ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画とシネ21の人気順位 と 週末の興行成績 [6月3日(金)~6月5日(日)]

2016-06-07 23:51:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨日6月6日、韓国では午前10時全国的にサイレンの音が1分間鳴らされたことでしょう。毎年この日は<殉国先烈(순국선열)>と<護国英霊(호국영령>の慰霊とその精神を継承するという顕忠日(현충일.ヒョンチュンイル)で、1分間のサイレンの間は黙祷することになっています。この日ソウルの国立顕忠院では、大統領が臨席して式典が催されます。
 一昨年の式典については→コチラ
の記事で書きました。その時はヨ・ジングが朴槿恵大統領にバッジを付けてもらったりしていましたが、今回はイ・スンギが参席したのですね。→コチラは、(皆と一緒に)「愛国歌(国歌)」を歌っている動画です。今年2月軍に入隊した彼は「나 군대 간다(僕は軍隊に行く)」(→YouTube)という歌も歌っているし、すっかり軍隊の<広告塔>といった感じになってます。(もちろん海外派兵ドラマ「太陽の末裔」をはじめとして。)
 またTVでもこの顕忠日に合わせて<特選映画>を放映するのが常で、今回はKBS1では「リターン・トゥ・ベース」、KBS2では「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」(原題:延坪海戦)、そしてEBSでは「高地戦」と、この5年ほどの間に公開され話題になった戦争・軍隊関係作品を放映しました。

 6月1日からカンヌ映画祭でも上映されたパク・チャヌク監督の話題作「アガシ」の一般公開がスタート。「朝鮮日報(日本語版)」の記事(→コチラ)によると、「公開4日目にして観客100万人を突破」し、また公開初週182万人という記録は青少年観覧不可映画史上最高とのこと。しかし、原作のサラ・ウォーターズの歴史ミステリー「荊の城」はすごくおもしろかったものの、ヌルボ思うに映画化作品の8割以上は明らかに原作以下だからなー。この作品は後の方になると原作の構成とかなり異なり、また「原作よりも軽い」といった感想もありました。実際に観たSARUさんは「「アガシ」、ワンジョニ(完全に)パク・チャヌク印 変態映画」とツイートしてるし・・・。(→コチラ。) まあ「今後に注目」といったところですかねー。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。これで3週続き。以前にもこういうことがありましたが、少し気になります。

           ★★★ NAVERの人気順位(6月7日現在上映中映画) ★★★

①(2) ズートピア  9.39
②(4) 戦場のピアニスト  9.30
③(-) 言えない秘密  9.27
④(-) 同級生(日本)  9.22
⑤(-) 鬼郷(韓国)  9.19
⑥(-) オーヴェという男  9.19
⑦(5) シーモアさんと、大人のための人生入門  9.16
⑧(-) はじまりのうた  9.07
⑨(7) 太陽の下  9.04
⑩(6) シング・ストリート 未来へのうた  9.03

 ④「同級生」が新登場です。日本では今年2月公開で、一部でまだ上映中の作品をもう韓国でやっているまですね。ボーイズラブ・コミックのアニメ化ですが、日本での認知度はどれほどでしょうか? 私ヌルボ、タイトルだけは知っていましたが、そのままスルーしてしまったので語る資格ナシです。韓国題は「동급생」です。
 なお、⑧「はじまりのうた」は、韓国では「비긴 어게인」というタイトルで2014年公開され、日本でも2015年公開されました。

           ★★★ シネ21 専門家の平均得点順位 ★★★

①(1) キャロル  9.00
②(3) 哭声(韓国)  8.31
③(6) ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!  7.60
④(6) X-MEN:アポカリプス  7.57
⑤(8) さざなみ  7.50
⑤(8) クラン  7.50
⑤(-) アガシ(韓国)  7.50
⑧(10) シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ  7.45
⑨(-) シーモアさんと、大人のための人生入門  7.33
⑩(-) ズートピア  7.33

 ⑤「アガシ」だけが今回の新登場ですが、この作品については冒頭と続くランキングの記事を参照のこと。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月3日(金)~6月5日(日)] ★★★

