新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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もはや「老害政治家」の争いではない都知事選

2024年06月21日 12時06分58秒 | 都知事選

今年の通常国会は23日が最終日なのだが、なぜか国会議員も「働きたくない改革」によって、会期延長もなく多くの重要法案も熟議なく自公の多数で成立してしまった。
 
裏金を撲滅する気概なし…永田町を覆う『しらけムード』 改正規正法成立 『政治とカネ』30年前の妥協のツケは今に
 

自民党派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法が成立した。大山鳴動してネズミ一匹の中身もひどいが、深刻なのは不正を撲滅する気概が感じられない国会の空気感。あれほどの事件を起こしながら幕引きを恥じないのが永田町らしいが、しらけたムードに巻き込まれたままで良いのか。30年前の平成の政治改革を振り返り、繰り返す「政治とカネ」について考えた。
◆傍聴の人影まばら 議場中座やおしゃべりも
 19日の参院本会議場。岸田政権の命運がかかった政治資金規正法改正案の採決にもかかわらず、傍聴席の人影はまばらだった。
 政治改革特別委員長を務める自民の豊田俊郎氏が審議の報告を始めると、野党会派から「いいのかこんな法律で。国民は見ているぞ」…と一斉に声が上がった。自民の佐藤正久氏の賛成討論でも、「法律の体をなしていない」「不誠実だ」などとやじが続いた。
 一方、野党議員の反対討論の際、裁かれている側の自民議員席は静かそのもの。討論に耳を傾けている人もいれば、腕を組んだり頭を垂れたりしている人もいた。隣の人としゃべっている議員もいたが、議場から中座したり、資料を見たりしている人が見られた。
◆「賛成」「反対」飛び交う中あっさり可決
 そんな与党側をよそに、野党側がざわついたのは日本維新の会の音喜多駿氏が反対討論した際。調査研究広報滞在費(旧文通費)の改革で自民に約束をほごにされたとして、参院で反対に回った維新に対し、立民席から「訳の分からんことをするな」といった声が飛んだ。
 討論は約1時間で終結し、起立採決へ。「賛成」「反対」の声が飛び交う中、自民、公明両党などの賛成多数であっさりと可決、成立した。
参院本会議で改正政治資金規正法の採決で賛成の起立をする自民党の世耕弘成前幹事長ら=国会で

◆与党側は安堵 議員からは「国民の信得られず」
 与野党の議員はどう受け止めたのか。自民の松山政司参院幹事長は記者団に「パーティー券の公開限度額や政策活動費等々、抜本的な政治改革の方向性についてしっかり取り組めた。岸田首相が誠心誠意進めてきた案件で、なんとか成立にこぎ着け本当に良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 だが、ある自民参院議員は「今できることはやったが、課題は残っている。党の上層部はこれで幕引きを図りたいんだろうが、それでは国民から見放される。今のままで選挙をしても国民の信は得られない」と不安をのぞかせた。
 公明衆院議員も「完璧ではないが、われわれの主張も取り入れられ、改正法は評価している」とした上で、「一つの節目だが、これで終わりではない。国民の信頼回復に向け、施行日に向けて法律をより実効性のあるものにしていかないと」と気を引き締めていた。
◆立民「国民への裏切り」 維新「合意ないがしろ怒り」
 一方の野党。立民参院議員は「今日の議場は近年まれに見るやじの嵐だった。全く問題解決になっておらず、数の力で押し通す与党のやり方はひどい。しっかりやっているというパフォーマンスに過ぎず、国民への裏切りだ」とばっさり。
 別の立民議員も「これだけ国民世論が納得していない法律をなぜ通すのか理解できない。よほど裏金を温存したいとしか思えない。大事なのは国民がどう評価するか」と話した。
 維新の参院議員は「維新が旧文通費改革に力を入れる中、自民との合意がないがしろにされて皆怒っている」と憤りをあらわにしていた。
◆1994年細川護熙政権が進めた政治改革
 「政治とカネ」の問題は30年前の1994年1月末に大きく動いた。非自民連立の細川護熙政権が進めた衆院小選挙区導入や政治資金の規制、政党交付金の創設などを柱とした政治改革4法が成立したのだ。
1994年1月、政治改革4法が成立。あいさつ回りで自民党の河野総裁(左)、森幹事長と握手する細川首相(右)=国会内で

