北陸地方を始め雪国では昨年末から大雪に見舞われているのだが、2月に入りその流れが少しづつ変わり、「雪雲」が日本列島の西から関東地方に流れ、今朝から雪模様となった。
「初雪」と素直に喜んでいるのは子供と犬ばかりなのだろうが、朝からのテレビメディアは「警報レベルの大雪」と煽って過去の首都圏での大雪による混乱ぶりを昔の映像で流す始末。
雪国の住民からすれば「のんきな都会人」と嘲笑されるのがいつものことであろう。
ところで、岸田文雄のスピーチライターであった荒井秘書官のオフレコ談義での差別発言問題は、本人を更迭すれば一件落着というわけにはいかないらしい。
「同性婚の未承認だけじゃない。G7の中で『最も恥ずかしい国ニッポン』の時代錯誤」
■今から「当事者のお話を伺う」岸田首相のガラパゴス感、その場しのぎ感、チグハグ感 わずか40日ほど前の12月27日、年末のドサクサに紛れる形で、「政治とカネの問題のデパート」と呼ばれていた秋葉賢也復興相と「差別発言の量産店」と呼ばれていた杉田水脈総務大臣政務官を事実上の更迭とした岸田文雄首相でしたが、今度は自分の右腕であり、演説や答弁書のスピーチライターをつとめていた荒井勝喜(まさよし)首相秘書官(55)を、LGBTに対する差別発言で更迭することになってしまいました。 「(同性愛者など)僕だって見るのも嫌だ。隣りに住んでいたらちょっと嫌だ」 「(同性婚制度の導入には)他の秘書官も皆、反対している」 「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」 これらの発言は、2月3日、首相官邸でのオフレコ前提の囲み取材の中でのもので、各紙、各局の官邸担当の記者が10人ほどいました。こうした首相秘書官のオフレコ取材は、平日はほぼ毎日行なわれており、秘書官側も「首相の意向を伝える場」として活用して来ました。しかし今回は、政権の中枢で政策立案に関わる首相秘書官が、このような時代錯誤も甚だしい人権感覚だという点を重大な問題だと判断した毎日新聞が、事前に実名報道する旨を荒井秘書官本人に伝えた上で報じたのです。そして、各社が後追い報道をしたという流れでした。 各社の報道を受け、荒井秘書官は3日深夜、記者団の取材に応じ、謝罪と発言の撤回をしました。しかし、それは「やや誤解を与えるような表現をしまして、大変申し訳ありませんでした」という、いつものパターンでした。こちらは誤解など1ミリもしておらず、発言内容を正確に理解した上で問題視しているのに、あたかもこちら側の誤解による解釈違いであるかのような物言い、どうしてこれほどまでに往生際が悪いのでしょうか?謝罪するなら潔く自分の非を認めて謝罪する。誤解だと言い張るなら謝罪などせずにきちんと説明する。本来は、この二択のはずです。 ま、それはともかく、この深夜の取材では、とても重要なことが分かりました。それは、まだ報じられていなかった荒井秘書官の発言です。当初は、毎日新聞の担当記者が、オフレコ取材でメモした発言の中で、特に問題だと感じた部分を断片的に報じる形でした。しかし、この深夜の取材では、荒井秘書官本人の確認のもと、その前提の発言も明らかになったのです。それは、以下の発言です。 「(同性婚など認めたら)社会が変わってしまう。社会に与える影響が大きい。(同性婚制度の導入は)社会にとってマイナスだ」 荒井秘書官は、この発言に続ける形で、「他の秘書官も皆、反対している」「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言したのです。この報道を受けて、多くの人は「あれ?」と思ったでしょう。そう、一番初めの「(同性婚など認めたら)社会が変わってしまう」という前提です。これって、2日前の2月1日の衆議院予算委員会で、同性婚の法制化について質疑を受けた岸田首相が、官僚の作った原稿を見ながら答弁した内容と同じじゃないですか。 岸田首相 「(同性婚の法制化は)家族観や価値観、そして社会が変わってしまう課題であり、社会全体の雰囲気や全体のありようにしっかりと思いを巡らした上で、判断することが大事だ」 この岸田首相の答弁は「同性婚の法制化に否定的」と報じられ、ネットでも炎上しました。岸田首相は、バカ息子の外遊観光問題で絶賛炎上中だったため、自ら燃料を継ぎ足した形となってしまったのです。そして、その2日後、首相官邸でオフレコの囲み取材を受けた荒井秘書官が、岸田首相の「社会が変わってしまう」という答弁について首相秘書官としての見解を求められ、「(同性婚など認めたら)社会が変わってしまう。