ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [12]

2013-10-24 15:16:54 | 高校生にすすめる本360冊
<高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補)>の過去記事は、左の「カテゴリー」の中の<高校生にすすめる本360冊>を開いてみてください。あ、記事の下に手っ取り早いリンクがありますね。

 今回からエンタメ系。
 まずSFと冒険小説計24冊です。

☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。

214
ブラッドベリ火星年代記早川文庫214~227=SF。
214はfantazyの古典的名作。ブラッドベリは有名になりすぎてチョット残念。他に、優れた短編も多い。
215は、異星人とのファースト・コンタクトを扱った傑作。
215、クラークは「2001年宇宙の旅」の作者。映画が全然理解できなかった人は原作(早川)を読もう。半分くらいはわかる。
216は「SFハンドブック」(早川)選定ベスト1。猫のピートとタイム・トラベル、最後はきっとジワーンとくるヨ。
217はノーベル賞作家イタリアの国民的作家による奇想天外なファンタジー。昔、月は地球に近接していて、人々はハシゴを伝って行き来していたんだとさ。
218と219はハードSFの傑作。
218は、月の裏側で、宇宙服を着た、な、なんと、5万年前の人間の死体が発見されたという突飛な謎から始まる。
219は大きさ、重力、時間等の観念が全然異なる星とのコンタクト。
220は、たとえばアナタを構成する細胞の一つひとつが知的生物だったら、という発想がモト。いやあ、いろいろ考えつくものだなあ・・・・。
221は発想の妙にうなる短編集。
222は洒落たアンソロジー。風呂場で読むのに最高!?
223・224、素敵な音楽をSFで聴こう! 「無伴奏ソナタ」(カード)は短編集。<見えない絵>が最も美しいように、これらの作品からは<聞こえない音楽>の妙なる調べが漂う。
225は“茫々とした”時空をあしゅらおうが駆けめぐる。萩尾望都の漫画でもおなじみ。僕は入試直前に読みふけったため浪人するハメとなった。
226、筒井康隆のわはははは初期のドタバタSFはがひひひひ眼球が回転しアゴが震動し脳味噌が沸騰する。
227はタイム・トラベル物の代表作。216と読み比べて。コチラも泣かせる。旅先は、216は未来だがコチラは過去るあえて言えば僕はコチラが好き。ベストセラー「鉄道員」で有名になった浅田次郎「地下鉄に乗って」(徳間)も過去の日本をかいま見る旅。
228、ジュニアSFはオタク的世界のようで敬遠していたが、こんなおもしろい対策もあるんだなあ。主人公の少女が人間的に成長していくのが至極健全。
SFではウェルズやヴェルヌの個展も一通り読んでおきたい。
229~234=冒険小説。
229・230のヒーローの定位置はコックピット。ハラハラドキドキ、読みだしたらヤメラレナイ!
231の“ジャッカル”はドゴール(知ってるかな?)をねらう殺しのプロ。結果はわかっていても読ませるのはさすが。トンプソン「A-10奪還チーム出動せよ」(新潮)やトーマス「ファイア・フォックス」(早川)もおもしろかった。スパイ物のフリーマントルの作品(新潮)もなかなか。
232は痛快なコン・ゲーム(詐欺小説)。国産では小林信彦「紳士同盟」(新潮)がある。アーチャーの作品はどれも夢中になれる。「ケインとアベル」(新潮)も読んでみて。
233~236は国産の代表。
233は大正末、234は昭和初期の中国が舞台。カッコいいヒーローが<到着?と<脱出>をめざし大活躍。蛇足だが、歴史の勉強にもなる。・・・・蛇足だなあ。
235・236はスペイン現代史の闇の部分に関わる、白熱の冒険小説。
237=異色の、そして感動のスポーツ小説。アメリカ横断マラソンに集まった世界のランナーたち。

215
クラーク幼年期の終わり早川文庫
216ハインライン夏への扉早川文庫

217
カルヴィーノレ・コスミコミケ早川文庫

218
ホーガン星を継ぐもの創元文庫
219フォワード竜の卵早川文庫
220ベアブラッド・ミュージック早川文庫
221シェクリイ人間の手がまだ触れない早川文庫
×
222
各務三郎(編)世界ショートショート傑作選講談社文庫
223カードソングマスター早川文庫
224マキャフリー歌う船創元SF文庫
225光瀬龍百億の昼と千億の夜早川文庫
226筒井康隆東海道戦争中公文庫