88年に発覚したリクルート事件などで国民の政治不信が高まったことを背景に政治改革が叫ばれ、6年越しの決着となった。ただ、「こちら特報部」は当時、「自民党案をほぼ丸のみにする妥協案」と厳しい論調で報じている。
◆自民党案をほぼそのまま
 何があったのか。細川政権が最重要課題とした政治改革4法案は93年11月に衆院で可決。しかし、翌年1月の参院本会議で、小選挙区導入に否定的な一部の社会党議員らが造反し、反対多数で否決された。
 通常国会閉会が迫る中、細川首相は野党・自民党の河野洋平総裁とのトップ会談に臨む。小選挙区と比例区の定数配分や、企業・団体献金の制限を一部緩めるなど10項目にわたる自民党案をほぼそのまま採り入れることで、法案成立にこぎ着けた。
◆選挙制度の問題に論点すり替え
 改革の中核だったのが小選挙区制の導入。カネがかからず、政権交代も起こりやすくなるという期待が経済界やマスコミから起きていた。
 ただ、当時、無所属の衆院議員で、小選挙区制導入に反対していた岡崎宏美氏(現・新社会党委員長)は「政治とカネの問題を何とかしないといけないという思いでスタートしたはずなのに、カネがかかるのは同じ政党の候補者同士が争う中選挙区制のせいだと、選挙制度の問題に論点がすり替えられた」と振り返る。
 その結果、規正法の抜け道を巡る議論は「まともになかった」と岡崎氏。「4法案の審議は、小選挙区導入の議論ばかりが注目され、規正法の抜け道が指摘されても、大きな問題として扱われなかった」
◆埋め込まれた「抜け道」
1994年改正の政治資金規正法には、現在焦点となっている「政策活動費」の抜け道もひっそりと埋め込まれていた。政治家個人への企業団体献金は癒着につながるとして禁止したが、政党から政治家への寄付は例外扱いとし、使途も公開されないまま、今に至っている。
 規正法の付則で、5年後に見直すことになっていた企業・団体献金も、政党支部への献金や、派閥や政治家のパーティー券を購入する形で資金提供する道が残ってしまった。
 当時新生党に所属し、細川政権を支えた元参院議員の平野貞夫氏は「企業・団体献金を温存する自民党案を丸のみしたことで、本質的な改革にならなかった。せめて政府案が否決されずに成立していれば、今起きているような問題にはならなかった」と悔やむ。
 今国会で自民・公明が主導して成立した改正規正法は、かねて指摘されてきた抜け道の弥縫(びほう)策にとどまる。平野氏は「違反議員への連座制もどきに始まり、政策活動費の領収書を出すのは10年後で黒塗りも認め、抜け穴だらけで実効性はない。いくらでも悪いことができてしまう」と指摘する。
◆「浄財泥棒を無罪にする法律」
 規正法2条が、政治資金は「国民の浄財」と掲げていることを引き合いに、「『浄財泥棒』を無罪にする法律と言われても仕方ない内容だ。こんな法案を通す国会はもはや形骸化している。規正法の問題にとどまらない根本的な政治改革が必要」と語気を強める。
 先の岡崎氏は、今回の件が国民のさらなる政治不信を招きかねないと危ぶむ。「裏金問題から端を発したが、何一つ解明されていない。それで政治を信頼してほしいなんて厚かましいにもほどがある。そもそも本当に、政治に金がかかるのか。議員が政治資金の使い道を明らかにすることが、すべての議論の大前提だ」


 
こんな記事もあった。
 
『政治には金がかかる』麻生太郎氏にチョッと足りない3つ。無能の自覚・犯罪の反省・メタボ自民保守政治に対する恥の意識
 
裏金国会議員が好んで口にする「政治には金がかかるんだよ」というフレーズ。彼らが、およそ世のすべての仕事には金がかかるという事実すら知らない無能者なのは間違いない。それにしても「わからない」のは、なぜ彼らは飲食抜きの政治活動ができないのか、ということだ。米国在住作家の冷泉彰彦氏が麻生太郎氏の詭弁を喝破する。
■わからない、自民党の「食欲」が本当にわからない
政治には金がかかるので、カネを用意しないと選挙には勝てない。けれども、現行法においては、政治資金に関する自由度がない。
不祥事を受けた法改正は、より自分たちの行動を縛る。
そんな中で、比較的この問題で自由にモノが言える立場にいるらしい麻生太郎氏が、あえて岸田総理に対する批判を始めました。
しかし、麻生氏の主張を真に受けるのであれば「政治資金規制法の改革を骨抜きにせよ」ということになります。これでは、世論は自民党に対する反発を強めるだけでしょう。
ですが、麻生氏に代表される「厳しい選挙を戦い、その際には金が必要だった」政治家は、改革に反対し、しかも自分が悪いという反省は全くないようです。
あらためて問いたいと思います。
カネは何に使ったのか?
飲食と実弾(現金)だとして、どうしてそれが必要なのか?
飲食ぬきで議論できないのは「無能」の証である
具体的には、飲食の場合、仮に中央の政治家と地方政治家が協議する場合に、「どうして飲食が必要なのか?」、これがサッパリわかりません。
例えば、ダムを建設して防災減災を進めてもらいたいという要望を選挙区側が持っていたとします。それを国会議員に要望するのに、どうして飲食が必要なのでしょうか?
あるいは交通費のかかる対面コミュニケーションがどうして必要なのでしょうか?
本当に分からないのです。
自民党の政治家は中央も地方も全部、長谷川岳のようなカルチャーがあって、どうしても対面で説明しないと動かないのでしょうか?
そして対面で話をすると、どうしても食欲が抑えられなくなって飲食が発生してしまうのか、本当に分かりません。
ホンネを含めて自在な会話が必要だとして、水やお茶を飲みながらでもできるはずです。できないのなら、それは双方が無能なので、意思決定過程から外せばいいだけのことです。とにかく、分かりません。どうして支持組織を養うのに飲食が必要なのでしょうか?
■自民保守と地方政治に決定的に足りない「犯罪の自覚」
実弾に関しては、もっと理解不能です。冠婚葬祭、観劇イベント、慰安旅行などで、地方の有権者が政治家に「たかる」のは収賄だし、犯罪です。
どうして地方の政治組織にはそのような犯罪性、反社会性があるのか、どうして関係者には反省がないのか、これもサッパリ分かりません。
麻生太郎氏は、齢80を超えて日本という国や、保守政治の行く末に対して、大所高所から「自分の功績を歴史に刻みたい」時期に来ているのだと思います。
だったら、お願いですから説明していただきたいです。
政治と金の問題で、どうやら麻生氏を始めとする中央政界の自民党政治家が、「私腹を肥やしている」のでは「なさそう」なことは分かりました。少なくとも、仮に裏金であっても、政治資金で私邸の増築をしたり、家族を留学させたりはしていないのは分かりました。あそこまで課税を拒否しているというのは、そのように理解できます。
だったら、地方に金を撒いているわけで、ならばそれは飲食か実弾でしょう。であるのならば、どうして飲食が必要なのか、どうして実弾を要求する犯罪的な集団に頼らないと地方の保守政治が成立しないのか、とにかく説明を求めたいと思うのです。
その核心を突かなければ、政治改革は永遠にできないし、自民党を中心とした保守政治は安定しないでしょう。