         「アガシ」が前評判通り1位だが、今後ははたして?
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(15)・・アガシ(韓国) ・・・・・・・・・・・6/01・・・・・・・・・・1,262,008・・・・・・・・・1,821,608 ・・・・・・・・15,115 ・・・・・・1,167
2(1)・・X-MEN:アポカリプス・・・・・5/25・・・・・・・・・・・・531,365・・・・・・・・・2,496,805 ・・・・・・・・20,833・・・・・・・・705
3(2)・・哭声(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・5/12 ・・・・・・・・・・・375,481・・・・・・・・・6,292,519 ・・・・・・・・51,072・・・・・・・・582
4(39)・・ミー・ビフォア・ユー・・・・・・6/01 ・・・・・・・・・・・178,698 ・・・・・・・・・・240,429 ・・・・・・・・・1,969 ・・・・・・・・476
5(3)・・アングリーバード・・・・・・・・・5/19 ・・・・・・・・・・・・94,838 ・・・・・・・・・・556,727 ・・・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・419
6(4)・・シング・ストリート 未来へのうた・・5/19 ・・・・・・59,799 ・・・・・・・・・・464,251 ・・・・・・・・・3,786 ・・・・・・・・290
7(46)・・怖い話3:火星から来た少女(韓国)・・6/01 ・・45,452・・・・・・・・・・・・70,006・・・・・・・・・・・561 ・・・・・・・・316
8(6)・・私の少女時代 Our Times・・・5/12・・・・・・・・・・・30,396・・・・・・・・・・・364,068 ・・・・・・・・・2,992・・・・・・・・155
9(新)・・ザ・ボーイ~人形少年の館~・・6/01 ・・・・・・・28,798・・・・・・・・・・・・38,525・・・・・・・・・・・308 ・・・・・・・・184
10(5)・・ケチュンばあさん(韓国)・・5/19・・・・・・・・・・・・・25,185・・・・・・・・・・・448,720 ・・・・・・・・・3,376 ・・・・・・・・237
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 記事冒頭で書いたように注目作「アガシ」が突出した数字で1位になっていますが、映画評やネチズンの感想等をみると必ずしも絶賛とまではいかないようで、興行の成否を現時点で判断するのは早計のような気もします。
 今回の新登場は1・4・7・9位の4作品です。
 1位「アガシ」は、イギリスのヴィクトリア朝を舞台にしたサラ・ウォーターズの傑作ミステリー「荊の城」を、パク・チャヌク監督が日本統治期の京城に設定を変えて映画化した作品。幼い時に両親を亡くし、後見人の厳格な叔父の下で育った貴族のアガシ(お嬢様)秀子(キム・ミニ)の屋敷に、伯爵(ハ・ジョンウ)からの推薦で新しい下女スッキ(キム・テリ)がやって来ます。それまで淋しい思いで暮らしてきた秀子は徐々に純朴そうなスッキを頼りにするようになります。しかしスッキの正体は有名な女盗賊の娘でした。秀子が相続する莫大な財産を狙って伯爵(実は詐欺師)が下女として送り込んだのです。はたしてそのたくらみは・・・。原題は「아가씨」。
 4位「ミー・ビフォア・ユー」は、世界で大反響を呼んだジョジョ・モイーズのベストセラーの映画化作品。日本でも翻訳書が「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」(集英社文庫)が刊行されています。地元のカフェで働いていた26歳の女性ルイス・クラーク(エミリア・クラーク)は、カフェの閉店により失職。家族を養わなければならない彼女がようやく就けたのは半年限定の介護の仕事でした。介護をする相手は、事故で四肢麻痺になった35歳の元実業家のウィル(サム・クラフリン)。当初は冷たい態度だったウィルは、ルイスの献身的な態度に徐々に心を開いてゆき、ルイスもウィルのおかげで自信をもてるようになって徐々に惹かれ始めますが、ある日彼女はウィルがスイスの尊厳死施設に予約を入れていたことを知ってしまいます・・・。韓国題は「미 비포 유」。日本公開は未定です。
