※前の記事は→コチラです。
センター試験で韓国語が行われるようになったのは2002年から。その第1回から現在までの過去問や、受験生の総数・平均点は油谷幸利先生のサイトで見ることができます。
それによると第1回の平均点は165.40、第2回が170.96。この高得点は、母語話者や民族学校で韓国語を習得した受験者の比率が高いことに起因する、ということを記しました。
他の外国語とのバランスを取るため、その高得点をいかに下げるかが問題作成部会の大きな継続課題でした。
大学入試センターのサイト内に、各科目の試験についての「高等学校教科担当教員の意見・評価」と「問題作成部会の見解」が公開されています。2011年の韓国語の問題について、その「高等学校教科担当教員の意見・評価」の中の次のようなくだりが目にとまりました。
その平均点を「下げる」ためのいろいろな「工夫」が見受けられ、かつ、出題者もそのような「工夫」をせざるを得ないと言っている。その「工夫」には、「外国語としての韓国語」の問題ではなく、「国語としての韓国語」の問題が含まれているように思われる。すなわち、韓国語母語者及び民族学校経験者をターゲットにした「特殊」な問題が出題されたと思われる。
つまり、高得点で当然のはずの韓国語母語者及び民族学校経験者が間違えやすいを意図的に出題したということです。
そんな問題が、あるんですねー。
まあ考えてみたら、日本人が苦手な日本語の問題もありそうだし・・・。たとえば次のような。
[例題1]次の「ん」の中で、発音が同じものはどれとどれか?
①かんどう(感動) ②てんぼう(展望) ③こんごう(混合) ④はんのう(反応)
[例題2]次の中で、他の3つと違う意味の「ために」はどれか?
①君のミスを直すために苦労をする。 ②将来のためにがんばった。③初心者のために本を書いた。④無理な目的のために失敗した。
これらは韓国語学習者ならわかりそう。以下、正解は範囲指定すると現れます。[例題1]が①と④。ともにnの発音。②はm、③はng。[例題2]は④。④が原因で他は目的。ちょっと引っかけ。 日本語の難問は日本語教育能力検定試験の問題にいっぱいあります。たとえば・・・
[例題3]「複合要素の関係」の観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
①川下り ②気配り ③影踏み ④魚釣り ⑤水遣り
この正解は①。②~⑤はすべて「~を~する」の形の「目的語+他動詞」。「川を」は目的語ではない。
本題に戻ります。
2011年の問題中、正答率が極端に低かった(50~70%に集中)のが第1問。これを韓国人留学生24 名=K、在日韓国・朝鮮人生徒(民族学校経験者)14名=JK、日本人高校3年生(年6単位履修者)2名=Jを対象としてモニタリング調査を行った、とのことです。
その結果は次の通りです。
A 問1
J=正答 1・誤答 1
K=正答15・誤答 9
JK=正答 3・誤答11
*Kの正答率=62.5%、JKの正答率=21.4%
A 問2
J=正答 2・誤答 0
K=正答19・誤答 5
JK=正答 8・誤答 6
*Kの正答率=79.2%、JKの正答率=57.1%
問1は③が正解。「総務課(총무과)」の「課(과)」が濃音になることは知っているはずの在日の生徒(民族学校経験者)も、「17課」の「課」は平音になることまでは知らなかった人が多かったということか? ④と答えた人が正答の倍の6人もいたのは、④「결과(結果)」だけが平音と思ったため? しかし、韓国人留学生も4割近くの人が間違えたとはオドロキ! ふだん無意識で発音しているので、かえってわからないということかな?