227
広瀬正マイナス・ゼロ集英社文庫
228小野不由美月の影 影の海
(十二国シリーズ)
講談社χ文庫

229
ネイハムシャドー81新潮文庫

230
ブロック超音速漂流文春文庫
231フォーサイスジャッカルの日新潮文庫
232アーチャー百万ドルをとり返せ!新潮文庫
233生島治郎黄土の奔流角川文庫
234景山民夫虎口からの脱出新潮文庫
235五木寛之戒厳令の夜新潮文庫
236逢坂剛カディスの赤い星講談社文庫
237マクナブ遥かなるセントラル・パーク文春文庫


 今見てみると、ほとんど「定番」の作品が並んでいますね。※→参考「『SF入門』 オールタイム・オールジャンル・ベスト一覧」

 では、なんでアイザック・アシモフ(「鋼鉄都市」等)、スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」を入れなかったか、というと、私ヌルボ本人もわかりません。
 フィリップ・K・ディックを入れなかったのは、万人向きとはいえないと思ったから、かな?

 今もSFのオールタイム・ベストというのをいろいろ見てみると、数十年前とたいして変わらないものがほとんど。そんな中で、「殿堂入り」作品を除外した<現代SFをまるごと楽しむための100冊>というのもありました。うーむ、これは少ししか読んでないぞ。しかし、これとても1999年のリストか。この10数年、本の情報に疎くなってきてるかも・・・。

※90年代までに刊行された作品でも、このリスト作成後に読んだオススメ本は、2000年以降の作品とともに補遺に入れました。

 次はミステリー&ホラーです。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国の伝統菓子 ①美味しい薬... | トップ | そうだったのか! 韓国人の... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
SF (ソウル一市民)
2013-10-24 21:31:03
 前からSFが好きでいらっしゃるのだと思っておりましたが、やはり古典から現代物までたくさん読まれているようですね。
 高校生に勧めるべきかは別としてやはり私はここに挙げられていないレムをはじめ、ディックやバラード、ヴォネガットらが好きなので(冒険・スパイ関連ではグレアム・グリーンやル・カレ、リストにもあるフォーサイスなど)、今回も読んだことのあるのはブラッドベリやクラーク、ネイハムなど計6冊だけです。もっともよく読んだのは高校くらいまでで、特にSFとはすっかりご無沙汰していますけれども。

 筒井康隆では「おれに関する噂」や「笑うな」といったお馬鹿な短篇小説やショート・ショートが好きで、むしろ最近1冊(60年代)だけ再刊された「○○年代日本SFベスト集成」というアンソロジーは、日本のSF(漫画も含め)を概観できる優れたものなので高校生にもお勧めしたいですね。私は中学から高校にかけて読みましたが、ニーチェやダリの絵に取材した荒巻義雄の作品など、全く理解できずに何度挑戦しても歯が立たずびっくりしたものです。
 広瀬正は若くして亡くなったのが残念です。近年、再評価されているのがうれしいですけれども。

 「戒厳令の夜」は映画が余りにひどい出来だったので(当時中学生だった私には、樋口可南子のヌード姿くらいしか記憶に残っていません…)、是非再映画化して欲しいものですが、お金がかかりすぎて無理でしょうかね。映画の後に原作も読みましたが、あの作品でパブロ・ネルーダという詩人のことを初めて知りました。

 ちなみにネルーダはノーベル文学賞を取っていますが、カルヴィーノは取っていませんね(取っいてもおかしくない人だとは思いますが)。
返信する
カルヴィーノ (ヌルボ)
2013-10-24 23:39:37
カルヴィーノはたしかにノーベル賞受賞者ではありませんね。ご指摘ありがとうございました。
「まっぷたつの子爵」以来何冊も読んでいる好きな作家なのに、長く誤解していました。ずっと前、受賞のニュースを聞いたようなうっすらとした記憶があるのですが、あれは1985年の訃報だったかも・・・。

「ネルーダ」と「映画」といえば、「イル・ポスティーノ」を連想しますが、あれも良くできたフィクョンでした。
返信する

コメントを投稿

高校生にすすめる本360冊」カテゴリの最新記事