社会に与える影響が大きい」と発言したのです。 これはどう見ても、炎上中の岸田首相の答弁をフォローするための発言であり、この発言に続く「(同性婚制度の導入は)社会にとってマイナスだ」「他の秘書官も皆、反対している」「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などの問題発言も、岸田首相の答弁の方向性を補完するための援護射撃に他なりません。 それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…と、このコーナーでも五七五の俳句調で嘆いてしまいますが、荒井秘書官の発言の報道を受けた岸田首相は、「言語道断だ」と述べ、「政権の方針と相いれない」として、マッハのスピードで荒井秘書官の更迭を決めたのです。この素早さは、杉田水脈政務官の更迭を年末まで引き延ばしたことで、低い支持率をさらに下げてしまった経験から学んだことだと思います。 しかし、荒井秘書官にしてみれば、岸田首相の時代錯誤発言を正当化するために、必死に同調したわけであり、「首相秘書官」としての任務を遂行しただけなのです。そもそもの話、岸田首相が「社会が変わってしまう」などと答弁しなければ、荒井秘書官もこんな発言をする必要はなかったのです。もちろん、荒井秘書官の発言内容は決して許されるものではなく、たとえ謝罪・撤回しても更迭は免れられないレベルでした。でも、岸田首相を守るために岸田首相と同じことを言ったのに、その岸田首相から「政権の方針と相いれない」と言われてしまうなんて、ハシゴを外されるにもホドがあります。 2月6日の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』にレギュラー出演した経済評論家の森永卓郎さんは、「岸田首相も同性婚を法律的に認めらたどうですかって聞かれて、社会が混乱するからイヤだって言ってるんですよ。荒井秘書官の方がはるかにストレートに差別発言してるけど、やってることは岸田首相も同じじゃないですか」と指摘しました。一方、メインパーソナリティーの大竹まことさんは、「性的少数者は、G7の中で唯一日本だけが同性婚に反対しているのをどう思ってるんだろう?」と、先進7カ国の中での日本の人権意識を低さを問題視しました。 もう少し詳しく説明すると、G7の日本以外の6カ国は、イタリア以外は同性婚を認めており、イタリアも同性カップルに異性間の結婚と同様の法的地位を保障する「シビル・パートナーシップ」を定めています。今回の問題は海外でもこぞって報じられましたが、多くの報道に「日本はここまで人権意識が遅れているのか」という論調が目立ちました。 英国のBBCニュースは、「最近の世論調査では、ほとんどの日本人が同性婚を支持している」と補足した上で「伝統的なジェンダーの役割と家族の価値観に大きく縛られている日本は、G7で同性婚を認めていない唯一の国だ」と報じました。 米国のAP通信は、「LGBTQの人々、人種、女性、国籍などに対する偏見が強い保守派の自由民主党に統治されている日本では、人権よりも政権の面目を保つことが重要視されており、日本はG7諸国で唯一、同性婚を認めていない」と報じました。 米国のABCニュースは、「長年、保守的な自由民主党によって統治されてきた日本とは異なり、G7の他の国々はすべて、同性婚またはシビル・パートナーシップを認めている。今回の事件は、5月にG7諸国の首脳を迎える準備をしている岸田首相にとって、日本がとても恥ずかしい国であることを証明した」と報じました。 英国のロイター通信も、「今回の事件は、5月にG7サミットを迎える岸田首相にとって、頭を悩ませる問題になった」と報じました。 もともと岸田首相は、性的少数者にも理解を示し、演説でも「多様性社会」という言葉を繰り返して来ました。しかし、自民党内で未だに統一教会と癒着している安倍派の議員らの圧力に屈し、「こども庁」が「こども家庭庁」に名称変更され、与野党で合意していた「LGBT理解増進法案」が棚上げされたあたりから、岸田首相の発言は大きくブレ始めたのです。そして、その極めつけが、今回の「(同性婚を法制化したら)社会が変わってしまう」という、これまでの自身の主張とは真逆のトンデモ発言でした。 そして、あたしが何よりも呆れたのが、この状況下での松野博一官房長官の対応でした。