問1より多少マシとはいえ、問2の誤答も多いですね。正解は①。「憲法」「刑法」「民法」等の「法(법)」は濃音化をしますが、「司法(사법)」の法は平音。「司法(사법)」も「とても(제법)」も「学習語彙の範囲とは言いづらい」と高校の韓国語の先生方は指摘しています。
ハングル表記では見分けのつかない濃音化の問題は、KやJKにとって間違いなく苦手な問題ですね。
B 問1
J= 2・誤答 0
K=2・誤答 4
JK=10・誤答 4
*Kの正答率=100%、JKの正答率=71.4%
B 問2
J=正答 2・誤答 0
K=正答23・誤答 1
JK=正答 6・誤答 8
*Kの正答率=95.8%、JKの正答率=42.9%
B 問3
J=正答 2・誤答 0
K=正答22・誤答 2
JK=正答 3・誤答 11
*Kの正答率=91.7%、JKの正答率=21. 4%
正解は問1が④、問2が②、問3が③。ハングルは表音文字とはいっても、同じ発音でも表記が異なる単語もあったり、パッチムによる音変化もあったりで、表記についての正誤問題はネタにこと欠くことはないでしょう。
このBの問題については、韓国人留学生(K)と在日の生徒(JK)との間に大きな差がついています。日本人の中級以上の学習者も基本的に在日の生徒と同様だと思います。はっきり言って、私ヌルボも苦手な分野です。
C 問1
J=正答 0・誤答 2
K=正答17・誤答 7
JK=正答 4・誤答10
*Kの正答率=70.8%、JKの正答率= 28.6%
C 問2
J=正答 1・誤答 1
K=正答12・誤答12
JK=正答 4・誤答10
Kの正答率=50.0%、JKの正答率=28.6%
C 問3
J=正答 1・誤答 1
K=正答12・誤答12
JK=正答 4・誤答10
*Kの正答率= 50.0%、JKの正答率= 28.6%
正答は、問1が①、問2が①、問3が③。韓国人学生にしては正答率が低いことに驚く人もいるかも。問2・問3は正答が半分だけですからねー。しかし、正答率の低さの理由はわかりやすいです。一言でいえば「漢字が苦手」。問1がまだマシなのは、「親」とか「沈」とか、なじみのある漢字が含まれているから、かな? ※「沈(シム)」は、歌手沈守峰(심수봉.シム・スボン)のように、姓のひとつにある。
在日生徒の正答率も3割以下という低さ。これは高校教員側の指摘に「問1の「a.浸水(침수)」と「c.親密(친밀)」、問2の「a.溪谷(계곡)」と「b.啓蒙(계몽)」、問3の「a.衰退(쇠퇴)」と「b.連鎖(연쇄)」は「学習語彙の範囲を超えている」というレベルの高さがその理由。3つの選択肢中2つを確実に知っていれば正答率は50%ですが、この数字は1つわかるのがやっとというレベルです。中級レベル(ハングル検定準2~3級)の人でも「衰」や「啓」の読みはわからない人が大半なのではないでしょうか? 私ヌルボがわからなかったから言うのではないとは必ずしも言えないですが・・・???。
なるほど、平均点を下げるために「ここまでやるか」という感じですね。いずれにしろ、高校の授業で韓国語をゼロから学習してきた受験生にとっては難しすぎることには変わりないですが・・・。
高校教員側のこのような指摘や意見に対して、問題作成部会の見解はと見ると、「高等学校教科担当教員からの批判は、至極当然と言わざるを得ず、平均点の不均衡を是正する方向で作題しようとしてきた従来の作成部会の方針は根本的に再考する必要があろう」とほとんど全面的に首肯しています。そしてさらに、「この状況を抜本的に打開するためには、試験の制度的な改革が必要」であるとし、作成部会としても「今後様々な方法を模索するより一層の努力が求められる」が、それとともに「関係各位による検討・改善を促したい」という言葉で締めくくっているのは高校教員側とのナレアイ的雰囲気が感じられないでもありません。
ま、そう言わざるをえないでしょうね。前回の記事でも記しましたが、テスト問題の難易度というよりも、センター試験の中で英語以外の言語をどう位置づけるか、という制度自体の問題が根っこにあるわけですから・・・。
センター試験で韓国語が行われるようになったのは2002年から。その第1回から現在までの過去問や、受験生の総数・平均点は油谷幸利先生のサイトで見ることができます。
それによると第1回の平均点は165.40、第2回が170.96。この高得点は、母語話者や民族学校で韓国語を習得した受験者の比率が高いことに起因する、ということを記しました。
他の外国語とのバランスを取るため、その高得点をいかに下げるかが問題作成部会の大きな継続課題でした。
大学入試センターのサイト内に、各科目の試験についての「高等学校教科担当教員の意見・評価」と「問題作成部会の見解」が公開されています。2011年の韓国語の問題について、その「高等学校教科担当教員の意見・評価」の中の次のようなくだりが目にとまりました。
その平均点を「下げる」ためのいろいろな「工夫」が見受けられ、かつ、出題者もそのような「工夫」をせざるを得ないと言っている。その「工夫」には、「外国語としての韓国語」の問題ではなく、「国語としての韓国語」の問題が含まれているように思われる。すなわち、韓国語母語者及び民族学校経験者をターゲットにした「特殊」な問題が出題されたと思われる。
つまり、高得点で当然のはずの韓国語母語者及び民族学校経験者が間違えやすいを意図的に出題したということです。
そんな問題が、あるんですねー。
まあ考えてみたら、日本人が苦手な日本語の問題もありそうだし・・・。たとえば次のような。
[例題1]次の「ん」の中で、発音が同じものはどれとどれか?
①かんどう(感動) ②てんぼう(展望) ③こんごう(混合) ④はんのう(反応)
[例題2]次の中で、他の3つと違う意味の「ために」はどれか?
①君のミスを直すために苦労をする。 ②将来のためにがんばった。③初心者のために本を書いた。④無理な目的のために失敗した。
これらは韓国語学習者ならわかりそう。以下、正解は範囲指定すると現れます。[例題1]が①と④。ともにnの発音。②はm、③はng。[例題2]は④。④が原因で他は目的。ちょっと引っかけ。 日本語の難問は日本語教育能力検定試験の問題にいっぱいあります。たとえば・・・
[例題3]「複合要素の関係」の観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
①川下り ②気配り ③影踏み ④魚釣り ⑤水遣り
この正解は①。②~⑤はすべて「~を~する」の形の「目的語+他動詞」。「川を」は目的語ではない。
本題に戻ります。
2011年の問題中、正答率が極端に低かった(50~70%に集中)のが第1問。これを韓国人留学生24 名=K、在日韓国・朝鮮人生徒(民族学校経験者)14名=JK、日本人高校3年生(年6単位履修者)2名=Jを対象としてモニタリング調査を行った、とのことです。
その結果は次の通りです。
A 問1
J=正答 1・誤答 1
K=正答15・誤答 9
JK=正答 3・誤答11
*Kの正答率=62.5%、JKの正答率=21.4%
A 問2
J=正答 2・誤答 0
K=正答19・誤答 5
JK=正答 8・誤答 6
*Kの正答率=79.2%、JKの正答率=57.1%
問1は③が正解。「総務課(총무과)」の「課(과)」が濃音になることは知っているはずの在日の生徒(民族学校経験者)も、「17課」の「課」は平音になることまでは知らなかった人が多かったということか? ④と答えた人が正答の倍の6人もいたのは、④「결과(結果)」だけが平音と思ったため? しかし、韓国人留学生も4割近くの人が間違えたとはオドロキ! ふだん無意識で発音しているので、かえってわからないということかな?
問1より多少マシとはいえ、問2の誤答も多いですね。正解は①。「憲法」「刑法」「民法」等の「法(법)」は濃音化をしますが、「司法(사법)」の法は平音。「司法(사법)」も「とても(제법)」も「学習語彙の範囲とは言いづらい」と高校の韓国語の先生方は指摘しています。
ハングル表記では見分けのつかない濃音化の問題は、KやJKにとって間違いなく苦手な問題ですね。
B 問1
J= 2・誤答 0
K=2・誤答 4
JK=10・誤答 4
*Kの正答率=100%、JKの正答率=71.4%
B 問2
J=正答 2・誤答 0
K=正答23・誤答 1
JK=正答 6・誤答 8
*Kの正答率=95.8%、JKの正答率=42.9%
B 問3
J=正答 2・誤答 0
K=正答22・誤答 2
JK=正答 3・誤答 11
*Kの正答率=91.7%、JKの正答率=21. 4%
正解は問1が④、問2が②、問3が③。ハングルは表音文字とはいっても、同じ発音でも表記が異なる単語もあったり、パッチムによる音変化もあったりで、表記についての正誤問題はネタにこと欠くことはないでしょう。
このBの問題については、韓国人留学生(K)と在日の生徒(JK)との間に大きな差がついています。日本人の中級以上の学習者も基本的に在日の生徒と同様だと思います。はっきり言って、私ヌルボも苦手な分野です。
C 問1
J=正答 0・誤答 2
K=正答17・誤答 7
JK=正答 4・誤答10
*Kの正答率=70.8%、JKの正答率= 28.6%
C 問2
J=正答 1・誤答 1
K=正答12・誤答12
JK=正答 4・誤答10
Kの正答率=50.0%、JKの正答率=28.6%
C 問3
J=正答 1・誤答 1
K=正答12・誤答12
JK=正答 4・誤答10
*Kの正答率= 50.0%、JKの正答率= 28.6%
正答は、問1が①、問2が①、問3が③。韓国人学生にしては正答率が低いことに驚く人もいるかも。問2・問3は正答が半分だけですからねー。しかし、正答率の低さの理由はわかりやすいです。一言でいえば「漢字が苦手」。問1がまだマシなのは、「親」とか「沈」とか、なじみのある漢字が含まれているから、かな? ※「沈(シム)」は、歌手沈守峰(심수봉.シム・スボン)のように、姓のひとつにある。
在日生徒の正答率も3割以下という低さ。これは高校教員側の指摘に「問1の「a.浸水(침수)」と「c.親密(친밀)」、問2の「a.溪谷(계곡)」と「b.啓蒙(계몽)」、問3の「a.衰退(쇠퇴)」と「b.連鎖(연쇄)」は「学習語彙の範囲を超えている」というレベルの高さがその理由。3つの選択肢中2つを確実に知っていれば正答率は50%ですが、この数字は1つわかるのがやっとというレベルです。中級レベル(ハングル検定準2~3級)の人でも「衰」や「啓」の読みはわからない人が大半なのではないでしょうか? 私ヌルボがわからなかったから言うのではないとは必ずしも言えないですが・・・???。
なるほど、平均点を下げるために「ここまでやるか」という感じですね。いずれにしろ、高校の授業で韓国語をゼロから学習してきた受験生にとっては難しすぎることには変わりないですが・・・。
高校教員側のこのような指摘や意見に対して、問題作成部会の見解はと見ると、「高等学校教科担当教員からの批判は、至極当然と言わざるを得ず、平均点の不均衡を是正する方向で作題しようとしてきた従来の作成部会の方針は根本的に再考する必要があろう」とほとんど全面的に首肯しています。そしてさらに、「この状況を抜本的に打開するためには、試験の制度的な改革が必要」であるとし、作成部会としても「今後様々な方法を模索するより一層の努力が求められる」が、それとともに「関係各位による検討・改善を促したい」という言葉で締めくくっているのは高校教員側とのナレアイ的雰囲気が感じられないでもありません。
ま、そう言わざるをえないでしょうね。前回の記事でも記しましたが、テスト問題の難易度というよりも、センター試験の中で英語以外の言語をどう位置づけるか、という制度自体の問題が根っこにあるわけですから・・・。
記事の守備範囲について自問してみると、硬いものが続くと自分自身耐えがたくなって、脳内スタビライザーが働いて自然と柔らかいものに気持ちが向かうようです。逆もまた同様です。
やっぱり、そうですか。그렇지요?
韓国の方が '애매한거 같은데요'といわれるような問題を出してはだめですね。
対処法として、左のブックマーク中の「かじりたてのハングル」を新しいタブまたは新しいウインドウで開き、そこにコピペして変換すれば読むことができます。
前は見ることができたのに、困ったものです。
センターの韓国語はまぎらわしい問題がたくさん出ます。
発音だと濃音化とか、あるいは発音は同じだがスペルが違うとか等々。
しかしわりと毎回傾向は似ているので、過去問を徹底的にやるといいと思います。
それから韓国語能力試験やハングル検定の過去問。とくに中級レベルが比率的に大きなウェイトを占めるので重点的に。
※「かじりたてのハングル」というサイトでそれらの過去問をダウンロードできます。
また漢字の音も必ず出題されるので、一覧表でチェックしながら覚えるといいでしょう。
次のサイトにもあります。 →
http://www.penguin99.com/08_kanji/kanji_ichiran_jp_kr.html
日頃から漢字語を見るたびにハングルだとどう書くのかを考える習慣をつけること。
今考えつくのはおよそこんなことです。
英語と比べると、120~130点レベルまではずっと早く到達すると思いますが、そこから先が苦労するのではないてしょうか?
しかし、何はともあれ必死になってやるしかないですね。
がんばってください!
