ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国の伝統菓子 ①美味しい薬菓と出あう

2013-10-23 20:23:28 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 韓国関係のネタはどんどん溜まっていきます。
 本ブログでも、(上海臨時政府の関連で)1948年以来改定を重ねてきた6つの大韓民国憲法前文の文言比較とか、朴裕河世宗大教授が刊行した「帝国の慰安婦」のこととか、あ、「月刊朝鮮」9月号に掲載されていた、北朝鮮の作家が書いた金王朝批判の小説と詩が秘密裏に韓国に持ち込まれて近く刊行されることも書かなければ、と思いつつもうひと月・・・。

 しかし今回はちょっと息抜きで韓国のお菓子の話題。
 といっても、9月8日の記事<新大久保で売上げベスト3の韓国菓子を食べてみました>で紹介したようなふつうにコンビニ等で売っているようなお菓子ではなく、韓国の伝統菓子についてです。

 私ヌルボ、サークル仲間と9月韓国に行った時、ロッテデパート本店の地下食料品売り場に行きました。
秋夕連休直前とあって買い物客で込み合う中、いつもは土産物とは無縁のヌルボも例外的に買ったお菓子がこれ。(下写真) 韓菓(한과)の中の薬菓(약과)という伝統菓子です。

          
   【箱に掛けられた帯に「韓国にただひとりの油菓、薬菓の名人 キム・ギュウフン」と日本語でも書かれています。】

          
                 【1個ずつ包装されています。】

 みやげとしてこの韓菓を選んだ理由は次の通り。
  ①洋菓子と違って、いかにも韓国らしい。
  ②店員さんに訊いたら「2ヵ月もつ」とのこと。
  ③1個ずつ包装されているので、小分けして多くの人にあげられる。
  ④他の箱入りの韓菓は概して高めの値段だったが、これは同じものばかりの30個入り(?)で1万5千ウォンと、一応(ヌルボにとっては)お手頃の範囲内。
  ⑤ヌルボ自身、安い薬菓は食べたことがあったが、デパ地下の高級な薬菓は初めてなので食べてみたかった。

 帰ってから、ある会に集まった皆さんにお分けし、ヌルボもその場で食べてみました。
 皆さんの感想は至極良好。口々に「美味しい」という声があがりました。

 ヌルボが以前新大久保方面だかで買って食べた薬菓は、ネチョッとした歯ざわりと過剰な甘味ばかりが記憶に残る、B級のお菓子でした。
 そうした印象から、韓国人ネイティブの先生に日本の和菓子文化の伝統とその上品な味について韓国菓子と対比的に語ったところ、「アナタは美味しい韓国菓子を知らないんです」と言われたことがありました。
 今回、この薬菓を食べてみて、はからずも韓菓の美味しさの一端に触れた、と言えるかもしれません。

 さて、「韓菓の中の薬菓」と書きました。
 和菓子の場合は、製法によって次のように分類されるそうです。(→参考。)
  [生菓子] もちもの、蒸し物、焼きもの、流しもの、練りもの、揚げもの
  [半生菓子] あんもの、おかもの、焼きもの、流しもの、練りもの、砂糖漬けもの
  [干菓子] 打ちもの、押しもの、掛けもの、焼きもの、あめもの、揚げもの、豆菓子、米菓

 韓国の伝統菓子については、<コネスト>ではまず餅(떡)(→コチラ)と韓菓(한과)(→コチラ)に大別しています。

 この記事によると、韓国の餅はうるち米で作ったものが多いのが特徴で、蒸し餅・つき餅・焼き餅・茹で餅等に分類されるとのこと。韓国で200種類以上ある(←どんな数え方?)餅の中からいくつか紹介されている中で、ソンピョン(松餅)インジョルミはヌルボ個人的におなじみ。
 そういえば、過去記事<☆鍾路三街  チルシルの菓子と伝統茶>で紹介したチルシル(질시루)の伝統菓子はお餅系だったですね。
 韓菓については、<コネスト>の記事では次のように分類しています。
・油菓(유과.ユグァ)・・・もち米粉で作った生地を油で揚げた後、米や胡麻などをまぶした、先端が丸く細長い形をした菓子。
・薬菓(약과.ヤックァ)・・・小麦粉に胡麻油と蜂蜜を加えた生地を揚げた菓子。
・正菓(정과.チョングァ)・・・果物などを蜂蜜で煮詰めた菓子。
・茶食(다식.タシ)・・・きな粉や松の花粉を蜂蜜で練り、型に入れて作った菓子。
・飴(엿.ヨッ)・・・米・粟・カボチャ・サツマイモ等を原料に、麦芽を使って作る。全羅道のサツマイモ飴(고구마엿.コグマヨッ)、忠清道の大根飴(무엿.ムヨッ)、鬱陵島のカボチャ飴(호박엿.ホバッヨッ)等が有名。

      
          【油菓は祭祀の供え物等でよく見かけます。】

      
          【茶食は和菓子でいう打ちものですね。】

      
    【9月温陽温泉の民俗博物館で見た、餅に模様を押す型(떡살)等の菓子作りの道具。】

 やっぱり、和菓子同様韓国伝統菓子にもA級からB級、C級とあるようですね。A級はしつこい甘さはなく、堅さ、歯ざわり舌ざわりも絶妙。

 今回の買い物に味をしめた私ヌルボ、今度はもう少し凝ったものを・・・と思い、ネット検索して同じ「韓菓名人金圭欣」による<韓菓厳選セット>というのを見つけました。
      
        【見た目も美しい「韓菓名人金圭欣 韓菓厳選セット」。】

 ところが、お値段の方が10万ウォン!!なんですよ。そういえば、ロッテデパートの売り場で私ヌルボが最初から「お呼びじゃない」と思ってちゃんと見なかったあたりにこういうのが並んでいたような・・・。うーむ、いくら美味しくてもお菓子に1万円かけるのは・・・。(涙) (和菓子に3千円出したことがこれまでの人生であっただろうか?)

 さて、ここで気になるその「韓菓名人金圭欣」さんについても少し調べてみましたが、以下は続くということにします。

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2 コメント

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ヌルボさんのこんな記事、待っていました。 (jija kim)
2013-10-25 22:20:51
B・C級の、自分が一体何を食べているのかわからなくなるほどの甘さに完敗しております。この続きを楽しみにしています。
返信する
日韓の味覚の違い (ヌルボ)
2013-10-25 23:35:50
以前何かで、「韓国の方へのみやげとして和菓子は避けた方がよい」という記事を読んだことがありました。

日本と比べると、韓国では日本基準ではB・C級の甘ったるいお菓子が好まれると思っていましたが(今もそう思ってる、かな?)、最近は変わりつつあるかも、という気もしてきました。

今度韓国に行った時に、気になる店をいくつか回って食べてみようと思います。
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