今回は、「伊万里 染錦 松竹梅文六角形植木鉢(大中小・三個組)」の紹介です。
これは、昭和56年に買ってきたものです。
当時は、伊万里なら何でもいいという感じで、特に、伊万里でも珍しいものなら何でもいいという感じで買い集めていました。
これも、コレクションノートを見てみますと、最初は、昭和56年の2月に傷のある「中鉢」だけが売りに出されていたことがわかります。私としては、「伊万里の植木鉢というのも珍しいな~」と思って、傷があるにもかかわらず、さっそく飛びついたわけですね。
ところが、その1ヶ月後、今度は、「大鉢」と「小鉢」が売りに出されたんです。それらには傷がありません。売りに出したのは、「中鉢」を売っていたのと同じ骨董屋です。
骨董屋としては、「大中小の三個組」としてセットで一緒に売りに出しては、「中鉢」に傷があるからという理由で、買うのを拒否されたり、或いは、酷く値切られたりしますから、それを恐れ、先ず、傷物の「中鉢」を処分してしまおうと思って、傷物の「中鉢」だけを先に売りに出したんですね。私は、まんまと、それに引っかかったわけです(__;)
翌月になって無傷の「大鉢」と「小鉢」が売りに出されたわけですが、私としては、これを買えば、「大中小の三個組」になるわけですから、当然買いたくなるわけですよね(^_^;
というわけで、私としては、骨董屋にしてやられたな~という思い出のある買い物でした(__;)
では、その、「してやられた」という伊万里の写真をさっそく紹介いたします。
伊万里 染錦 松竹梅文六角形植木鉢(大中小・三個組)
三個を並べたところ
三個を重ねたところ
大鉢の松の面
大鉢の竹の面
大鉢の梅の面
大鉢の見込み面
大鉢の底面
中鉢の松の面
中鉢の竹の面
中鉢の梅の面
中鉢の見込み面
大きく傷があります。
傷は私が接着剤で補修しましたが、今では黄ばんでしまって、汚らしくなってしまいました(__;)
中鉢の底面
小鉢の松の面
小鉢の竹の面
小鉢の梅の面
小鉢の見込み面
小鉢の底面
製作年代:江戸時代後期
サ イ ズ: 大……最大口径;20.0cm 高さ;16.9cm
中……最大口径;16.5cm 高さ;13.7cm
小……最大口径;12.7cm 高さ;10.8cm
骨董屋の親爺が企んで売ったのも頷けます(^.^)
この三ッ組植木鉢も、Drの下で、所を得たりと満足していることでしょう。
こうなったら、園芸プロの誰かさんに、とっておきの花木を入れていただいたらどうでしょうか。
大 中 小組だったのですね。
骨董屋さん 上手い売り方ですね。
でも 次DRさんが買いに行かれたとき
どんな顔をなさるんですか?
飾ってずっと見ていたい気持ちになります。
骨董屋の親爺も、私の性格を飲み込んでいて、最初から傷ものを混ぜていては、買わないと断られるとか、大幅に値切られるので、先ずは傷物だけを売ることを企んだのでしょう(^_^;
その後、大傷のあるつまらないものを買ってしまったな~と思い、押し入れに入れっぱなしにしました。
今日、久しぶりに対面し、まぁまぁな物だったんだな~と安堵しています😃
お客の性格をよく呑み込んでいるんです。
ですから、翌月、私が買いに行ったときも、当然、買うだろうことを見越していました。
「作戦に引っかかったなっ、、」という顔をしていました(笑)。
こちらも、それに応じ、値下げ交渉の材料としました(笑)。
これ、綺麗過ぎますから、植木鉢にするよりは、飾って、観て楽しんだほうがよさそうですよね😃
江戸後期の色絵となると、意外な珍品なのかも知れませんね。
それにしても、骨董屋の親父さんはさすがに商売上手ですね!
やはりこういった海千山千の商売人と渡り合わないとドクターさんのような目利きにはなれないことを痛感しました。
江戸の終わりに、盆栽ではないようだからどんな植物を植えたのでしょう?
舶来の珍しい植物を念頭に、入れ子式に作者も相当力を入れたのでしょうか?
骨董屋の親父は、海千山千の者が多いですものね。
先ずは傷物を出して反応を見ているんですよね。
それで、「売れた!」となったので、今度は、強気で、残りの無傷のものを出してきたんですね。
骨董屋のよくやる手ですが、お陰で、結果的に、珍しい三つ組を手に入れることが出来ました。
私の行っている古美術品交換会も、プロの方のほうが多いですから、プロの仕入れの場みたいなところがありますので、海千山千の者の集まりのようなところです。
そんなところで揉まれ鍛えられないと、目利きかどうかはともかく、良い物を安くは手に入らないですね。
もっとも、私は、このような赤色よりも、もう少し古い柿右衛門様式の赤色の方が好きですし、更に古い古九谷様式の赤色のほうがもっと好きですが😃
考えてみると、こんな派手な器では、植木鉢には向かないのではないかと思うんです。
これじゃ、植木鉢のほうが目立ってしまって、これに植えるような植物がないんじゃないかと思うんですよね。
この器、使った形跡もないようですから、最初から植木鉢として使う意図がなかったのかなと思うんです、、、?
最初から、飾るために作られたのかもしれませんね、、、?
ここを見ると江戸の人の鉢物ヘの関心がわかりました。
やはりこの植木鉢は、実用を念頭に作られたものだと思いました。
さっそく拝見しました。
江戸後期になりますと、鉢植えなど、今以上に盛んだったんですね。
植木鉢も、今などよりも立派なものが沢山作られたんでしょうね。
この植木鉢も、植木鉢として作られたものであることがよく分かりました。ありがとうございました😃