ヌルボさんはどのように勉強しましましたでしょうか?
方法やおすすめの参考書などを教えてくださると嬉しいです!
②韓国文をきちんと音読する。発音がわからず止まってしまった箇所は、その都度確認する。
早く読めるように繰り返し音読すると、そのうち長文も速く読解できることにつながるのではないでょうか。
③単語力は、文章を読んだり、基本文例を覚えたりしているうちに自然と身につくものです。
キクタン等は、その結果を確認し、定着させるために用います。
④用言の活用をきちんと理解する。これも書いて覚えるのが基本。とくに短い用言に要注意。カタカナだと「チャダ」とか「チダ」になる用言は平音・激音・濃音の3種類あって意味もいろいろ。たとえば「ピアノルル チダ」のような文で覚える。
⑤漢字のハングル読みは、計・掲・階・戒のような紛らわしいものを区別して覚える。
あの手この手で、とにかくいろいろやってみるのが私の流儀です。
問題演習で疲れたら、気分転換もかねて読みやすい文章を読んでみたり、乗り物の中では単語帳を出して覚えた単語をマーカーでチェックしたり等々。
ただ、自分に合った勉強法は人によって違うので一概には言えませんが・・・。
参考書は、最近はたくさん出ているし、私もそれらをきちんと目を通しているわけではないので具体的なことは言えませんが、
・基本的・総合的なテキスト
・今の自分に合った、難しすぎず簡単すぎない問題集(ハングル検定過去問など)
・単語帳
を並行してやるのがいいと思います。
とりあえずはこんなところでしょうか。
赤の他人の僕にこんなに親切に...
「あの手この手」で頑張ります!
少し不安があってきました。
過去問のはじめの基本問題の「漢字→韓国語」や「間違ったものを選べ」などの単語の約半数がキクタンシリーズに載っていないもので...
一体どのようにヌルボさんはそのような高得点を出せるのですか?
その法則性については、 →コチラhttp://pegopa.exblog.jp/16757615/
あるいは、 →コチラ
http://ameblo.jp/junjoetaguchi/entry-10425701079.html
に記されています。
私の場合は、法則を頭に入れてから漢字のハングル読みを覚えていったのではなく、上に書いたように、1つ1つ覚えていった結果、法則性がわかってきたのですが・・・。
「間違ったものを選べ」の問題は難しいです。基本問題ではありません。検定試験だと中級の上のレベルではないでしょうか? (実は私にとっても難問レベルです。)
固有語の動詞や副詞は、一度にこんな高いレベルのものまで覚えるよりも、まずはやはりキクタンにのっているような基本的なものから固めていくのが正攻法だと思います。すると長文読解にも役に立ちます。
そのレベルまでほぼ到達してから、発音やスペルが紛らわしい単語を見ていくのがいいのでは・・・。
センター試験のレベルはかなり高いです。キクタンシリーズに約半数の単語「しか」載っていない、と思わず、これをきっちり勉強すれば半分「は」(or半分「も」)確実にわかるレベルに達するのだ、というように1つの中間目標点と考えるといいと思います。
勉強というのはレンガを積み上げて塀を造るようなもので、下から1つずつ積み上げていくしかないと思います。
高さというのも、ある時気づいてみたらけっこう高くまできていた、というもので、日々順調に高度を増していることが実感される、というほどスイスイいくものではないでしょう。
たとえば1週間くらい前に勉強したことがちゃんと定着しているかどうかフィードバックしながら進んでいくといいかも。前に苦労した箇所がパーフェクトでなくても大体残っていればOKで、自信ももてると思います。
花粉が飛んで体調をくずしがちな時期になりました。
精神的にも好不調の波はあるものです。いたずらに焦ることなくがんばってください。
がんばります!
しかし、あくまで第二外国語であるべきで、国際言語でない韓国語を外国語として受験科目とするのは。まちがっています。外国語は、言語により難度がちがいます。韓国語の基本は簡単です。初年度に得点調整しなかったのが大問題です。韓国語は、朝鮮語の方言です。話す人も限られています。学術言語でも、国連言語でもありません。英語で受験し、大学で第二外国語として選択すれば、何も問題がありません。
とくに「国際言語」であるか否かという観点。たしかに何のための外国語教育かを考えると大きな要素といえるかもしれませんね。
「韓国語は、朝鮮語の方言です」というくだりはどういう意味でしょうか? とすると、「日本語(標準語)は東京の方言」というのと同様になるのでは?
