Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

色絵 布袋人形 根付

2021年07月06日 18時38分47秒 | 古伊万里

 今回は、「色絵 布袋人形 根付」の紹介です。

 一昨日は、「痩せた布袋」ならぬ「俊寛」を紹介しましたが(笑)、今回は、本物の「布袋」の紹介です(^_^)

 伊万里では、実にいろんなものを作っていますが、伊万里の根付というのは珍しいと思います。しかも、布袋の根付とあってはなおのこと珍しく、珍品だろうと思います。

 ところで、この根付は、印籠を帯にかけてさげる際に使用したものでしょうか、それとも、布袋様だから、巾着をさげる際に使用したものでしょうか。私なら、貧乏人なので、文句なしに巾着をさげる際に使用したことでしょう(^-^*)

 この顔を見ていますと、なぜか、お宝を運んで来てくれそうに思えてくるから不思議です。くったくのない顔をしていますよね。手擦れで、目はほとんど消えかかっているんですが、それでも、少し残った目は、柔和に語りかけてきます。「何がほしいんだ!」、「そうか、古伊万里か!」、「では、この大袋から取り出してしんぜよう!」と、、。 まるで、ドラえもんです!

 昔の人も思いは同じだったのだろうと思います。現代人がドラえもんに心惹かれるのと同じように、、!

 なお、ここでちょっと脱線ですが、この「色絵 布袋人形 根付」を買ってきた際には、ちょっとした思い出があります。

 私はいつも、買ってくるとすぐ漂白剤につけたり、洗剤で洗ったりするくせがあるんです。綺麗好きというのでしょうか、潔癖症とでもいうのでしょうか、どうしても、一度、洗わずにはいられないわけです(~_~;)


 汚れがひどい時は漂白剤、それほどでもない時は洗剤です。ところで、またまた脱線ですが土器や陶器の場合はこんなことをしてはだめですね。土器なんかはバラバラになる可能性がありますし、陶器の場合は時代の良さが消えてしまうからです。
 話を元に戻しますと、この「色絵 布袋人形 根付」の場合はそれほど汚れていなかったものですから、さっそく洗剤で洗いはじめました。そうしましたら驚きです! 目を描いた黒や胴体に描かれた文様の赤が一部薄くなってしまったんです。何度もこんな目にあっているのですが、なかなか買う時には発見できないものなんですよね。補修の仕方が上手なものですからね! でも、結果的には、まあまあ目を描いた黒も少々残っていましたので助かりました。むしろ、手擦れの部分が薄くなった感じが出てきて、時代を感じさせるようになりましたから、買った時よりも良くなったと思っています。怪我の功名というやつですね。 

 そうはいっても、私はごまかしはきらいです。私は、傷があったってかまいはしないのですが、傷は傷としてわかるように補修すべきだと思っているんです。長い間、美しいから大切にされ、愛されてきたんです。傷を受けたその過程までがその器物の履歴ですし、良さだろうと思っているんです。そうした過去を持った器物そのものの美しさを愛したいんですよね。無傷無欠点ばかりを展示する美術館もありますが、それはそれ、お金をとってまで人様にお見せするんですから、あたりまえといえばあたりまえの話ですものね。私のように、自分だけで見て楽しんでいる分には傷など許せるわけです。もっとも、貧乏コレクターの生活の知恵でもありますが、、、。

 そのような考えは、大袈裟に言えば、一種の哲学と言えるかもしれませんが、長いことやっていますと、自分の信念みたいなものは出てきますね。自分の環境に合わせた、一つの、ちっぽけな、とるに足らない考えではありますが、出てくるわけです。もっとも、もし、私が今、急に大金持ちにでもなったら、今度は無傷無欠点礼賛者になるかもしれません(笑)。人間の考え方なんて、そんなものかもしれません(~_~;) すぐ変わってしまうんです(~_~;) 人間の考え方なんて、所詮、自分の身の丈からは、はみ出せないものなのかもしれません(笑)。

 だいぶ前置きが長くなってしまいました。それに、愚痴のようなものまで出てきてしまいました(~_~;) それでは、そろそろ、この「色絵 布袋人形 根付」の画像を紹介いたします。

 

 

色絵 布袋人形 根付

 

正面

 

 

右側面

 

 

背面

 

 

左側面

 

 

底面

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代中期  

サ イ ズ : 高さ;3.6cm 幅;4.5cm


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Dr.kさんへ (遅生)
2021-07-06 19:02:29
またまた小さな逸品ですね。

軍配、宝珠も健在です。
何よりも、布袋さんの表情が抜群。
この品が妙に小綺麗だったら、むしろ違和感があると思います。印籠で擦れがないものはアブナイです(^^;

今回は間違いなく、後出しジャンケンはありません(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-07-06 19:18:18
軍配と宝珠がはっきり残っていたのが良かったです(^_^)
ただ、「目」は、肉眼では、笑っている痕跡が分かるのですが、写真では、ちょっと見づらく、想像していただかなければならないのが残念です(~_~;)

そうですよね。このような物は、妙に小ぎれいなのはアブナイですよね(^_^)

いろんな物が存在する故玩館にも、これに類した物はなかったですか(笑)。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2021-07-06 22:53:47
伊万里では根付も作ったんですね!、初めて知りました
磁器の根付の大きな問題点は落ちたら割れるという点のように思えますので
残っていること自体が奇跡的なのかも知れません。

色使いが古九谷風なのも点数が高いように思います
さすがにドクターさんの収集品ですね!
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2021-07-07 09:36:01
「古伊万里再発見」という本には、根付、緒締玉、襖の引手、将棋の駒等など、いろんなものが載っていますね。
このうち、緒締玉はまだ所持していませんが、なんとなく、手に入りそうな気がしますので、今度は、それを狙っています(^_^)
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