 
さすがに米国在住作家の冷泉彰彦ならではの素朴ながらも核心を突いた、記事のタイトルがすべてを語っていた。
 
さて、昨日都知事選が告示され、56人が立候補という「玉石混交、有象無象が跋扈する枯れ木も山のにぎわいの」とあるブロガーが指摘していた都知事選が始まった。
 
予想通りポスター掲示作業も大混乱の箇所もあったが、問題の多いポスターも出現していた。
 



 
多くの泡沫候補の中でひときわ注目を浴びている候補者がいた。
 
石丸伸二はなぜ都民のロマンをかき立てるのか?小池vs蓮舫の“古い都知事選”に挑戦する「 #東京を動かそう 」石丸現象の正体
  
「恥を知れ」と居眠り議員を叱りつけ、道理の通らぬ記者には議論だって吹っかけた。会見で質問をはぐらかすばかりの小池都知事とは好対照の人物が、安芸高田市長の職を辞して東京都知事選に名乗りを上げている。石丸伸二41歳。彼が掲げる「 #東京を動かそう 」のスローガンは、古い政治をどう変えるのだろうか。元全国紙社会部記者の新 恭氏が、もはや泡沫とは言えない「石丸現象」の本質にせまる。
■「石丸伸二現象」観測、東京都知事選
6月20日に告示される東京都知事選挙。現職の小池百合子氏は学歴詐称疑惑などものともせずに出馬を表明し、メディアは「小池VS蓮舫」の激突、事実上の与野党対決……などと勝手に決めつけ、はやし立てている。
だが、もうひとつ気が乗らないのはなぜなのか。所詮は、政党、宗教団体、業界団体、労組といった組織がフル動員され、とどのつまり、様々なしがらみから抜け出せない古い政治が続くのだろうと諦めが先に立つからかもしれない。
その決まり切った構図に風穴をあける立候補予定者として、期待が寄せられているのが、前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏である。YouTubeやX(旧ツイッター)に親しむ人であれば、おなじみの顔だ。
本会議の最中に居眠りしている議員を「恥を知れ」と批判し、議員数を削減する条例案を提出して議会と対立。記者会見では記者に議論を吹っ掛ける。妥協をせず、忖度もなしに相手を論破する。なれ合い町政に浸りきった議員や出来の悪い記者にすれば災難のようなものだ。
かといって石丸氏は激高するわけではなく、あくまで冷静沈着。とにかく、筋を通さねば気が済まないのだ。
そういう姿を、包み隠さずネットで公開するものだから、見たこともない鮮烈な政治家像が視聴者の心に描かれ、自然、フォロワーが増えてゆく。
有権者のロマンをかき立てる不思議なカリスマ性
6月15日、石丸氏は東京で初めての街頭演説を渋谷で行った。「SHIBUYA TSUTAYA」の前に、あっという間に人だかりができた。
「東京に帰ってきたという感じです。日本が豊かな国であることは事実。一方で世界の国々は成長を続けている。日本ヤバいなという危機感がある。揚げ足取られるだろうと思って東京解体と言ったが、解体が目的ではなく、スクラップ&ビルド。創造的破壊だ。イノベーションをこの街から起こしていきたい」
演説口調ではなく、ほどよく間をとりながら、無駄のない言葉でじっくり語りかける。
目立つ容姿でも、際立った声でもないが、理詰めで、説得力があり、不思議なカリスマ性を帯びている。
ひょっとしたら東京に“旋風”を巻き起こし、傲慢で閉鎖的な小池都政を終わらせるのは、どの政党にも組織にも属さないこの人ではないか、とロマンをかき立てられる。
■泡沫候補ではない。石丸伸二氏を支援する「選挙の神様」
石丸氏は京都大を卒業、三菱UFJ銀行のアナリストをしていたが、参院選広島選挙区での大規模買収事件にからんで、故郷・安芸高田市の市長が辞任したのを知り、東京からUターン、無風と思われた市長選にチャレンジして2020年8月に初当選を果たした。
1期4年で市政を投げ出すのかという声もあるが、本人は「財政再建や小中学校の給食費無料化をやりとげた」と批判を一蹴する。地方都市の市長を経験したからこそ、少子高齢化のもとで過疎化が進む地方と、過密化によって住みにくさが増す東京のギャップが日本の抱える最大の問題であることを実感し、「東京を動かして、地方を変えたい」と立ち上がった。