いずれにしろ、問題をいろいろいじくるのでなく、第二外国語にするとか、科目の大枠を再検討しないとダメですね。
修能・日本語の問題は、いつもなかなかいい問題だと思っています。
ただ、ふつうの日本人の中で満点をとる人は半分もいないでしょうね。(4人に1人くらい?)
大きなネックは、「拍」という概念。「おばさん」は4拍で、「おばあさん」は5拍という、外国人の日本語学習者には基本的なことですが、日本の国語の授業では教えていないのです。
また、修能の日本語の問題は「厳格」すぎます。昨年11月の修能ではドアとドアーの表記の問題が出ていましたが、今の日本ではどちらも使われています。(ドアの方が多い。) メロディーとメロディ、コメディーとコメディーなどもどちらでもOKです。
平音・濁音・半濁音の区別も単語によってはあいまいです。少し上で「1人くらい」と書きましたが、たぶん「1人ぐらい」と言ったり書いたりする人が多いかも。また数年前の修能で出題されていましたが、「3分」「8分」などもさんぷん・さんふん、はっぷん・はちふん、どちらでも間違いとは言えないと思います。
同様に、韓国人の間でも正答がはっきりしない問題はあるのでしょうね。
そしてセンター韓国語の漢字問題は解けませんでした。漢字問題はいらないと思います。
日本のセンター試験での韓国語受験生は少なく、韓国語に自信のある人がほとんどのようですが、スヌンの日本語受験生もレベルが高いのですね。その中で勉強しないで3等級とは立派です。
私のような日本人の韓国語学習者にとって、個々の漢字がハングルでどう表記されるかを知ることはキャブラリーを増やす近道です。会・議・長の3つの読みを知っていれば会議・会長・議会・議長と4つの単語がわかります。逆にすぐに意味がわからないハングルの熟語でも、1文字ずつ漢字に置きかえるとわかることがあります。また、たとえば「甲」や「塔」は今は「こう」「とう」と読みがなをつけていますが、昔は「かふ」「たふ」と書いていました。韓国語の「カプ」「タプ」という読み方と共通していることがわかります。
千数百年もの間韓国では漢字により多くの文化が伝えられ、「朝鮮王朝実録」をはじめ歴史書や文学などももちろん漢字です。その伝統を韓国の人たちは光復後みずから捨ててしまったのは残念に思います。
※連敗も連覇もハングルだけだと同じになってしまいますね。漢字だと一目でわかるのに。同じ例はいくつもあります。(下の過去記事参照)
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/2d9f5287e8b7105c84dea05cb8215887
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/b68f24b1221427333b494d9849ff608f
修能の日本語は韓国人用で、またセンター試験の韓国語は日本人用に作られているので、それでいいのではないでしょうか? 前に書いた「拍数」は日本人が知らなくても外国人の学習者にとって必要なことはよくわかります。それと同様に、少なくとも日本人の韓国語学習者にとっては漢字のハングル表記は知っているとすごく便利ということなんですけどね。日本語も韓国語も中国語由来の漢字語の大半は共通ですから。
日本と韓国それぞれの漢字の必要度は、日本語と韓国語の特性、歴史的背景、近代以前の識字率などによってかなり違いがあるようですね。
日本の場合は、「なぜ漢字を捨てられなかったか?」という発想自体ほとんどなかったと思います。(少しだけ例外はありますが。)
漢字の利点の1つは、専門家でなくても意味が大体わかるということ。昔の本も、あるいは心房中隔欠損症というような医学用語も。ひらがなで書いたり、あるいはshinbou chuukaku kessonshouと書いても、それでは何のことかよくわかりません。症や病という漢字を見ればふつうの人でも少なくとも何関係の言葉かはわかるのです。
韓国の新聞でも青瓦台のことを「青」という漢字1文字で表していますが、それをもっと広範囲で用いることができます。
当籤→当選、銓衡→選考のような例はいくつもありますね。障碍者→障害者は意味からいっても問題のあるところです。難しい漢字はやっぱり難しいし、しかしひらがなにすると意味がわからないし、まあ妥協の産物ですね。