荒井秘書官の発言によって再炎上してしまった岸田首相の「社会が変わってしまう」という答弁の火消しをするために、松野官房長官は次のように述べたのです。 「当事者からのお話を伺うことは重要であると考えています。具体的に誰がどのような場で話を伺うかについては、なお検討を要するものの、できるだけ速やかに話を伺う場を設けることとしたいと思います」 今からかーーーーい!…というわけで、これは、1年前に「子育て対策は喫緊の最優先課題」と言っておきながら、1年後の今になって「まずは私が全国をまわり、子育て中のお父さんやお母さんなど、当事者の声を聞くことから始めたいと思います」と抜かした岸田首相と何ひとつ変わりません。英国のBBCニュースが「最近の世論調査では、ほとんどの日本人が同性婚を支持している」と報じたように、昨年の世論調査でも「同性婚に賛成」は7割を超えており、若者の世代では「同性婚に賛成」が9割に達しています。さらには、日本以外のG7諸国は、とっくに法整備が終わっているのです。 時代はすでに「同性婚は当たり前」になっているのに、今から「当事者のお話を伺う」って、おいおいおいおいおーーーーい!その上「できるだけ速やかに」と言いつつ「なお検討を要する」って、お前も「検討使」かーーーーい!…と、最後は髭男爵のようになってしまいましたが、首相も首相なら首相秘書官も首相秘書官、そして、官房長官も官房長官です。 G7の中で唯一、同性婚を認めていない日本は、G7の中で最も子どもの貧困率が高く、G7の中で最もひとり親世帯の貧困率も高く、G7の中で最も子どもの教育予算の割合が低い国です。そして、昨年2月のロシア侵攻以来、G7の首脳の中で一度もウクライナを訪問していないのも、日本の岸田首相だけなのです。このガラパゴス感、時代錯誤感、その場しのぎ感、チグハグ感‥‥、もう岸田政権は完全に閉店ガラガラでしょう。 |
「岸田政権は完全に閉店ガラガラ」と言われた岸田文雄なのだが、「元日本テレビ官邸キャップが語る オフレコ破り『する時』『しない時』 荒井元秘書官報道は正しかったのか」という記事の締めくくりで、かつて日本テレビで官邸キャップを長く務め、現在は政治ジャーナリストとして活躍する青山和弘はこう言っていた。
「岸田政権は場当たり的な判断が目立ちます。チーム岸田という体制が非常に脆弱で、あまり緊張感がありません。将来のカレンダーをきちんと描いている秘書官がいない。すべて首相が抱え込んでしまって、調整もしないで判断するから、場当たり的になっているのだと思います。非常に危うく、フラジャイル(壊れやすい)な政権だという印象です。これからもこうした問題が続くのではないかと危惧しています」
岸田文雄が誰と調整したかは定かではないが、国会での議論なしに防衛予算の増額という「掟破り」を国外で表明したのだが、その実態を元3等海佐・軍事研究家の文谷数重が「防衛費倍増 これだけの疑問」というコラムで以前、「防衛費増額の必要性は怪しい話」陸自は半減させても問題ない、対中国戦には役立たない」と指摘していたのだが、今度は自衛隊をめぐるフェイク情報の実態を暴いていた。
「『自衛隊かわいそう論』の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない」
自衛隊員の待遇は、本当に悪いのだろうか。 「自衛隊かわいそう論」がある。官舎はボロく、職場には冷暖房もない。コピー機やトイレットペーパーも足りない。その改善のためにも、防衛費増額が必要だ、とする内容である。 はたして、この主張は正しいのだろうか。 結論からいえば信じてはいけない。いずれも防衛側の怠慢か嘘である。 まず、官舎は他の国家公務員と同じレベルだ。宿舎法の規定から横並びである。 古い官舎だとしても、海自と空自の官舎は、それほど悪くはない。サッシを交換する、フローリングに張り替える、風呂釜を交換するとマメに手を入れているからだ。 ところが、陸自はマメな手入れをしない。たまに官舎まるごとの大規模改修をするだけだ。そこから漏れる官舎はボロいままだが、それは自業自得である。 亀裂だらけの官舎という風説もあるようだが、それもありえない。 産経系メディアでは「外壁にひび割れがある官舎」の写真が出てくる。そして危険であると主張している。 フェイクである。 外壁補修中の写真を出しているだけだからだ。幅1ミリもない亀裂について、雨水の通り道とならないように黒色のゴムで止水した状態だ。