選挙の本格的な準備は2週間ほど前からはじめた。選挙参謀はつい最近知り合った藤川晋之助氏だ。知る人ぞ知る選挙プランナー。小沢一郎氏に頼まれて旧民主党の選挙を手伝ったのをきっかけに、意気に感じれば党を超えて国会議員や首長らの選挙戦略を手がけてきた。17年からは東京維新の会の事務局長として維新の東京進出を牽引したが、現在は維新を離れ、国会近くに「藤川選挙戦略研究所」をかまえている。これまでの戦績は130勝13敗を誇る。
その藤川氏を口説いて陣営に引き入れたのはドトールコーヒーの名誉会長、鳥羽博道氏だ。とはいえ、鳥羽氏が石丸氏を知ったのは、YouTubeでありのままの言動を視聴したからにほかならない。感動のあまり石丸氏に手紙を送ったことから対面が実現。1回会っただけで、たちまち魅了されたらしい。
選対本部長の小田全宏氏もユニークな人物だ。実業家でもあり、人間学の教育者でもあり、富士山を世界遺産にする運動に功績があった一人でもある。小田氏もまたYouTubeで石丸氏の存在を知り、関心を抱いた。知人の紹介で1か月ほど前に初めて石丸氏と会い、選対本部長を引き受けた。
鳥羽氏、藤川氏、小田氏。3人を石丸氏に結びつけたのは利害関係でも地縁・血縁のたぐいでもない。ネット動画を見て石丸氏に心を動かされたのが全てのはじまりだった。
■「長年選挙をやっているが、こんなのは初めて」吹き始めた風
石丸氏は市長の仕事をすべて済ませたうえで、6月12日に上京した。
先に準備に取りかかった藤川氏らが大いに焦ったのは言うまでもない。とにかく何もかもが遅い。しかも、無所属だから資金もない。組織もない。頼みはボランティアと個人からの寄付だけだ。
それでも、募集して1週間のうちに2000人ものボランティアが集まり、15日に都内で開かれた「後援会ボランティア説明会」には1000人がつめかけた。
1億円を目標に寄付を募ったら、15日時点でほぼ半分を確保できた。藤川氏は「長年選挙をやっているが、こんなのは初めて」と舌を巻いた。
縁もゆかりもなかった人々が、ネット動画を媒介にして、石丸氏にほれ込み、大きな応援団を形成してゆく。カネや地盤や組織に頼り、世襲議員がはびこるこの国の選挙風景を一変させるような動きだ。
しかも陣営の中核には、「選挙の神様」とも称される藤川氏や、政界とのつながりが深い小田氏が加わっている。
地方都市の元市長が、全く基盤のない東京へ乗り込んで、名うての選挙参謀とともに、どのような選挙戦を繰り広げるのか。「小池VS蓮舫」の影に隠れたままでは、もったいない。そういう思いでこの記事を書いた。
むろん、世界に小池氏と蓮舫氏しか存在しないかのような既存メディアの報道ぶりでは、いかにネット上の人気が高い石丸氏とて、苦戦は免れない。
だが、街頭に出て演説を繰り返すうちに、人が人を呼び、驚くほど熱気に満ちた選挙活動に発展していく可能性がある。そうなれば当然、大メディアも軽く扱えないようになってくるのではないか。
■大手メディアがスルーする「石丸現象」は本物か否か
かつて小池百合子氏がブラックボックスだと批判して乗り込んだ東京都政だが、いまや、小池氏自身がブラックボックス化している。
都議会で野党議員から批判的な質問をされたら、身代わりに都幹部にペーパーを読ませて自らは答弁拒否。記者会見でいやな質問が出ると、わざとかみ合わない話をして、するりと身をかわす。これでは民主主義は機能しない。
にもかかわらず、メディアは「AIゆりこ」など現職知事の強みを利用した選挙用の宣伝を喜々としてテレビ電波に乗せ、あたかも小池氏が何か先進的なことをやっているかのようなイメージを都民、国民に植え付けている。
50人をこえる立候補が見込まれる今回の都知事選。無党派層がどの陣営に流れ込むかが勝敗の帰趨を握る。これまでの常識で言えば、圧倒的に小池氏が有利なのは間違いない。蓮舫氏がそれを激しく追う情勢なのも確かだろう。
だが、この国の多くの人々はこう思っているのではないか。政治とメディアの病んだ関係を吹き飛ばし、生き生きとした新風を吹き込んでくれる若い政治家はいないものか。いたら、応援したいと。
「都政の見える化」を唱えて現れた石丸伸二という人物がホンモノなのかどうか。誰に一票を投じるにせよ、まずはその主張をじっくり聞いてから判断しても遅くはない。

 
「石丸伸二という人物がホンモノなのかどうか」に興味があったので調べてみるとすでにlこんな記事があった。
 
ほぼ無名、大した実績もなし、身の程知らず…石丸伸二氏に批判的な言説はなぜ炎上するのか【都知事選】
 
東京都知事選挙は7月7日が投票日。だが現職の小池百合子氏(71)にも、有力な対立候補と言われる蓮舫氏(56)にも投票したくない。ましてや広島県・安芸高田市の前市長・石丸伸二氏(41)など論外だ──こんな記事が配信されると、たちまちネット上では“石丸支持者”による猛攻撃で炎上することをご存知だろうか。
石丸氏は1982年8月、広島県の吉田町に生まれた。ちなみに2004年、この吉田町を含む6町が合併して安芸高田市が誕生している。
 吉田町立の小・中学校から広島市の県立高校を経て京都大学経済学部に進学。卒業後は三菱東京UFJ銀行に入行した。銀行員としてキャリアを積み、ニューヨークに駐在した際は為替アナリストとして数カ国を担当した。政治記者が言う。
「石丸氏に人生の転機が訪れたのは2020年7月のことです。当時の安芸高田市長が自民党の国会議員だった、元法相の河井克行氏(61)から現金を受け取っていたことが判明。前市長は責任を取って辞職しました。辞職に伴う市長選に副市長は立候補しましたが、他は動きがないことを報道で知った石丸氏は出馬を決めます。7月8日に退職願を提出、22日に立候補を表明、8月9日の市長選で勝利を収めるという劇的な展開でした」
 安芸高田市長の任期は今年8月で満了を迎え、7月に市長選が行われる予定だ。すでに複数の立候補者が出ているが、石丸氏は5月10日の会見で不出馬を表明した。
「石丸氏は会見で『市長退任後も既存政党に所属せず、政治家を続ける』と説明。国政選挙に出馬する可能性は低いとする一方、都知事選は『前向きに検討する』との考えを示しました。そして5月17日、広島市内で開かれた記者会見で正式に都知事選の立候補を表明。任期途中の6月9日に市長を辞任しました」(同・記者)
“有力候補”に選ばれない理由
 ネット上では出馬を歓迎する声が相次ぎ、今も熱烈な支援の声がSNSなどに投稿されている。6月9日には石丸氏がYouTubeで生配信を行うと、“投げ銭”の金額が328万円に到達。9日の日計としては世界一の金額だったことも話題になった。
 石丸氏は立候補者として存在感を放っており、さすがに“泡沫候補”ではない。とはいえ“政治のプロ”から見ると、石丸氏を“有力候補”と見なすことはできないようだ。ベテランの政治記者が言う。
「東京都の有権者数は1100万人を超え、仮に投票率が50%として550万票の争いという桁外れの“巨大選挙”です。ここ数年の当選者を見ると、いずれも得票総数は200万票以上。候補者が全国レベルの知名度を持ち、政党の組織的な応援を受けなければ勝てません。石丸さんも異色の市長として全国ニュースで取り上げられたとはいえ、まだまだ顔も名前も知らない都民が少なくないでしょう。さらに正真正銘の無所属なので組織力もありません。マスコミが小池v.s.蓮舫という図式で報じ、石丸氏について触れることが少ないのは、やはり理由があるのです」
全国紙やNHK、民放キー局といった旧来型の大手メディアは都知事選の報道で「なお、他に石丸伸二氏ら40人以上が立候補の意向を表明している」と付け足しのように言及しているのは、こうした判断があるからだろう。
 ところが、ネット上では全く違う光景が広がっている。
“正義の鉄槌”という評価
 現代ビジネスが6月6日と7日、石丸氏に批判的な記事を配信すると(註)支持者の可能性が高いと思われるネットユーザーから「偏向報道」などの批判が相次いだ。
 偏向報道との指摘が正しいかどうかはともかく、石丸氏に熱烈な支持者が存在することが改めて浮き彫りになった。なぜ、これほどの支持を得ているのか、ITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材を依頼した。
「大前提として小池さんも蓮舫さんも支持したくないという都内の有権者が相当数に達しており、その上で『老害』というキーワードが重要だと思います。そもそも石丸さんがネット上で注目を集めたのは、『地方都市で既得権益を独占し、利潤を吸い上げている老害』の存在を明るみにし、彼らに正義の鉄槌を下した──と理解されているからです。こうした老害は全国各地に存在しますから、単なる広島県内の話ではないと受けとめられました。結果として全国のネット民から広範な支持を得るようになったわけです」