 7位「怖い話3:火星から来た少女」は韓国のホラーシリーズの3年ぶりの第3作。遥か未来。機械たちが支配する惑星に不時着した少女は、機械に自分が人間を避けてここに来た理由を一つ一つ伝えていきます。そして以下の3つの物語が展開される、という構成になっています。<過去の話:恐怖の実話「狐穴」>は、科挙試験を終えて故郷に帰る途中だったイセン(イム・スロン)は突然現れた盗賊に追われ、やっと人里離れた村にの女性と老人が住む家に逃れて一晩泊まることになります。ところがその家は人間が一度足を踏み入れれば二度と生きて帰れない<狐穴>でした・・・。<現在の話:疾走怪談「ロードレージ」>は、真夜中、人気の少ない高速道路を走っていたドングン(パク・ジョンミン)とスジン(キョン・スジン)の前に怪しいダンプが現れ、何度も前に割り込んできては行く手を遮ります。頭に来たドングンが追い越すと、ダンプはしつこく追いかけて来ておどしをかけてきます・・・。<未来の話:人工知能ホラー「機械霊」>は、母イェソン(ホン・ウニ)の代わりに幼い息子チングの一番の友だちになった人工知能ロボットのドゥンコでしたが、ある日ドゥンコに突然エラーが起き、チングの心は傷ついてしまいます。イェソンはチングに内緒でドゥンコを処分して新しいロボットを購入しますが、その新しいロボットにもやがておかしな症状が現れ始めます・・・。原題は「무서운 이야기 3 : 화성에서 온 소녀」です。
 9位「ザ・ボーイ~人形少年の館~」は、アメリカーのミステリー・ホラー。アメリカの女性グレタ(ローレン・コーハン)はイギリスの田舎に暮らす老夫婦の8歳の子供を世話する仕事を得ます。ところが、紹介された息子というのは人間ではなく実物大の人形でした。20年前に亡くした息子の代わりとしてずっと暮らしてきたのです。グレタは指示された通りに「子守」を始めますが、その後馬鹿馬鹿しくなって人形を放置すると、なんとその人形が生きているとしか思えないようなことが起こります・・・。韓国題は「더 보이」。日本公開は今夏です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・シング・ストリート 未来へのうた・・・5/19・・・・・・・・・・・・・・59,779・・・・・・・・・・・464,251 ・・・・・・・・・・・3,786 ・・・・・・・・290
2(2)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/12・・・・・・・・・・・・・・30,396・・・・・・・・・・・364,068 ・・・・・・・・・・・2,992 ・・・・・・・・155
3(8)・・オーヴェという男 ・・・・・・・・・・・・・・・・5/25・・・・・・・・・・・・・・・8,316・・・・・・・・・・・・69,186 ・・・・・・・・・・・・・546 ・・・・・・・・・84
4(16)・・羊飼いたち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・6/02・・・・・・・・・・・・・・・1,442・・・・・・・・・・・・・3,191 ・・・・・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・・・54
5(4)・・喊山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/25・・・・・・・・・・・・・・・1,235・・・・・・・・・・・・10,316 ・・・・・・・・・・・・・・81 ・・・・・・・・・38

 新登場は4位「羊飼いたち」だけです。韓国の犯罪・スリラー。かつては注目の俳優だったワンジュ(パク・ジョンファン)でしたが、今は<役割依頼業>でやっと生計を立てています。つまり客の依頼で誰かになりすまして客に有利な発言をしたりする仕事。ある日彼が受けた依頼は、殺人事件の被害者の母親という女性から。巨額の報償金に目がくらんで目撃者役を引き受けた彼は、警察に行って抜かりなく嘘の証言をします。ところがその殺人事件の裏に別の真実があることを知り、ワンジュは事件当日に被害者と共にいたグァンソク(ソン・ハジュン)とヨンミン(ユン・ジョンイル)に会いに行くのですが・・・。原題は「양치기들」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする