25日付「東亜日報」<キョクセジカム>=「隔世の感」はなんとかわかっても、<진인사대천명チニンサデチョンミョン>なんてねえ・・・、<盡人事待天命>の漢字6文字を韓国式音読みで書かれるとつらい、という韓国語学習者は多いのでは? ただ、<チョンミョン=天命>に気がつけば、全体の推定がつくかも・・・。
<光化門で>というタイトルのコラム。見出しはこの<진인사대천명>と、その下に小さく<盡人事待天命>とあるだけで、何が書いてあるのかと本文を読むと、ナロ号の発射についてなんですね。
本文紹介の前に、ナロ号についてちょっと・・・。
韓国初の<宇宙発射体>、というナロ号の名の由来は、全羅南道の外羅老島(ウェナロド)にある韓国最初のロケット打ち上げ施設・羅老(ナロ)宇宙センターによるものです。
全長は33m、重さは140トンというから、ずいぶんでかいんですね。衛星体は約100キログラム。
当初は2005年発射の計画だったのが、いろいろあって(←便利な言葉)現在に至った。19日17時に発射予定だったが、<技術的問題>で約8分前に中断、25日に延期になってしまいました。
<宇宙発射体>なんて、<北>のロケット発射関連報道でも見ましたが、私ヌルボの理解では、ロケットには宇宙空間を目指さないのもあるのに対し、これは文字通り宇宙に向けて発射される、ということでしょうか? 韓国の報道でも2つの用語が混在しています。
★★えっ!?「ブタを屠って通信衛星打ち上げ成功を祈った」(96年米国)って・・・★★
さて、このコラムの内容を見てみましょう。
まず、以下のようにこれまでの関係者の努力と期待があげられています。
・1996年米国・ケープカナベラルで、通信衛星ムグンファ2号発射の前日、韓国人関係者たちは衛星が無事軌道に乗ることを祈願して、ブタを屠って韓国式祭祀を行った。95年は失敗したのだが、その時は祭祀のおかげか完璧に成功した。
・今回のナロ号発射までには、現地で寝泊まりしているロシア人科学技術者160余人の中にはヒャンスビョン(향수병)にかかっている人もいる。
ヒャンスビョン=郷愁病、つまりホームシックですね。
※ヌルボは、詩人鄭芝溶の代表作「郷愁」を「香水」(スペルは同じ)と誤解して、ヘンな詩だなと思ったことがあります。
・韓国人チームも2002年以後休暇を返上して準備してきて、ある研究員は重要なテストを終え何とかセンターを脱出し翌日の結婚式に臨む。同僚たちは作業服のまま式にかけつけた。
・・・まあ、感動的なイベントの報道にはつきもののネタという感じですね。「ブタを屠って」は別として・・・。
一方、とくに19日の発射中止後、パートナーのロシアに対する疑念の声も大きくなっているようです。
1段ロケットはロシア側が非公開で設計・製作・試験し納品し、発射場でも許可なく接近するのは禁止で、韓国側への技術移転はなし。これで「韓国のロケット」といえるのかとの声も内外からあるようです。 「ロシアが新型ロケット<アンガラ>を、韓国の費用負担で試験発射しようとしている」との皮肉的な見方も、別のサイトで紹介されていました。
この「東亜日報」のコラムでは、「結局技術従属の悲しさに帰着する」と述べ、「米国、フランス、日本等、宇宙先進国もロケット発射で手痛い失敗を何度も味わったというが、それをもって慰めとするしか・・・」と自嘲的な書きぶり。
・・・で、今日の午後5時。結果は一応「打ち上げ成功!」。
※<一応>というのは、衛星の分離が遅れて予定の軌道に乗れなかったため。<部分失敗>と伝えられているようです。
しかし、韓国のマスコミも国民の皆さんもこんなに盛り上がっているんですねえ。「チョンマル キブン チョッスムニダ!(実にいい気分です!)」とか、KBSラジオで感動の声をあげている人もいました。
ひるがえって日本をみると、今<宇宙>とか<人工衛星>とか聞いて、わくわくする人がどれほどいるんでしょうかねえ?
昔と違って、<ふつうのこと>の部類に入ってしまっている感じで、特に夢とかあこがれの対象でもくなっているのでは? またそれが韓国のように<国民の所願(ソウォン)>とされるとは、日本では<ありえない>のではないでしょうか?