 安芸高田市長選で石丸氏が獲得した票数は約8000票。得票率は約6割に達したが、組織的な支援は皆無。市議会とは当初から対立的な関係を余儀なくされ、いつリコール運動が起きても不思議ではない状況だった。
トランプとの違い
「そこで石丸氏は議会のネット中継を実施するのですが、これで流れが変わります。議会を牛耳る老害市議の存在を明るみに出し、多くの人の関心を集めたのです。一部のメディアは『トランプ流の敵を作って支持を集める政治手法』と批判しましたが、これは的外れでしょう。ドナルド・トランプ氏は今も権力を手中に収めようと“敵”を作って攻撃していますが、石丸氏は『安芸高田市をよくしたい』と純粋に考えていただけだと思います。むしろネット上では“地方都市におけるカースト制”が指摘されており、こちらのほうが正確な状況把握ではないでしょうか」(同・井上氏)
 地方都市から東京などの大都市に出る若者の中には、大学進学が理由という者も少なくない。まさに石丸氏がその一人だ。一方、地元に残った人間で作られた“カースト制”では、勉学でも仕事でも何の努力もせず、地域の権益を独占するだけの“老害層”がカーストの最上位を占めている。
 京大を経てメガバンクに就職したエリートが、「故郷に恩返ししたい」と帰ってきた。こんな立派な新市長を、カーストの最上位を占める老害たちがいじめている。だから地方はダメなんだ──これが“地方都市カースト制”を巡るネット上の議論だ。  
小池氏が見離された理由
「東京にも地方出身者がたくさんいます。上京して高い家賃に苦しみ、子育てに悩みながら働いている有権者も多いでしょう。40代のパワーカップルで江東区にタワマンを購入した夫婦も、共に地方出身者で石丸氏の支持者だったりします。彼らは自分の故郷と安芸高田市を重ね合わせただけでなく、今の勤務先でも老害に悩まされていることもあり、石丸氏の言動に共感するのです」(同・井上氏)
“地方都市カースト制”の議論から、ネット民は小池氏と蓮舫氏の評価が極めて低いことも読み解けるという。
「石丸さんを支持する層は老害を問題視します。国会議員なら二階俊博さん(85)や麻生太郎さん(83)が嫌悪の対象になるわけですが、もはや小池さんも同じ扱いです。2016年に初当選した時は逆で、自民党から追われて都知事選に挑戦したため、『小池さんなら、利権にまみれた老害の自民党都議を一掃してくれる』という期待も集まりました。あれから8年が経ちましたが、都政は何も変わらず、気がつくと小池さんは自民党と公明党の支持を受けた“与党知事”です。これに学歴詐称の問題が加わり、ネット上で小池さんは完全に見離されてしまいました」(同・井上氏)
「2位じゃダメなんですか」
 蓮舫氏に対する批判は“地方都市カースト制”より“スクールカースト”のほうが使われるようだ。スクールカーストとはデジタル大辞泉によると「学校のクラス内で、勉強以外の能力や容姿などにより各人が格付けされ、階層が形成された状態」だという。
「蓮舫さんは父が貿易商という裕福な家庭に生まれ育ち、幼稚園から大学まで青山学院。大学にはフェアレディZで通い、クラリオンガールとして芸能界にデビューしたという“容姿”の持ち主です。今なら確実に“スクールカースト”のトップ層に君臨していたでしょう。ネット上のジャーゴン(隠語)を使えば、まさに蓮舫さんは“上級国民”の娘なのです。このため『蓮舫さんに普通の人生を歩んできた有権者の気持ちなど分かるはずがない』と批判されます。小池さんもニュースキャスターとして“容姿”が注目されていましたから、同じ理由で好感を持たれていません。そういう有権者は石丸さんの高い学歴と、堅実な職歴を評価するわけです」(同・井上氏)
 さらに蓮舫氏の場合、2009年11月に民主党政権の「事業仕分け」で言い放った「2位じゃダメなんですか」の発言が今に至るまで尾を引いているという。