安全性には全く問題はない。また仕上げに外壁塗装をするので亀裂跡も残らない。 他例も同様である。冷暖房、コピー、トイレットペーパーが不足するのは陸自だけ。海、空では使い放題である。 理由も、やはり陸自の自業自得だ。 まずは予算配分の問題がある。これらは庁費や雑運営費ほかの予算で賄うが、陸自は中央が吸い上げる。地方部隊に十分な額を渡していない。 その使い方も悪い。 トイレットペーパーでは、関東や北海道の地方単位で高値で一括調達する無駄があった。その上、輸送費を使い倉庫から各地の部隊に渡していた。 しかも、現地部隊にはカツカツな量しか渡さない。だから品切れが起きるのである。 当然だが、一度でもなくなると隊員はため込む。用心して自分用に1巻2巻を失敬する。そうなると、部隊中から紙がなくなる悪循環に陥るのだ。 自衛隊かわいそう論は嘘でしかない。人情を利用して防衛費増額を迫る悪質詐欺であり、だまされてはいけない。 |
産経系メディアのフェイク情報の出どころはおそらくは防衛省かもしれず、今回の大規模な防衛予算に対しては、「43兆円という砂糖の山にたかるアリみたいになっているんじゃないでしょうか」と海上自衛隊現場トップの自衛艦隊司令官を務めた香田洋二は警鐘を鳴らしていた。
ところで、数日前に「自ら播いた種を駆らねばならぬ岸田文雄」というつぶやきの最後で、共産党批判記事を書いていたベテラン党員が除名処分を受けたことのに対して、こう結んだ。
「オジサンは30代と50代の頃、共産党への入党勧誘を「民主集中制」で党員が党首を直接選べない組織という理由から断ってきた思い出がある。
まさにこんな時期にこの内部の党員からこような要求が上がりそれを排除した組織は残念ながら未来はないのではないだろうか、とオジサンは思う。」
ジャーナリストの高野孟は共産党の気風自体を批判していた。
「「異論を許さない」という共産党の気風が組織の発展を妨げている」
共産党の元本部職員で安保・外交政策部長まで務め、その後は一介のヒラ党員として活動してきた松竹伸幸という方が、先月『シン・日本共産党宣言』と題した本を文春新書から出版し「党首公選制」の導入を訴えて話題になっていた。が、共産党は2月5日に至り「除名」処分を科して彼を党から放逐した。 確かに同党の志位和夫幹部会委員長は22年以上も、選挙で負けようがどうしようが責任を問われることもなくその座にある。 どうしてそんな異常事態がまかり通っているのかと言えば同党の規約では、委員長は現在200人いる中央委員から選ばれる間接選挙制になっていて、その中央委員には現執行部の意向に逆らって立候補しかねない危ない人は選ばれないからである。 仮に突然変異的に出てきてしまった場合も、規約第3条4項「党内に派閥・分派はつくらない」という壁がある。公選では当然のことながら複数の候補者が多数派工作を競うことになるが、それが「派閥・分派」につながるという理由で、事実上禁止されているのだ。 なぜこんな珍妙な理屈がまかり通っているのかと言えば、赤軍を率いて武力で革命を達成したレーニンの、戦時下で有無を言わせぬ上意下達の命令系統が必要だった組織論の影響を日本共産党も引きずっているからである。 それに加えて、戦前から1960年代前半までの同党は、所感派VS国際派とかソ連派VS中国派とか、リンチ事件まで伴うような血を血で洗う内部抗争に明け暮れ、もうくたびれ果てて、いっそのこと一切の派閥・分派を禁止してしまおうという気になったのだろう。その結果「異論を許さない」というこの党の気風はますます強くなった。 しかし、どんな組織でも内部に異なる意見があるのは当然で、問題はそれをすぐに敵視して抑え込んだり排除したりするのでなく、むしろ逆にその矛盾を上手に発現させ建設的な議論として熟させていくのが組織発展の要諦。 毛沢東流に言うと「内部矛盾」と「敵対矛盾」の峻別なのだが、これになかなか習熟しないのが日本共産党で、貴重な人材を「敵」扱いして追い出すばかり。だから100年も党を続けても一向に“革命"が成就しない。 今回はそこを根本から考え直す絶好の機会だったのに、同党はまたそれを逃してしまった。 |
かつての「野党共闘」は野党第一党の立憲民主党の腰が定まらず「共産党嫌い」の連合の支援欲しさに共産党を排除して「ゆ党」の維新の会と急接近し、共産党は完全に「蚊帳の外」になってしまった。
こんな情勢から孤立感を高めた共産党は本来与党・政府に向けるべき矛先を内部に向けているのではないだろうか、とオジサンは思う。