ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (8)

2015-08-04 06:33:31 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 [ヌルボより] 読んで思うことの1つはS氏のクラスメートたちがとても気軽に彼に接していることです。60歳近いオジサンに彼らの方から声をかけたり時には食事に誘ったり・・・。S氏の人柄もあるでしょうが、どうも対人関係の距離感といったものが日本と違うという点が大きいのでは? 日本人は世界標準からみると対人関係が相当に「よそよそしい」のでしょうね。まあ、こういったいろんな国の人たちとコミュニケーションの場が持てるということは短期留学の大きなメリットですね。
 日本人の勤勉さについてはいうまでもありませんが、S氏はまさにその代表格でしょう。同じクラス内で欠席ゼロは彼だけです。

◎5月6日(水)
 やっと学生証ができる。4月の最初にはできると思っていたが、講義過程の半分が終わってからやっとできあがった。生徒数が多いから時間がかかったと言っているが、それは最初からわかっているはず。まあこの国なのだろう。なくても特段不自由はない。
 試験結果が全ての教科でわかった。聞き取り76点、読み73点、文法85.5点、書き取り62,5点、会話75点。どうしてもスペルミスが多く、書き取りの点が伸びない。授業中もよく指摘される。まあこんなものでしょう。教科ごとの平均点の発表はないようだ。
 今日の夕飯。コンビニのアジュマに教えてもらった外語大留学生の女の子とコンビ二の前で待ち合わせる。昨夜友だちを1人連れていくとのメールが入っていた。6時の待ち合わせ。その前にカンさんと今日飲みに行くため8時半に回基(フェギ)駅で待ち合わせすることにした。
 彼女らと5時50分に落ち合い焼き魚店へ。確かに美味い。安い。いろいろ話しながら食事をしたが、聞いたところによると那覇市出身。中国へも留学したらしい。韓国語は上級クラス。物怖じしない社交的な性格。一緒に連れてきたのは26歳くらいの男子学生。大邱(テグ)出身で日本語を学んでいるらしい。この人もなんとも言えずいい人。穏やかで純粋そうな人柄が話の中に表れている。外大は小さい大学だが、周辺はなかなかにぎわっている。さすがに韓国は奥が深い。2時間近く食事をしいろいろ話をしたが、沖縄の子はさすが上級コースと思わせる貫禄がある。こちらはついてゆくのが必死。ついにこらえきれず後半は日本語で話してしまった。美味しい店は未だあるのでまた行きましょうと言ってくれた。
 8時半にカンさんと落ち合う。飲み場所を探してコプチャンの店に入る。カンさんのようすがいつもと違う。酒を早いペースであおるように飲んでいる。途中タバコを吸いに外に出たが、後ろ姿にたくましさと同時に哀愁を感じた。戻ってきてまた一緒に飲んだが、対人関係でトラブルがあったようだ。敢えてこちらからは訊かないが、ちょっとつらそうだ。

◎5月7日(木)
 朝晩は涼しく長袖が必要だ。
 なんとか授業終了。終了後にドバイ出身のクラスメートが土曜日の7時にアラビア料理を作るので一緒に食べないかと誘ってくれた。食べたいと思ったが先約があるため断ってしまった。しかしせっかくの機会なので考え直し、寄宿舎に帰って先約をキャンセルした。明日の朝行ってよいかどうか確認することにする。よほど私が食いしん坊に見えたのか、それにしても嬉しい誘いだ。宿題が溜まってきた。そろそろやらなければ。

◎5月8日(金)
 授業前に今後の授業日程の説明がある。記念写真の撮影、慶州(キョンジュ)への1泊現地授業、外国人祭り等々。そうこうしている内に期末試験があってもう卒業式になる。
 今日ドバイ出身のクラスメートに明日行く旨を伝えた。アラビア語圏の仲間が何人か集まるようだ。明日7時にフェギ駅で待ち合わせ。
 今日は授業中珍しくあくびがでてしょうがなかった。放課後寄宿舎に帰り昼寝をしたら2時間近く寝てしまった。