「ネット民はIT業界に勤務している人が少なくありません。毎日、技術革新を巡って激しい競争を繰り広げていますから、『2位じゃダメなんですか』の発言は許しがたい“暴言”なのです。さらに一般企業に勤めている会社員も同じ考えを持っています。どんな業界でもシェア争いは熾烈を極めています。『2位じゃダメなんですか』の発言は社会の常識を知らない戯れ言と呆れ返られたのです」(同・井上氏)
維新の推薦を拒否
 インターネット上での議論だけあり、3人の立候補者がどのようにネットを活用してきたかも判断の対象になっているという。
「まず小池さんはテレビを活用する古いタイプの政治家なので“論外”と評価されています。彼女が“老害政治家”の一人にカウントされている理由でもあります。一方の蓮舫さんはXで精力的に投稿しています。しかし、その内容が批判ばかりという点より、完全な“一方通行”であることが問題視されています。やっていることは郵便ポストに活動報告のビラを配っているのと同じです。石丸さんが議会のネット中継や自身の動画配信で全国の視聴者を巻き込むという“双方向性”を実現しているのを見れば、比較にならないというのが率直な感想です」(同・井上氏)
 デイリー新潮は6月13日、「『維新』が都知事選で大迷走 安芸高田市長・石丸氏に推薦打診もあっさり“お断り”されていた」との記事を配信した。文中から維新関係者のコメントを再掲載する。
《「東京維新の会の幹部が石丸さんとのアポを取り付けて、“ウチの推薦でいかないか?”と打診したんです。ところが石丸さんは“今回は完全無所属でいきたいので”とあっさり断った。それでも維新側はあきらめず、どうにか“広島の論破王”を取り込もうと“維新の推薦があれば60万ほどの基礎票が乗りますよ”と持ちかけた。が、石丸さんの意思は固く、協議は物別れに終わったのです」(党関係者)》
「市長を放り出した」問題
「石丸さんの支持層は、既存政党にも風穴を開けてほしいと願っています。ですから石丸さんが維新の推薦を受けたなら、かなりの支持者が離反するでしょう。そもそも石丸さんを批判する層は極右と極左が中心で、その内容も言いがかりに近いものです。石丸さんを支持する層を見ると、さすがに高齢者は手薄でしょうが、それ以外は年齢も性別も支持政党も偏りがないはずです。そこが石丸さんの“セールスポイント”なので、まさに無所属がベストなのです」(同・井上氏)
 ただし石丸氏に対する批判の中には、しっかりと事実に基づいたものもある。特に問題視されているのが「安芸高田市長の座を途中で放り出した」という点だ。
「安芸高田市長の任期をまっとうし、いわゆる“浪人中”に都知事選への立候補を表明したのなら、こんな批判は出ませんでした。『放り出した』という指摘に対しては、『その通りだ。安芸高田市の市民が気の毒だ』と同意する人も、かなりの数に達しています。一方、『日本が物凄いスピードで凋落していることを考えると一刻の猶予もない。石丸さんは東京都に大きな風穴を開けるべきだ』と擁護する人も、やはりかなりの数に達しています。ネット世論は真っ二つに分かれているというところでしょうか」(同・井上氏)
石丸新党!?
 石丸氏を支持する人々の意見に耳を傾けてみると、「このまま老害政治家に日本を任せていると、間違いなく凋落する」という危機感が強いことが分かる。
「こうした危機感を追い風に石丸さんが都知事選を戦い、小池さんと蓮舫さんに次ぐ第3位の得票を獲得できれば、実質的な勝利と言っていいのではないでしょうか。選挙後はマスコミから引く手あまたになるのは間違いないですし、私の知っている立憲民主党の関係者は『蓮舫が当選したら、副知事を依頼したい』と言っていました。今、注目度が最も集まっている政治家ですし、都知事選を経てさらに存在感が増すのが最高のシナリオです。初めて大阪府知事選に立候補した時の橋下徹さん(54)に集まった注目と似たものを感じます。それこそ“第三極”の政治家として、石丸新党を期待する声も出てくるのではないでしょうか」(同・井上氏)

 
どうやら荒唐無稽の泡沫候補ではないことが上記の記事でよくわかり、ITジャーナリストの井上トシユキの取材結果から、「小池さんと蓮舫さんに次ぐ第3位の得票を獲得できれば、実質的な勝利」なのかもしれないが、もう少し頑張って、「2位じゃダメなんですか」と言われてほしい、とオジサンは思う。

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