今回は、「色絵 角徳利」の紹介です。
これは、これまでのコレクションの中での一番のお気に入りです(^_^)
私の好みが分かるかもしれません(^-^*)
なお、この「色絵 角徳利」につきましては、既に、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中で紹介しているところです。
つきましては、その際の紹介文を、次に、再度掲載することをもちまして、この「色絵 角徳利」の紹介とさせていただきます。
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<古伊万里への誘い>
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*古伊万里ギャラリー247 伊万里色絵角徳利 (平成30年12月1日登載)
華やかである。艶やかである。
花見の時にでも使われたのであろうか。晴れの席にでも使われたのであろうか。
容量としては、口いっぱいにまでいれると、約1リットル(約5.5合)入る。少し少な目にして5合入れとして使ったのであろう。
残念ながら、窯疵まで含めると、満身創痍という状態ではあるが、よくぞ残ってくれたと感謝している。
松竹梅文の面
注口の口縁の約三分の一ほどが欠けていたが、自分で補修した。
注口の下辺の角部分に本焼の際に出来たと思われる大きなソゲが見られるが、
その部分を厚く緑釉で塗り、覆い隠している。
松竹梅文の面の左面
松竹梅文の面から見た上面
山水文の面(松竹梅文の面の反対面)
右端の真ん中、下端の真ん中辺りに窯疵のニューがあるが、そのニュー部分
に緑釉を厚く塗ってそれを覆い隠している。
山水文の面の左面
右上隅にソゲ
があるようで、その部分を厚く緑釉で塗り、ソゲと思われる部分
を覆い隠している。
山水文の面から見た上面
把手の左側の下部のキノコの先端に2mmほどの欠けがあったが、その部分は自分で
補修した。
底面
底面のニューは、漂白剤で綺麗にするまでは気付かなかったものである。
真ん中には、本焼の際に若干ニューが生じてしまったようで、それを緑釉で覆い隠したようであるが、
その後、ニューはだんだんと広がってしまったようである。
左上方にもニューが生じている。
生産地: 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期~中期
サイズ: 把手ともの高さ;16.5cm
角部分の大きさ
縦14.2cm 横(上)12.0cm×(下)11.7cm 奥行(上)8.7cm×(下)7.7cm
底径11.7cm×7.7cm
追 記(H30.12.3)
この記事をアップして直ぐ、酒田の人さんが、ご自身で所蔵している、栗田美術館作成の豪華図録・「伊万里」(定価80.000円也)から、この色絵角徳利の類品が載っているかどうかを探してくれました(^-^;
その結果は、その豪華図録にはこの色絵角徳利の類品は載っていなかったということでした。
しかし、この色絵角徳利の把手と良く似た把手を持つ「伊万里染付山水図角瓶」が載っていることを教えてくれました。
多分、私は、以前、その「伊万里染付山水図角瓶」の把手を見ていて、その印象が強かったので、栗田美術館にも、この色絵角徳利の類品があったものと錯覚したのだろうと思います(-_-;)
ちなみに、その「伊万里染付山水図角瓶」は、先日、栗田美術館を訪れた際に見てきています。
なお、この豪華図録・「伊万里」に載っている「伊万里染付山水図角瓶」の解説では、「把手」は「摘み」としてあり、その「摘み」は、「松の摘み」となっています。
私は、これを、「古木にキノコが生えた状態」と思い込んでいましたが、「老松に松葉」が正解と考えます。
従いまして、この色絵角徳利の把手(摘み)につきましても、形としては「老松に松葉」としてご覧いただければ幸いです。
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*古伊万里随想48 色絵角徳利 (平成30年12月1日登載) (平成30年11月筆)
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松竹梅文の面 | 山水文の面 |
先月(平成30年10月)のこと、私がいつも行っている古美術品交換会に古伊万里色絵角徳利が登場した。
なかなかの名品である。「確か、栗田美術館に類品があったな~!」との思いが頭をよぎる。
しかし、注口の口縁の約三分の一ほどに欠けがあり、汚れも酷く、底部など特に酷く、漂白剤に漬けても綺麗な姿を現すかどうかも分からない状態である。
そんな状態の物であるし、最近では古伊万里も安くなってしまっているので、それほど高額にならないで落札されるであろうと高を括ってセリに臨む。
セリに臨んだ皆も思いは同じだったようで、それほど高い値段でもないところで私が付けた値段が最高値となった。「やれやれなんとか手に入るか」と安心した。
ところが、売主が、「そんな安い値段では売れない!」と主張。
売主も、その角徳利の良さを十分に承知していたわけである。
私としてはガッカリである。やっと手に入ると思ったのに・・・・・。
しかし、このような物は滅多に出て来ないものであり、ここで逃したら、もう永久に手に入らないだろうと思うと、なんとしても手に入れたいとの思いが強くなるばかりである。
そこで、私は、食い下がりに出る。売主に、「あといくら出せばよいのか」と。
しかし、私の買いたい値段と売主の売りたい値段とには開きがありすぎ、話はまとまらない。
そうこしているうちに、古美術品交換会の会長が、「それでは、売主の売りたい値段と買主の買いたい値段の中間をとって〇万円で決着させてはどうか」と提案。
双方、それでよしとなり、やっと私が入手できることとなった(^-^;
喜び勇んで帰宅し、さっそく、バケツに水を張り、その中に角徳利を沈め、漂白剤を入れ、漂白作業にとりかかる。
2~3日経ってバケツの中から取り出すと、だいぶ綺麗になっていた(^-^;
でも、良いことばかりではなかったのである(><)
欠けは、注口の口縁部分だけばかりかと思っていたが、把手部分の「キノコ」の先端に2mmほどの欠けもあったことが分かったのである。
また、何個所かの本焼の際に生じた窯疵が、厚い緑釉で覆い隠されていることもわかった。しかし、本焼きで生じた窯疵を色絵の緑釉等を厚く塗ってその疵を上手に覆い隠すことは、古伊万里ではよくやられていることなので、これは、疵ではなく窯疵に属するから問題ではない。むしろ、この角徳利が本物の古伊万里であることの証明にもなろう。
更には、汚れが酷かった時には気付かなかったが、底部にニューが出現した。しかし、この程度のニューは、私にとっては許容範囲内である。
疵等の全容が分かったので、今度は、注口の口縁部分の欠けと把手の「キノコ」部分の小さな欠けの補修作業にとりかかることに・・・・・。
私も、昔は、よく欠けた部分の補修をしていたが、最近では、欠けのある古伊万里を買ってきていないので(無疵の物のみを買ってきているわけではなく、欠けのある物も買ってはきているが、既に補修済みの物を買ってきているからである)、補修作業は久しぶりである。
先ずは「下地」作りからスタートする。私の場合は、昔は、「下地」作りに白セメントを使って行っていた。だが、これだと、硬化するまでに時間がかかるし、せっかく出来上がったかな~と思っても、接着力が弱いので、剥げ落ちる場合があるという欠点がある。
これについては、最近、ブログ「野良仕事・ガラクタ・骨董・マニアの独り言」の管理人のpadaさんが、パテを使用していることを知ったので、私もそれを使って「下地」を作ってみようと思いたち、さっそくホームセンターに・・・・・。しかし、店内を捜しても、具体的にはどんな物なのか良く分からない(><)
それで、いったん家に戻り、padaさんにメールをし、教えてもらってから再度来店することに。
幸い、padaさんは、ご丁寧にも写真まで添えて教えてくれたので、再度ホームセンターに赴き、目的のパテを手に入れることが出来た。
