今回は、「伊万里 染付 雪輪文蓋付飯茶碗」の紹介です。
この茶碗も、昭和55年に(今から40年前に)買ってきたものです。
1個1,000円でした。どういうわけか、飯茶碗というものは、昔から安かったんですよね。でも、古伊万里としては、こんな魅力的なものを黙って見過ごす手はありませんから、すかさず購入したわけです。
ただ、2個売られていましたが、1個は、甘手なうえに、本体と蓋が当初のものではなく、後世になって、適当に合わせられたものなので買わなくともよかったんですが、2個になれば対になりますし、どうせ安いのだからと、2個まとめて買ったものです。
伊万里 染付 雪輪文蓋付飯茶碗
一対
左:茶碗A 右:茶碗B
茶碗A(立面)
本体と蓋が当初のものではなく、後世になって、適当に合わせられたものなので、茶碗Bと比較すれば分かりますように、蓋が本体のもう少し奥のほうにまで達せず、茶碗Bよりもちょっと浮き上がって見えます。
茶碗A(蓋を外したところ)
少し甘手なようで、貫入が見られます。
また、本体の見込み面の文様と蓋裏の文様が違っているので、本体と蓋は当初からのものではなく、後世になって合わせられたものであることがわかります。
茶碗A(本体と蓋を伏せたところ)
茶碗B(立面)
茶碗B(蓋を外したところ)
本体の見込み面の文様と蓋裏の文様が合致しているので、本体と蓋は当初からのものであることがわかります。
茶碗B(本体と蓋を伏せたところ)
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ
茶碗A: 口径;11.2cm 高さ(蓋共);7.7cm 高台径;4.2cm
茶碗B: 口径;11.2cm 高さ(蓋共);7.4cm 高台径;4.4cm
本体も、蓋も、ほんのわずかしか違いませんから。
やっぱり江戸時代の茶碗は、蓋が少し沈んだB型が正解なのですね。
茶碗Bの本体では、雪輪紋の上に太い葉のようなものが描かれていて不思議です。これは一体何でしょうか。
沢山みていますと、だいたい、少し沈んでいる場合が多いように思いますので。
茶碗Bの本体で、雪輪紋の上に太い葉のようなものが描かれていることに気付かれましたか。鋭い観察ですね(^-^;
これ、実物を直に見ないと分からないと思います。
これは、単なる呉須の流れなんです。
いいかげんな絵付けですよね(-_-;)
呉須でダミ染めするときに、筆に呉須を含ませ過ぎたのか、それが流れてしまっているんです。しかも、はっきりしている個所だけでも5か所あります(-_-;)