我が家に、古伊万里の釘隠しが２個あります。
それは、「伊万里色絵雲龍文釘隠し」です。
今から２９年前の平成２年に東京の骨董屋から買てきたもので、我が家の１０畳の和室の長押（なげし）に飾ってあります。
１個（釘隠しＡ）は、１０畳の和室の北側の長押に飾ってあります。
もう１個（釘隠しＢ）は、その反対側の 南側の長押に飾ってあります。
ところで、「釘隠し」とは、辞書などによりますと、「長押（なげし）などに打った釘の頭を隠すため、その上にかぶせる飾りの金具」とありますから、普通は金属製のものが多いようですので、このように陶磁器製のものは珍しいようです。
買ってきた当初は、汚れが酷く、裏面には長押に貼り付けるためのニカワのような物が付着していました。また、頭頂部には竹釘でも刺すためのものか、小さな穴があるんですが、それもニカワのような物が付着して目詰まりしていました。
そこで、漂白剤に漬けて汚れを落とし、裏面に付着していたニカワのような物も、できるだけ慎重に剥がし、小さな穴に付着したニカワのような物も除去して目詰まりをなくして穴を復活させました。
左（釘隠しＡの表面） 右（釘隠しＢの表面）
左（釘隠しＡの裏面） 右（釘隠しＢの裏面）
釘隠しＡの表面
釘隠しＡの頭頂部の小さな穴 （表面側）
釘隠しＡの裏面
釘隠しＡの頭頂部の小さな穴（裏面側）
釘隠しＢの表面
釘隠しＢの頭頂部の小さな穴 （表面側）
釘隠しＢの裏面
釘隠しＢの頭頂部の小さな穴（裏面側）
本来は、釘隠しは、裏面にニカワのような物を塗って長押に貼り付け、更に、ずり落ちないようにするため、頭頂部の小さな穴に竹釘のようなものを刺し入れ、それを長押に打ち込んでいたようですね。
我が家では、頭頂部の小さな穴に金属の釘を差し込み、その釘で長押に引っ掛けて飾っているだけのため、本来の位置よりはずり上がっています（一番目と二番目の写真参照）。本来ですと、長押の真ん中に位置するわけです。
なお、この釘隠しですが、このように立派なものは珍しいようで、私は、その後、このように立派な物に出会ったことがありません。
恐らく、どこかのお城か大名屋敷にでも使われていたのではないかと思っております。
私は、この和室で本を読んだりして過ごしていますが、常日頃、そのように思っていることもあるのでしょう、好きな戦国時代の歴史小説などを読んでいて、ふと、長押に目をやり、この釘隠しと目が合うと、自分が大名屋敷で書見をしているような錯覚を覚えます(^^;
一瞬、私を大名気分にしてくれるんです(^-^;
製作年代： 江戸時代中期
大 き さ ： 長径・・・釘隠しＡ、Ｂ共に10.3ｃｍ
私は、買ってくると、直ぐ、汚れの酷いものは漂白剤に入れて綺麗にするんです。
陶器の場合は、時代の景色などが失われますのでやりませんが、磁器の場合は綺麗にする方が多いようですね。
「釘隠し」など、外国にはないですよね。いかにも日本的ですよね。
そんなことも気に入って買てきました(^-^;
つや姫日記さんは、辰年生れですか。
古伊万里には、龍を描いたものは結構多いんですよ(^-^;
読書で疲れた時など、長押に目をやると、この釘隠しの龍と目が合います(^-^;
そうすると、時空を超え、一瞬、江戸時代にタイムスリップし、しかも、自分が殿様にでもなっている感じになります(^-^;
そんなことも、古伊万里を身近に置いておく効能かもしれません(^-^;
釘隠し。。。なんて奥ゆかしい日本の文化。
辰年と言うことも有り龍には目が行きます。
綺麗にお掃除もされたのですね。
読書の合間になげしに目をやれば。。。ほんとうに素敵な生活をなさっていますね。
Unknownさんは、釘隠しを集めようと思ったんですか。
私は、釘隠しを集めようとしたわけではないんですが、たまたま、骨董屋で目にしましたのでこれを手に入れたわけです。
古伊万里で釘隠しは珍しいなと思って買ったわけです。
その後、滅多に、古伊万里の釘隠しは見かけませんね。
私としては、釘隠しに人気があるので市場に出回らないのではなく、もともと、残存数が少ないからではないかと思います。特に、古伊万里が好きな者にとって、わざわざ、古伊万里の釘隠しなんかに興味を持つ者は少ないと思うからです。同じ古伊万里なら、皿や壺を集めたくなりますから、、、。
そんなことで、ひょっとして、釘隠しが突然市場に出てくるかもしれませんね(^-^; その時は、頑張って手に入れてください(^-^;
ところで、裏面がかなり酷い件ですが、どうなんでしょうね？
私は、実際に使用されて長押から剥がされた釘隠しの裏面を見たのは、この釘隠しだけですから、確かなことは言えませんが、こんなものでいいのかな～と思っています。
実際に釘隠しとして使用する際には、裏面にニカワのようなものを塗って長押に貼り付けるわけで、長年使用した後に剥がした時は、長押の木片やニカワのようなものが釘隠しの裏面に付着すると思うからです。
うらはかなりひどいですけど、これは前の持ち主さんが別の用途に使ったからではないでしょうか。
私も釘隠しを集めようかと思っていましたが、人気なのかなかなか手に入らないので諦めました^^;
もっぱら有名寺院の釘隠しを眺めて満足しています(*^_^*)
再度のコメント、ありがとうございます。
ＨＰを始めた頃は、ＨＰの容量の無料枠の25メガ以内でやっていましたので、写真もケチケチして小さくしてアップしていました。
これについて、以前、ミーコさんからアドバイスをいただいたことがありましたよね。
「以前の小さな写真を大きく撮り直してアップし直しては」と、、、。
それについて、「それも私のＨＰの歴史でもありますから、小さなままにしておこうと思います」と、、、。
ＨＰを止めた今となっては、これまでのＨＰにこだわる必要がなくなりましたので、今後は、ミーコさんのアドバイスを取り入れ、優品というわけではないんですが、過去に取り扱った古伊万里も、写真を撮り直して、ブログを通してアップしていこうと考えたところです。
そうすれば、自分としてはアップしたくもないような古伊万里をアップしなければならないような場面もなくなり、気分良く古伊万里の美について発信していけるな～と思うようになったからです。
そんなことで、既にお目汚しのものが再登場しますが、写真は撮り直しが多いですから、引き続き、宜しくお願いしますネ(^-^;
Drさんは、優品を一杯持っておられますもの、ず～～～～っと楽しませて下さいネ。
京都のお寺には、取手がすべて古伊万里のところがあるんですか！
私は、かつて、九陶に行ったとき、九陶のドアの取手（？）が見事な色絵の伊万里で出来ているのを知り、感動したことを覚えています。さすが、九陶だと思いました。
古伊万里の釘隠しは初めて見ましたか、、、。
数は少ないようですが、存在はするようです(^-^;
ホームページを運営していました時は、アップすべき古伊万里も残り少なくなってきましたし、また、正直のところ、残りのそれらを是非積極的に紹介したいという意欲も薄らえてきてしまっていました（＞＜）
その結果、最近では、お座なりの紹介になってきていました。また、更新が、ちょっと、苦痛でもありました。
その点、ホームページを止めた今は、過去にホームページで紹介した古伊万里を再度紹介出来ますので、楽になりました(^-^;
これからは、以前、ホームページで取り上げた古伊万里が再び登場することが多くなるかと思いますが、引き続きご覧いただければ幸いです(^-^;
「おついたち」ですね。
型押しであっても、絵付けによって（竜の目で、やさしさが大分違うようで、楽しいです。）
京都のお寺で、取っ手がすべて
古伊万里である所があります。（何処か忘れましたが）釘隠しは、磁器では初めて拝見しました。
読書も楽しからずや！ですね。
滅多に市場に出てきませんし、本にも滅多に登場しませんものね。
滅多に存在しないということは、特注品だったため、もともと数が少なかったんでしょうね。
それに、建物が取り壊される時に、一緒に廃棄されてしまっているので、ほとんど存在しないのかもしれませんね。
私も、滅多に見ていませんが、その場合でも、この私の所有している釘隠しよりは劣っていました。自慢話になって恐縮です（＞＜）
襖の引手は何度か見ていますが、これまで、あまり良い物は見かけませんでした。
図録などに出てくるような良い引手を密かに狙っているんですが、まだ、そのチャンスに恵まれません（＞＜）
確かに、滅多に見かけませんものね。
型押しで作っているんでしょうけれど、凹凸が深く、立体的ですよね。手抜きしないで作っているんですね。
私も、そんなところにも惹かれています(^-^;
まさに珍品です。
見たのは初めて～本でもお目にかかってません！
最初の写真では根付かと思いました特注品ですね。
コメント欄にある「引手」ならば染付のモノを老松で見掛けましたが、小さなわりには「小一万」程のプライスでしたのでスルーしました。
あまり見ない用途の古伊万里を入手したら気分が揚がりますね。
珍品ですね。
しかも彫が深くて立体的な龍と波がよいですね。
日々の研鑽というか、皿や壺は勿論のこと、古伊万里なら何でも好き、という結果がもたらしたものです（笑）。
でも、流石に、染付や色絵の素晴らしい古伊万里の便器も目にしてはいますが、それは入手しておりません（＞＜） もっとも、最近では、それさえ目にしなくなりましたね。
ただ、↑ の遅生さんへのリコメでも書きましたが、襖の取手には古伊万里の優品が存在することを知っていますので、秘かに狙ってはいるんですが、なかなか出会えません（＞＜）
夢のまた夢で終わりそうです（涙）。
こういった品を普通に購入できるところがドクターさんの凄いところではないでしょうか。やはり日々の研鑽が重要であることを再認識した次第です。
それにしても素晴らしく手の掛かった品で、大名や豪商以外には入手不能な品だと思います。
あまりの誉め言葉に舞い上がっております(^O^)
大名道具とは言えませんが、釘隠しにも、こんなものがあったのかと、しかも、それを所有しているということに自己満足しております。
他に、襖の取手にも古伊万里で作った優品が存在するんですが、残念ながら、それは所有しておりません（＞＜）
何時の日にはと、狙ってはいるんですが、夢のまた夢になりそうです。
豪華漆器や魯時計など、おどろおどろしい品ばかりがやかましく言われますが、こういう物こそ、大名道具の名にふさわしいと思います。
さすが、古伊万里博士、恐れ入りました。