初めてのパテ使用による「下地」作りだったが、上手にはできなかったけれども、なんとか、出来上がった。
その後、十分に硬化したところで水彩絵の具で色を塗り、ちょっと見には疵が分からない程の状態とした。最初にしては、まぁまぁの出来であろう(^^;
補修が終ると、今度は、この角徳利の類品が展示してある栗田美術館に行き、その類品と対面したくなる。
そこで、今月(平成30年11月)の中旬のこと、お天気の良い日を見計らい、早く類品と対面したく、また、栗田美術館に行くのは久しぶりなので、いそいそと、ルンルン気分で向かう。
ところが、栗田美術館の駐車場に到着し、以前とは何か状況が違っていることに気付く。
広い駐車場には車が少なく、ガラ空き状態なのである。土曜日なのに・・・・・。
昔、故栗田館長さんがご存命の頃は、土曜日ともなれば、かなりの数の観光バスも訪れ、相当数の車が駐車していたものである。
また、駐車場脇にある大きな「世界陶磁館」という名前の二階建ての建物の一階部分は土産売り場になっていて、そこには、常時、多くの人が訪れていたものであるが、その「世界陶磁館」という建物は閉鎖されていて閑散としている。
それに、館の敷地内に入れば、入ってすぐ右側にある大きな売店も開店休業状態で、ほんの一部のスペースのみで細々と営業を続けているにすぎない。
食事をとったり休憩したりすることが出来た、古民家を移築して作った「栗田山荘」も閉鎖中であり、「無名陶工祈念聖堂」(ここにも展示スペースがあった)も閉鎖中である。
大きな展示スペースを持つ「陶磁会館」という二階建ての建物に至っては、二階部分が或る団体のイベント用に貸し出されていて、その二階部分には古伊万里が展示されていないのは勿論であるが、入室さえ出来ない状態になっていた。
ということで、総体として、入館者は少なく、閑散とした状態であり、以前と比べて、展示スペースが減少していて、展示品数も少なくなっていることに気付いたのである。
結局は、お目当ての角徳利の類品とは対面することもなく終わってしまった。
この角徳利の類品が栗田美術館に存在していたと思ったのは私の記憶違いなのだろうか・・・・・。もともと、この角徳利の類品は栗田美術館には所蔵されていなかったのであろうか・・・・・。
或いは、展示スペースが減少したため、この角徳利の類品は、現時点では収蔵庫にでも収納されていて、見ることが出来なかったのだろうか・・・・・。故栗田館長さんは、所蔵品は全て展示するという方針だったので、それは考えられないことだけれども・・・・・。
わざわざ栗田美術館まで出向いたわけであったが、結局は、この角徳利の類品と対面出来なかったことに加え、栗田美術館がすっかり勢いをなくしてしまっていることを知り、落胆し、暗澹たる気持ちで家路についた。
追 記(H30.12.3)
この記事をアップして直ぐ、酒田の人さんが、ご自身で所蔵している、栗田美術館作成の豪華図録・「伊万里」(定価80.000円也)から、この色絵角徳利の類品が載っているかどうかを探してくれました(^-^;
その結果は、その豪華図録にはこの色絵角徳利の類品は載っていなかったということでした。
しかし、この色絵角徳利の把手と良く似た把手を持つ「伊万里染付山水図角瓶」が載っていることを教えてくれました。
多分、私は、以前、その「伊万里染付山水図角瓶」の把手を見ていて、その印象が強かったので、栗田美術館にも、この色絵角徳利の類品があったものと錯覚したのだろうと思います(-_-;)
ちなみに、この「伊万里染付山水図角瓶」は、先日、栗田美術館を訪れた際に見てきています。
なお、この豪華図録・「伊万里」に載っている「伊万里染付山水図角瓶」の解説では、「把手」は「摘み」としてあり、その「摘み」は、「松の摘み」となっています。
私は、これを、「古木にキノコが生えた状態」と思い込んでいましたが、「老松に松葉」が正解と考えます。
従いまして、この色絵角徳利の把手(摘み)につきましても、形としては「老松に松葉」としてご覧いただければ幸いです。
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