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韓国史能力検定試験・初級の問題に挑戦!④ 朝鮮史(通史)の韓国小学生レベル学習書は?

2014-07-19 23:54:47 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 韓国史能力検定試験・初級の問題に挑戦!③ なんとなく答えがわかるものもあってウレシイ!の続きです。

 このシリーズ、順序通りだと今回は全40問中最後の10問を見てみるところですが、ちょっと中休みで、韓国史(通史)の学習書について、個人的なことを書きます。

 韓国の小中学生レベルの知識を仕入れるのなら、明石書店発行の<世界の教科書シリーズ>中に韓国の小・中・高の歴史教科書の翻訳版が出ているので、それを読むのが手っ取り早いと思います。(出版社のサイト参照→コチラ。)
 ・・・と言いつつも私ヌルボは読んでないですけど・・・。このシリーズの難点はお値段が高いこと。2010年発行の「高等学校韓国史」だと5千円くらいするからなー。(さいわい横浜市立図書館にはありますが・・・。) あ、この本の内容は、アマゾンでわりと詳しく書いてるの読者レビューがありました。(→コチラ。) 韓国史の史実だけでなく、それを今の韓国はどのように見ているか、という史観がわかるという点では、日本人が書いた朝鮮史の本とは違ったおもしろさがある、とはいえます。

 しかし、韓国の中学校の教科書(←韓国の書店で売っている)をところどころ拾い読みをしたこともありましたが、やっぱり教科書はおもしろくないからなー・・・。
 ※歴史教科書でおもしろいと思ったのは、戦前の小学校国史の国定教科書。「仏教がだんだん盛んになると、偉い僧が次々出てきた。けれども、道鏡のような心の悪い僧も出た。」という記述があったりして・・・。天照大神に始まり、人物中心の読み物としてのおもしろさ。
 もう1つは実教出版「高校日本史」。以前の版では、テーマ学習として「庚申塚」や「忠魂碑」等が1ページずつ置かれていて、興味をそそられました。
 以前は53歳で亡くなった黒羽清隆先生が編集・執筆に関わっていて、先生の著書と共通の雰囲気が感じられました。
 ※今、神奈川県では、いや東京都・大阪府・埼玉県・兵庫県等でも教育委員会が高校現場に圧力をかけて実教出版の「高校日本史A」「高校日本史B」を採択させないようにしているということはどけだけ知られているのでしょうか?

 本題に戻ります。朝鮮史の通史関係で、私ヌルボ、「これは買っておいてよかった!!」としみじみつくづく思っているのがコレです!


 ポプラ社刊の「まんが・朝鮮の歴史」(全16巻)です。

 たとえば、第10巻の表紙がコレ。


 韓国で1990年刊行された「웅진애니메이션/한국의 역사(ウンジンアニメーション/韓国の歴史)」の翻訳書です。
 1990年代の初めはまだ韓国語があまり読めなかった時、三中堂で(?)原書をちょっと見て、全巻買おうかなと思っていたら92年にポプラ社から翻訳が出たので喜んで購入しました。現在は原書も翻訳も絶版。翻訳の方は今ヤフオクで4万8千円(!)の値がついてました。

 上の写真の10巻「朝鮮後期の新しい動き」から、その中身をちょっと紹介します。


丁若(チョン・ヤギョン)の配流地・全羅南道康津(カンジン)の茶山草堂の写真。】



【正祖の時代、丁若は自身が考案した起重機を活用して水原華城の築城にあたりました。】


【正祖の死後、丁若は茶山草堂で「牧民心書」等、数多くのの書物を著します。】

 他のページでは、たとえば鄭敾(チョンソン)の山水画も紹介されています。

 このようにかなり細かいところまで網羅しています。細かいといっても韓国では小中レベルなんでしょうが・・・。もちろん漫画なので視覚的に理解しやすく物語的展開なのでスイスイ読み進むことができます。
 ※日本史の学習漫画も小学館や集英社から刊行されていますね。高校生や大人が読んでも勉強になります。(あ、日本での学習漫画の盛況を見て韓国でも学習漫画が続々出てきたのか!)

 この学習まんがの全巻の構成は次の通りです。

 残念なのは、光復、つまり日本の敗戦までで終わっていること。原書では戦後史の部分も刊行されているのに・・・。私ヌルボが思うに、戦後については編集部や翻訳の安宇植先生の歴史観と合わなかったでは? とくに北朝鮮の描き方とか・・・。

 この学習まんがシリーズとは別に、今回韓国史能力検定試験問題に挑戦して、全然手も足も出ない問題を調べる時に役立った本はコレ。ただし韓国書です。


 「年表と写真で見る韓国史」です。大学受験参考書売場にありました。初版発行は1998年です。


 左の年表の中で重要な人物や歴史用語を本文で説明しています。
 上のページは1392年李氏朝鮮が建国したあたり。太祖(李成桂)の画像や、右ページには見えにくいですが開城の善竹橋の写真が掲載されています。

 それにしても、語学その他もろもろの学問と同じで、年を取ってから勉強を始めると覚えるのはなかなかで忘れるのは早いです。考えてみれば、どの小学生も6年間で全科目にわたってあれだけの知識を得るというのはたいしたものです。
 (小学校で習ったことの7割、中学校で習ったことの5割、高校で習ったことの3割が確実に脳内に残っていれば教養人といえるのでは?)

 → 韓国史能力検定試験・初級の問題に挑戦!⑤ 外敵との戦いが多い反面、文化史・生活史は少ない

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