★以下は8月26日の追記
26日付「毎日新聞」では8面[国際]の下の方に2段見出しで「韓国人工衛星 失敗 正常軌道に投入できず」と報道。本文34行の小さめの記事。韓国の人たちは、「世界が注目している」と思っていただろうなあ。
<光化門で>というタイトルのコラム。見出しはこの<진인사대천명>と、その下に小さく<盡人事待天命>とあるだけで、何が書いてあるのかと本文を読むと、ナロ号の発射についてなんですね。
本文紹介の前に、ナロ号についてちょっと・・・。
韓国初の<宇宙発射体>、というナロ号の名の由来は、全羅南道の外羅老島(ウェナロド)にある韓国最初のロケット打ち上げ施設・羅老(ナロ)宇宙センターによるものです。
全長は33m、重さは140トンというから、ずいぶんでかいんですね。衛星体は約100キログラム。
当初は2005年発射の計画だったのが、いろいろあって(←便利な言葉)現在に至った。19日17時に発射予定だったが、<技術的問題>で約8分前に中断、25日に延期になってしまいました。
<宇宙発射体>なんて、<北>のロケット発射関連報道でも見ましたが、私ヌルボの理解では、ロケットには宇宙空間を目指さないのもあるのに対し、これは文字通り宇宙に向けて発射される、ということでしょうか? 韓国の報道でも2つの用語が混在しています。
★★えっ!?「ブタを屠って通信衛星打ち上げ成功を祈った」(96年米国)って・・・★★
さて、このコラムの内容を見てみましょう。
まず、以下のようにこれまでの関係者の努力と期待があげられています。
・1996年米国・ケープカナベラルで、通信衛星ムグンファ2号発射の前日、韓国人関係者たちは衛星が無事軌道に乗ることを祈願して、ブタを屠って韓国式祭祀を行った。95年は失敗したのだが、その時は祭祀のおかげか完璧に成功した。
・今回のナロ号発射までには、現地で寝泊まりしているロシア人科学技術者160余人の中にはヒャンスビョン(향수병)にかかっている人もいる。
ヒャンスビョン=郷愁病、つまりホームシックですね。
※ヌルボは、詩人鄭芝溶の代表作「郷愁」を「香水」(スペルは同じ)と誤解して、ヘンな詩だなと思ったことがあります。
・韓国人チームも2002年以後休暇を返上して準備してきて、ある研究員は重要なテストを終え何とかセンターを脱出し翌日の結婚式に臨む。同僚たちは作業服のまま式にかけつけた。
・・・まあ、感動的なイベントの報道にはつきもののネタという感じですね。「ブタを屠って」は別として・・・。
一方、とくに19日の発射中止後、パートナーのロシアに対する疑念の声も大きくなっているようです。
1段ロケットはロシア側が非公開で設計・製作・試験し納品し、発射場でも許可なく接近するのは禁止で、韓国側への技術移転はなし。これで「韓国のロケット」といえるのかとの声も内外からあるようです。 「ロシアが新型ロケット<アンガラ>を、韓国の費用負担で試験発射しようとしている」との皮肉的な見方も、別のサイトで紹介されていました。
この「東亜日報」のコラムでは、「結局技術従属の悲しさに帰着する」と述べ、「米国、フランス、日本等、宇宙先進国もロケット発射で手痛い失敗を何度も味わったというが、それをもって慰めとするしか・・・」と自嘲的な書きぶり。
・・・で、今日の午後5時。結果は一応「打ち上げ成功!」。
※<一応>というのは、衛星の分離が遅れて予定の軌道に乗れなかったため。<部分失敗>と伝えられているようです。
しかし、韓国のマスコミも国民の皆さんもこんなに盛り上がっているんですねえ。「チョンマル キブン チョッスムニダ!(実にいい気分です!)」とか、KBSラジオで感動の声をあげている人もいました。
ひるがえって日本をみると、今<宇宙>とか<人工衛星>とか聞いて、わくわくする人がどれほどいるんでしょうかねえ?
昔と違って、<ふつうのこと>の部類に入ってしまっている感じで、特に夢とかあこがれの対象でもくなっているのでは? またそれが韓国のように<国民の所願(ソウォン)>とされるとは、日本では<ありえない>のではないでしょうか?
★以下は8月26日の追記
26日付「毎日新聞」では8面[国際]の下の方に2段見出しで「韓国人工衛星 失敗 正常軌道に投入できず」と報道。本文34行の小さめの記事。韓国の人たちは、「世界が注目している」と思っていただろうなあ。