◎5月9日(土)
 今日は8時過ぎに起きた。多少疲れているようでベットでぐずぐずする。朝はブラインド越しの日差しがまぶしく7時過ぎには目が覚めてしまう。パンを食べて掃除にとりかかる。1週間人間が暮らしているとこんなに部屋が汚れるのか。それとも人間自体が汚いのか。
 少し髪が長く鬱陶しくなってきたので、近くの美容院でカットしてもらうことにする。この美容院は学校に行く途中にあるが寄宿舎からも近い。けっこう若い人でにぎわっている店だ。金髪のお兄さんがいてこの人がオーナーなのだろう。一見ちょっと無愛想そうだが、そうでもなさそうだ。15分くらい待って取りかかってもらう。「どうしますか?」と訊かれたので「1ヵ月半後にこの状態になるようカットしてくれ」と頼んだところ、どう訊き間違えたのか言い間違えたのか、驚いたように「6ヵ月後ですか?」と訊きなおす。そこは修正。なかなか一生懸命に丁寧にやってくれる。終わり間際に「こんなもんでいかがでしょう?」と言われたが、もみ上げが少し長かったので少し短めにしてもらった。洗髪して終了。1万3千ウォン。安い。できばえも気に入ってこの値段。散髪はソウルに限ると思ったが、そうも行かない。
 夜はドバイ出身のクラスメートと食事するため回基駅から携帯に電話した。5分後に迎えに来てくれた。タクシーで行くというので場所はどこかと訊くと「この近くにある」という。どうも要領が得ない。タクシーでしばらく行くと高麗大学の前に着く。タクシー代を払おうと思ってたら前の席にいた彼が払ってくれた。こちらが払うと言っても受け取らない。2、3分歩いてインド料理の店に着く。家で仲間が集まり郷土料理を食べるのかと思っていたらまるで違う。結局2人だけの食事になった。つたない韓国語で会話をする。いろいろと国やお父さんの写真を見せてくれる。お父さんは医者で歯科と内科の医院を開業していて50歳だという。歯科と内科の組み合わせが日本人には理解できない。家にあるレクサスの写真を見せてくれたが結構な高級車だ。相当裕福な家庭らしい。年を改めて聞いたところ19歳らしい。体格はよく、ひげ面なので22,3歳かと思っていたら未成年。確かに目元にかわいらしいあどけなさが残っている。また、4年後には結婚が決まっているという。京都に行ったことがあるらしく気に入ったようだ。今年は日本に遊びに来るという。この辺で多少誘われた意図が見えてきた。トイレに行くというので待っていると支払いを済ませたようだ。いくらなんでも10代の若者に払ってもらうわけにはいかないので「私が払う」と言っても頑として受けつけない。さすがにこちらもかっこ悪い。押し問答してもしょうがないので、日本に来たら必ず遊びに来るように念を押した。近いうちに寿司でも食べに連れて行こうと思う。

◎5月10日(日)
 今日は家族が来韓。家族ともどもトウミにすっかりお世話になってしまい、ありがたいけれど申し訳ない。家族が到着する前にトウミに中間試験結果を見せたら「筆記がいけませんね」との指摘。
 昼食後、家族を学校に案内する。環境の良さに感激したようす。帰りにお世話になっているコンビニのおばちゃんのところに挨拶に行ったら喜んでくれた。
 夜、東大門でサムギョプサルを食べた後、コンサートがあるとのことで1人で寄宿舎へ戻る。一日中暑いくらいの陽気だが、湿度が低いためか過ごしやすい。明日は午後から雨が降るとの予報。

◎5月11日(月)
 今日から7週目の授業に入る。文法の授業は教え方は丁寧で似たような表現の違いがよくわかる。ただし集中して聞いていないと聞き逃すことになる。黒板に書かれたことをさっさとノートに書き写さないとどんどん先へ進んでしまう。後半の授業は読みの授業。日常生活で使う単語や慣用表現が次々出てくるので覚えるのが大変だ。未だに読むスピードに対処できていない。
 夜、カンさん夫妻とうちの家族とで東大門でタッカンマリを食べに行く。あいにくの雨だが少し涼しいので鍋料理にはもってこいの日和だ。カンさんの奥さんは美人で酒が滅法強い。初対面で隣に座ったが、飲むほどに饒舌になる。日本語は話せない。実に朗らかにおしゃべりしてくれる。もちろん全部は理解できない。わからないそぶりを見せるとわかりやすいように言い回しを工夫してくれる。こちらも「今おっしゃったことはこういうことですか?ムと確認する。なんとかなるもんだ。実に楽しく美味しい会食だった。
 家族を乙支路(ウルチロ)4街のホテルまでタクシーで送ろうとしたが、天気のせいもあってつかまらない。やむを得ず歩いて送っていった。

◎5月12日(火)
 二日酔いでしんどいが朝6時半に明るくて目が覚める。
 通学の途中で背中をたたくヤツがいた。誰かと思って振り返ると台湾出身の靴お宅のクラスメートだった。気軽に声をかけてくれるようになった。実にうれしい。
 今日は韓国語を学ぶ外国人の全員の記念写真を撮る日。いるわいるわ、数え切れないくらい。これでは一体どこに写っているのかわからないだろう。雨は止んでいたが寒い陽気だったので待っている時間が長く寒かった。2時からタンソの授業。家族が帰るので授業は半分の1時間だけ出て見送りのため宿泊先に向かう。


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