)が飲料水における上限としている1リットル当たり1万ベクレルの6分の1に相当する。
東電は25日、放出当日に採取した海水のトリチウム濃度が1リットルあたり1500ベクレルだったと発表した。
環境省も25日に11カ所で海水サンプルを採取しており、27日にも分析結果を発表するとしている。
英ポーツマス大学のジェイムズ・スミス教授(環境・地質学)は、排水は貯留時に処理プロセスを経ている上、さらに希釈されているため、「理論上は飲めるものだ」と話した。
フランスで放射能レベルを測定する研究所を運営する物理学者のデイヴィッド・ベイリー氏も同じ意見で、「重要なのはトリチウムの濃度だ」と話した。
「この程度の濃度でならば、例えば魚の個体数が極端に減少するなどしない限り、海洋生物に問題はない」
しかし、海洋放出の影響は予測できないと指摘する科学者もいる。
米ジョージ・ワシントン大学のエネルギー・環境関連法の専門家、エミリー・ハモンド教授は、「放射性核種(トリチウムなど)が難しいのは、科学が完全に答えることができない問題を提示するからだ。つまり、非常に低いレベルでの被曝(ひばく)において、何が『安全』と言えるのかという問題だ」と述べた。
「私たちは、たとえ基準が守られたからといって、その決定に起因する環境や人体への影響が『ゼロ』になるわけではないと、それを認めつつも、IAEAの活動を大いに信頼することができる」
全米海洋研究所協会は2022年12月、日本のデータに納得していないとの声明を出した。
米ハワイ大学の海洋学者ロバート・リッチモンド氏はBBCの取材に対し、「放射性物質や生態系に関する影響評価が不十分で、日本は水や堆積物、生物に入り込むものを検出できないのではないかと、とても懸念している。もし検出しても、それを除去することはできない。(中略)精霊ジニーをランプに戻すことはできないのだ」と述べた。
環境保護団体グリーンピースはさらに踏み込み、米サウスカロライナ大学の科学者が2023年4月に発表した論文に言及した。
グリーンピース東アジアの原子力専門家ショーン・バーニー氏は、植物や動物がトリチウムを摂取すると、「生殖能力の低下」や「DNAを含む細胞構造の損傷」など、「直接的な悪影響」を及ぼす可能性があると述べた。
中国は今回の海洋放出を受け、日本の水産物の全面禁輸を発表した。これは政治的な動きではないかと考えるコメンテーターもいる。専門家によれば、放出される照射性物質は非常に低いため、魚介類に関する懸念を裏付ける科学的根拠はないという。
しかし、太平洋に毎日接している多くの人が懸念を抱えている。
「ヘニョ」と呼ばれる、韓国の伝統的な海女(あま)の女性たちは、BBCにその不安を語った。
済州島で6年にわたりヘニョをしているキム・ウナさんは、「今では、海に潜るのは安全ではない気がする」と話す。「私たちは全身を海に沈めているので、自分を海の一部だと考えている」。
専門家らは、処理水は海流、特に黒潮によって運ばれていくと考えている。
漁業者はBBCに対し、自分たちの評判が永久に傷つけられることを恐れていると話し、仕事への心配を口にしている。
太平洋諸島フォーラム(PIF)議長を務めるクック諸島のマーク・ブラウン首相は22日に声明を発表し、IAEAと同様、日本の計画は「国際的な安全基準を満たしている」と信じていると表明し。
その上でブラウン首相は、この「複雑な」問題について太平洋地域のすべての国が同じ意見を持たないかもしれないものの、「科学の知見を判断する」よう各国に促した。
(英語記事 The science behind the Fukushima waste water release)

 

岡本孝司東京大学教授
報告
補足海水には元々トリチウムが0.1~1Bq/L含まれています。カリウム40という放射性物質は12Bq/L程度含まれています。ウランも0.08Bq/L含まれています。太平洋には、カリウム40やウランなどがどっさり溶け込んでいるのです。ウランが海水から回収できれば、無限のエネルギー源です。ただ、回収費用が高額なので、成立していません。
雨にもトリチウムは含まれています。このため飲料水1Lあたり1Bq程度のトリチウムが入っています。
人類は、これらの放射性物質が溶け込んでいる海水やトリチウムが入っている水の環境の中で暮らしてきています。
今回の放出による放射性物質の増加量は、小さいので十分無視できます。モニタリングでは、これらの元々存在している放射性物質と同等であることが確認されます。ゼロではないのですが、元々存在している量に比較すると限りなくゼロに近くなります。科学的に、全く影響はありません。
 
●トリチウム以外の核種について他国の排出量を知りたいところ。明確には公表されていないのだろうか?どこの国も不都合な部分で触れられたくないところかもしれないが。出てくる放射線は変わりないのだろうけど、核分裂を繰り返すようなものや、重金属など原子量の大きい核種では物によってはトリチウムと異なり体内にとどまるものもあるだろうし、より影響度が大きいと思うがどうなのだろう?量的には問題がないのだろうけどなぜ安全なのかもう少し詳しく科学的な説明は欲しい。
 
●60代前半です。私たちが子供の頃は中露の核兵器開発が盛んで沢山の核物質が大気から雨になって降りそそでいました。おそらく放射線量を測定していたらとんでもない数値だったでしょう。あれから50年あまり。そこそこ長生きしています。また、震災直後に全国で放射線量を測った結果。自宅の寝室床下に信じられないぐらいの高濃度放射性物質が何十年も置いてあったお宅がニュースになったが、住人は90歳以上長生きしていたという事実。
これが低線量放射線の安全性を示すデータだと思いますよ。化学物質の発癌リスクの方がはるかに大きいし、がん治療に放射線が使われているという事実。この記事で否を唱えている人はデータで語ることができない、つまり科学者では無く主観で語る評論家。「科学者も」では無い。
 
●学者の大半が福島原発汚染水のトリチウムは除去出来ており安全だと云う。確かにそうかも知れない。しかし、中国の抵抗は間違いとするにも違和感がある。今回、世界の科学者誰も予期しないコロナ発生で人類の安全を脅かした。現在放出された微量なトリチウムが何らかの反応を起こして人類の安全を脅かさないとも限らない以上、中国の批判を批判して争いの根源となる事も人類の破滅に繋がる。トリチウム問題より尚恐ろしい。世上、化学も大事だが、穏やかな融和外交も大切だ。

 
少なくとも、海の魚介類経由の非常に低いレベルでの被曝(ひばく)の人体実験が今後30年余りの期間開始されたことは言うまでもない。
 
似たようなことが最近話題になっている。
 
コロナ禍によって日本人が大量のワクチの治験(人体験)をさせられていたという。
 
薬害根絶 ワクチンの有効性・安全性 データベース化を要望
 

 
正確にはワクチンの接種による死亡者かなりの数に上るはずなのだが、「因果関係なし」がほとんどであった。
 
ワクチン接種で死亡一時金などの支給が認められたのは、10代から90代までの合わせて156人しかいない。
 
しかも、NHKが「NHKニュースウオッチ9が謝罪放送 ワクチン接種後死亡者を感染死のように伝えたのは不適切」というあきらかな政府寄りのワチン擁護放送をしたことも記憶に新しい。
 
国は都合の悪いことは必ず「隠蔽する」というこの姿勢は、戦後78年たっても少しも変ってはいない、とオジサンは思う。  
  

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