「ヒトは食べられて進化した」(ドナ・ハート&ロバート・W・サスマン著 伊藤伸子訳 化学同人 2007年7月1日第1刷発行)を読みました。
この本は、先日、gooブログで「今日のころころこころ」を書いておられる「うさぎ」さんが紹介していたものですが、私も、面白そうだな~と思いましたので、図書館から借りてきて読んだものです。
私は、漫画「はじめ人間ギャートルズ」の影響を受けてか、人類の祖先は「狩猟生活者」だったというイメージを抱いていました。
もっとも、このことは、この本の末尾の「解説」の中に、「本書の題名を見てすぐ頭に浮かんだのは、Man the Hunter(人間ー狩りをする者)という本のことである。1968年に刊行されたこの本は、二十世紀中盤に行われた狩猟採集民に関する研究の集大成で、それまでの人間観をひっくりかえすほどの影響力をもっていた。」 と書かれていますので、私にとっても、漫画「はじめ人間ギャートルズ」よりも「Man the Hunter(人間ー狩りをする者)」という本の影響のほうが大きかったのでしょう。
ところが、この本では、その題名から分かりますように、人類の祖先は、実は、1文字違う「Man the Hunted(人間ー狩られる者)」だったと再定義されるべきだと主張しているわけです。
そして、「筆者が人類進化に関してよりどころとするのは、ただ二つの情報源、化石証拠と現生霊長類だけである。この二つをもとに、先史時代の人類に対する見方をがらりと変えてしまうような説を論証していくつもりだ。(P.13)」として、豊富な化石証拠と多くの現生霊長類に関する観察記録を基に、その論拠を展開しています。
なお、この本の「はしがき」には、次のようなことが書かれていました。
「最後に一つ、本書でとくに確認しておきたいことがある。われわれ人類は大量殺戮をするような生まれついての殺し屋ではない。よくない行いをしたり、悪意のあるふるまいや残虐な行為に走ることはままある。だがそれは自らが判断を下してそうしたのであり、二足歩行をする霊長類という進化上の身分ゆえに生じた行動ではない。これははっきり言い切れる。・・・(xvii)」
この本を読み、「われわれ人類は大量殺戮をするような生まれついての殺し屋ではない。」ことに思いを致し、今行われているウクライナ戦争が、平和りに速やかに終結されることを祈るものです。
弱肉強食の世界~肉にならない為には力を、知恵を使いますよね。これに優れているから人間は生き延び、今が有るんでしようか?この力が有り余っている?と言う人、つまり異常者が過激な行動に移るんでしょうね?
ひ弱な人類は、知恵を使って生き延びてきたわけですから、また、知恵を使って生き延びていくのではないかと思うんです。
一部の異常者は排除されるのではないかと思うのです。
人類が、進化の過程から消滅してしまうには、まだ早すぎると思うのです。
ヒトの最後の敵はクマで、それに勝って人類の世になった、と何かで読んだ記憶があります。
この本では、ヒトの最後の敵はクマだったとは書いてありませんでした。
普通に、陸上ではライオンやトラやクマなどだったとしていますし、水中ではワニやヘビなどだったとしています。また、空中からの敵としては大ワシなどがいたとしています。